JPH0444858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、可変容量型油圧ポンプのロツカカム
を保持する装置に関するものである。

従来技術 フロントカバにクレードルを設け、このクレー
ドルにロツカカムを揺動自在に設けると共に、こ
のロツカカムによつてピストンの往復ストローク
を制御するようにしたロツカカム−クレードル式
の可変容量型油圧ポンプが知られている。

この様なロツカカム−クレードル式の可変容量
型油圧ポンプは、従来のトラニオン式可変ポンプ
に比べて、ロツカカムにかかるピストン油圧力を
クレードルでうけて、それをそのままフロントカ
バに伝えられるのでトラニオン式のようにトラニ
オン部の曲げ強度の問題がなく剛性が高い。また
トラニオン部が不要のためコンパクトになるなど
の利点があるが、ロツカカムを保持することが必
要である。つまり、ロツカカムとクレードル間は
ピストンの押しつけ力と、油圧反力の静圧バラン
スがはかられているが、吸込流量が不足したとき
などピストン室内が負圧となり、ピストンの押し
つけ力がなくなり、ロツカカムとクレードル間の
静圧バランスがくずれて、ロツカカムがクレード
ルに対して開離状態となり、次にピストンが吐出
圧側になると、吸込側の負圧状態で発生した気泡
が急激につぶされてピーク圧が生じ、ロツカカム
がクレードルにたたきつけられることになりロツ
カカムとクレードル間の焼付き異常摩耗の原因と
なる。

これを防止するには吸込流量の不足を発生させ
ないことがもちろん必要であるが、正常運転時に
おいてもピストンは吸込側が切換る程度で、押し
つけ力の変動があるからロツカカムは充分な保持
をして、その駆動軸方向の動きを規制する必要が
ある。

考案の目的 ロツカカムの保持を確実なものにしてサーボア
クチユエータによる円弧運動のみを可能にして駆
動シヤフト方向の動きを防止し、しかも保持強度
と保持バランスを確実なものにすることを目的と
する。

考案の構成 クレードルと上下の支持プレートとでロツカカ
ムを支承し、ロツカカムには連結ピンと支承ピン
とを設け、連結ピンを一方の支持プレートの円弧
状孔よりサーボアクチユエータに連結し、支承ピ
ンを他方の支持プレートの円弧状凹溝に嵌合した
もの。

実施例 図面中１は可変容量型油圧ポンプ組立体であ
り、該可変容量型油圧ポンプ組立体１はポンプケ
ース４および駆動シヤフト２を備えている。ポン
プケース４にはフロントカバ３が嵌着してあり、
このフロントカバ３には支承構体２０（つまり、
軸受とオイルシール）が取付けてあり、この支承
構体２０は駆動シヤフト２を支承している。フロ
ントカバ３の内面側にはクレードル１１が一体形
成してある。

このクレードル１１には円弧凹面２１が形成し
てある。またクレードル１１の上、下端面には支
持プレート１２，１３がボルト１６で取付けてあ
る。上側の支持プレート１２には円弧状孔２２が
形成してあり、下側の支持プレート１３には円弧
状凹溝３３が形成してある。

図面中１０はロツカカムであり、このロツカカ
ム１０は平面半円形状であつて円弧面２３を備え
ており、またロツカカム１０の上部には連結ピン
３４が設けられ、下部には支承ピン３５が設けて
あると共に、連結ピン３４が上側の支持プレート
１２の円弧状孔２２に嵌合し、支承ピン３５は下
側の支持プレート１３の円弧状凹溝３３に嵌合し
てある。

このように構成されたロツカカム１０はその円
弧面２３をクレードル１１の円弧凹面２１に摺接
させて両支持プレート１２，１３間に挿入してあ
り、支承ピン３５と連結ピン３４とで支持してあ
る。

ポンプケース４にはサーボアクチユエータ８が
取付けてあり、このサーボアクチユエータ８の可
動部８ａに前記連結ピン３４が連結してある。

駆動シヤフト２にはシリンダバレル６が取付け
てあり、このシリンダバレル６に形成したピスト
ン室７にはピストン５が挿入してある。ピストン
５の端部に回動自在に取付けられたシユー２７は
押え部材２８を保持されて前記ロツカカム１０の
平坦面２９に摺接している。

前記クレードル１１の円弧凹面２１とロツカカ
ム１０の円弧面２３との間に図示しないポケツト
部が設けてあり、このポケツト部にはポンプ圧が
導入されてピストン５の押付力と静圧バランスが
図られている。

しかして、サーボアクチユエータ８の作動によ
り連結ピン３４を介してロツカカム１０はクレー
ドル１１に案内されて円弧運動をすることにより
ピストン５のストロークを変更して吐出流量をか
える。

また、ロツカカム１０はクレードル１１と上下
の支持プレート１２，１３とで確実に支持される
と共に、連結ピン３４はロツカカム１０に一体連
結され、かつ上の支持プレート１２の円弧状孔２
２に嵌合してガイドされているからサーボピスト
ン８側の剛性が向上し、支承ピン３５は下の支持
プレート１３の円弧状凹溝３３に嵌合してガイド
されているから、その部分の剛性も向上する。

これにより、ロツカカム１０を確実・強固に支
持できると共に、連結ピン３４と支承ピン３５回
りの剛性を大きくして耐久性を向上できる。

〔考案の効果〕

本願考案によれば、ロツカカム１０の両側面は
クレードル１１に設けた支持プレート１２，１３
に接してロツカカム１０の側方への動きが規整さ
れ、ロツカカム１０に設けた連結ピン３４及び支
承ピン３５は前記支持プレート１２，１３にそれ
ぞれ形成した円弧状孔２２及び円弧状溝３３に沿
つて摺動ガイドされるものであつて、ロツカカム
１０の駆動シヤフト軸方向への動き（浮き上り）
が防止でき、これによつて、ロツカカム１０はそ
の円弧面が常にクレードル１１の円弧凹面２１に
摺接して円滑に円弧運動することができる。

また、連結ピン３４はロツカカム１０と一体と
なつているから、連結ピン３４がサーボアクチユ
エータ８の可動部８ａに連結されロツカカム１０
を揺動運動させるにも拘らず、剛性を大とするこ
とができ耐久性を向上することができる。

さらに、本願考案に係るロツカカム保持装置
は、クレードル１１がフロントカバ３と一体に設
けられ、連結ピン３４がロツカカム１０と一体に
設けられていると共に、一対の支持プレート１
２，１３及び支承ピン３５より構成されているか
ら、部品点数が少なく、しかも、フロントカバ３
を取り付ければクレードル１１は所定の配置とな
り、クレードル１１の円弧凹面２１にロツカカム
１０の円弧面を接しさせて、ロツカカム１０に設
けた連結ピン３４及び支承ピン３５を円弧状孔２
２及び円弧状凹溝３３に挿通嵌合してから一対の
支持プレート１２，１３をクレードル１１に取付
ければよいものであつて、組立作業が極めて簡単
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るロツカカム保持装置を備
えた可変容量型油圧ポンプの一部断面した側面
図、第２図は第１図方向からの矢視図である。 ４はポンプケース、８はサーボアクチユエー
タ、１０はロツカカム、１１はクレードル、１
２，１３は支持プレート、２１は円弧凹面、２２
は円弧状孔、２３は円弧面、３３は円弧状凹溝、
３４は連結ピン、３５は支承ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプケース４の開口部に取付けられたフロン
   トカバ３の内側面に、円弧凹面２１を有するクレ
   ードル１１を一体形成し、この円弧状凹面２１に
   ロツカカム１０の円弧面２３を揺動自在に摺接す
   ると共に、そのロツカカム１０の一側に連結ピン
   ３４を一体形成し、他側に支承ピン３５を設け、
   前記クレードル１１の両側に支持プレート１２と
   支持プレート１３を、前記ロツカカム１０の両側
   面に接するようにそれぞれ取付けると共に、一方
   の支持プレート１２に前記連結ピン３４が挿通す
   る円弧状孔２２を形成すると共に、他方の支持プ
   レート１３に前記支承ピン３５が摺動可能に嵌合
   する円弧状凹溝３３を形成し、前記連結ピン３４
   を一方の支承プレート１２の円弧状孔２２より突
   出させると共に、その突出部を前記ポンプケース
   ４に設けたサーボアクチユエータ８の可動部８ａ
   に連結したことを特徴とする可変容量型油圧ポン
   プのロツカカム保持装置。