JPH0445068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は折りたたみ可能な小型電子機器に関
するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

小型電子機器たとえば小型電子式計算機とし
て、計算機本体とキーボードとを別体にしてこの
計算機本体とキーボードとを折り重ね可能に接続
したものがある。

この小型電子式計算機としては、従来、計算機
本体内の電子部品とキーボード内の電子部品とを
フレキシブルコネクタによつて接続するととも
に、計算機本体とキーボードとを折りたたみ可能
な皮革カバーで覆つた手帳形電卓といわれるもの
が知られているが、この手帳形電卓は、皮革カバ
ーが高価であるためにコストが高くなるという問
題をもつていた。

このため、最近では、計算機本体側電子部品
（配線基板等）を内蔵したパネルユニツトの外面
を外装材で覆つた計算機本体と、キーボード側電
子部品（キースイツチ用接点を形成した配線基板
等）を内蔵したパネルユニツトの外面を外装材で
覆つたキーボードとを互いに隣接させて配置して
計算機本体とキーボード内の電子部品をフレキシ
ブルコネクタにより接続するとともに、このフレ
キシブルコネクタの計算機本体とキーボードとの
間の露出部分を引張り強度の高い折曲可能なシー
トで覆い、このシートの両側縁部をそれぞれ計算
機本体とキーボードの側縁部に取付けて計算機本
体とキーボードを折り重ね可能に接続した、皮革
カバーを不要とした小型電子式計算機が考えられ
ている。

しかしながら、この小型電子式計算機は、前記
シートの両側縁部を計算機本体とキーボードの側
縁部に抜け外れないように固定しなければならな
いために組立てが面倒であるし、また外観上も、
計算機本体とキーボードとが一体的に連続してい
るように見える一体感をもたせることができない
から、前記手帳形電卓のような計算機本体とキー
ボードとを皮革カバーで覆うものに比べて外観が
悪いという問題ももつていた。

〔考案の目的〕

この考案は上記のような実情にかんがみてなさ
れたものであつて、その目的とするところは、皮
革カバーを用いないものでありながら、組立てが
容易でしかも一体感をもたせて外観を向上させる
ことができる小型電子機器を提供することにあ
る。

〔考案の概要〕

すなわち、この考案は、電子部品を内蔵した第
１のパネルユニツトと第２のパネルユニツトとを
互いに隣接させて配置し、前記第１のパネルユニ
ツト内に設けられた電子部品と前記第２のパネル
ユニツト内に設けられた電子部品とをフレキシブ
ルコネクタにより接続するとともに、前記第１お
よび第２のパネルユニツトの外面に、この両方の
パネルユニツトを覆う大きさの外装用シートを接
合し、前記第１のパネルユニツトと第２のパネル
ユニツトとを、前記外装用シートのパネルユニツ
ト間の部分を折曲部として折り重ね可能としたも
のであり、この考案によれば、両パネルユニツト
の外面に前記外装用シートを接合するだけで両パ
ネルユニツトを接続することができるから機器の
組立ては容易であるし、また両パネルユニツトを
この両パネルユニツトの外面を形成する前記外装
用シートで接続しているから、２つのパネルユニ
ツトが一体的に連続しているような一体感をもた
せて外観を向上させることができる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を小型電子式計算機
を例にとつて第１図〜第４図を参照し説明する。

この小型電子式計算機は、計算機本体Ａと、キ
ーボードＢとからなるもので、この小型電子式計
算機は、第１図および第２図に示すように開いた
状態で使用され、第３図および第４図に示すよう
に折りたたんだ状態で携帯される。

まず計算機本体Ａの構成を説明すると、第１図
〜第４図において１は計算機本体Ａを構成するパ
ネルユニツトであり、このパネルユニツト１は、
上面に電子部品挿入用凹部を形成したケース（樹
脂ケース）２の前記凹部内に、LSIチツプ４等を
取付けた配線基板３および液晶表示パネル５や太
陽電池６等の計算機本体電子部品を収納した構成
となつている。なお、図中７は前記液晶表示パネ
ル５を配線基板３に接続するシート状コネクタで
ある。また、２０ａおよび２１ａは前記パネルユ
ニツト１の表裏面をほぼ全面にわたつて覆う外装
シートである。この外装シート２０ａ，２１ａ
は、ポリエステル等の樹脂シートからなつてお
り、表面側の外装シート２０ａは、透明シートに
前記液晶表示パネル５と対応する表示窓部２２と
太陽電池６と対応する採光窓部２３を残して目隠
し印刷を施したものとされている。なお、裏面側
の外装シート２１ａは不透明シートとされてお
り、また前記両外装シート２０ａ，２１ａには必
要に応じて装飾印刷が施されている。

すなわち、上記計算機本体Ａは、計算機本体側
電子部品を内蔵したパネルユニツト１の表裏面を
外装シート２０ａ，２１ａで覆つたもので、外装
シート２０ａ，２１ａはパネルユニツト１のケー
ス外面に接着接合されている。

次に、キーボードＢの構成を説明すると、第１
図〜第４図において１１はキーボードＢを構成す
るパネルユニツトであり、このパネルユニツト１
１は、上面に凹部を形成したケース（樹脂ケー
ス）１２の前記凹部内にキーボード側電子部品で
あるキーボードシート１３を収納した構成となつ
ている。前記キーボードシートは、樹脂フイルム
からなる上下２枚のフイルム基板１４ａ，１４ｂ
をスペーサ１５を介して重合したもので、下側フ
イルム基板１４ｂの上面には多数のキースイツチ
用固定接点１７，１７とこの各固定接点１７，１
７から導出された配線（図示せず）が形成されて
おり、上側フイルム基板１４ａの下面には各固定
接点１７，１７とそれぞれ対向するキースイツチ
用可動接点１６，１６が配列形成されている。ま
た、上側フイルム基板１４ａの上面には、その下
面の各可動接点１６，１６とそれぞれ対応させて
キー表示１８，１８が印刷されており、可動接点
１６は上側フイルム基板１４ａのキー表示部分を
指で押すことによつて固定接点１７に接触される
ようになつている。なお、前記スペーサ１５は、
上下のフイルム基板１４ａ，１４ｂの外周部と、
可動接点１６と固定接点１７とによつて形成させ
ている各キースイツチ部の間に設けられている。
また、２０ｂおよび２１ｂは前記パネルユニツト
１１の表裏面をほぼ全面にわたつて覆う外装シー
トである。この外装シート２０ｂ，２１ｂは、前
記計算機本体Ａ側のパネルユニツト表裏面を覆う
外装シート２０ａ，２１ａと一体のもので、表面
側外装シート２０ｂには、前記キーボードシート
の上側フイルム基板１３の表面をその外周部を除
いて露出させる開口２４が形成されている。な
お、この両外装シート２０ｂ，２１ｂにも必要に
応じて装飾印刷が施されている。

すなわち、上記キーボードＢは、キーボード側
電子部品であるキーボードシート１３を内蔵した
パネルユニツト１１の表裏面を外装シート２０
ｂ，２１ｂで覆つたもので、外装シート２０ｂ，
２１ｂはパネルユニツト１１のケース外面に接着
接合されている。

また、１９は計算機本体側パネルユニツト１内
の配線基板３とキーボード側パネルユニツト１１
内のキーボードシート１３とを電気的に接続する
シート状のフレキシブルコネクタであり、このフ
レキシブルコネクタ１９は、たとえばその表面に
リード線部分を除いてホツトメルト型接着剤を塗
布したヒートシールコネクタとされている。この
フレキシブルコネクタ１９は、キーボードシート
１３の下側フイルム基板１４ｂから延長された、
下側フイルム基板１４ｂと一体のものとされてお
り、その先端側は、キーボード側パネルユニツト
１１と若干の間隔をおいて隣接配置された前記計
算機本体側パネルユニツト１のケース２内にキー
ボード側の側縁部から導入され、計算機本体側の
配線基板３に接続されている。

また、このフレキシブルコネクタ１９の計算機
本体側パネルユニツト１とキーボード側パネルユ
ニツト１１との間の部分は、計算機本体側パネル
ユニツト１の表面を覆う外装シート２０ａ部とキ
ーボード側パネルユニツト１１の表面を覆う外装
シート２０ｂ部とからなる表面側外装用シート２
０と、計算機本体側パネルユニツト１の裏面を覆
う外装シート２１ａ部とキーボード側パネルユニ
ツト１１の裏面を覆う外装シート２１ｂ部とから
なる裏面側外装用シート２１との間に挟持されて
いる。

すなわち、前記表面側外装用シート２０と裏面
側外装用シート２１は、互いに隣接させて配置さ
れる計算機本体側パネルユニツト１とキーボード
側パネルユニツト１１とを覆う大きさのものであ
り、この表面側外装用シート２０と裏面側外装用
シート２１の計算機本体側パネルユニツト１とキ
ーボード側パネルユニツト１１との間の部分（フ
レキシブルコネクタ１９を挟持している部分）
は、その両側縁部において接着または高周波溶着
等により互いに接合されている。

つまり、この実施例の小型電子式計算機は、計
算機本体側パネルユニツト１とキーボード側パネ
ルユニツト１１とを互いに隣接させて配置し、計
算機本体側パネルユニツト１内の配線基板３とキ
ーボード側パネルユニツト１１内のキーボードシ
ート１３の下側フイルム基板１４ｂとをフレキシ
ブルコネクタ１９により接続するとともに、計算
機本体側パネルユニツト１とキーボード側パネル
ユニツト１１の表裏両外面に、この両方のパネル
ユニツト１，１１を覆う大きさの表面側外装用シ
ート２０および裏面側外装用シート２１を接着接
合したもので、計算機本体側パネルユニツト１と
キーボード側パネルユニツト１１とは、前記外装
用シート２０，２１の両パネルユニツト１，１１
間の部分を折曲部として折り重ねられるようにな
つている。なお、前記外装用シート２０，２１と
フレキシブルコネクタ１９は屈曲の繰返しに耐え
るものとされ、さらに外装用シート２０，２１は
十分な引張り強度を有するものとされている。

また、図中２５は、計算機本体側パネルユニツ
ト１とキーボード側パネルユニツト１１とを外装
用シート２０，２１の両パネルユニツト１，１１
間の部分を折曲部として折り重ねる際に外装用シ
ート２０，２１の折曲部を支持するシート支え軸
であり、外装用シート２０，２１は、このシート
支え軸２５の外周に巻付くように折曲されるよう
になつている。このシート支え軸２５は金属丸棒
からなるもので、このシート支え軸２５は計算機
本体側パネルユニツト１の側縁に沿わせてこの側
縁と平行に設けられている。また、このシート支
え軸２５の両端側は、計算機本体側パネルユニツ
ト１の両端縁に沿わせて屈曲されており、このシ
ート支え軸２５の両端部は、計算機本体側パネル
ユニツト１のケース両端面に設けられた軸受筒２
６，２６に挿入されてＥリング等により軸受筒２
６，２６に固定されている。このシート支え軸２
５は、計算機本体側パネルユニツト１とキーボー
ド側パネルユニツト１１との折り重ね時に外装用
シート２０，２１の折曲部を前記両パネルユニツ
ト１，１１の側縁と平行に折曲させるために設け
られたもので、このシート支え軸２５を設けてお
けば、折り重ねられた両パネルユニツト１，１１
を位置ずれなく正しく重なるようにすることがで
きるし、また、外装用シート２０，２１の折曲部
のねじれを防ぐとともに外装用シート２０，２１
の折曲部を常に曲線状に折曲させて折曲の繰返し
による外装用シート２０，２１の折曲部の疲労を
少なくすることができる。

しかして、この実施例の小型電子式計算機によ
れば、両パネルユニツト１，１１の外面に前記外
装用シート２０，２１を接合するだけで両パネル
ユニツト２０，２１を接続することができるから
機器の組立ては容易であるし、また両パネルユニ
ツト１，１１をこの両パネルユニツト１，１１の
外面を形成する前記外装用シート２０，２１で接
続しているから、２つのパネルユニツト１，１１
が一体的に連続しているような一体感をもたせて
外観を向上させることができる。

なお、上記実施例では、表裏２枚の外装用シー
ト２０，２１により両パネルユニツト１，１１を
接続しているが、この両パネルユニツト１，１１
は表裏いずれか１枚の外装用シートでも接続して
もよく、その場合は、外装用シートの両パネルユ
ニツト間の部分を二重構造としてその間にフレキ
シブルコネクタ１９を通すか、あるいはフレキシ
ブルコネクタ１９のリード形成面を外装用シート
と接着等の手段で接合して、このフレキシブルコ
ネクタ１９を露出させておけばよい。さらに、上
記実施例では小型電子式計算機について説明した
が、この考案は、小型電子式計算機に限らず、電
子部品を内蔵した第１のパネルユニツトと電子部
品を内蔵した第２のパネルユニツトとを折り重ね
可能に接続した小型電子機器に広く適用できるこ
とはもちろんである。

〔考案の効果〕

この考案は、電子部品を内蔵した第１のパネル
ユニツトと第２のパネルユニツトとを互いに隣接
させて配置し、前記第１のパネルユニツト内に設
けられた電子部品と前記第２のパネルユニツト内
に設けられた電子部品とをフレキシブルコネクタ
により接続するとともに、前記第１および第２の
パネルユニツトの外面に、この両方のパネルユニ
ツトを覆う大きさの外装用シートを接合し、前記
第１のパネルユニツトと第２のパネルユニツトと
を、前記外装用シートのパネルユニツト間の部分
に第１のパネルユニツトの側縁に沿つて平行に設
けられ、かつ第１のパネルユニツトのケース面の
少なくとも一方の端面に固定係止されたシート支
え軸を折曲部として折り重ね可能としたものであ
るから、この考案によれば、両パネルユニツトの
外面に前記外装用シートを接合するだけで両パネ
ルユニツトを接続することができ、したがつて機
器の組立ては容易であるし、また両パネルユニツ
トをこの両パネルユニツトの外面を形成する前記
外装用シートで接続しているから、２つのパネル
ユニツトが一体的に連続しているような一体感を
もたせて外観を向上させることができる。しか
も、この考案では、第１のパネルユニツトと第２
のパネルユニツトとを、外装用シートのパネルユ
ニツト間の部分に設けたシート支え軸を折曲部と
して折り重ね可能にしているため、両パネルユニ
ツトを位置ずれなく平行に正しく重ねることがで
きるとともに、外装用シートの折曲部分の疲労も
少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの考案の一実施例を示した
もので、第１図および第２図は小型電子式計算機
の使用状態の縦断側面図および外観図、第３図お
よび第４図は小型電子式計算機の折りたたみ状態
の縦断側面図および外観図である。 Ａ……計算機本体、１……パネルユニツト、２
……ケース、３……配線基板、４……LSIチツ
プ、Ｂ……キーボード、１１……パネルユニツ
ト、１２……ケース、１３……キーボードシー
ト、１４ａ，１４ｂ……フイルム基板、１６……
可動接点、１７……固定接点、１９……フレキシ
ブルコネクタ、２０，２１……外装用シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電子部品を内蔵した第１のパネルユニツトと第
   ２のパネルユニツトとを互いに隣接させて配置
   し、前記第１のパネルユニツト内に設けられた電
   子部品と前記第２のパネルユニツト内に設けられ
   た電子部品とをフレキシブルコネクタにより接続
   するとともに、前記第１および第２のパネルユニ
   ツトの外面に、この両方のパネルユニツトを覆う
   大きさの外装用シートを接合した小型電子機器に
   おいて、前記第１のパネルユニツトと第２のパネ
   ルユニツトとを、前記外装用シートのパネルユニ
   ツト間の部分に第１のパネルユニツトの側縁に沿
   つて平行に設けられ、かつ第１のパネルユニツト
   のケース面の少なくとも一方の端面に固定係止さ
   れたシート支え軸を折曲部として折り重ね可能に
   したことを特徴とする小型電子機器。