JPH0446981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はオートクルーズ機構とアイドルアツプ
機構とを備えたエンジン制御装置に係り、特にア
イドル回転域での自動走行を確保できるエンジン
制御装置に関する。

［従来の技術］ ドライバーの疲労軽減と走行燃費低減を目的と
して燃料噴射量を調節し車速を自動的に一定に保
つオートクルーズ機構（例えば特開昭59−126046
号）と、クーラー等を使用しているときにエンジ
ンのアイドル回転を上昇させるアイドルアツプ機
構とを備えた車両が知られている。アイドルリン
グの回転数の調整はつまみによつてメカニカルに
行われている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、従来、オートクルーズ制御とアイド
ルアツプ制御とは全く別個独立に行われていた。
従つて、アイドルアツプ機構によりアイドル回転
数をアツプしたままでオートクルーズ機構を働か
せて下り坂を走行させると、オートクルーズコン
トロールにより燃料噴射ポンプのコントロールレ
バーを最大限戻しても、アイドルアツプしている
ため、エンジン回転は通常のときより高い。

このため、エンジンブレーキがきかず、通常の
アイドル回転では一定走行可能な場所でも速度が
増大してしまうという問題があつた。

尚、その他の関連する技術として、「エンジン
コントロール装置」（実開昭55−59149号公報）が
提案されている。

そこで本考案は、上記事情に鑑み、アイドルア
ツプの有無にかかわらず所望のオートクルーズ制
御を行うことのできるエンジン制御装置を提供す
べく創案されたものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、車速を自動的に一定に保つオートク
ルーズ機構に、必要に応じてアイドル回転数を上
げるためのアイドルアツプ機構を設け、オートク
ルーズ機構のコントローラに、車速ゼロの時にの
みアイドルアツプ機構を作動させてエンジン回転
数を調節させる制御回路を組み入れたものであ
る。

［作用］ 上記構成によつて、走行中はアイドルアツプ機
構にかかわらずオートクルーズ機構が車速を制御
する。そして車速ゼロのときに、コントローラは
アイドルアツプ機構を作動させてアイドル回転数
を調節する。

［実施例］ 以下に本考案の実施例を添付図面に従つて詳述
する。

第１図において、１はエンジンに燃料を噴射供
給する燃料噴射ポンプであり、燃料噴射ポンプ１
のガバナ部２には、燃料噴射量を調整するための
コントロールレバー３が設けられている。コント
ロールレバー３にはリンク、ケーブルなどを介し
て、アクセルペダル４、ステツプモータ５および
アイドルアツプアクチユエータ６が連結されてい
る。ステツプモータ５、アイドルアツプアクチユ
エータ６はコントロールユニツト７により制御さ
れるようになつている。また、コントロールユニ
ツト７には、第２図に示すように、エンジン回転
数センサ、車速センサ、クルーズセツトスイツ
チ、ブレーキスイツチ、排気ブレーキスイツチ、
クラツチスイツチ、リジユームスイツチから信号
が入力されるようになつている。またこのコント
ロールユニツト７には、アイドル回転数をマニユ
アルにて操作するためのアイドル調整ボリユーム
が接続されていると共に、本実施例にあつては暖
機運転時にアイドル回転数を自動的に調節するた
めの水温センサが接続され、これらのうちいずれ
かを選択するためのマニユアル・オート切換スイ
ツチが設けられている。すなわちアイドルアツプ
アクチユエータ６とアイドル調整ボリユーム、水
温センサ、マニユアル・オート切換スイツチと
が、コントロールユニツト７に接続されているこ
とによつて、オートクルーズ機構にアイドルアツ
プ機構が一体的に設けられていることになる。そ
してコントロールユニツト７内のコントローラに
は、車速ゼロの時にのみこれらアイドルアツプ機
構を適宜作動させるための制御回路が組み込まれ
ている。

次にコントロールユニツト７によりなされる制
御を第３図のフローチヤートに基づいて説明する
と、まずコントロールユニツト７では、車速が０
Km／hourか否かが判別され、車速がゼロの場合
にはアイドルアツプ機構のマニユアル・オート切
換スイツチのいずれが選択されているかが判別さ
れる。マニユアルコントロールが選択されている
場合には、アイドル調整ボリユームの電圧V_Iの
測定が行われ、第４図のグラフにより、エンジン
回転数はこの電圧V_Iに対応するエンジン回転数
Neにコントロールされる。また、オートコント
ロールが選択されている場合には、エンジン水温
Twの測定が行われ、水温TwがTo以下のときに
は、エンジン回転数は、第５図のグラフに基づき
水温Twに対応するエンジン回転数Neにコント
ロールされる。制御信号はコントロールユニツト
７からアイドルアツプアクチユエータ６に入力さ
れる。エンジン水温TwがTo以上のときには
「クルーズセツトか」のステツプに進む。

一方、車速がゼロでない場合には、アイドルア
ツプ制御を経ることなく直ちに「クルーズセツト
か」のステツプに進み、クルーズセツトスイツチ
がONの時には所定のクルーズ制御がなされる。

このように、本考案ではオートクルーズ制御の
中にアイドルアツプ制御を組み込むと共に、オー
トクルーズ作動時にはオートクルーズ制御がアイ
ドルアツプ制御に優先して働くように構成されて
いるので、定速走行中はアイドリング回転数を必
要なだけ下げることができ、下り板等においても
アイドル回転で定速走行が行える。

そして本考案は極めて簡単な構成であり、従来
のオートクルーズ機構のコントローラの制御内容
を若干変更するだけで直ちに適用でき、極めて汎
用性に富む。

なお、上記実施例の燃料噴射ポンプ１のガバナ
部２はメカニカルガバナであつたが、これを電子
ガバナにかえてもよい。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば、次のような優れ
た効果を発揮する。

車速を自動的に一定に保つオートクルーズ機構
にアイドルアツプ機構を設け、オートクルーズ機
構のコントローラに、車速ゼロの時にのみアイド
ルアツプ機構を作動させる制御回路を組み入れた
ので、走行中はアイドルアツプされることがなく
なり、オートクルーズ制御によつて長い下り坂を
走行する際などに、エンジンブレーキが有効に働
いて定速走行を確保することができる。また複雑
で大規模な構成になることがなく、極めて汎用性
に富む。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るエンジン制御装置の一実
施例を示す構成図、第２図は同装置のコントロー
ルユニツト部の構成図、第３図は同コントロール
ユニツトでなされる制御の一例を示す図、第４
図、第５図はアイドルアツプ制御で使われるもの
で、第４図はアイドルアツプ調整ボリユーム電圧
とエンジン回転数との関係を示す図、第５図はエ
ンジン水温とエンジン回転数との関係を示す図で
ある。 図中、１は燃料噴射ポンプ、２はガバナ部、３
はコントロールレバー、４はアクセルペダル、５
はステツプモータ、６はアイドルアツプアクチユ
エータ、７はコントロールユニツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車速を自動的に一定に保つオートクルーズ機構
   に、必要に応じてアイドル回転数を上げるための
   アイドルアツプ機構を設け、上記オートクルーズ
   機構のコントローラに、車速ゼロの時にのみ上記
   アイドルアツプ機構を作動させてエンジン回転数
   を調節させる制御回路を組み入れたことを特徴と
   するエンジン制御装置。