JPH0444680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、油圧シヨベル用ロングアタツチメ
ントの分割形ブームの構造に関する。

従来の技術 第７図は、ロングアタツチメントを装着した油
圧シヨベルの側面図である。図において、１は油
圧シヨベル、２は油圧シヨベル１の上部旋回体、
３は下部走行体、４はロングアタツチメント、５
はロングアタツチメント４のメインブーム、６は
第１中継ブーム、７は第２中継ブーム、８はフロ
ントブーム、９は破砕機用アーム、１０は作業工
具である破砕機、１１はブームシリンダ、１２は
アームシリンダである。第８図は、第７図のロン
グアタツチメント４における第１中継ブーム６お
よび第２中継ブーム７を取外した場合の油圧シヨ
ベル１の側面図である。

従来技術のブーム構造を第７図および第８図に
ついて述べる。ビル解体などの高所作業を行う場
合の油圧シヨベル１は、上部旋回体２のフロント
部にロングアタツチメント４を装着している。そ
のフロントアタツチメン４の最下部にメインブー
ム５を枢着し、そのメインブーム５の上部先端に
第１および第２中継ブーム６，７を接続し、さら
に、その先端部にアーム９および破砕機１０を取
付けている。されで、上記メインブーム５、第１
中継ブーム６、第２中継ブーム７、フロントブー
ム８は、高所作業に適応する最短長さを設定して
あるので、ほぼ直線状に接続されている。低所作
業を行う場合に、第１および第２中継ブーム６，
７を取外し、メインブーム５先端部に直接フロン
トブーム８を取付けると、第８図のように、メイ
ンブーム５とフロントブーム８はほぼ直線上とな
る。

なお、ブームシリンダ１１を伸縮作動させる
と、ロングアタツチメント４は起伏作動を行うの
で、ロングアタツチメント４の傾斜角度は変わ
る。アームシリンダ１２は、フロントブーム８の
下面側に装備されているが、このアームシリンダ
１２を伸縮作動させると、アーム９の傾斜角度は
変わる。

考案が解決しようとする問題点 油圧シヨベルは、ロングアタツチメントに作業
工具を取付けてビル解体などの高所作業を行つた
り、あるいは、別の作業現場にて掘削作業を行
う。この場合に、ロングアタツチメントにおける
分割形のメインブームおよびフロントブームを直
接接続しても直線状となり、また、アームシリン
ダをフロントブームの上面側に取付けることがで
きないので、バツクホー用ブームに使用すること
はできなかつた。そのために、掘削作業時には、
第９図のようにくの字形に屈曲したバツクホー用
ブーム１３に取付け換えをしていた。そこで、ロ
ングアタツチメント用分割形ブームは遊休状態と
なり、不経済であつた。

この考案は上記の問題点を解決し、ロングアタ
ツチメント用分割形ブームを、バツクホー用とし
て兼用できるようなブーム構造を提供するもので
ある。

イ 油圧シヨベルのフロント部に継ぎブーム、ア
ームおよび作業工具をそれぞれ前後方向に回動
可能に順次連結し、また上記継ぎブームは、基
端側のメインブームと、単数個又は複数個の中
継ブームと、先端側のフロントブームを略直線
状に固定接続することにより形成し、また上記
フロントブームの上面側および下面側にそれぞ
れ油圧シリンダ装着用のブラケツトを配設した
ブーム構造であつて、 ロ メインブーム先端部の接続ブラケツト付近に
バツクホー使用時用ピン穴部を穿接し、 ハ 一方、フロントブームの基端部付近の上面お
よび下面にそれぞれアームシリンダ用ブラケツ
トを立設し、 ニ バツクホー用アーム先端部に作業工具として
バケツトを装着し、かつ継ぎブームを形成して
いる中継ブームを取外し、かつメインブームの
先端部にフロントブームの基端部を上記バツク
ホー使用時用ピン穴部にピン結合して側面視く
の字形のバツクホー用ブームを形成し、上記フ
ロントブームの先端部にバツクホー用アームの
基端部を連結するとともに、アームシリンダを
フロントブームの上面側に装着することによ
り、油圧シヨベルのバツクホー掘削ができるよ
うに構成した。

作 用 イ 継ぎブーム、アーム、および破砕機など作業
工具を順次連結してロングアタツチメントを形
成し、そのロングアタツチメントを装着した油
圧シヨベルでは、ビル解体などの高所作業を行
うことができる。

ロ 上記イ項のように装備しているロングアタツ
チメントを取付替えして、その油圧シヨベルで
バツクホー掘削作業を行いたいときには、バツ
クホー用アーム先端部に作業工具としてバケツ
トを装着し、かつ継ぎブームを形成している中
継ブームを取外し、かつメインブームの先端部
にフロントブームの基端部を上記バツクホー使
用時用ピン穴部にピン結合して側面視くの字形
のバツクホー用ブームを形成し、上記フロント
ブームの先端部にバツクホー用アームの基端部
を連結するとともに、アームシリンダをフロン
トブームの上面側に装着する。メインブームと
フロントブームは直接連結されて、側面視がく
の字形に屈曲したバツクホー用ブームに形成さ
れ、またフロントブームの上面側にアームシリ
ンダが装着されるので、油圧シヨベルはバツク
ホー掘削を行うことができる。

実施例 以下、この考案の実施例を図面に基いて詳細に
説明する。第１図は、この考案にかかるブーム構
造を有するロングアタツチメントを装着した油圧
シヨベルの側面図である。図において、１４はメ
インブーム、１５は第１中継ブーム、１６は第２
中継ブーム、１７はフロントブームである。第２
図は、フロントブーム１７の側面図である。図に
おいて、１８，１９はフロントブーム１７基端部
のそれぞれ接続用ボス、２０，２１はそれぞれブ
ラケツトである。第３図は、第２図のＡより見た
図である。第４図は、メインブーム１４の側面図
である。図において、２２は接続ブラケツト、２
３，２４，２５はそれぞれピン穴部である。第５
図は、第４図のＢより見た平面図である。

次に、この考案にかかるブーム構造を第１図〜
第５図について述べる。メインブーム１４先端部
の接続ブラケツト２２付近に、バツクホー使用時
用ピン穴部２５を穿設した。一方、フロントブー
ム１７の基端部付近の上面および下面にそれぞれ
アームシリンダ１２用ブラケツト２０，２１を立
設した。そしてバツクホー用アーム先端部に作業
工具としてバケツトを装着し、かつ継ぎブームを
形成している中継ブーム１５および１６を取外
し、かつメインブーム１４の先端部にフロントブ
ーム１７の基端部を上記バツクホー使用時用ピン
穴部２５にピン結合して側面視くの字形のバツク
ホー用ブームを形成し、上記フロントブーム１７
の先端部にバツクホー用アームの基端部を連結す
るとともに、アームシリンダ１２をフロントブー
ム１７の上面側に装着することにより、油圧シヨ
ベルのバツクホー掘削ができるように構成した。

次に、この考案にかかるブームの作用機能につ
いて述べる。第１図に示すように、継ぎブーム、
アーム、および破砕機を順次連結してロングアタ
ツチメントを形成し、そのロングアタツチメント
を装着した油圧シヨベルでは、ビル解体などの高
所作業を行うことができる。第６図はこの考案に
かかねブームを装着しバツクホー作業を行つてい
る油圧シヨベルの側面図であるが、第１図におけ
るロングアタツチメントを第６図のよらうに取付
替えするときには、バツクホー用アーム先端部に
バケツトを装着し、かつ継ぎブームを形成してい
る中継ブーム１５及び１６を取外し、かつメイン
ブーム１４の先端部にフロントブーム１７の基端
部をバツクホー使用時ピン穴部２５に結合して側
面視くの字形のバツクホー用ブームを形成し、フ
ロントブーム１７の先端部にバツクホー用アーム
の基端部を連結するとともに、アームシリンダ１
２をフロントブーム１７の上面側のブラケツト２
０と、バツクホー用アームの後端ブラケツトに対
して取付ける。メインブーム１４とフロントブー
ム１７は直接連結されて、側面視がくの字形に屈
曲したバツクホー用ブームに形成され、またフロ
ントブーム１７の上面側にアームシリンダ１２が
装着されるので、油圧シヨベルはバツクホー掘削
を行うことができる。

考案の効果 従来技術ロングアタツチメントにおける分割形
のメインブームおよびフロントブームを直接接続
しても直線状となり、また、アームシリンダをフ
ロントブームの上面側に取付けることができない
ので、バツクホー用ブームに使用することはでき
なかつた。そのために、掘削作業時には、別のバ
ツクホー用ブームを取付けていた。そこで、その
掘削作業期間中にはロングアタツチメント用分割
形ブームが遊休状態となり、不経済であつた。

しかし本考案では、油圧シヨベルのフロント部
に装着しているロングアタツチメントを取付替え
して、その油圧シヨベルでバツクホー掘削作業を
行いたいときには、バツクホー用アーム先端部に
作業工具としてバケツトを装着し、かつ継ぎブー
ムを形成している中継ぎブームを取外し、かつメ
インブームの先端部にフロントブームの基端部を
上記バツクホー使用時用ピン穴部にピン結合して
側面視くの字形のバツクホー用ブームを形成し、
上記フロントブームの先端部にバツクホー用アー
ムの基端部を連結するとともに、アームシリンダ
をフロントブームの上面側に装着する。メインブ
ームとフロントブームは直接連結されて、側面視
がくの字形に屈曲したバツクホー用ブームに形成
され、またフロントブームの上面側にアームシリ
ンダが装着されるので、油圧シヨベルはバツクホ
ー掘削を行うことができる。したがつて、ロング
アタツチメント用とバツクホー用のブームが兼用
可能となり、メインブームを取外す手間は不要と
なつた。それとともに、ブーム購入費は節減され
るので、そのコストを低減させる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるブーム構造を有する
ロングアタツチメントを装着した油圧シヨベルの
側面図、第２図はこの考案にかかるフロントブー
ムの側面図、第３図は第２図のＡより見た図、第
４図はこの考案にかかるメインブームの側面図、
第５図は第４図のＢより見た平面図、第６図はこ
の考案にかかるブームを装着した油圧シヨベルの
側面図、第７図は従来技術ロングアタツチメント
を装着した油圧シヨベルの側面図、第８図は第７
図におけるロングアタツチメントの中継ブームを
取外した油圧シヨベルの側面図、第９図は従来技
術バツクホー用ブームを取付けた油圧シヨベルの
側面図である。 ４……ロングアタツチメント、５，１４……メ
インブーム、６，７，１５，１６……中継ブー
ム、８，１７……フロントブーム、１２……アー
ムシリンダ、１３，２６……バツクホー用ブー
ム、２０，２１……ブラケツト、２２……接続ブ
ラケツト、２３，２４，２５……ピン穴部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧シヨベルのフロント部に継ぎブーム、アー
   ムおよび作業工具をそれぞれ前後方向に回動可能
   に順次連結し、また上記継ぎブームは、基端側の
   メインブームと、単数個又は複数個の中継ブーム
   と、先端側のフロントブームを略直線状に固定接
   続することにより形成し、また上記フロントブー
   ムの上面側および下面側にそれぞれ油圧シリンダ
   装着用のブラケツトを配設したブーム構造であつ
   て、メインブーム先端部の接続ブラケツト付近に
   バツクホー使用時用ピン穴部を穿設し、一方、フ
   ロントブームの基端部付近の上面および下面にそ
   れぞれアームシリンダ用ブラケツトを立設し、バ
   ツクホー用アーム先端部に作業工具としてバケツ
   トを装着し、かつ継ぎブームを形成している中継
   ブームを取外し、かつメインブームの先端部にフ
   ロントブームの基端部を上記バツクホー使用時ピ
   ン穴部にピン係合して側面視くの字形のバツクホ
   ー用ブームを形成し、上記フロントブームの先端
   部にバツクホー用アームの基端部を連結するとと
   もに、アームシリンダをフロントブームの上面側
   に装着することにより、油圧シヨベルのバツクホ
   ー掘削ができるように構成したことを特徴とする
   油圧シヨベルのブーム構造。