JPH04442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、電子式タクシーメータに関し、それに
タクシーの走行速度を記憶させることで、タクシ
ーの運行状態をより確実に把握し、かつ安全運転
と経済運転の管理を可能にするものである。

〔従来の技術〕

従来からタクシーメータは、タクシーの走行に
伴なう各種のデータを記録することが可能にされ
ているが、これらは料金とそれに関するデータと
走行距離が主で、事故に結びつきやすい走行速度
については記録されていなかつた。

したがつて、速度の管理を行うためには、別途
タコグラフを使用することを要している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このタコグラフは、特殊な用紙に時間毎の走行
速度を記録するものであるが、毎日の営業に際し
て用紙を取り替える必要があり、作業が煩わし
く、また経費の点でも問題があつた。

また、タコグラフが機械的要素であるために故
障や誤動作が多く、更に車両に設置する場所を特
に設ける必要がある等の問題を有していた。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案は、かかる現況に鑑みてなされたもので
あり、タクシーメータ自体に速度検出機能と速度
記録機能を付与させることにより、タコグラフを
別途設ける必要をなくしたものである。また、記
録すべき速度データも全て記録するのではなく、
安全運転や経済運転にとつて重要な目安となると
ころの、大きな加速が発生したときのみ記録する
こととした。

このような目的を達成した本考案は、走行距離
に応じて料金演算し、表示装置に料金を表示する
電子式タクシーメータにおいて、車軸の回転数に
応じた電気的パルス信号を発生する距離パルス発
生器と、単位時間毎にクロツクパルスを発生する
クロツクパルス発生器と、前記距離パルス発生器
から１周期のパルス信号が入力されている間に前
記クロツクパルス発生器が発生するクロツクパル
ス数を計数して、これに基づいて速度データを演
算する速度演算部と、前記速度演算部によつて算
出された速度データが入力されるとともに、速度
データのうち前後に並んで入力された速度データ
を比較し、その差が一定以上の大きさを有する場
合にのみ、後から入力された速度データを出力す
る比較回路と、前記比較回路から出力された速度
データを順次記憶する記憶回路と、を有し、走行
速度の変化が所定値以上に変化する都度、その変
化後の速度データを順次記憶することにより１日
の走行速度の分布データを得てななることを要旨
としている。

〔作用〕

本考案に係る電子式タクシーメータは上述のよ
うな構成からなり、距離パルス発生器から１周期
のパルス信号が入力されている間にクロツクパル
ス発生器が発生するクロツクパルスを計数して速
度データを演算し、このようにして得られた速度
データをのうち前後に並んだ速度データを比較し
てその差が一定以上の大きさである場合にのみ、
後から入力された速度データが記憶される。した
がつて、記憶回路には大きな速度変化があつたと
きの速度のみが記録されることになる。

〔実施例〕

次に本考案の詳細を図示した実施例に基づき説
明する。

第１図は本考案に係る電子式タクシーメータの
簡略ブロツク図である。

図中１はタクシーの走行距離を電気的パルス信
号に変換する距離パルス発生器で、これはタクシ
ーの車軸の回転を光学的または磁気などによつて
パルス信号に変換するものである。

９は単位時間毎に時間信号、即ちクロツクパル
スを発生するクロツクパルス発生器である。

２は前記距離パルス発生器１から１周期のパル
ス信号が入力されている間に前記クロツクパルス
発生器９が発生するクロツクパルス数を計数し
て、これに基づいて速度データを演算する速度演
算部である。速度演算部２は前記距離パルス発生
器１が出力する距離パルス信号の１周期に対応す
る距離を予めデータとして有しており、この距離
データ、とクロツクパルスの個数によつて計算さ
れた距離パルス信号１周期の時間とから１周期毎
の速度を演算し、その数値を比較回路３に入力す
る。

比較回路３は、速度演算部２から順次入力され
る距離パルスの１周期毎の速度のデータにおい
て、前後に並んで入力された速度を互いに比較
し、その差が予め定められた数値以上に大きいと
きは、あとから入力された速度データをその後段
の記憶回路４に入力し、逆に前記の差が定められ
た数値よりも小さいときは、そのデータは出力し
ないように構成されている。したがつて、記憶回
路４には走行速度が予め定められ速度以上に変化
した都度の速度が順次に格納される。比較回路３
が存在する結果、安全運転や経済運転を心掛ける
上で重要な情報、即ち急激な加速や減速が行われ
た場合の速度データのみしか記憶されないから、
記憶回路４のメモリー容量は小さなもので充分で
あり、例えば、記憶回路４は料金演算部５の記憶
回路と共用することも可能である。

５は距離パルス発生器１による距離パルスによ
り、タクシーの乗車料金を計数する料金演算部で
ある。

第２〜４図は距離パルス発生器１の例で、第２
〜３図では、断面凹形に形成されたフオトセンサ
６内を、タクシーの車軸の回転させられるシヤフ
ト７に固着され、かつ外周の一部が切除された回
転板８が断続的に通過することで、フオトセンサ
６が回転板８の切除されていない部分を検出する
毎に、距離パルス信号を発生するものである。

第４図は近接スイツチ、リードスイツチなどの
センサ６が使用された例で、回転板８の外周部に
断続的に磁石を有し、それの通過でパルス信号を
出力するもので、これらの例のように車軸の回転
をパルス信号に変換可能な任意の構成の物が距離
パルス発生器１として使用される。

〔考案の効果〕 本案のタクシーメータは、上記のように、タク
シーの走行距離を電気的パルス信号に変換し、そ
の１周期に対応する距離と、タクシーが高速で走
行しているときは短かく、逆に低速走行時には長
く変化する前記距離パルスの各周期毎の時間と
で、刻々の速度を算出して比較回路に入力すると
ともに、このようにして算出された速度データの
うち前後に並んで入力された速度データを比較
し、その差が予め定められた値以上である場合に
のみ、後から入力された速度データを出力してこ
れを記憶回路に順次記憶させることによつて１日
の走行速度の分布データを得るものとした。した
がつて、本考案の電子式タクシーメータによれ
ば、１日の営業走行のなかで急激な加速や急激な
減速がどのような分布でどの程度あつたかがわか
り、安全走行や経済走行を励行するうえで極めて
重要な情報を得ることができる。

そして、本考案は速度データの算出並びに記憶
等にタコグラフ等の機械的装置を用いることなく
従来よりタクシーメータにおいて料金計算に用い
られている距離パルスとクロツクパルスを利用し
たものであるから、距離パルス発生器は、公知の
タクシーメータが備えているものを共用するもの
であり、かつ速度演算部、比較回路および記憶回
路も料金演算部の各構成部で共用することも可能
で、経済的であるとともに保守も容易で、かつ正
確な走行速度の分布データを入手できる電子式タ
クシーメータが提供できる。

また速度データは一定値以上の差を有する速度
変化のみを記憶するものであるから、メモリの節
約が可能で、且つ危険につながる可能性のある重
要な情報のみを自動選択的に記憶することがで
き、分析容易な速度分布データを得ることができ
る。

そして、一日の営業が終了したときに、営業毎
の料金その他の各種の営業データの呼び出し時
に、記憶回路に格納された速度のデータを呼び出
して、それをコンピユータなどで数字としてプリ
ントアウトまたは映像モニターにグラフなどとし
て描出することで、そのタクシーの一日などの走
行の速度分布を容易に知ることができ、経済走
行、安全運転なとの管理を適確に行いうる。記憶
回路に格納された速度のデータは、呼び出し装置
で呼び出し、それをプリントアウトまたはコンピ
ユータに入力するなどして、他の営業データと共
に簡単に解析することが可能で、タコグラフに比
してデータの解析が容易である、とともに、電気
信号として速度のデータをうるから、それを種々
の手段で活用することが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図はブロツク
図、第２図は変換器の正面図、第３図は平面図、
第４図は他の変換器の平面図である。 １……距離パルス発生器、２……速度演算部、
３……比較回路、４……記憶回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 走行距離に応じて料金演算し、表示装置に料金
   を表示する電子式タクシーメータにおいて、 車軸の回転数に応じた電気的パルス信号を発生
   する距離パルス発生器と、 単位時間毎にクロツクパルスを発生するクロツ
   クパルス発生器と、 前記距離パルス発生器から１周期のパルス信号
   が入力されている間に前記クロツクパルス発生器
   が発生するクロツクパルス数を計数して、これに
   基づいて速度データを演算する速度演算部と、 前記速度演算部によつて算出された速度データ
   が入力されるとともに、速度データのうち前後に
   並んで入力された速度データを比較し、その差が
   一定以上の大きさを有する場合にのみ、後から入
   力された速度データを出力する比較回路と、 前記比較回路から出力された速度データを順次
   記憶する記憶回路と、 を有し、走行速度の変化が所定値以上に変化する
   都度、その変化後の速度データを順次記憶するこ
   とにより１日の走行速度の分布データを得てなる
   電子式タクシーメータ。