JPH0444762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は床面に横行自在に設けた横行パレツト
と、横行自在な走行体に昇降自在に設けた昇降パ
レツトと、格納庫の支柱に昇降のみ自在に設けた
昇降パレツトとを組み合わせてなる複数層の立体
駐車装置に係るものである。

(ロ) 従来の技術 従来の前記構成からなる立体駐車装置として、
昇降パレツトの前後左右に繋止した４本のワイヤ
ーを左右の巻取りドラムで昇降させるようにした
ものが特開昭60−78061号公報に提案されている。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 前記特開昭60−78061号公報記載の発明は、４
本のワイヤーで昇降させているので、ワイヤーの
伸びの相違によつてパレツトの姿勢が狂つて昇降
に支障を起こすおそれがあり、特に、前後のワイ
ヤーの長さが異なるためパレツトが前下がりにな
る欠点があり、また、巻取りドラムで巻き取る場
合に、巻取りドラム上でワイヤーが重り合うと前
記のようにパレツトの姿勢が狂うようになり、そ
れを防ぐためドラムにワイヤーの誘導溝を刻設し
て重合しないようにすれば、ドラム幅が大きくな
つて、ワイヤーが誘導溝から外れるようになるの
でドラムの径を大きくしなければならず、装置が
大きくなる欠点があつた。

(ニ) 課題を解決するための手段 本考案は前述の諸欠点を改善すべく、前面に自
動車出入口を設けた格納庫床面にそれぞれに横行
装置を備えた横行パレツトを複数台並設してなる
格納第１層と、左右１対の垂直部材と水平部材と
からなり、側方より見て逆Ｌ字状に構成するとと
もに垂直部材の下端及び水平部材の前端をそれぞ
れ格納庫後方及び前方に固設したガイドレールに
係合し且つそれぞれに横行装置を備えた走行体を
複数台並設してなる、上下方向に任意段設けた格
納中間層と、該格納中間層上方の格納最上層から
なる立体駐車装置において、走行体に該走行体の
左右の垂直部材に設けたガイドレールに係合して
昇降のみ自在とした中間層昇降枠を設け、該中間
層昇降枠に自動車を縦方向に載置すべく構成した
中間層パレツトを後方から前方へ後方支持の片持
支持として固設して中間層昇降台を構成し、中間
層昇降枠の正面より見て中央上部を該部直上の走
行体に設けた電動チエンブロツクに連結して中間
層パレツトを床面から格納中間層まで昇降自在と
するとともに水平部材の前方に繋止したワイヤー
を中間層昇降台の前方に設けた滑車に張設し、更
に中間層昇降台の後方に設けた滑車を経て垂直部
材の下方に張設繋止し、且つ垂直部材の後方の格
納庫の後面にそれぞれ立設した左右１対の後面支
柱に設けたガイドレールに係合して昇降のみ自在
とした最上層昇降枠を設け、該最上層昇降枠に自
動車を縦方向に載置すべく構成した最上層パレツ
トを後方から前方へ後方支持の片持支持として固
設して最上層昇降台を構成し、最上層昇降枠の正
面より見て中央上部を該部直上の格納庫に設けた
電動チエンブロツクに連結して最上層パレツトを
床面から格納最上層まで昇降自在とするとともに
格納庫の前方に繋止したワイヤーを最上層昇降台
の前方に設けた滑車に張設し、更に最上層昇降台
の後方に設けた滑車を経て後面支柱の下方に張設
繋止し、且つ横行パレツト及び中間層昇降台の数
を最上層昇降台の数より１台少ない数とし、格納
第１層及び格納中間層にそれぞれ１パレツト分の
退避空間を設けたことを特徴とするものである。

(ホ) 作用 次にその作用を説明すると、例えば格納最上層
の最上層パレツトに自動車を格納しようとすると
きは、該格納しようとする最上層パレツトの下方
に位置している格納中間層の走行体と格納第１層
の横行パレツトとをそれぞれ横行退避させて空間
をつくり、該空間内で格納しようとする最上層パ
レツトを昇降させて格納または出庫させ、また、
格納中間層の中間層パレツトに自動車を格納しよ
うとするときは、前記同様に、その下方に位置し
ている中間層パレツトと横行パレツトを退避させ
ればよい。この場合の最上層及び中間層の各パレ
ツトの昇降は、パレツトを固設した最上層昇降枠
及び中間層昇降枠の中央部に連結した電動チエン
ブロツクで昇降し、しかも最上層パレツトにあつ
ては格納庫に繋止したワイヤーを最上層昇降台の
前後に設けた滑車に係合して後面支柱の下方に、
中間層パレツトにあつては水平部材に繋止したワ
イヤーを中間層昇降台の前後に設けた滑車に係合
して垂直部材の下方にそれぞれ張設繋止している
ので各パレツトの姿勢が安定しており、パレツト
を円滑に昇降させることができる。なお、電動チ
エンブロツクは、巻取りドラムにチエンを巻き付
けるのでなく、チエンホイルでチエンをたくり上
げる方式であるのでチエンは常に鉛直線上にたく
り上げられるので、ワイヤーの巻き取りのように
ワイヤーの重合や誘導溝からの逸脱のおそれがな
い。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
第１図において、１は前面を開放して自動車出入
口２とした格納庫であつて、その床面に敷設した
ガイドレール３上に複数台（本実施例では２台）
の横行パレツト４をローラー５によつて横行自在
に載置し、第２図に示すように、床面に両端を固
着して張設した固定チエン６に各横行パレツト４
に設けたスプロケツト７を係合し、これを減速モ
ーター８で駆動するようにし、この横行パレツト
４上に自動車を載置格納するようにして、これを
格納第１層Ａとしている。次に、９は前記横行パ
レツト４と同数並設した走行体であつて、枠状に
形成した左右１対の垂直部材１０と水平部材１１
とを側方より見て（第１図において）逆Ｌ字状に
構成し、垂直部材１０の下端に設けたローラー１
２を格納庫後方、すなわち自動車出入口２と反対
側の床面に敷設したガイドレール１３に係合する
とともに水平部材１１の前端に設けたローラー１
４を格納庫前方の自動車出入口２の上方に敷設し
たガイドレール１５に係合させて横行自在にする
とともに前記横行パレツト４と同様の手段、すな
わち床面に張設した固定チエンに各走行体のスプ
ロケツトを係合させ、これを減速モーターで駆動
するようにしている。１６は走行体９の垂直部材
１０の両側のガイドレール１７に係合して昇降の
み自在とした中間層昇降枠であつて、該中間層昇
降枠１６に自動車を縦方向に載置すべく構成した
中間層パレツト１８を後方から前方へ後方支持の
片持支持として固設して中間層昇降台１９を構成
し、中間層昇降枠１６の正面より見て中央上部を
該部直上の走行体９に設けた電動チエンブロツク
２０の牽引チエンに連結して昇降するようにし、
その上昇位置が格納中間層Ｂとなつているが、次
に、姿勢制御装置について説明すると、水平部材
１１の前方に繋止したワイヤー２１を中間層昇降
台１９の前方に設けた滑車２２に張設して、更に
中間層昇降台１９の後方に設けた滑車２３，２４
を経て垂直部材１０の下方に張設繋止２５してい
る。

次に、２６は垂直部材１０の後方の格納庫１の
後面にそれぞれ立設した左右１対の後面支柱２７
の両側のガイドレール２８に係合して昇降のみ自
在とした最上層昇降枠であつて、該最上層昇降枠
２６に前記同様に構成した最上層パレツト２９を
固設して最上層昇降台３０を構成し、前記と同様
に電動チエンブロツク３１の牽引チエンに連結し
て昇降するようにし、その上昇位置が格納最上層
Ｃとなり、床面から格納最上層Ｃまで昇降するよ
うにしている。また、前記姿勢制御装置と同様に
格納庫１の前方に繋止したワイヤー３２を最上層
昇降台３０の前方に設けた滑車３３に張設して更
に最上層昇降台３０の後方に設けた滑車３４，３
５を経て後面支柱２７の下方に張設繋止してい
る。なお、前記の横行パレツト４と中間層昇降台
１９はそれぞれ２台づつ設け、最上層昇降台３０
は３台設け、格納第１層Ａと格納中間層Ｂには１
パレツト分の退避空間を設けている。

なお、前記の実施例では、格納中間層を１層だ
けとしているが、第４図に示す別の実施例のよう
に走行体の垂直部材を後方に並設することで格納
中間層を幾層にも増やすこともでき、また、同図
に示すように地下にピツトを堀り、後面支柱をガ
イドとして地下層と床面とを昇降する地下パレツ
ト３６を追加することで容易に地下に１層増やす
こともできる。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように、格納庫後方の垂直部材
または後面支柱に昇降自在に取り付けた昇降枠に
パレツトを固設し、昇降枠をその直上に設けた電
動チエンブロツクで昇降するとともに姿勢制御装
置を設けたので、昇降高さが高くなつても確実に
安定して昇降させることができ、しかも、構造は
到つて簡単となり、設置後のメンテナンスが容易
であるなどの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図及び第３図はそれぞれ本考案立体駐車装置の
側断面図及び姿勢制御装置を省略した状態の正面
（前面）図、第２図は横行装置の拡大図、第４図
は別の実施例を示す側断面図である。 １……格納庫、２……自動車出入口、４……横
行パレツト、９……走行体、１０……垂直部材、
１１……水平部材、１３……ガイドレール、１５
……ガイドレール、１６……中間層昇降枠、１７
……ガイドレール、１８……中間層パレツト、１
９……中間層昇降台、２０……電動チエンブロツ
ク、２１……ワイヤー、２２……滑車、２３……
滑車、２４……滑車、２５……繋止、２６……最
上層昇降枠、２７……後面支柱、２８……ガイド
レール、２９……最上層パレツト、３０……最上
層昇降台、３１……電動チエンブロツク、３２…
…ワイヤー、３３……滑車、３４……滑車、３５
……滑車、Ａ……格納第１層、Ｂ……格納中間
層、Ｃ……格納最上層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に自動車出入口２を設けた格納庫１床面に
   それぞれに横行装置を備えた横行パレツト４を複
   数台並設してなる格納第１層Ａと、左右１対の垂
   直部材１０と水平部材１１とからなり、側方より
   見て逆Ｌ字状に構成するとともに垂直部材１０の
   下端及び水平部材１１の前端をそれぞれ格納庫１
   後方及び前方に固設したガイドレール１３，１５
   に係合し且つそれぞれに横行装置を備えた走行体
   ９を複数台並設してなる、上下方向に任意段設け
   た格納中間層Ｂと、該格納中間層Ｂ上方の格納最
   上層Ｃからなる立体駐車装置において、走行体９
   に該走行体の左右の垂直部材１０に設けたガイド
   レール１７に係合して昇降のみ自在とした中間層
   昇降枠１６を設け、該中間層昇降枠１６に自動車
   を縦方向に載置すべく構成した中間層パレツト１
   ８を後方から前方へ後方支持の片持支持として固
   設して中間層昇降台１９を構成し、中間層昇降枠
   １６の正面より見て中央上部を該部直上の走行体
   ９に設けた電動チエンブロツク２０に連結して中
   間層パレツト１８を床面から格納中間層Ｂまで昇
   降自在とするとともに水平部材１１の前方に繋止
   したワイヤー２１を中間層昇降台１９の前方に設
   けた滑車２２に張設し、更に中間層昇降台１９の
   後方に設けた滑車２３，２４を経て垂直部材１０
   の下方に張設繋止２５し、且つ垂直部材１０の後
   方の格納庫１の後面にそれぞれ立設した左右１対
   の後面支柱２７に設けたガイドレール２８に係合
   して昇降のみ自在とした最上層昇降枠２６を設
   け、該最上層昇降枠２６に自動車を縦方向に載置
   すべく構成した最上層パレツト２９を後方から前
   方へ後方支持の片持支持として固設して最上層昇
   降台３０を構成し、最上層昇降枠２６の正面より
   見て中央上部を該部直上の格納庫１に設けた電動
   チエンブロツク３１に連結して最上層パレツト２
   ９を床面から格納最上層Ｃまで昇降自在とすると
   ともに格納庫１の前方に繋止したワイヤー３２を
   最上層昇降台３０の前方に設けた滑車３３に張設
   し、更に最上層昇降台３０の後方に設けた滑車３
   ４，３５を経て後面支柱２７の下方に張設繋止
   し、且つ横行パレツト４及び中間層昇降台１９の
   数を最上層昇降台３０の数より１台少ない数と
   し、格納第１層Ａ及び格納中間層Ｂにそれぞれ１
   パレツト分の退避空間を設けてなる立体駐車装
   置。