JPH0444419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は接着タイプのウインドシールドガラス
固定構造、特にダムの構造に関するものである。

［従来技術］ 第１図に示すような自動車のウインドシールド
ガラス１の固定構造として、第５図に示すように
ガラス１の外周部を自動車ボデーのウインドウ開
口に形成したフランジ２に接着剤３で接着する形
式のものがある。この接着タイプのウインドシー
ルドガラス１には接着剤３のはみ出しを防ぐため
に接着剤３の内側に沿う位置にゴムまたは合成樹
脂よりなるダム４が一連に設けられている。

ダム４は図示のように、ガラス面に接着テープ
６等で固着される基部４１と、基部４１から接着
剤３の側面を包むように伸出して先端が上記開口
フランジ２に圧接するリツプ部４２よりなる。

［本考案が解決しようとする問題点］ ところで従来のダム４では、第４図の荷重−た
わみ曲線の線Ｂで示すように、ガラス１を基準高
さとなるまで押付けるための荷重が大きく、ガラ
スの位置決めが不安定となり、またリツプ４２の
反力でガラス１が接着剤３の固化前に浮上り基準
高さよりも高くなるようなことがある。

また、ダム４をガラス１の隅角に沿つて湾曲せ
しめるとリツプ４２が立上がつて開口フランジ２
に押付けられたときに反力が大きくなり、甚だし
い場合は反転することがある。また湾曲時に基部
４１が波打ち状に変形することがある。いずれの
場合にも接着剤３のシール性が低下する。

そこで本考案は、ガラス取付け時の荷重が小さ
く、安定してガラスを基準高さに取付けることが
でき、かつ接着剤シール性も良好であるダムを備
えた接着タイプウインドシールドガラスの固定構
造を提供し、もつて従来の問題点を解決すること
を目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の固定構造は、第２図および第３図に示
すように、厚肉の基部５１と基部５１よりく字形
に伸び出すリツプ部５２とよりなるダムを具備せ
しめたことを特徴とする。

本考案におけるダム５は、厚肉の基部５１の一
方の側面、即ち接着剤３とは反対側の側面の中間
部から該側面に沿いつつこれとの間に間隙５３を
保つようにしてリツプ部５２が伸出し、このリツ
プ部５２の屈曲部５２１は基部５１の頂面５１１
に対応する高さ位置にあり、リツプ部５２の先半
部分は上記頂面５１１を覆うように伸出しかつ屈
曲部５２１はリツプ部５２の他の部分よりも薄肉
で屈曲変形自在としてある。そしてこのダム５は
ウインドシールドガラス１の取付け時において、
そのリツプ部５２は屈曲部５２１で更に屈曲し、
先半部分が頂面５１１と重なつてウインドウ開口
フランジ２に押付けられるようになつている。

［作用効果］ 上記ダム５によれば、ガラス取付高さは基部５
１の高さとリツプ部５２の厚さの和で決まるから
常に一定の取付け高さとなる。また第４図の線Ａ
で示すように、ガラス押付時の荷重はリツプ部５
２がその屈曲部５２１で容易に曲るので小さく、
またガラス取付後のガラス浮上りも生じない。更
にリツプ部５２の先半部分は、根元部との間に変
形容易な屈曲部５２１が介在するので、ガラス１
の隅角部に沿つて曲げたときリツプ部５２が立上
つても、この立上りによつてガラス押付時の荷重
やガラス取付後の浮上りが増加することはなく、
かつ基部５１は厚肉であるから波打ち状に変形す
ることはない。従つて安定したシール性が確保さ
れる。

［実施例］ 第２図に示すようにウインドシールドガラス１
は外周部はウインドウ開口のフランジ２に盛られ
た接着剤３により該フランジ２に固着される。

ガラス１の裏面外周には接着剤３に沿うように
ダム５が設けてある。ダム５は第２図および第３
図、特に第３図に示すように台形で厚肉の基部５
１とく字形のリツプ部５２とよりなる。リツプ部
５２は基部５１の一方の側面、即ち反接着剤側の
側面の中間部から該側面に沿い、これとの間にＶ
字状の間隙５３を保つて伸出しており、基部５１
の頂面５１１に対応する高さ位置に屈曲部５２１
を有し、先半部分は接着剤３側へ頂面５１１を覆
うように伸出している。屈曲部５２１にはその内
側に切欠きが設けてあつて屈曲部５２１はリツプ
部５２の他の部分よりも薄肉で屈曲変形自在とし
てある。このダム５は基部底面５１２において接
着テーブ６等の手段によりガラス１の裏面に固定
される。

しかして第２図に示すようにガラス１を取付け
るべくダム５を自動車ボデーのウインド開口フラ
ンジ２に押付けると、リツプ部５２は屈曲部５２
１で屈曲し、基部５１の頂面５１１とリツプ部５
２が重なつた状態でダム５が押付けられる。上記
間隙５３はリツプ部５２と基部５１の間の空胴部
となる。この場合、屈曲部５２１は屈曲変形自在
であるから、第４図の線Ａに示すように小さい荷
重で押付けることができ、ガラス１の取付け高さ
は基部５１の高さと、リツプ部５２の厚さの和で
決められる基準高さに正確に設定することができ
る。またリツプ部５２は屈曲部５２１で折曲がつ
ているので反力は小さく、接着剤３が未固化の状
態でもガラス１が浮上ることがない。またリツプ
部５２の長さを、これが基部頂面５１１と重なつ
たときに先端が頂面５１１の端部と一致する長さ
にすれば、第５図に示すように接着剤３側へリツ
プ部４２が長く伸縮した従来のダム４に比べ、接
着剤３の開口フランジ２との接着面を広くするこ
とができる。更にまた、リツプ部５２の先半部分
と根元部分の間には変形自在な屈曲部５２１が介
在しているので、ダム５をガラス隅角に沿つて湾
曲せしめたときリツプ部５２に立上りが生じて
も、この立上りによつてガラス押付時の荷重やガ
ラス取付後の浮上りが増加することはなく、また
基部５１は全体が厚肉であるので波打ちが生じる
こともない。

このように本考案のガラス固定構造ではダムを
改良したので、ガラス固定作業が容易であるとと
もにガラス１を常に一定高さに設定することがで
き、かつダム５の接着剤シール性は良好かつ安定
である。

なお図示は省略したがガラス１の端面とドア開
口との隙間はモールを装着するなどして被覆され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の斜視図、第２図および第３図
は本考案の実施例を示すもので、第２図は第１図
の−線断面図、第３図はダムの断面図、第４
図は本考案および従来のガラス取付構造における
ダムの荷重−たわみ曲線図、第５図は従来のガラ
ス固定構造の第２図に対応する部分の断面図であ
る。 １……ウインドシールドガラス、３……接着
剤、４……従来のダム、５……本考案のダム、５
１……基部、５２……リツプ部、５２１……屈曲
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウインドシールドガラスの外周部を自動車ボデ
   ーのウインドウ開口縁に接着剤にて接合し、該接
   着剤に沿うウインドシールドガラス裏面に接着剤
   のはみ出し防止用のダムを設けたウインドシール
   ドガラスの固定構造において、上記ダムがガラス
   裏面に固着される厚肉の基部と、基部の反接着剤
   側の側面の中間部から該側面に沿いつつこれとの
   間に間隙を保つて伸出し基部の頂面の高さ位置で
   接着剤方向へ屈曲して基部の頂面を覆うように伸
   出するく字形をなし、かつ屈曲部を薄肉として屈
   曲変形自在となしたリツプ部とよりなり、ガラス
   取付時にダムのリツプ部先半部分が頂面と重なつ
   てウインドウ開口縁に圧接されて接着剤のはみだ
   しを防止するようになしたウインドシールドガラ
   スの固定構造。