JPH044511A - 絶縁電線 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、極めて薄肉の被覆を施すことができ、それに
よって−層の細径化が可能な上、十分な機械的強度や必
要な電気絶縁性能に加え耐溶剤性をも、保有する新規な
絶縁電線に関するものである。

［従来の技術］ 近年１、通信機器類や精密電子機器類は小型化あるいは
高密度実装化の傾向が著しく、さらには、このような様
々の機能を有する小型精密機器類が自動車等に数多く搭
載されるようになり、機器内配線は勿論のこと、限られ
たスペースを有効に利用する必要上、これらの機器間を
接続する電線に対しても、絶縁体の薄肉化そして電線自
体の細径化への要望が高まってきている。

上記した精密機器類内における配線や機器間の細物配線
における絶縁体としては、従来より安価なポリ塩化ビニ
ルやポリエチレンを主体とした樹脂組成物が一般に使用
されてきた。

［発明が解決しようとする課題］ 上記したような従来のポリ塩化ビニルやポリエチレンを
主体とした樹脂組成物は、薄肉化するにしても限界があ
り、しかもそのように薄肉化した場合の機械的強度とく
に摩耗特性が大きく低下するという問題があった。

所謂エンジニアリングプラスチックスは、機械的強度に
優れており、上記したように薄肉化しても耐摩耗性が大
きく低下するおそれがなく、これを絶縁被覆材として使
用できれば絶縁体の薄肉化という見地からみて非常に好
ましい。特にポリエーテルイミドは、機械的強度に優れ
た好適な材料であるが、反面伸びが小さくまた曲げ等の
応力（ストレス）がかかった状態で溶剤と接触するとク
レージングやクラックが発生するという欠点を有してい
る。

このため、薄肉化はできても曲げた状態で使用すること
が前提となる電線の絶縁体として適用することは困難で
あると考えられきた。

本発明の目的は、上記したようなポリエーテルイミドの
有する欠点を解消し、これを絶縁被覆材として使用する
ことを可能ならしめ、被覆厚を低減させても十分に健全
な特性を保有し得る新規な絶縁電線を提供しようとする
ものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、導体の外周に、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルアミド及びポリアミドよりなる３元ブレンド組成
物を被覆したものである。

発明者らは、ポリエーテルイミドの有する優れた機械的
強度に着目し、これを電線の被覆材料として使用する上
において問題となる伸び及び耐溶剤性を改善するために
、これに種々なポリマをブレンドして種々なポリマアロ
イを作製し、鋭意その検討を行なった。

その結果、ポリエーテルイミドにポリエーテルアミドと
ポリアミドをブレンドして３元ブレンド組成物とするこ
とにより、ポリエーテルイミドの有する前述した欠点が
大巾に改善され、これを絶縁体層として押出被覆するこ
とで所望の特性を充足する薄肉絶縁電線を入手し得るこ
とを見出し、本発明に至ったものである。

結晶性ポリマであるポリアミドは伸びと耐溶剤性に優れ
ており、ポリエーテルイミドと組合せるには好ましい材
料であり、これらについては既に幾つかの報告もみられ
る。（例えば特開昭しかしながら、ポリエーテルイミド
とポリアミドは相溶性という点においてはあまり良いも
のではなく、特にポリエーテルイミドが多い組成では電
線として必要な伸びを得ることが困難である。

従って、ポリエーテルイミドを電線被覆材として使用す
るには、ポリエーテルイミドとポリアミドの相溶性を改
善することが必要である。

本発明者らは、この点に着目し、ポリエーテルイミドと
ポリアミドの相溶性を改善するために、鋭意検討を行な
った。そして、これらにさらにポリエーテルアミドをブ
レンドして３元ブレンド物とすることによりその相溶性
を大巾に改善することができ、はぼ全組成領域において
ポリエーテルイミドとポリアミドが相溶し、伸びならび
に耐溶剤性ともに大巾に改善することができることを見
出した。

本発明で用いるポリエーテルイミドとは、エーテル結合
とイミド結合を有する熱可塑性樹脂であって、典型的な
構造は次のようなものである。

一方、ポリエーテルアミドはエーテル結合とアミド結合
を有するものであって、次のような一般式で表わされる
。

Ｒ＋　、Ｒ２、Ｒ３、Ｒ４はＨ１低級アルキル等、Ｒ５
、ＲｂはＨ１メチル、エチル等、 Ａｒはｐ−フェニレン、ｎ−フェニレン等、また、ポリ
アミドとしてはナイロン６６、ナイロン６、ナイロン６
１０、ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン４６等の
結晶性ポリアミドが対象となる。

ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド及びポリアミ
ドの組成比は、ポリエーテルイミド／ポリアミドにおい
て９０／１０〜１０／９０が望ましく、これらのブレン
ド物１００重量部に対しポリエーテルアミドを０．１〜
５０重量部とすることが好ましい。この範囲外では伸び
の改善効果が小さい。

なお、本発明の樹脂組成物には、常法に従って他の配合
剤例えば軟化剤、可塑剤、熱安定化剤、老化防止剤、顔
料、難燃剤等を用途に応じて配合することができる。

また、必要があれば、樹脂組成物にト、リアリルイソシ
アヌレートやジアリルフタレート等の反応性モノマを配
合し、電線押出をした後、電離性放射線によって架橋さ
せることも可能である。

［実施例］ 以下に、本発明について実施例及び比較例を参照し説明
する。

第１表の実施例１〜４及び比較例１〜３に示す配合量よ
りなる樹脂組成物を調整し、これを０．３ｍ１１２の軟
銅撚線導体上に被覆厚０．１■となるように押出被覆し
て供試絶縁電線を得た。

評価項目における耐溶剤性については、自己後巻付を行
なった電線試料を５０℃のジオクチルフタレートまたは
モータオイルに浸漬し、クレージング及びクラックの発
生を目視で１０日間観察した。

また、伸びについては、ＪＩＳＣ３００５に準拠し、導
体を引抜いてチューブ状とした試験片を用いて測定した
。

それぞれの評価結果を第１表の下欄に示した。

本発明に係る実施例１〜４はいずれも耐溶剤性および伸
び共に良好な結果を示している。

これに対し、ポリエーテルイミド単独の比較例１及びポ
リエーテルイミドとポリアミドの２元ブレンド物である
比較例２．３では耐溶剤性または伸びが不十分であるこ
とがわかる。

［発明の効果］ 以上説明した通り、本発明によれば、絶縁電線の被覆を
薄くしても耐摩耗性などの機械的強度が低下するおそれ
がなく、耐溶剤性を大巾に改善し得たことにより優れた
特性を有する薄肉細径絶縁電線を得ることができ、今日
の機器類の小型軽量化に適切に対応し得る工業上の意義
は大きなものがある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）導体の外周にポリエーテルイミド、ポリエーテル
   アミド及びポリアミドよりなる３元ブレンド組成物を被
   覆してなる絶縁電線。