JPH0446677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 飛散し易い微細なパウダーを充填し易くしたパ
ウダー容器に係る。

〈従来の技術〉 従来、天花粉のような飛散し易いパウダーを収
容する容器の改良は、厚紙の高低の二重筒容器の
内筒にその上口からパウダーを収容して上口をシ
ールで封じ高い外筒とキヤツプとの間にパフを収
容した容器や、該容器の吸湿性の欠点を除去した
金属製の容器としたもの等が試みられたが、密閉
封入の際、内部に空気が籠り僅かな空気の動揺で
もあればその影響でパウダーが飛散し、シールに
パウダーが付着して確実な接着がし難かつた。

その欠点を改善したものとして実公昭56−
45533号の「パウダー容器」は、予め上口をシー
ルした器体の底口からパウダーを充填して底口を
閉塞し、該器体よりも高い外筒を嵌め、器体と外
筒を被うキヤツプを被嵌してその内部にパフを収
容する構成が開示されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところが、該構成では容器メーカーからパウダ
ーを充填する化粧品メーカーへの製品運搬時、器
体と外筒が分離していると、梱包が嵩高く、保管
もスペースも要した。又、パウダー充填後に外筒
を嵌める手間を要する上、器体の上口へのシール
貼着作業も、位置決め手段を要し、上口より大径
として確実な封鎖を得ようとしても位置ずれによ
つて耳状の張り出しが生じ、外筒の嵌合を円滑に
できない欠点があつた。

〈問題点を解決する為の手段〉 パウダーを充填する器体上口へのシールの貼
着、パウダー充填、容器組立てを容易迅速にする
ことのできる構成を得ようとするものである。

パウダーを封入する器体である内筒との外側の
外筒を所定間隔を置いて一体成形して容器本体を
構成する。

〈作用〉 外筒内方の内筒上口にシール材を貼着し、底口
からパウダーを器体内に充填し、底口を封鎖す
る。

〈実施例〉 第１図は、本考案のパウダー容器の分解縦断面
図で容器本体Ａはプラスチツクスの一体成形によ
つてフランジ１３を設けるとともに底口３を設け
た底板２に、内筒１と、その外側の丈高い外筒７
を僅少の間隙１５を置いて同心状態に縦設して成
る。５は内筒の上口であり、４は底蓋で底口３の
段部３′に係支して底口３を閉じる。６は紙、箔
等のシール材で破断し易い材質で、内筒１の上口
５をシールする。９は飾り枠で、間隙１５に嵌合
して、該間隙を隠蔽する。該外筒７と飾り枠９に
は対応する嵌合用ローレツト１１，１２を縦設し
ている。図中１６はラベルで底蓋４の定着用であ
る。

パウダー充填前の容器の組立てを説明すると、
予めシール材６の周縁部に内筒上口の縁部への熱
着用のホツトメルトを施し、外筒７上方から内筒
１の上口５へ水平状に挿入し熱板でシール材６を
熱着し上口を封鎖して容器本体Ａを構成する。飾
り枠９を外筒内方へ挿入し、間隙１５に強制嵌入
することによりシール材６の端縁を内筒外周との
間に挟着するとともに飾り枠９が間隙１５を隠し
て固定する。

パウダーの充填は、上記構成の容器本体Ａのシ
ール材６の上面に中網１０を載せ、該中網１０上
にパフ１４を収納し、キヤツプ８を被嵌した容器
本体Ａの底板２を上にして底口３から内筒１内に
パウダーを充填し、底蓋４を底口３より大径の段
部３′に嵌合して底口を閉じる。ラベル１６を底
蓋４の周縁から底板２の口縁に亘つて広く貼着し
て底蓋４を底板２に固定することにより、第２図
の縦断面図に示すパウダー容器を完成する。

前記飾り枠９は、内・外筒１，７間の間隙１５
を隠蔽し、又、シール破断後の使用時、パウダー
の侵入を防止するものであり、中網１０は、パフ
へのパウダー付着量の調節用部材である。

第３図ａは、第２の実施例の分解縦断面図で、
第１図の実施例と異る点は容器本体Ａの外筒７の
下端寄り内周に係支突部１１ａを複数個内向きに
設けると共に前記飾り枠９の下端外周に該係支突
部１１ａと係合する係支突部１１ｂを設けた構成
にある。

尚、図中底板２の透孔１１ｃは前記係支突部１
１ａを僅少間隙１５内に成形する際に、型抜きを
可能にするためのものである。

第３図ｂは、完成状態の縦断面図であり、前記
飾り枠９と外筒７の係支突部が互いに位置決めさ
れて係支突部１１ａにこれを乗り越えた係支突部
１１ｂが係合定着している。

第４図はさらに他の第３の実施例を示し、前記
第２実施例との相違は、飾り枠９の下端内周に係
支突部１１b′を内向きに設け、これと互いに係合
する係支突部１１a′を内筒１の下端外周に夫々複
数個相対応させて設けるとともに該係支突部１１
a′を成形する際の型抜用の透孔１１c′を底板２に
設けた構成である。

上記各実施例において飾り枠９は、シール６の
周縁に係支して間隙１５内に嵌入して該間隙を被
つているが、該飾り枠９は短寸で間隙１５への嵌
入が容易である。又、該嵌入には外筒７がガイド
となる。

〈考案の効果〉 上記の構成、作用に係る本考案のパウダー容器
は、内・外筒が一体成形されて成形が簡単である
上に部材数が少くなり、パウダー充填前の内筒上
口へのシール貼着に際しては、外筒７がガイドと
なつて位置ずれを防止するからシールの耳の張り
出しがほゞ一定となり、上口の閉塞が確実にな
る。

内・外筒間の間隙は容器本体の肉厚を低減して
材料の軽減を果すとともに成形における所謂ヒケ
を防止する。

更に、従来の容器と異り、内筒へのパウダー充
填後に外筒を嵌着する作業が無い。従つて容器の
組立、パウダー充填、閉鎖等の作業の分割及び機
械による自動作業が一層簡便となり、迅速に完了
し、低コスト化、ロスの減少が更に確実となつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案パウダー容器の一実施例を示
す各部材の分解縦断面図、第２図は、同上完成状
態を示す縦断面図、第３図ａは、第２の実施例を
示す部材の半分解縦断面図、同図ｂは、その完成
状態を示す半分解縦断面図、第４図は、第３の実
施例を示す組立状態の縦断面図である。 Ａ……容器本体、１……内筒、２……底板、３
……底口、４……底蓋、５……内筒の上口、６…
…シール材、７……外筒、８……キヤツプ、１５
……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底口を有する底板上に、内筒と背高の外筒を同
   心状に所定間隙を置いて一体成形により突設して
   容器本体を構成し、前記内筒の上口を紙その他の
   シール材で閉鎖した後、該底口からパウダーを収
   容し、該底口を封鎖する底蓋と、容器本体に被嵌
   するキヤツプを有して成るパウダー容器。