JPH0445726B2

JPH0445726B2 -

Info

Publication number: JPH0445726B2
Application number: JP63141999A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Ishikawa; Masaaki Nakaura; Ikumitsu Hatake
Original assignee: Rinnai Corp
Current assignee: Rinnai Corp
Priority date: 1988-06-09
Filing date: 1988-06-09
Publication date: 1992-07-27
Also published as: JPH01310217A; KR900000650A; KR920001755B1

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、セラミツクなど耐熱板に多数の炎孔
を設け、燃焼機器の火口として使用する高負荷燃
焼用プレートに関する。

［従来の技術］この種の燃焼プレートは、各炎孔の断面積を一
定にすると、発熱量を広範囲で増減させた場合、
燃焼の不安定領域が生じる。これを解決するため
炎孔を大炎孔とそれを取り巻く断面積1/2程度の
中炎孔とで構成すると、比較的広い範囲で燃焼の
安定と燃焼騒音の低減とが得られることが知られ
ている。

また特公昭57−41648号公報には、開口面積の
異なる炎孔を不規則に設け、燃焼音の低減を図つ
た燃焼プレートをガスバーナに適用した発明が記
載されている。さらに特公昭50−7125号公報、特
開昭52−156426号公報には、二種以上の異径、ま
たは異形の炎孔を交互に均整に設け、広範囲にお
ける発熱量の変更を可能にするとともに、燃焼の
安定性の向上を図つたバーナープレートが提案さ
れている。

しかるに、この発明者は、燃焼プレートを火口
とする全１次空気燃焼式（全予混合式）の燃焼機
器において、プロパン、ブタン１３Ａなど燃焼速
度の遅い燃料ガスを高負荷燃焼させるとき、燃焼
気の再循環を生じさせることが安定した高負荷燃
焼の上限を上げるうえで最も有効であることを見
だした。

この発明の目的は、上記知見に基づき、燃焼速
度の遅い燃料ガスを高負燃焼させたときにおいて
も、ブローオフによる吹き消えなど燃焼の不安定
が有効に防止でき、燃焼負荷の増大が可能な燃焼
プレートの提供にある。

［問題点を解決するための手段］上記目的達成のため、本発明は、所定の形状を
有する耐熱板に、表裏に貫通する多数の大炎孔と
小炎孔、または大炎孔と中炎孔と小炎孔を、それ
ぞれ所定のパターンで格子状またはちどり格子状
に設けた燃焼プレートにおいて、大炎孔のみを大
炎孔の２つおき以上、４つおき以下にめくらとし
た構成を採用した。

［作用及び発明の効果］本発明の燃焼プレートは、大炎孔と小炎孔、ま
たは大炎孔と中炎孔と小炎孔を、それぞれ所定の
パターンで格子状またはちどり格子状に設けると
ともに、大炎孔のみを大炎孔の２つおき以上、４
つおき以下にめくらとしているので、この炎孔の
めくらとなつている部分おいて燃焼気の再循環が
生じ、燃焼速度の遅い燃料ガスを高負荷燃焼させ
た時においても、高温の再循環燃焼気による燃料
ガスと燃焼用空気との混合気への着火が持続さ
れ、より高い高負荷燃焼が可能となる。

［実施例］次に本発明を第１図および第２図に示す第１実
施例に基づき説明する。

この実施例では、燃焼プレート１は、矩形平面
を呈するセラミツク製の耐熱板１０に、表裏に貫
通する多数の炎孔を格子（マトリクス）状に設け
ている。

炎孔は、直径1.9ミリメートルの大炎孔１１、
直径1.3ミリメートルの中炎孔１２、および直径
1.0ミリメートルの小炎孔１３の３種類の炎孔か
らなる。これら３種類の炎孔は、いずれも円形を
呈するとともに小炎孔１３が格子状に配列されて
いる。大炎孔１１ａは、その中心から距離2.4ミ
リメートルの円上に等間隔に位置する４つの小炎
孔１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄによつてその
４方を囲まれ、かつ中心間距離3.4ミリメートル
の同心円上に等間隔に位置する４つの中炎孔１２
ａ，１２ｂ，１２ｃ、１２ｄによつてその中間の
４方を囲まれている。すなわち４つの小炎孔１３
ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄはそれぞれ前記４つ
の中炎孔１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄの中間
に位置するように配されている。

この炎孔の配列において、前記大炎孔１１およ
び該大炎孔１１を取り囲む４つの小炎孔１３を１
つおきにめくらとし、めくら部分１４を形成して
いる。すなわち小炎孔１３を格子状に設け、隣り
合う４つの小炎孔１３で囲まれた正方形の中心に
中炎孔１２を設けた列と、前記正方形の中心に大
炎孔１１と中炎孔１２とを交互に設けた列とを、
交互に配し、大炎孔１１のみ１つおきにめくらと
し、かつその周りの４つの小炎孔１３をめくらと
してめくら部分１４としている。また燃焼プレー
ト１の周囲および点火装置の装着位置にはサーマ
ルシヨツクを低減させるためのめくら穴１ａが列
設されている。

この燃焼プレート１は、第２図に示すごとく、
全１次空気燃焼式のガス燃焼機器２の火口として
用いられ、火口上方に設けられた熱交換器（図示
せず）を加熱する。燃焼ガスとしては、都市ガス
である６Ｃ、１３Ａの他にプロパン、ブタンなど
の高発熱量の燃料ガスも使用される。この場合、
高負荷燃焼のため燃焼用空気と燃料ガスとの混合
気の供給量を増加させると、炎孔から噴出される
混合気の流速が火炎伝播速度より大きくなつて、
火炎Ｆが吹き上がる、いわゆるブローオフが生じ
る。しかるに、燃焼板のめくら部分１４において
は、矢印の如き燃焼気の再循環が生じるため、こ
の高温の再循環気によりめくら部分１４の周囲の
炎孔から噴出される混合気は、継続的に着火され
て安定した燃焼がなされる。これによりめくら部
分１４がない燃焼プレートを用いた燃焼機器に比
較して、より高い高負荷燃焼が達成できる。

めくら部分１４は、面積の大きさが大きすぎた
り、数があまり多すぎると、燃焼に寄与しない燃
焼プレートの表面積の割合が多くなり、かえつて
燃焼負荷は低減する。また面積が狭すぎたり、数
が少なすぎると、上記再循環が弱かつたり、再循
環の発生部分が少ないため、ブローオフを防止す
る効果が弱くなる。よつて大炎孔１１を大炎孔１
１の２つおき以上、４つおき以下に炎孔をめくら
とすることが望ましい。

尚、第３図Ａ，Ｂに示す変形例の如く、耐熱板
１０の表面に大炎孔１１を中心にその周りの４つ
の小炎孔１３の全部または半分を含む円錐状、球
状、円柱状などの凹部１５を設けると、特に燃焼
速度の遅いプロパン、１３Ａなどの燃料ガスの保
炎に有効であり（特に低負荷燃焼で空気過剰率が
高い時）、また、高負荷燃焼時の燃焼騒音の低下
も図れる。

第４図は燃焼プレート１を用いたガス湯沸器３
を示す。燃焼プレート１は長手方向に２枚が並列
して取り付けられており、ブロワ３１により強制
送風された空気とがプレート１の上流の混合室３
２で混合され、プレート１の下流側の燃焼室３３
で着火、燃焼する。燃焼による発熱は主に水管３
４とフイン３５とからなる熱交換器により吸熱さ
れ、水管３４内の流水に伝熱される。この火口に
おいて、発熱量は5000kcal／hrから45000kcal／
hrまで変更できるように設定されており、発熱量
に応じて供給されるガスおよび空気の量が調整さ
れる。この場合おいて、低発熱量領域
（30000kcal／hr以上）においては小炎孔１３によ
り大炎孔１１の炎が安定し、さらに同様に中炎孔
１２も安定化され火炎群全体の安定化が実現され
る。また高発熱量領域（5000kcal／hr〜
10000kcal／hr）においては、主に中炎孔１２と
大炎孔１１の火炎が支配的な火炎群となり安定化
する。この場合、大・中・小の各炎孔の断面面積
比は４：２：１程度が最も望ましい。

このガス湯沸器３では、高負荷燃焼時の大炎孔
１１の保炎性を増すために保炎用炎孔として小炎
孔１３を小ピツチで設けるようにすれば低負荷燃
焼時の火炎群の安定化が計れる。このとき高負荷
燃焼時には大炎孔１１と中炎孔１２が火炎群で支
配的となり、高負荷燃焼時の火炎群の安定化を損
なうことはない。従つてこのように３種の炎孔径
を上記パターンで構成すれば極めて広い燃焼負荷
範囲での安定な燃焼が確保でき、燃焼異常の原因
となる炎孔群の不安定化も防止できる。

すなわち大炎孔１１は、低負荷燃焼時に炎の安
定性が良い小炎孔１３により４方を囲まれ、中負
荷燃焼時に炎の安定性が良い中炎孔１２により４
方を囲まれ、高負荷燃焼時は本質的に炎の安定性
が良いため広範囲のの発熱量の変化領域において
炎の安定性が良い。

さらにプロパン、ブタン１３Ａなどの燃焼速度
の遅い燃料ガスを用いた場合、高負荷燃焼時には
炎孔からの空気と燃料ガスとの混合気の噴出速度
が火炎伝播速度より大きくなり、ブローオフが生
じやすいが、大炎孔１１およびそのまわりの小炎
孔１３をめくらとした無炎ゾーンがあり、この無
炎ゾーンが炎の再循環領域を形成して火炎の保持
を行うため安定燃焼ができる。

また、耐熱板１０の平面形状は円形・三角形な
ど用途に応じて所望に選定でき、また平面以外に
球面、凸面、凹面であつても良い。

第５図は、本発明の第２実施例を示す。

この実施例では燃焼プレート４は、耐熱板４０
に、直径1.0ミリメートルの小炎孔４３を3.4ミリ
メートル間隔でマトリクス状に設け、４つの小炎
孔４３で囲まれた正方形の中心に、直径1.5ミリ
メートルの大炎孔４１を設けた列と、大炎孔４１
と直径1.3ミリメートルの中炎孔４２とを交互に
設けた列とを、縦横とも交互に配列し、大炎孔４
１のみ縦横の行、列の交差する位置にある大炎孔
４１のうち、１つおきにめくらとしてめくら部分
４４を形成している。

この配列により、都市ガスである６Ｃ，１３Ａ
の他にプロパン、ブタンなどの高発熱量の燃料ガ
スも極めて高い高負荷燃焼が可能となつた。なお
この実施例おいて、中炎孔４２の代りに小炎孔４
３を設け、大炎孔４１の直径を1.6ミリメートル
としても同様の効果が得られる。また、大炎孔、
中炎孔、小炎孔の直径は、ガス種に応じて適宜変
更できることは当然である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す燃焼プレー
トの平面図、第２図は該燃焼プレートを火口とし
て用いた全１次空気燃焼式のガス燃焼機器の要部
の断面図、第３図Ａは変形例を示す一部拡大図、
ＢはそのＣ−Ｃ断面図、第４図は該燃焼プレート
を火口として用いた全１次空気燃焼式のガス湯沸
器の概略の断面図、第５図は本発明の第２実施例
を示す燃焼プレートの平面図を示す。図中１，４……燃焼プレート、２……全１次空
気燃焼式のガス燃焼機器、３……ガス湯沸器、１
４，４４……めくら部分、１１，４１……大炎
孔、１２，４２……中炎孔、１３，４３……小炎
孔。

Claims

【特許請求の範囲】１所定の形状を有する耐熱板に、表裏に貫通す
る多数の大炎孔と小炎孔、または大炎孔と中炎孔
と小炎孔を、それぞれ所定のパターンで格子状ま
たはちどり格子状に設けた燃焼プレートにおい
て、大炎孔のみを大炎孔の２つおき以上、４つおき
以下にめくらとしたことを特徴とする燃焼プレー
ト。２所定の形状を有する耐熱板に、大中小の３種
の断面面積を有し、表裏に貫通する多数の炎孔を
設けた燃焼プレートにおいて、小炎孔を格子状に配し、大炎孔は該小炎孔の中
心に位置し、且つ前記小炎孔の各々は隣り合う２
つの前記中炎孔の中間に設定してなるパターンを
帯状に列設した第１パターン帯と、該第１パターン帯を、大炎孔において半ピツチ
ずらして前記パターンを帯状に列設するとともに
一つおきに大炎孔およびそのまわりの小炎孔をめ
くらとした第２パターン帯とを交互に配列した燃焼プレート。３所定の形状を有する耐熱板に、大中小の３種
の断面面積を有し、表裏に貫通する多数の炎孔を
設けてなる燃焼プレートにおいて、小炎孔を格子状に設け、隣り合う４つの小炎孔
で囲まれた正方形の中心に大炎孔を設けた列と、前記正方形の中心に大炎孔と中炎孔とを交互に
設けた列とを縦横共に交互に配し、大炎孔のみ縦列と横列とが交差する位置にある
大炎孔を１つ置きにめくらとしたことを特徴とす
る燃焼プレート。