JPH0447651B2 - - Google Patents

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JPH0447651B2
JPH0447651B2 JP3847984A JP3847984A JPH0447651B2 JP H0447651 B2 JPH0447651 B2 JP H0447651B2 JP 3847984 A JP3847984 A JP 3847984A JP 3847984 A JP3847984 A JP 3847984A JP H0447651 B2 JPH0447651 B2 JP H0447651B2
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JP
Japan
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apioliquiritin
blood
methanol
bleeding
water
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JP3847984A
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English (en)
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JPS60184016A (ja
Inventor
Takuo Kosuge
Kinji Ishida
Michio Nagasawa
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TSUMURA KK
Original Assignee
TSUMURA KK
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Publication date
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  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、式() で表されるアピオリクイリチンを主成分としてな
る血液賦活性作用を有する補気薬である。
漢方において補気薬とは、主として各系統的器
官の生理的な機能が不十分な状態を治療する薬物
で、とくに消化器系と呼吸器系の機能を促進し、
体力を増強するものである。これはこの薬物が漢
方における生体の恒常性を維持する三要素(気、
血、水)のうち、気の不足するとき、その補強、
増加を司る働きを有するためである。そして、本
発明者らは前記三要素のうち、気が不足すると
き、血の生成が少なくなつて気を補うことになる
という観点から、補気作用がマウス切断尾部から
の出血量の減少により計測できることを知見し
た。この薬理実験を指標として補気作用を有する
物質を検索し、チクセツサポニンおよびこれよ
り誘導される化合物を主成分とする血液賦活性作
用を有する補気薬を発明した〔特願昭58−36739
号(特開昭59−163393号公報)、特願昭58−37454
号(特開昭59−163322号公報)、特願昭58−38285
号(特開昭59−164720号公報)、特願昭58−39174
号(特開昭59−164721号公報)〕。
その後、本発明者らは、さらに補気作用を有す
る物質を検索する研究を続けた結果、マメ科
(Leguminosae)のカンゾウ(Glycyrrhiza
glabra)より得た上記式()で表されるフラバ
ン配糖体であるアピオリクイリチンに補気作用の
あることを見い出し、このフラバン配糖体である
アピオリクイリチンが血液賦活作用を有する補気
薬であることを立証し、本発明を完成した。
本発明の補気薬の主成分であるアピオリクイリ
チンは、例えば、カンゾウ(Glycyrrhiza
glabraver.glandulifera)の根を70%メタノール
で抽出し、このエキスをセフアデツクスLH−20
を用いたゲル過クロマトグラフイーに付し、更
にキーゼルゲルHタイプ60を用いた分離クロマト
グラフイーに付し分離精製することにより得られ
ることが知られている〔D.Afchar,A.Cave,et
J.Vaquette:Plantes me′dicinales et
phytothe′rapie 14 P46〜P50(1980)〕。
また、アピオリクイリチンはカンゾウの根およ
びストロンを50%メタノールで抽出し、メタノー
ルエキスから溶剤を留去した後、これをn−ブタ
ノール−水にて分配し、n−ブタノール層から溶
剤を留去し粉末を得、この粉末をn−ブタノール
に溶解してシリカゲルカラムクロマトグラフイー
に付し、クロロホルム・メタノール・水(65:
35:10)を混合して得られる下層溶媒で溶出する
フラクシヨンのうち、薄層クロマトグラフイーで
同一成分の認められるフラクシヨンを更にカラム
クロマトグラフイーに付し、クロロホルム・メタ
ノール・水(65:35:10)で溶出してくるKd値
が0.35に相当するフラクシヨンから再結晶により
得ることができる。
このアピオリクイリチンの製造の具体例を示す
と次の如くである。
具体例 カンゾウの根およびストロンを細切し、さらに
粉末とした後、200gを取り、還流冷却器を着け
たフラスコに入れ、1.2の50%メタノールを加
えて70℃の水浴上で3時間加温抽出した。抽出液
を過した後、減圧下で400mlになるまで濃縮す
ることによりメタノールを完全に除去した後、水
−n−ブタノール(1:1)各420mlで3回分配
した。このn−ブタノール層を、減圧下で濃縮乾
固して14.5gの粉末を得た。
この粉末をn−ブタノール70mlに溶解した後、
シリカゲル40を使用したシリカゲルカラムクロマ
トグラフイーに付し、クロロホルム・メタノー
ル・水(65:35:10)を合せて得られる下層溶媒
で溶出して100mlづつ分取した。得られた各フラ
クシヨンの一部をシリカゲルGを使用した薄層ク
ロマトグラフイーに付し、クロロホルム・メタノ
ール・水(65:35:10)で展開してRf値が0.30〜
0.31を示すフラクシヨンを、更にセフアデツクス
LH−20を用いたカラムクロマトグラフイーに付
し、クロロホルム・メタノール・水(65:35:
10)で溶出してくるKd値が0.35に相当するフラ
クシヨンを減圧下で濃縮乾固して、メタノール−
水を溶媒として再結晶することによりアピオリク
イリチン1.07gを得た。
このようにして得られたアピオリクイリチンの
性状は次の通りであつた。
分子式:C26H30O13 性状:無色粉末晶 元素分析: 計算値(%)C:56.53 H:5.52 実測値(%)C:56.73 H:5.45 融点:142〜144℃(測定値) IR:νKBr naxcm-1 3375,1605,1580,1280,1233,
1120,1065,1040,996 UV:λMeOH naxnm(log ε) 275(4.14),310(3.86
) MS:m/z 550,418,256,163,137,1201 H−NMRδ(ppm)(CD3OD):2.65(1H,dd,J
=17.5Hz,4.0Hz) 3.00(1H,dd,J=17.6Hz,12.4Hz) 5.38(1H,dd,J=12.2Hz,4.0Hz) 6.35(1H,d,J=2.2Hz) 6.49(1H,dd,J=8.8Hz,2.5Hz) 7.09(2H,d,J=8.6Hz) 7.41(2H,d,J=8.6Hz) 7.71(1H,d,J=8.7Hz)13 C−NMRδ(ppm)(d6−DMSO):43.3(t),
60.8(t),64.5(t), 70.1(d),74.0(t),76.2(d,d), 76.9(d,d),78.7(d), 79.2(s),99.1(d),102.6(d), 108.8(d),110.6(d), 113.5(s),116.2(d,d), 127.8(d,d),128.3(d), 132.4(s),157.4(s),163.0(s), 164.7(s),189.4(s) 次に本発明の補気薬の主成分であるアピオリク
イリチンが出血量減少作用を有することについて
実験例を挙げて説明する。
実施例 本発明の薬剤の出血量減少作用 ddY系雄性マウス(5週齢、体重20g)5匹づ
つで構成された群を用い、各マウスにアピオリク
イリチン生理食塩水溶液を静脈内、腹腔内および
経口投与した。投与後(静脈内投与、腹腔内投与
では10分後、経口投与では30分後)、マウスの尾
の先端より2cmの所をカミソリにて切断し、切断
口を3.8%クエン酸ナトリウム水溶液6ml中に挿
入して、出血し始めてから1分間採血する。次い
でクイツクライザー(東亜医療電子、0.5%KCN
含有)で溶血させて、その流出した血液量を吸光
光度計(波長:540nm;対照液:3.8%クエン酸
ナトリウム水溶液)で測定する。また、対照群の
マウスには生理食塩水を投与した。
そして、次式により出血量減少率を算出したと
ころ、静脈内投与8mg/Kg、腹腔内15mg/Kg、経
口投与55mg/Kgで50%出血量減少作用を示し、本
発明の補気薬の主成分であるアピオリクイリチン
は明らかに出血量減少作用を有することが認めら
れた。
出血量減少率(%)=100−アピオリクイリチン投与
群の吸光戸の平均/対照群の吸光戸の平均×100 更に、アピオリクイリチンを1000mg/Kg腹腔内
投与、経口投与したところ、供に死亡例が見られ
ないことより、急性毒性は低いことが認められ
た。
以上より、このアピオリクイリチンは、すぐれ
た出血量減少作用を有し、出血量減少剤としても
有効であることが認められた。
次に出血量減少作用から考えて、アピオリクイ
リチンの有効投与量は大量出血時の緊急な血液賦
活においては、静脈注射では、1回量10〜40mg、
経口投与では、50〜100mgで、通常の血液賦活作
用を期待する場合には、さらに少量でたりる。ま
た症状に合せて1日3回までの適用が適当と認め
られる。
本発明と血液賦活作用を有する補気薬の臨床上
の応用としては、出血量減少実験及び中国医学の
理念に基づき次の各項がある。
(1) 大手術、事故等による大量出血に際して、緊
急に血液の機能を高め、危険状態を脱出する。
適用の方法としては、単独投与、輸液との併用
がある。
(2) 疲労時、急速に疲労回復をはかる。または、
労働、運動等における疲労の防止。
(3) 長期連用により、リユーマチ、神経痛等の難
治疾患の改善に用いる。
(4) その他一般の健康保持。
本発明の補気薬の主成分であるアピオリクイリ
チンは、製剤に用いられる適当な溶剤、賦形剤、
補助剤などを使用して、製剤製造の常法に従つて
液剤、注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤、坐剤、腸溶
剤およびカプセル剤などの製剤を作ることができ
る。
経口投与のために少くとも一種の賦形剤、例え
ばデンプン、乳糖、白糖、マンニツト、カルボキ
シメチルセルロース等を用いて錠剤、丸剤、カプ
セル剤、散剤、顆粒剤等に処方できる。
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、例
えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナ
トリウム、タルク等の滑沢剤、デキストリン、結
晶セルロース、ポリビニルピロリドン、アラビア
ゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン等の結合
剤、バレイシヨデンプン、カルボキシメチルセル
ロース等の崩壊剤を使用することができる。また
懸濁液、エマルジヨン剤、シロツプ剤、エリキシ
ル剤として投与することができ、これら剤型に
は、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
非経口用製剤として、適当な基剤と混和してク
リーム、軟膏剤、パツプ剤、または坐剤とするこ
とができる。
希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩
水、デキストロース水溶液、注射用植物油、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール等を
用いることができる。さらに必要に応じて、適宜
等張化剤、溶解補助剤、安定剤、防腐剤、無痛化
剤等を加えてもよい。また、この種の剤型の場
合、滅菌された注射用媒体に溶解することが望ま
しい。
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれにより制限されるもので
はない。
実施例 1 上記具体例において得られたアピオリクイリチ
ン10gを注射剤製造の常法に従つて、Tween80
を添加し、60℃に加温した注射用蒸留水1に加
えて懸濁し、塩化ナトリウムにより等張化した後
にアンプルに封入した。
本注射剤は1ml中にアピオリクイリチン10mgを
含有する。本注射剤は症状に合せて1回1〜4ml
を静脈内あるいは筋肉内注射する。
実施例 2 上記具体例において得られたアピオリクイリチ
ン1.5gを細末とし、これを乳糖140gおよびステ
アリン酸マグネシウム8.5gと混合し、この混合
物を単発式スラツグ打錠機にて打錠して直径20
mm、重量約2.3gのスラツグ錠を作りこれをオシ
レーターにて破砕し、整粒し、篩別して20〜50メ
ツシユの粒子の良好な顆粒剤を得た。
本顆粒剤は1g中にアピオリクイリチン10mgを
含有し、症状に合せて1回2〜3gを1日3回服
用する。
実施例 3 上記具体例において得られたアピオリクイリチ
ン10gを無水ケイ酸112gと混合し、これに微結
晶セルロース125g、ステアリン酸マグネシウム
3gを加えて混合し、この混合物を単発式打錠機
にて打錠して径9mm、重量250mgの錠剤を製造し
た。
本錠剤は1錠中にアピオリクイリチン10mgを含
有し、症状に合せて1回3〜5錠、1日2回服用
する。
実施例 4 上記具体例において得られたアピオリクイリチ
ン10gを細末とし乳糖490gと混合し、500mgづつ
硬カプセルに充填してカプセル剤を得た。
本カプセル剤は1カプセル中にアピオリクイリ
チン10mgを含有し、症状に合せて1回2〜3カプ
セルを1日3回服用する。
実施例 5 上記具体例において得られたアピオリクイリチ
ン1.5gを研磨して微末とし、これ精製カカオ脂
198.5gを加えて60℃の水浴上で練合し、整形し
て1個2gの坐剤とした。
本坐剤は1個中にアピオリクイリチン15mgを含
有し、症状に合せて使用する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式() で表されるアピオリクイリチンを主成分としてな
    る血液賦活性作用を有する補気薬。
JP3847984A 1984-03-02 1984-03-02 補気薬 Granted JPS60184016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3847984A JPS60184016A (ja) 1984-03-02 1984-03-02 補気薬

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JP3847984A JPS60184016A (ja) 1984-03-02 1984-03-02 補気薬

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Publication Number Publication Date
JPS60184016A JPS60184016A (ja) 1985-09-19
JPH0447651B2 true JPH0447651B2 (ja) 1992-08-04

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