JPH0447763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、磁気記録再生装置に関し、さらに詳
しくは、磁気テープ上の記録トラツクを複数に分
割した各分割トラツクにPCM音声信号を記録・
再生する、いわゆる、PCMマルチトラツク方式
の磁気記録再生装置に関する。

〈従来技術〉 一般に、音声信号をPCM録音する８ミリビデ
オテープレコーダは、第４図に示されるように、
回転ヘツドドラム１にアジマス角の異なる２つの
回転磁気ヘツドＡ，Ｂが設けられており、PCM
音声信号の記録領域を確保するために、磁気テー
プ２の巻き付け角を221度としている。第５図は、
この８ミリビデオテープレコーダの記録パターン
を示す図であり、磁気テープ２の各トラツクTR
の初めの36度分のPCM音声信号記録領域Ｐには、
PCM音声信号が、後の185度分の映像信号記録領
域Ｖには映像信号がそれぞれ記録、あるいは、再
生されるようになつている。

このような８ミリビデオテープレコーダでは、
PCM音声信号記録領域Ｐが限られているために、
音声信号を長時間記録することができない。この
ため、第６図に示されるように映像信号記録領域
Ｖを複数に分割し、各分割トラツクＰ１〜Ｐ６に
もPCM音声信号を記録あるいは再生するように
した、いわゆる、PCMマルチトラツクレコーダ
としての機能を備えた８ミリビデオテープレコー
ダがある。

ここで、第４図〜第６図において、矢符Ｃ，Ｄ
は、磁気テープ２および磁気ヘツドＡ，Ｂの走行
方向をそれぞれ示している。

このようなPCMマルチレコーダとしての機能
を備える８ミリビデオテープレコーダでは、一つ
のトラツクTRに複数のPCM音声信号記録用の分
割トラツクＰ，Ｐ１〜Ｐ６を有するので、長時間
記録が可能であるが、此の記録・再生は、一つの
分割トラツク毎に行なわねばならず、同時に複数
の分割トラツクに記録あるいは再生することがで
きなかつた。このため、複数のソース（音源）、
例えば、テレビからのステレオ放送とラジオから
の音楽を同時に前記複数の分割トラツクに記録あ
るいは再生するというようなことができないとい
う難点があつた。

〈考案の目的〉 本考案は、上述の点に鑑みて成されたものであ
つて、同時に複数の分割トラツクにPCM音声信
号を記録あるいは再生可能な音声専用の磁気記録
再生装置を提供することを目的とする。

〈考案の構成〉 本考案では、上述の目的を達成するために、磁
気テープ上のトラツクを複数に分割した各分割ト
ラツクにPCM音声信号を記録するとともに、該
記録したPCM音声信号を再生するヘリカル走査
方式の磁気記録再生装置において、回転ヘツドド
ラムには、少なくとも４つの回転磁気ヘツドが所
定の間隔をあけて設けられ、前記磁気テープは、
回転ヘツドドラムに少なくとも221度以上に亘つ
て巻き付けられ、前記少なくとも４つの回転磁気
ヘツドによつて複数の分割トラツクに同時に
PCM音声信号が記録あるいは再生されるように
構成している。

〈実施例〉 以下、図面によつて本考案の実施例について詳
細に説明する。る。第１図Ａは、本考案の一実施
例の磁気テープ２の記録パターンを示す図であ
り、第１図Ｂは、その実施例の回転ヘツドドラム
１近傍の平面図である。

この実施例の磁気記録再生装置は、ヘリカル走
査方式であり、矢符Ｄ方向へ回転する回転ヘツド
ドラム１には、４つの第１〜第４磁気ヘツドＡ，
Ｂ，A′，B′が90度ずつ間隔をあけて設けられて
いる。各磁気ヘツドＡ，A′，Ｂ，B′のうちの第
１および第３磁気ヘツドＡ，A′は、アジマス角
が＋10度であり、第２、第４磁気ヘツドは、アジ
マス角が−10度である。

この実施例では、小型、軽量化を図るととも
に、十分な巻き付け角を得るために、回転ヘツド
ドラム１のドラム径は、８ミリビデオテープレコ
ーダのドラム径の2/3、すなわち、デルタφ26.7mm
であり、磁気テープ２の巻き付け角は、８ミリビ
デオテープレコーダの約3/2、すなわち、315度で
あり、さらに、ドラム回転数を８ミリビデオテー
プレコーダの3/2、すなわち、45回転／secに設定
している。

この磁気記録再生装置では、第１図Ａに示され
るように矢符Ｃ方向へ走行する磁気テープ２上の
記録トラツクTRを７つに分割し、この各分割ト
ラツクTR１〜TR７にPCM変調された音声信号
を記録・再生するようにしており、しかも、後述
のように、同時に複数の分割トラツクTR１〜
TR７への記録あるいは再生ができるように構成
されている。これらの各分割トラツクTR１〜
TR７は、磁気テープ２が回転ヘツドドラム２に
巻き付けられた第１図Ｂの状態において、扇形の
各セクシヨン〜にそれぞれ対応している。

第２図は第１図の実施例のブロツク図である。
この磁気記録再生装置は、上述の７つの第１〜第
７分割トラツクTR１〜TR７に対応する７つソ
ース（音源）からの音声を入力するための第１〜
第７入力端子３〜９を備え、さらに、各入力端子
３〜９は、それぞれ、両チヤンネル用の２つの入
力端子を備えている。

１１〜１７は、各入力端子３〜９からのアナロ
グ音声信号を10ビツトのデジタル信号に変換し、
さらに、８ビツトに圧縮し、誤り訂正用の符号の
付加および変調等の所定の信号処理を行なう第１
〜第７記録信号処理回路である。１８は、記録あ
るいは再生しようとする所望の分割トラツクTR
１〜TR７を選択するためのトラツク選択スイツ
チであり、このトラツク選択スイツチ１８は、各
分割トラツクTR１〜TR７にそれぞれ対応する
７つの第１〜第７接点１８ａ〜１８ｇを備えてい
る。このトラツク選択スイツチ１８を操作するこ
とによつて、操作信号がパルスセレクタ２５に与
えられ、これによつて、パルスセレクタ２５は、
所望の分割トラツクに記録あるいは再生するため
の駆動パルス信号を後述のように出力する。

１９は、サーボモータ２０を回転駆動するため
の駆動パルス発生回路であり、この実施例では、
45Hzの駆動パルスを出力する。また、この駆動パ
ルス発生回路１９からは、トラツク切換スイツチ
および記録アンプ備える選択回路２１、フイール
ド切換スイツチ２２および位相同期回路２３に第
３図Ａのヘツドスイツチングパルスが出力され
る。

回転ヘツドドラム１の回転に同期したPGパル
スは、位相同期回路２３に与えられており、この
位相同期回路２３において、PGパルスに同期し
たヘツドスイツチングパルスがパルス発生回路２
４に出力される。このパルス発生回路２４では、
第３図Ｂの基準パルスに基づいて各分割トラツク
TR１〜TR７に記録あるいは再生するための第
３図Ｃ〜Ｊに示される第１〜第８駆動パルス信号
が形成されてパルスセレクタ２５に与えられる。
このパルスセレクタ２５には、上述のようにトラ
ツク選択スイツチ１８からの操作信号が与えられ
ており、この操作信号に対応する分割トラツク
TR１〜TR７への記録あるいは再生のための駆
動パルス信号が選択されて選択回路２１およびフ
イールド切換スイツチ２２にそれぞれ与えられ
る。

選択回路２１は、トラツク切換スイツチおよび
記録アンプを備えており、駆動パルス発生回路１
９からのヘツドスイツチングパルスおよびパルス
セレクタ２５からの駆動パルス信号に基づいて第
１〜第７分割トラツクTR１〜TR７の内の同一
分割トラツクに、同一のソースからのPCM音声
信号が記録されるように各磁気ヘツドＡ，A′，
Ｂ，B′に出力する。

フイールド切換スイツチ２２は、再生の際に、
ヘツドスイツチングパルスおよび駆動パルス信号
ろに基づいて同一の分割トラツクからの再生され
て信号が、対応するスピーカ３１〜３４から出力
されるように再生信号を切換えて出力する。

２６は、第１〜第４磁気ヘツドＡ，A′，Ｂ，
B′からの再生信号を増幅するプリアンプである。
２７，２８，２９，３０は、第１〜第４磁気ヘツ
ドＡ，Ｂ，A′，B′からプリアンプ２６およびフ
イールド切換スイツチ２２を介して与えられる再
生信号の復調、誤り訂正およびＤ／Ａ変換等の所
定信号処理を行なつてアナログ音声信号として出
力する再生信号処理回路であり、３１〜３４は、
再生の際の分割トラツクに対応する両チヤンネル
用のスピーカである。

次に上記構成を有する本考案の磁気記録再生装
置の動作について第１図〜第３図に基づいて説明
する。

先ず、第１、第３、第５、第７分割トラツク
TR１，TR３，TR５，TR７に、同時に別のソ
ースからの音楽を記録する場合について説明す
る。前記各分割トラツクTR１，TR３，TR５，
TR７に対応する第１、第３、第５、第７入力端
子３，５，７，９に前記ソースをそれぞれ接続
し、トラツク選択スイツチ１８の前記分割トラツ
クTR１，TR３，TR５，TR７に対応する接点
１８ａ，１８ｃ，１８ｅ，１８ｇを閉じてオンす
る。これによつて、トラツク選択スイツチ１８か
ら操作信号がパルスセレクタ２５に出力される。

これによつて、パルスセレクタ２５からは、第
３図Ｃ〜Ｆに示される記録のための第１〜第４駆
動パルス信号が選択回路２１に与えられる。この
第１〜第４駆動パルス信号は、第１〜第４磁気ヘ
ツドＡ，Ｂ，A′，B′にそれぞれ対応している。

第１駆動パルス信号の第１のパルスＰ１によつ
て、第１磁気ヘツドＡが第１図に示されるセクシ
ヨンの区間において磁気テープ２をトレース
し、第１分割トラツクTR１にPCM音声信号を記
録する。このとき、同時に、第２〜第４磁気ヘツ
ドＢ，A′，B′は、第２〜第４駆動パルス信号の
第１のパルスＰ１に応答してセクシヨン，，
の区間において磁気テープ２をトレースして第
３、第５、第７分割トラツクTR３，TR５，TR
７にPCM音声信号を記録する。

次のフイールドでは、第１駆動パルス信号の第
２のパルスＰ２に応答して第１磁気ヘツドＡがセ
クシヨンの区間において磁気テープ２をトレー
スして第３分割トラツクTR３′にPCM音声信号
を記録する。このとき、第２〜第４磁気ヘツド
Ｂ，A′，B′は、第２〜第４駆動パルス信号の第
２のパルスＰ２に応答して、セクシヨン，，
の区間においてそれぞれ磁気テープ２をトレー
スして第５、第７、第１分割トラツクTR５′，
TR７′，TR１′にPCM音声信号をそれぞれ記録
する。

以下、同様にして第１〜第４磁気ヘツドＡ，
B.A′，B′によつて同時に４つの第１、第３、第
５、第７分割トラツクTR１，TR３，TR５，
TR７に４つのソースからのPCM音声信号を記録
することが可能である。

このようにして、４つの分割トラツクTR１，
TR３，TR５，TR７への記録が終了し、残余の
３つの第２、第４、第６分割トラツクTR２，
TR４，TR６に音声信号を記録する場合には、
磁気テープ２を巻戻し、３つの分割トラツクTR
２，TR４，TR６に対応する入力端子４，６，
８にソースを接続し、トラツク選択スイツチ１８
の対応する接点１８ｂ，１８ｄ，１８ｆを閉じて
オンする。これによつて、パルスセレクタ２５か
らは、第３図Ｇ〜Ｊに示される記録のための第５
〜第８駆動パルス信号が選択回路２１に与えられ
る。この第５〜第８駆動パルス信号は、第１〜第
４磁気ヘツドＡ，Ｂ，A′，B′にそれぞれ対応し
ている。

第５駆動パルス信号の第１のパルスＰ１によつ
て第１磁気ヘツドＡがセクシヨンの区間におい
て磁気テープ２をトレースして第２分割トラツク
TR２にPCM音声信号を記録する。このとき、同
時に第２、第３磁気ヘツドＢ，A′は、第６、第
７駆動パルス信号の第１のパルスＰ１に応答して
セクシヨン，の区間において磁気テープ２の
第４、第６分割トラツクTR４，TR６にPCM音
声信号を記録する。このとき、第４磁気ヘツド
B′は、磁気テープ２に接触していない。

次のフイールドでは、第５駆動パルス信号の第
２のパルスＰ２によつて第１磁気ヘツドＡがセク
シヨンの区間において磁気テープ２の第４分割
トラツクTR４′をトレースしてPCM音声信号を
記録する。このとき、第２、第４磁気ヘツドＢ，
B′は、第６、第８駆動パルス信号の第２パルス
Ｐ２に応答してセレクシヨン，の区間におい
て磁気テープ２の第６、第２分割トラツクTR
６′，TR２′にPCM音声信号をそれぞれ記録す
る。このとき、第３磁気ヘツドA′は、磁気テー
プ２に接触していない。

以下、同様にして第１〜第４磁気ヘツドＡ，
Ｂ，A′，B′の内の３つの磁気ヘツドによつて同
時に３つの第２、第４、第６分割トラツクTR
２、TR４，TR６にPCM音声信号を記録する。

なお、第３図においては、各磁気ヘツドＡ，
A′，Ｂ，B′がトレースしている第１図のセクシ
ヨンを括弧を付して示している。

一方、再生の場合には、複数の分割トラツク、
例えば、４つの分割トラツクTR１，TR３，TR
５，TR７から第１〜第４磁気ヘツドＡ，A′，
Ｂ，B′でPCM音声信号をピツクアツプし、プリ
アンプ２６で増幅し、フイールド切換スイツチ２
２において、上述の記録のときと同様の第３図の
駆動パルス信号およびヘツドスイツチングパルス
によつて、各分割トラツクに対応する再生信号が
再生信号処理回路２７〜３０に出力されてアナロ
グ音声信号に変換されたスピーカ３１〜３４から
出力される。

このように、４つあるいは３つの分割トラツク
に同時に記録・再生ができるので、従来のように
１つの分割トラツク毎に記録する場合に比べて記
録のための時間が短縮される。さらに、例えば、
４つのヘツドホン端子を設けることによつて、４
人の聴取者が同時に、異なる音楽を楽しむことも
可能である。さらに、この実施例では、回転ヘツ
ドドラム１の径を小さくしているので、小型、軽
量化を図ることが可能となる。

さらに、本考案の磁気記録再生装置で記録した
磁気テープ２をPCMマルチレコーダとしての機
能を備える従来の８ミリビデオテープレコーダで
再生することも可能である。

上述の実施例では、４つ磁気ヘツドＡ，A′，
Ｂ，B′を90度の間隔をあけて設けたけれども、
本考案は、４つに限るものではなく、さらに、多
数の磁気ヘツドを適当な間隔をあけて設けて構成
してもよいのは勿論である。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、磁気テープ上の
トラツクを複数に分割した各分割トラツクに
PCM音声信号を記録するとともに、該記録した
PCM音声信号を再生するヘリカル走査方式の磁
気記録再生装置において、回転ヘツドドラムに、
少なくとも４つの回転磁気ヘツドを所定の間隔を
あけて設け、磁気テープを、回転ヘツドドラムに
少なくとも221度以上に亘つて巻き付け、前記少
なくとも４つの回転磁気ヘツドによつて複数の分
割トラツクに同時にPCM音声信号を記録あるい
は再生するように構成したので、複数の異なるソ
ースからの音楽等を磁気テープの分割トラツクに
同時記録あるいは再生することが可能となり、ま
た、従来例に比べて記録のための時間を短縮する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示し、第１図Ａは
磁気テープの記録パターンを示す図、第１図Ｂは
回転ヘツドドラム近傍の平面図、第２図は第１図
の実施例のブロツク図、第３図は動作説明に供す
るタイムチヤート、第４図ないし第６図は従来例
を示し、第４図は８ミリビデオテープレコーダの
回転ヘツドドラム近傍の平面図、第５図は８ミリ
ビデオテープレコーダの記録パターンを示す図、
第６図はマルチPCM方式の記録パターンを示す
図である。 １……回転ヘツドドラム、２……磁気テープ、
Ａ，A′，Ｂ，B′……第１〜第４磁気ヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気テープ上のトラツクを複数に分割した各分
   割トラツクにPCM音声信号を記録するとともに、
   該記録したPCM音声信号を再生するヘリカル走
   査方式の磁気記録再生装置において、 回転ヘツドドラムには、少なくとも４つの回転
   磁気ヘツドが所定の間隔をあけて設けられ、 前記磁気テープは、回転ヘツドドラムに少なく
   とも221度以上に亘つて巻き付けられ、 前記少なくとも４つの回転磁気ヘツドによつて
   複数の分割トラツクに同時にPCM音声信号が記
   録あるいは再生されることを特徴とする磁気記録
   再生装置。