JPH0448377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、機体の回転軸部を外側から軸封する
アウトサイド型のメカニカルシールの組付構造に
関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種のメカニカルシールにおいては、
第２図に例示するように、図示しない機体内に挿
通された回転軸１を軸封するにあたり、機体の外
側から装着されるケーシング２側にＯリング３を
介してシールリング４が支持された第１のリテー
ナ５を組付け、かつ、この第１のリテーナ５とケ
ーシング２との間にスプリング６を介装するとと
もに、前記ケーシング２に突出させたドライブピ
ン７により前記第１のリテーナ５を廻し止めして
静止側の固定ユニツトを構成する一方、前記回転
軸１側に、Ｏリング８を介してメイテイングリン
グ９が支持された第２のリテーナ１０を組付け、
かつ、この第２のリテーナ１０を前記回転軸１に
セツトスクリユ１１により固定されるカラー１２
でバツクアツプするとともに、このカラー１２に
突出させたノツクピン１３により前記第２のリテ
ーナ１０を廻り止めして回転ユニツトを構成し、
前記固定ユニツトのシールリング４と回転ユニツ
トのメイテイングリング９とをスプリング６の付
勢力による所定の面圧で弾性的に摺接させるよう
に組付けてなるものがある。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記した従来構造のものでは、
ケーシング２と固定ユニツト３，４，５，６，７
及び回転ユニツト８，９，１０，１１，１２，１
３がそれぞれ別体になつており、ケーシング２に
固定ユニツトを組付けた後、この固定ユニツトに
対して回転ユニツトを組付けるようになつている
ことから、特に、回転ユニツトの組付けにあたつ
て、固定ユニツトと回転ユニツトとの取付寸法長
Ｌを設定するためのセツトスクリユ１１で固定さ
れるカラー１２の固定位置を、予め回転軸１にマ
ーキングしておく必要があり、これによつて、組
付け作業に多大な時間を要するばかりでなく、各
ユニツト部品の取扱いが非常に面倒であるといつ
た問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の事情のもとになされたもの
で、その目的とするところは、取扱いが容易で、
組付け作業時間の短縮化を図ることができるよう
にしたメカニカルシールを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記した問題点を解決するために、本考案は、
機体に装着されるケーシングと、このケーシング
の軸孔開口部に軸方向移動自在に装着され前記開
口部端面にねじ込んだドライブピンで廻り止めさ
れてスプリングでケーシングの外側へ向けて付勢
されるシールリングと、前記軸孔に挿通された回
転軸の外周にセツトスクリユで固定されるカラー
と、このカラーにバツクアツプされるとともに周
方向に係合して前記シールリングに軸方向に対向
密接するメイテイングリングとを備えたメカニカ
ルシールであつて、前記ドライブピンをカラーの
外周側の位置まで延長し、その延長端部に着脱自
在に設けられたセツトプレートを介して、前記カ
ラーをケーシングに対する軸方向所定位置に係止
してなる構成としたものである。

［作用］ すなわち、本考案は、上記の構成とすることに
よつて、運転時にシールリングを非回転状態に保
持するドライブピンが、機体への当該メカニカル
シールの未装着状態においては、セツトプレート
を介してカラーをケーシングに対する軸方向所定
位置に係止し、このケーシングとカラーに間に、
シールリング、メイテイングリングおよびスプリ
ングを含む部品群を、スプリングが所定の圧縮量
となる取付長で予めユニツト化する機能を有する
ため、機体へのケーシングの装着後、およびセツ
トスクリユによる回転軸へのカラーの固定後にセ
ツトプレートを取り外すだけでカートリツジ式に
簡単に組付けることができ、これによつて、取扱
いも容易で、組付け作業時間の短縮化を図ること
が可能になる。

［実施例］ 以下、本考案を第１図に示す一実施例を参照し
ながら説明する。なお、本考案に係る図示の実施
例において、第２図に示す従来のメカニカルシー
ルと構成が重複する部分は同一符号を用い、その
説明は省略する。

すなわち、本考案は、第１図に示すように、ケ
ーシング２に突出されるドライブピン７を回転ユ
ニツトのカラー１２側に延長させるとともに、そ
の延長端部７ａを小径なネジ部７１とする一方、
前記カラー１２の外径部にフランジ部１２ａを突
出形成して、このフランジ部１２ａに、前記ドラ
イブピン７の延長端部７ａ側のネジ部７１にナツ
ト２１を介して固定される２つ割リング状のセツ
トプレート２２を係止させることにより、予め固
定ユニツトと回転ユニツトとをスプリング６が適
正な圧縮状態となる取付長Ｌに予めユニツト化で
きるようになつているものである。このため、第
１図に示すような機体へのケーシング２の装着
後、およびセツトスクリユ１１による回転軸１へ
のカラー１２の固定後にセツトプレート２２を取
り外すだけでカートリツジ式に簡単に組付けるこ
とが可能になり、この装着後は、ドライブピン７
は、本来の廻り止め部材として、運転時にリテー
ナ５を介してシールリング４を非回転状態に保持
するものである。

なお、本考案は、上記の実施例には何等限定さ
れないものであり、本考案の要旨を変えない範囲
で種々変更実施可能なことは勿論である。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、運転時にシールリングを廻り止めするドライ
ブピンが、機体への当該メカニカルシールの未装
着状態においては、セツトプレートを介してカラ
ーをケーシングに対する軸方向所定位置に係止
し、メカニカルシールを構成する全部品を、スプ
リングが適正な圧縮量となる所定の取付長で予め
ユニツト化する機能を兼備するため、機体にケー
シングを固定し、セツトスクリユでカラーを回転
軸に固定してから前記セツトプレートをドライブ
ピンから除去するだけで、正確な取付長で全部品
を一度に装着できるもので、前記スプリングの圧
縮量を考慮しながらカラーを位置決めして固定す
るといつた作業が不要になり、これによつて、取
扱いも容易で、組付け作業時間の短縮化を図るこ
とができるというすぐれた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るメカニカルシールの一実
施例を示す要部概略的断面図、第２図は従来のメ
カニカルシールを示す要部概略断面図である。 １……回転軸、２……ケーシング、４……シー
ルリング、７……ドライブピン、７ａ……延長端
部、７１……ネジ部、９……メイテイングリン
グ、１１……セツトスクリユ、１２……カラー、
１２ａ……フランジ部、２１……ナツト、２２…
…セツトプレート、Ｌ……取付寸法長。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に装着されるケーシングと、このケーシン
   グの軸孔開口部に軸方向移動自在に装着され前記
   開口部端面にねじ込んだドライブピンで廻り止め
   されてスプリングでケーシングの外側へ向けて付
   勢されるシールリングと、前記軸孔に挿通された
   回転軸の外周にセツトスクリユで固定されるカラ
   ーと、このカラーにバツクアツプされるとともに
   周方向に係合して前記シールリングに軸方向に対
   向密接するメイテイングリングとを備えたメカニ
   カルシールであつて、前記ドライブピンをカラー
   の外周側の位置まで延長し、その延長端部に着脱
   自在に設けられたセツトプレートを介して、前記
   カラーをケーシングに対する軸方向所定位置に係
   止してなることを特徴とするメカニカルシールの
   組付構造。