JPH0446754B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は原稿を挿入すると、ただちに印刷原紙
に製版が行なわれ、出来た版を自動的に印刷スク
リーンに装着し印刷を開始する全自動形製版印刷
機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来全自動形製版印刷機においては印刷原紙の
製版装置あるいは印刷装置への移送は殆んどがロ
ーラーあるいはベルトで行なわれていた。印刷原
紙が枚葉式の場合は上記の方法でも十分である
が、本発明の全自動形製版印刷機のように印刷原
紙を自動供給するために長尺のロール状の印刷原
紙を用いるものにあつては上記のようなローラー
あるいはベルトによる移送は好ましくない。すな
わち、ローラーあるいはベルトで長尺な印刷原紙
を移送するとローラーあるいはベルトのそのもの
の寸法精度や取付精度などによりまつすぐに送ら
れず、左右に大きく旋回するような送られ方をす
ることがある。これにより印刷原紙によじれやシ
ワが生じ製版がうまくできないことがあつた。

発明の目的 本発明は上記従来の欠点を補うもので、印刷原
紙の製版装置や印刷装置への移送確実に行うこと
を目的とするものである。

発明の構成 本発明はロール状に捲回した原紙を原稿ととも
に移送するローラーと、原紙を所定の長さに切断
するカツターをもつ原紙カツター装置と、製版装
置と、原紙と原稿を分離する版分離装置と、印刷
胴のスクリーンに設けられた原紙を挾持するクラ
ンプ装置と、原紙カツターで切断した原紙の始端
を挾持して原紙クランプに移送する版送装置とを
具備し、版送開始時には原紙と原稿の先端部が実
質的に前記ローラー上で接しており、このローラ
ーの原稿、原紙当接点から同ローラー側に位置し
た版送装置の奥端までの距離と原紙クランプ奥端
から製版装置の印刷胴側の製版可能な端部までの
距離を略等しくしたもので、カツター装置で切断
された原紙はその始端を版送装置で挾持されて直
線的に製版装置、分離装置を経て原紙クランプへ
移送される。つまり、切断された原紙の切断端を
挾持してロール状に捲回した原紙を引き出すの
で、従来のローラーやベルトで移送する方式で生
じるような原紙のよじれやシワが生ずることが無
く、かつ確実に引き出すことができ、また原紙の
無駄および部分的な製版不能の発生をなくしたも
のである。

実施例の説明 以下本発明の実施例を添付図面とともに説明す
る。

第１図は全自動形製版印刷機の概略図で、１は
印刷胴、印刷スクリーン、給紙装置等印刷に必要
な機構を有する印刷装置、２は印刷機構部へ供給
する印刷用紙の給紙部、３は印刷された印刷用紙
を受ける排紙部、４は印刷原紙と原稿を重ねて感
熱製版方式で版を作る製版装置、５は印刷原紙の
始端を版送装置へ送り、且つ原稿を印刷原紙上へ
送るローラーと、印刷原紙を所定の長さに切断す
るカツターを有する原紙カツター装置、６は原稿
挿入部、７は原稿排出部、８は印刷を終わつた印
刷原紙を印刷スクリーンから剥離し、排版処理を
する排版装置、９は感熱穿孔印刷原紙をロール状
に捲回した原紙ロールである。

以上が構成の概略であり、次に作用の概略を説
明する。

原稿が原稿挿入部６に挿入されるとスイツチが
入り、原紙９の始端を原紙カツター装置５の側で
挾持している版送装置（後述）が原紙を挾持して
印刷装置の印刷スクリーンに設けられた原紙クラ
ンプ装置（後述）へ原紙を移送し、原紙の始端を
前記原紙クランプ装置が挾持する。このとき、原
紙の引き出しにより原紙カツター装置５のローラ
ーは空転し、原稿は原紙とともに製版装置４へと
送られて製版が行なわれる。製版が行なわれると
印刷スクリーンは輪転し、原紙をその外周に装着
する。この過程で原紙が所定の長さになつたとき
原紙カツター装置５のカツターが作動して原紙を
切断する。製版された原紙が印刷スクリーンに装
着されれば印刷が開始される。

以上作用の概略を説明したが、本発明の主眼で
ある製版機構版送装置およびその作用について次
に詳述する。

第２図〜第４図において、１０は一対の原紙ロ
ーラーＡ、１１はこの原紙ローラーＡに連動する
一対の原紙ローラーＢである。この原紙ローラー
Ａ，Ｂ１０，１１は原紙の送り勝手にワンウエイ
クラツチで軸支されている。１２は原紙を所定の
長さに切断する原紙カツター、１３は製版装置４
に設けられたキセノン球等の閃光電球、１４は閃
光電球１３を含む閃光機構部の昇降装置、２１は
押圧ガラスで、光学ガラス等の光損失の少ないガ
ラスを用いている。１５は押圧受材（製版面）
で、弾性体で作られている。１６は版送装置で、
原紙カツター装置５−印刷装置１間に設けられた
長手方向の摺動軸１６ａに滑動自在に装着されて
いる。１７は原紙クランプで、印刷装置１の２つ
の印刷胴１９に捲回装着された印刷スクリーン２
３に装着されている。１８は原紙クランプ１７を
開閉するカムを有する原紙クランプ開閉装置、２
０は版分離板２０ｂを有する版分離装置で、版分
離時に版分離ローラー２０ａにその版分離板２０
ｂの先端部が当接して、原紙と原稿を分離し、原
稿を原稿排出部７へ排出する作用をする。２２は
原稿である。なお第４図は版送装置１６が摺動軸
１６ａを滑動して原紙ローラーＢ側へ移動した状
態を示す図で他は第１図と同様である。

上記構成において、一対の原紙ローラーＡ１
０、カツター１２、一対の原紙ローラーＢ１１、
押圧受材（製版面）１５、版分離ローラー２０
ａ、原紙クランプ１７は順次ほぼ直線上に配置さ
れている。

次に版送装置１６について第５図、第６図によ
つて説明する。２６はメインフレームで、その両
端部にスライドベアリング等を内蔵したガイド部
３０を有し、このガイド部３０は前記摺動軸１６
ａに摺動自在に装着される。２５は原紙挾着板
で、メインフレーム２６に軸３２で軸支され、原
紙挾着部には摩擦力の大きい弾性体で作られた原
紙挾着片２７が固着してある。なお、この原紙挾
着片２７は対向してメインフレーム２６の挾着部
にも設けてある。２４はソレノイドで、原紙挾着
板２５の原紙挾着部を開口するように作用する。
２８はスプリングで原紙を原紙挾着部の挾着力を
付勢する。２９は原紙挾着板２５を連結する連結
板である。また３１は駆動ワイヤー取付部で、版
送装置１６を摺動軸１６ａ上を摺動させるため、
この部分にワイヤー等の駆動力伝達部材（図示せ
ず）が取付けられてある。

次にその作用について説明する。

本全自動製版印刷機の始動前の状態は第４図の
通りである。すなわち、版送装置１６は原紙送り
ローラーＢ１１に近接した位置にあり、その原紙
挾持板２５は原紙ローラーＡ１０、原紙ローラー
Ｂ１１によつて送り出された原紙９の紙端の両端
部を挾持している。今原稿２２を原稿挿入部６か
ら挿入すると、原稿の端部は原紙ローラーＡ１０
に当接し原稿の頭の位置となる。この状態でスイ
ツチを操作して運転を始めると、版送装置１６は
原紙を挾持したまま印刷装置１の方へ摺動軸１６
ａ上を移動して原紙の紙端を開口している原紙ク
ランプ１７まで引つ張つてゆき（第２図）、次い
で原紙クランプ開閉装置１８が作動して原紙クラ
ンプ１７を閉じ、原紙９の紙端は原紙クランプ１
７に挾持される。この原紙９がローラーＢ１１部
から原紙クランプ１７部に送られる際、原紙ロー
ラーＡ１０、原紙ローラーＢ１１は原紙９の送り
に従動して回転し、先述の原稿２２を原紙９とと
もに製版装置４へ送る（第２図）。前記したよう
に原紙９が原紙クランプ１７に挾持されると、版
分離板２０は第２図の点線に示すように版分離ロ
ーラー２０ａに当接する位置まで動き、原紙９を
その部分で僅かなへ状の山形に持ち上げて原紙９
と原稿２２の分離の準備をする。次いで閃光機構
部の昇降装置１４が作動して閃光機構部が上昇し
押圧ガラス２１と押圧受材１５で原紙９と原稿２
２を押圧する。十分な押圧力に達すると、閃光電
球１３が閃光して原紙９を通して原稿２２に強に
光を照射する。光を受けた原稿２２の文字あるい
は画像は光を吸収し、発熱して原紙９に文字ある
いは画像を穿孔して印刷用の版を製作する。閃光
が終ると昇降装置１４が作動して閃光機構部は下
降し、印刷胴１９が緩やかに回転を開始する。原
紙９を挾持した原紙クランプ１７は前記したよう
に印刷胴１９に捲回張架されたスクリーン２３に
装着してあるので、印刷胴１９の回転により原紙
９は自動的にスクリーン２３に捲きつき装着され
る。ここで、原紙９の印刷に必要な長さはスクリ
ーン２３の全周長より僅かに短かい長さでよいの
で、原紙９がスクリーン２３に捲き取られる過程
でその必要な長さを検出して原紙カツター１２で
原紙９を切断するようにしてある。

以上のようにして原紙９には原稿の文字の画像
が穿孔されて印刷用の版ができ、印刷に必要な長
さに切断され、自動的にスクリーン２３に原紙９
が装着され印刷が開始される。

前記した原紙９の切断が終ると版送装置１６は
原紙送りローラー１１方向へ摺動移動し、原紙挾
持板２５を開口して原紙９の紙端の挿入を待つ。
次に原紙ローラーＡ１０、原紙ローラーＢ１１が
回転して原紙９の紙端を前記原紙挾持板２５の開
口部へ挿入し、この挿入が終れば原紙挾持板２５
は閉じて原紙９の紙端の両端部を挾持して次の原
稿挿入、運転を待つのである。

ここでローラーＡ１０の原稿、原紙当接点から
同ローラーＡ１０側に位置した版送装置１６の奥
端までの距離Ａ（第４図参照）と、原紙クランプ
１７の奥端から製版装置４の印刷胴１９側の製版
可能な端部までの距離Ｂ（第２図参照）とは略等
しく設定してある。

すなわち、今、Ａ＞Ｂの関係であると、印刷の
汚れや原紙の無駄が生起し、また逆に、Ａ＜Ｂの
関係であると部分的な製版不能の事態が発生す
る。さらにＡ，Ｂの関係を述べると以下の通りで
ある。

Ａ＞Ｂの場合 原紙９の先端を原紙クランプ１７に挟持させた
状態でも原稿２２の先端部が製版装置４の途中ま
でしかきておらず、その状態で印刷しなければな
いない。これが印刷の汚れや原紙の無駄につなが
る。

Ａ＜Ｂの場合 上記とは逆に原稿２２の先端部が製版装置４よ
りはみ出てしまい、部分的な製版不能の事態が生
じる。

しかるに本実施例のごとくＡ＝Ｂとしておけば
印刷の汚れや原紙の無駄および部分的な製版不能
のないものが得られるもので、確実で、しかも経
済的な製版印刷ができるものである。

発明の効果 本発明のような感熱製版によつて印刷用の版を
製作する製版印刷機に用いる製版原紙は、その性
質上極めて薄いものとなり、例えば、本発明の製
版印刷機に用いられるものは、厚さ3μｍのポリ
エステルフイルムと、20〜30μｍの厚さの紙を貼
り合わせたもので、その全体の厚さは35μｍ程度
のものである。このように極めて薄い原紙をロー
ラーの回転による送りで製版部や印刷スクリーン
に送つた場合には、ローラーの原紙噛み込み状態
の不具合や、ローラーの原稿幅への不均一な加圧
や送りが生じ、それによる原紙のよじれやシワが
発生して製版やスクリーンへの原紙装置が適正に
行なわれないことが多発する欠陥が生じる。

ところが本発明においては前記した如く、カツ
ター装置とクランプ装置との間を原紙の紙端を挾
持して直線的に移動する版送装置を設けた構成で
あるため、原紙はその紙端を引つ張られてロール
状原紙から供給されるので、前記したようなよじ
れやシワは発生せず、安定した製版やスクリーン
への原紙装着ができる。さらに本発明においては
原紙の両端部を版送装置が挾持して引つ張るので
全面を挾持することによつて生じやすい不規則部
分挾持を回避するための設計、製造の難かしさも
排除することができる。

さらに上記したＡ＝Ｂの関係によつて確実で、
しかも経済的な製版印刷を行うことができるもの
であり、その効果はきわめて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の全自動形製版印刷機の概略側
断面図、第２図は第１図の要部側断面図で、版送
装置が原紙クランプ装置側へ移動した状態を示
す。第３図は第２図のＸ−X′断面図、第４図は
版送装置が原紙カツター装置側へ移動したときの
側断面図、第５図は版送装置の原紙挾着部の側面
図、第６図は版送装置の平面図である。 ４……製版装置、６……原紙カツター装置、９
……原紙ロール、１０……ローラー、１２……原
紙カツター、１６……版送装置、１７……原紙ク
ランプ装置、１９……印刷胴、２３……印刷スク
リーン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ロール状に捲回した原紙を原稿とともに移送
   するローラーと、原紙を所定の長さに切断するカ
   ツターをもつ原紙カツター装置と、製版装置と、
   原紙と原稿を分離する版分離装置と、印刷胴のス
   クリーンに設けられ、前記分離された原紙を挟持
   する原紙クランプ装置と、原紙カツター装置で切
   断された原紙の始端を挟持して前記原紙クランプ
   装置に移送する版送装置とを具備し、版送開始時
   には原紙と原稿の先端部が実質的に前記ローラー
   上で接しており、このローラーの原稿、原紙当接
   点から同ローラー側に位置した版送装置の奥端ま
   での距離と、原紙クランプ奥端から製版装置の印
   刷胴側の製版可能な端部までの距離とを略等しく
   した全自動形製版印刷機。