JP2014098327A - 弁板及びそれを用いたピストンポンプ・モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧時においても弁板の変形を最小限に抑制することで、焼き付きによる寿命低下又は効率の低下を防止できる弁板構造を提供することを目的とする。
【解決手段】シリンダ内でピストンが往復運動するピストンポンプ・モータにおいて、回転自在な回転軸と、一端にシリンダポートを形成し、他端に前記ピストンが嵌装される開口部を形成したシリンダと、解離面が前記シリンダに摺接すると共に、吸込用と吐出用の円弧状に形成された一対の各給排ポートを有し、前記回転軸の回転に従って前記給排ポートに摺接する前記シリンダポートの開口面積が増減する環状の弁板本体と、押付面に周方向に間隔を空けて設けられた前記弁板本体を押圧する複数のブッシュと、から構成される弁板であって、解離面に対して前記シリンダ側から作用する油圧力の重心位置が、回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュ側から前記弁板本体に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるようにこれら複数のブッシュを配置する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、建設機械等に用いられるピストンポンプ・モータ及びそれに使用される弁板に係り、特に弁板の高圧対応、高効率化したピストンポンプ・モータ、それに係わる弁板に関する。
建設機械等において用いられる油圧ポンプ又は油圧モータは、一般に、図1に示すような構造の斜板式ピストンポンプ・モータが知られている。図1はピストンポンプ・モータの要部断面図である(便宜上、左側を前端側、右側を後端側とする。)。後端側を開口させて筒状に形成されたハウジング1と、このハウジング1の後端開口を閉塞するハウジングカバー2とを備え、このハウジング1の内部には、回転軸3、複数のピストン4とそれらを摺動可能に嵌装したシリンダ5、弁板6、斜板7等が設けられている。
回転軸3は、弁板6の中心を回転可能に貫通し、ハウジングカバー2に設けられた第1軸受9とハウジング1に設けられた第2軸受8を介して回転可能に支持される。回転軸3には周方向に複数のピストン4が設けられた円柱状のシリンダ5が一体的に形成されており、回転軸3の回転に伴い、シリンダ5も回転する構造となっている。また、この回転軸3とシリンダ5との間には、弁板6を押し当てるばね11が介装されている。
弁板6は、図8に示すように、環状に形成されており、シリンダ5に対して圧油を給排する円弧上の吐出ポート12aと吸込ポート12bが形成されている。また、弁板6の中心部分には、回転軸が貫通する穴が形成されている。また、弁板6はブッシュ20を介してばね19によりシリンダ5に押し付けられており、ハウジングカバー2に対して一定の隙間を有する浮動型の弁板である。
斜板7は、その前端面がハウジング1の内面に支持されており、斜板7の後端面には、ピストン4の一端部と摺動可能なシュー13が当接されている。
シリンダ5の弁板6との摺動面には、シリンダポート14が形成されており、このシリンダポート14は、弁板6の吐出ポート12aと吸込ポート12bのピッチ円上に位置する。これにより、シリンダ5が回転することで、吐出ポート12aと吸込ポート12bに交互に連通し、ハウジングカバー2の吐出口15及び吸込口16と各シリンダポート14との接続油路の切り換えが行われる。
このような構成において、シリンダ5の回転によりピストン4は、回転軸3を中心として公転しながら斜板7の傾斜角αで規制された行程を往復運動し、弁板6の吸込ポート12bと吐出ポート12aとを介してポンプ作用を行う。また、油圧モータとして使用する場合には、ハウジングカバー2の吸込口16からシリンダ5に圧油が弁板6の吸込ポート12bを介して供給され、シリンダ5に供給された圧油によりピストン4がシリンダ5から押し出される方向に移動し、これに伴ってシュー13が斜板7に押し付けられると、そのときの反力がピストン4を介してシリンダ5に回転方向の分力として作用するので、シリンダ5および回転軸3が回転を始める。
ピストンポンプ・モータの作動中、即ちピストン4がシリンダ5内で往復運動をしている間、弁板6には、弁板6をシリンダ5の端面に押し付けようとする力(以下「押付力」という。)と、引き離そうとする力(以下「解離力」という。)が作用する。押付力は、吸込口16、吐出口15または給排ポート12からシリンダ5の端面に作用する油圧力とばね19の力によって発生する。また、解離力は、シリンダ5のシリンダポート14に作用する油圧力及び弁板6とシリンダ5の摺動面の油膜の圧力によって発生する。
この押付力と解離力の比を油圧バランス比といい「解離力/押付力」で表される。押付力よりも解離力の方が大きくなる(油圧バランス比>1)と、弁板6がシリンダ5の端面から離れ、油漏れが著しく増加し、容積効率の低下や回転不能等の不具合を生じる。また、押付力の方が解離力よりも大きければ(油圧バランス比<1)、油漏れはなくなるが、大き過ぎると摩擦損失が増加し、トルク効率が低下する。
通常、シリンダ5の摺動面に作用する押付力は一定であるが、解離力はシリンダ5の回転に伴って変化する。例えば、シリンダポート14は高圧・低圧の切り換わり時には、2つの給排ポート12の間の閉じこみ部17を通過することになるが、閉じ込み部17を通過する際には、シリンダポート16には高い圧力が封じ込められるため、シリンダ5と弁板6の摺動面に大きな解離力が作用する。
そこで、解離力が最も大きい場所を基準にして押付力を設定した場合、閉じ込み部17以外の解離力が小さい場所では油圧バランス比が小さくなり過ぎて、摩擦損失が大きくなり、トルク効率が低くなってしまう。一方、トルク効率向上を優先するために、押付力を弱く設定すると、解離力の大きい場所での油漏れが多くなって、容積効率の低下や回転不能等の不具合を生ずるおそれが強まることとなる。
このような押付力と解離力の油圧バランスを最適化する従来技術としては、小ピストンを用いる手段が知られている。例えば、図9及び図10に示す文献1の特許発明(特許番号3514631号)では、弁板70の閉じ込み部80(上死点、下死点)に周方向にそれぞれ小ピストン孔91を配置し、シリンダポート55cと閉じ込み部80の重合の度合いにより、小ピストン93、94によって弁板70をシリンダブロック54に対する押付力を、前記重合による解離力に同期させて、油圧バランスを細かく調節することができるとしている。
特許第3514631号公報
前記のとおり、ピストンポンプ又はピストンモータの弁板の効率向上については、従来技術として、特許文献1に示されるような小ピストンを用いて油圧バランスを最適化しようとする手段が知られている。しかし、浮動型弁板の場合、押付力が作用する面以外はハウジングカバー2から浮いているため、油圧バランスのみを最適化しても高圧時には解離力により弁板が変形してしまい、その結果摺動面の焼き付きや油漏れの増加による効率の低下を招くことがある。
また、図5に示すとおり、シリンダ5の回転に伴い、弁板6の吐出ポート12aと連通するシリンダポート14の数が変化する(ここでは、4箇所連通している状態と5箇所連通している状態が生じる)。このとき、図5に示すように、弁板解離力の中心から荷重重心までの距離がL1からL2へ変化するのに対して、図6に示すように、押付力の荷重重心まで距離はL3に固定されているため、重心位置にずれが生じることとなり、その結果、高圧時には解離力により弁板が変形することとなる。
そこで、本願発明は、これらの課題を解決し、高圧時においても弁板の変形を最小限に抑制することで、焼き付きによる寿命低下又は効率の低下を防止できる弁板構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本願発明に係る弁板は、シリンダ内で往復運動するピストンと、回転自在な回転軸と、一端にシリンダポートを形成し、他端に前記ピストンが嵌装される開口部を形成したシリンダと、解離面が前記シリンダに摺接すると共に、吸込用と吐出用の円弧状に形成された一対の各給排ポートを有し、前記回転軸の回転に従って前記給排ポートに摺接する前記シリンダポートの開口面積が増減する環状の弁板本体と、押付面に周方向に間隔を空けて設けられた前記弁板本体を押圧する複数のブッシュと、から構成されるピストンポンプ・モータの弁板であって、解離面に対して前記シリンダ側から作用する油圧力の重心位置が、回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュ側から前記弁板本体に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるようにこれら複数のブッシュを配置したことを特徴とする。
また、弁板のシリンダとの摺動部に作用する解離力と、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュによる押付力の荷重重心位置を近似させることで前記課題を解決するものであるが、これに加えて、前記解離面に前記シリンダポートと連通可能な圧力導入通路を形成すると共に、前記押付面に前記圧力導入通路に連通する小ピストンを設けてもよい。この場合には、前記回転軸の回転に伴って前記圧力導入通路が前記シリンダポートと連通し、シリンダポートからの油圧力によって前記小ピストンが往復運動することとなるので、解離力と押付力の荷重重心位置を近似させることになる。
さらに、前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記解離面の合成荷重重心点が前記押付面の油圧力の荷重重心距離に対して6%以内になるようにしてもよい。
本願発明に係るピストンポンプ・モータは、シリンダ内で往復運動するピストンと、回転自在な回転軸と、一端にシリンダポートを形成し、他端に前記ピストンが嵌装される開口部を形成した、前記回転軸の周方向に間隔を空けて設置された複数のシリンダと、一端の面が前記シリンダに摺接すると共に、吸込用と吐出用の円弧状に形成された一対の各給排ポートを有し、前記回転軸の回転に従って前記給排ポートに摺接する前記シリンダポートの開口面積が増減する環状の弁板本体と、前記弁板本体における前記シリンダ側と反対側の面に周方向に間隔を空けて設けられた前記弁板本体を押圧する複数のブッシュと、から構成されるピストンポンプ・モータであって、前記弁板本体の前記シリンダと摺接する面である解離面に対して前記シリンダ側から作用する油圧力の重心位置が、前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュが設けられた面である押付面に対して前記ブッシュ側から前記弁板本体に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるように前記複数のブッシュを配置したことを特徴とする弁板を備えたものとする。
また、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュに加えて弁板の解離面に前記シリンダポートと連通可能な圧力導入通路を形成すると共に、前記押付面に前記圧力導入通路に連通する小ピストンを設けた弁板を搭載するピストンポンプ・モータとした場合には、弁板において、前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が、前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュ側から前記弁板本体の押付面に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるように前記複数のブッシュと前記小ピストンを配置する。
さらに、本願発明に係るピストンポンプ・モータは、前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記解離面の合成荷重重心点が前記押付面の油圧力の荷重重心距離に対して6%以内になる弁板を備えたものとしてもよい。
以上説明したように、本願発明によれば、高圧時においても弁板の変形を最小限に抑制することが可能であり、焼き付きによる寿命低下又は効率の低下を防止することにより、最適な摺動条件が確保される。
斜板式油圧ピストンポンプ・モータの要部断面図である。 本願発明に係る弁板の前端面(解離面)を示す構成図である。 本願発明に係る弁板の後端面(押付面)を示す構成図である。 本願発明に係る弁板及びこれに摺動するシリンダのA−A展開図である。 従来の弁板における解離面(シリンダ側)の重心位置を示す構成図であり、(a)はピストン4本高圧時、(b)はピストン5本高圧時の図である。 図5の弁板における押付面の重心位置を示す構成図である。 本願発明に係る押付面の重心位置を示す構成図である。 従来のピストンポンプ・モータにおける弁板の断面図である。 特許文献1に係る弁板の前端面を示す構成図である。 特許文献1に係る発明の実施形態のアキシャルピストンポンプ・モータの断面図である。
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1で説明したのと同様に、本願発明に係る第1実施形態に係る斜板式ピストンポンプ・モータは、後端面を開口させて筒状に形成されたハウジング1と、このハウジング1の後端開口を閉塞するハウジングカバー2とを備え、このハウジング1の内部には、モータとして用いるときは出力軸となりポンプとして用いるときは入力軸となる回転軸3、ピストン4を摺動可能に嵌装したシリンダ5、シリンダ5とハウジングカバー2との間に設けられた弁板6、シュー13が後端面に当接された斜板7等が設けられている。
回転軸3は、弁板6の中心を貫通し、ハウジングカバー2に設けられた第1軸受9とハウジング1に設けられた第2軸受8を介して回転可能に支持される。回転軸3には、周方向に等間隔で複数(この例では9本)のピストン穴で形成されたシリンダ5が設けられている。シリンダ5は、円筒状に形成され、回転軸3とスプライン結合等によって相対回転不能に結合されており、回転軸3の回転に伴ってシリンダ5も回転する構造となっている。また、この回転軸3とシリンダ5との間には、弁板6を押し当てるばね11が介装されている。
各シリンダ5は、前端面がピストン4を嵌装するように開口し、後端面にはシリンダポート14が形成されている。
弁板6は、図2に示すように、環状に形成されており、中心部分には回転軸3が貫通する穴6aが形成されている。また、弁板6の解離面には、シリンダ5に対して圧油を選択的に給排する吐出ポート12aと吸込ポート12bが、一対の給排ポート12設けられている。これら2つの給排ポート12は、ピッチ円上の約180度ずれた位置に、閉じ込み部17を挟んで設けられており、いずれも周方向に円弧状に開口し、一部が有底の形状をしている。これら2つの給排ポート12a、12bは、モータとして使用した場合には一方が圧油の吸込側で他方が吐出側となり、ポンプとして使用した場合は一方が圧油の吐出側で他方が吸込側となる。
弁板6の押付面には、図3に示すように、解離面側の給排ポート12aと12bのそれぞれに連通させて、円周方向に間隔をおいて複数(この例では6個)の一部が有底の円形穴18が形成されている。このうち、半数(3個)の円形穴18は吐出ポート12aに連通し、残りの半数(3個)の円形穴18は吸込ポート12bに連通している。なお、閉じ込み部17には円形穴18は形成されていない。従って、円形穴18は各吐出ポートの両端と弧状の頂点に位置する。
ハウジングカバー2には、弁板6の吐出ポート12aに連接する吐出口15と、弁板6の吸込ポート12bに連接する吸込口16が設けられている。
吐出口15には、弁板6の押付面であって吐出ポート12aにおける円弧状の頂点付近の位置に、弁板6をシリンダ5の端面に押し付けるための弾性体、好ましくはコイルばね等のスプリング19がハウジングカバーに係止されて設けられており、スプリング19と弁板6との間には、摺動可能なリング状の第1ブッシュ20が介設されている。
弁板6の押付面において、吐出ポート12aにおける円弧の両端の位置には、弁板6をシリンダ5の端面に押し付ける働きをする第2ブッシュ21がそれぞれ埋設されている。また、弁板6の押付面の閉じ込み部(上死点、下死点)には、それぞれ小ピストン22が埋設されており、これら2つの小ピストン22からはそれぞれ解離面に通じる圧力導入通路23が形成されている。圧力導入通路23は、図4に示すとおり、ピストンが4本とも高圧である時にはシリンダポート14と連通しないが、ピストンが5本とも高圧である時にはシリンダポート14と連通する位置となるように形成されている。
斜板7は、その前面がハウジング1の内面に支持されており、この斜板7の背面にはシュー13が摺動可能に当接されている。
ピストン4は、前端部がシリンダ5の前端部から突出している。また、このピストン4の前端部は球状頭部を有しており、シュー13と摺動可能に係合している。
シリンダポート14は、弁板6の吐出ポート12aと吸込ポート12bのピッチ円上にあって、シリンダ5が回転することで、吐出ポート12aと吸込ポート12bに交互に連通し、接続油路の切り換えが行われることとなる。
以上のような図1乃至図4に示す構成において、ポンプとして使用した場合には、シリンダ5の回転によりピストン4は、入力軸としての回転軸3を中心として公転しながら、斜板7に当接されたシュー13に往復運動し、弁板6の吸込ポート12aと吐出ポート12bとを介してポンプ作用を行うこととなる。
また、モータとして使用した場合は、圧油がハウジングカバー2の吸込口16より流入すると、その圧油は弁板6の吸込ポート12bを経てシリンダ5のシリンダポート14に入り、ピストン4の後端面に作用して、ピストン4を往復運動させる。そして、ピストン4の球状頭部がシュー13を介して斜板7に押し付けられることにより、ピストン4の運動方向と直交する方向に分力が生じ、この分力が回転力となって、シリンダ5及び回転軸3を回転させる。
その際、第1ブッシュ20、第2ブッシュ21は、いずれもシリンダポート14から吐出ポート12aに押し出された圧油の油圧力に対して弁板6をシリンダ5の端面に押し付ける働きをする。また、小ピストン22は、ピストン5本高圧時に圧力導入通路23と連通するシリンダポート14からの油圧力によって往復運動をし、第1ブッシュ20及び第2ブッシュ21の押付力に加えて、弁板6をシリンダ5の端面に押し付ける働きをする。
ここで、既に述べてきたとおり、ピストンポンプ・モータの作動中、高圧時には弁板6に作用する解離力が大きくなり、また、吐出ポート12aとシリンダポート14が連通している箇所が変化することで、解離面と押付面における中心からの荷重重心距離にずれが生じることとなる。すなわち、図5に示すとおり、吐出ポート12aとシリンダポート14が4箇所連通した状態から5箇所連通した状態に変化した場合には、弁板解離力の中心から荷重重心までの距離が図5(a)のL1から図5(b)のL2へと変化する。これに対して、押付力の荷重重心まで距離は、図6に示すとおり、L3に固定されているため重心位置にずれが生じる。
本願発明においては、第1ブッシュ20、第2ブッシュ21、及び小ピストン22を、例えば、図7のように配置することで、連通箇所が変化した場合でも、弁板6に対する押付力の荷重重心位置を近似させることとした。図7は、本願発明において、吐出ポート12aとシリンダポート14の連通箇所が4箇所から5箇所に変化した場合の、押付面の中心からの荷重重心距離の変化を示したものである。これを見てみると、押付力の中心からの荷重重心距離が、連通箇所が4箇所の場合にはL5と、連通箇所が5箇所の場合にはL4となっており、それぞれ弁板解離面における4箇所連通した場合の重心距離L1と、5箇所連通した場合の重心距離L2とで近似していることがわかる。
具体的な数値で表すと、図7のブッシュ及び小ピストンの配置では、解離面のシリンダポートとの摺動部(吐出圧力部)と2次圧面の合成荷重重心点が6%以内である。
本願発明は上述した実施形態に限られるものではない。即ち、本願発明の考え方は、ブッシュ及び小ピストンの数に関係なく適用できるものであり、小ピストンが構成上又はコスト上使用できない場合においても、解離力の重心位置変化量の中心に押付力の重心位置を設定することで弁板の変形を最小限とすることができる。
また、ピストンポンプ・モータの騒音、振動を低減するため、図2及び図4に示すように、弁板6の吐出ポート12a及び吸込ポート12bの端部にV字型(あるいはU字型)の閉じ込み防止溝24に設けてもよい。
1 ハウジング
2 ハウジングカバー
3 回転軸
4 ピストン
5 シリンダ
6 弁板
6a 穴
7 斜板
8 第2軸受
9 第1軸受
11 ばね
12 給排ポート
12a 吐出ポート
12b 吸込ポート
13 シュー
14 シリンダポート
15 吐出口
16 吸込口
17 閉じ込み部
18 円形穴
19 スプリング
20 第1ブッシュ
21 第2ブッシュ
22 小ピストン
23 圧力導入通路
24 閉じ込み防止溝

Claims (6)

  1. シリンダ内で往復運動するピストンと、
    回転自在な回転軸と、
    一端にシリンダポートを形成し、他端に前記ピストンが嵌装される開口部を形成したシリンダと、
    一端の面が前記シリンダに摺接すると共に、吸込用と吐出用の円弧状に形成された一対の各給排ポートを有し、前記回転軸の回転に従って前記給排ポートに摺接する前記シリンダポートの開口面積が増減する環状の弁板本体と、
    前記弁板本体における前記シリンダ側と反対側の面に周方向に間隔を空けて設けられた前記弁板本体を押圧する複数のブッシュと、から構成されるピストンポンプ・モータの弁板であって、
    前記弁板本体の前記シリンダと摺接する面である解離面に対して前記シリンダ側から作用する油圧力の重心位置が、前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュが設けられた面である押付面に対して前記ブッシュ側から前記弁板本体に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるように前記複数のブッシュを配置したことを特徴とする弁板。
  2. 前記解離面に前記シリンダポートと連通可能な圧力導入通路を形成し、
    押付面に前記圧力導入通路に連通する小ピストンを設け、
    前記回転軸の回転に伴って前記圧力導入通路が前記シリンダポートと連通したときに、シリンダポートからの油圧力によって前記小ピストンが往復運動することで、前記弁板本体が前記シリンダを押圧するように構成した前記弁板であって、
    前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が、前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュ側から前記弁板本体の押付面に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるように前記複数のブッシュと前記小ピストンを配置したことを特徴とする請求項1に記載の弁板。
  3. 前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記解離面の合成荷重重心点が前記押付面の油圧力の荷重重心距離に対して6%以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弁板。
  4. シリンダ内で往復運動するピストンと、
    回転自在な回転軸と、
    一端にシリンダポートを形成し、他端に前記ピストンが嵌装される開口部を形成したシリンダと、
    一端の面が前記シリンダに摺接すると共に、吸込用と吐出用の円弧状に形成された一対の各給排ポートを有し、前記回転軸の回転に従って前記給排ポートに摺接する前記シリンダポートの開口面積が増減する環状の弁板本体と、
    前記弁板本体における前記シリンダ側と反対側の面に周方向に間隔を空けて設けられた前記弁板本体を押圧する複数のブッシュと、から構成されるピストンポンプ・モータであって、
    前記弁板本体の前記シリンダと摺接する面である解離面に対して前記シリンダ側から作用する油圧力の重心位置が、前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュが設けられた面である押付面に対して前記ブッシュ側から前記弁板本体に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるように前記複数のブッシュを配置したことを特徴とする弁板を備えるピストンポンプ・モータ。
  5. 前記解離面に前記シリンダポートと連通可能な圧力導入通路を形成し、
    押付面に前記圧力導入通路に連通する小ピストンを設け、
    前記回転軸の回転に伴って前記圧力導入通路が前記シリンダポートと連通したときに、シリンダポートからの油圧力によって前記小ピストンが往復運動することで、前記弁板本体が前記シリンダを押圧するように構成した前記弁板を搭載するピストンポンプ・モータであって、
    前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が、前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記ブッシュ側から前記弁板本体の押付面に作用する油圧力の重心位置とのずれが最小限となるように前記複数のブッシュと前記小ピストンを配置したことを特徴とする請求項4に記載のピストンポンプ・モータ。
  6. 前記シリンダ側から前記弁板本体の前記解離面に作用する油圧力の重心位置が前記回転軸の回転に伴って変化した場合でも、前記解離面の合成荷重重心点が前記押付面の油圧力の荷重重心距離に対して6%以内であることを特徴とする請求項4又は5に記載のピストンポンプ・モータ。
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