JPH0441813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、脱穀機の穀粒移送装置に関し、大
豆用コンバインに搭載する脱穀機に利用できる。

〔従来技術〕

従来の脱穀機にあつては、例えば、実公昭30−
14339号公報に示されているような螺旋底が網状
部材で構成され、穀粒移送中に夾雑物をその網か
ら下方に落下除去できるものや、実開昭48−
19562号公報に記載されているような移送螺旋の
外周縁にブラシを設けた乾燥機に使用するスクリ
ユーコンベアが公知であつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

大豆は、稲などを栽培する水田に比較して柔軟
で付着しやすい土壌からなる畑で栽培するため、
刈取つた茎稈に土壌が付着していることが多い。

そのため、茎稈に付着した土は、脱穀機の内部
まで運ばれて大豆粒に付着して商品価値を低下し
たり、選別装置に累積して選別不良等をおこす原
因になつていた。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、上述の課題を解決するために、つ
ぎの如き技術的手段を用いる。すなわち、脱穀機
の選別装置の下方において、一端を上方にして他
端を下方に位置させて傾斜させた選別用のベルト
コンベアーを回転駆動できるように巻回して設け
この選別ベルトコンベアーの他端部分、すなわち
低い側に、機体の一側に穀粒を移送する移送螺旋
を土等の漏下孔を有する移送樋内に設け、この移
送螺旋の外周には前記選別ベルトコンベアーの表
面に付着している土等を清掃できるように、コン
ベアーの表面を回転範囲内とするブラシを設けて
構成した大豆用脱穀機の穀粒移送装置である。

〔作用・効果〕

刈取装置によつて刈取られた大豆茎稈は、脱穀
機に供給されて脱穀処理される。そして、被選別
物は、下方に漏下して揺動を続けている選別装置
に達して選別作用を受ける。

つぎに、大豆粒は、選別装置から回転駆動され
ている選別ベルトコンベアー上に落下して選別作
用をうける。

この場合、被選別物は、精粒がベルトの下方に
流下して移送螺旋に入つて機体一側に送られて機
外に取り出され、茎稈屑の混じつた大豆は選別ベ
ルトコンベアによつて上方へ搬送されて上端部分
から次の選別部分に送られる。

このとき、選別ベルトコンベアー上には、起風
機によつて発生する選別風が流れている。

以上のような作用中において、移送螺旋の外縁
にあるブラシは、選別ベルトコンベアーの表面に
接触しながら回転してそのベルトコンベアーを清
掃することができる。

このようにして、ブラシによつて大豆と共に移
送樋に達した土は、一側に移送される過程で漏下
孔から機外に排出されるものである。

以上のように、この考案は、移送螺旋に設けた
ブラシか選別ベルトコンベアーの表面を清掃して
付着物を落し、それを移送樋の漏下孔を通して機
外に排出できるものである。

したがつて、この考案は、選別ベルトコンベア
ーに土が付着して蓄積されることがなく、そのた
め、大豆に土の付着がなくの商品価値の低下を未
然に防止できる。

しかも、選別ベルトコンベアーは、土や塵埃の
付着が少ないので選別障害を起こすこともなく、
常に、良好な選別を続けることができるものであ
る。

〔実施例〕

以下、大豆コンバインの実施例について説明す
る。

大豆コンバイン７は、原動機１０からギヤーケ
ース８を介して伝動される走行装置９を有してい
る。

そして、１１は運転席、１２は脱穀機を示す。

刈取前処理装置は、前部から分草杆１３、刈取
装置１５、掻込装置１６、掻込オーガー１７及び
移送装置１９からなり、前部上方には掻込リール
１４を軸架して構成し、前記脱穀機１２の前部に
連結して設けている。

１８は掻込体を示す。

次に、脱穀機１２の構成は、上部に扱胴２１を
軸架し、その外周に漏下網２２を張設した扱室２
０を構成している。

選別装置２３は、扱室２０の下方にあつて、揺
動自由に吊持した選別棚からなり、選別網と、ふ
るい線を有する構成としている。

一番選別ベルトコンベアー５は、上記選別装置
２３の下方において、一端を上方にして他端を下
方に位置させて傾斜させ、上面が上方に移動する
ように回転駆動できる構成としている。

そして、移送螺旋１は、土等の漏下孔４を多数
配設した移送樋２内に軸架し、前記選別ベルトコ
ンベアー５の他端部分に臨ませて設けている。

ブラシ３は、移送螺旋１の外周に取り付け、前
記選別ベルトコンベアー５の表面に接触して清掃
しながら回転できるように構成している。

そして、二番選別ベルトコンベアー２４は、上
記一番選別ベルトコンベアー５の上端部分から放
出された被選別物が落下する位置に一番選別ベル
トコンベアー５と同じ方向に傾斜させると共に同
じ方向に回動する構成としている。

そして、二番移送樋螺旋２６は、一番移送螺旋
１と同様に、多数の漏下孔４を配設した移送樋２
５内に軸架し、二番選別ベルトコンベアー２４の
下端部に臨ませて構成している。

ブラシ３は、二番移送螺旋２６の外周に設け、
前記二番選別ベルトコンベアー２４の表面に接触
して回転しながら清掃できるように構成してい
る。

２７は起風機、２８は昇穀機、２９は排塵フア
ン、３０は排塵棚を示す。

次にその作用について説明する。

まず、原動機１０を始動して機体の回転各部を
駆動しながら大豆の収穫作業を開始する。

圃場の大豆は、前部の掻込リール１４によつて
掻き込まれ分草杆１３で分草された後刈取装置１
５によつて刈取られる。

そして、大豆茎稈は、掻込装置１６、掻込オー
ガ１７、移送装置１９を介して掻込体１８に達し
て扱室２０に供給される。

そして、大豆茎稈は、扱胴２１によつて脱穀さ
れた後、脱粒された大豆と稈屑が漏下網２２から
下方の選別装置２３に落下する。

一方、長い稈屑は、公報の排塵フアン２９を経
て排塵棚３０に達し、大豆粒が回収される。

以上のようにして、選別装置５から下方に落下
した被選別物は、一番選別ベルトコンベアー５に
達して精粒と二番物とに選別分離される。

このとき、ベルトコンベアー５、２４上には起
風機２７による選別風が吹き抜けている。

そして、一番粒は、一番移送螺旋１に流下して
一側方に送られて機外に取り出される。

二番物は、二番選別ベルトコンベアー２４から
二番移送螺旋２６に達して回収されるものであ
る。

そして、排塵物は機外に排塵される。

さて、以上のような作用中において、ブラシ３
は、回転圏内に臨んでいるベルトコンアー５、２
４に接触しながら回転して表面を清掃する。

各移送樋２、２５に達した土等は、螺旋の回転
にともなつて漏下孔４から機外に排除される。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示すものであつて
第１図は要部の側面図、第２図は要部の一部を示
す正面図、第３図は全体側面図、第４図はその平
面図である。 符号の説明、１……一番移送樋螺旋、２……移
送樋、３……ブラシ、４……漏下孔、５……一番
選別ベルトコンベアー、７……大豆用コンバイ
ン、８……ギヤケース、９……走行装置、１０…
…原動機、１１……運転席、１２……脱穀機、１
３……分草杆、１４……掻込リール、１５……刈
取装置、一６……掻込装置、１７……掻込オーガ
ー、１８……掻込体、１９……移送装置、２０…
…扱室、２１……扱胴、２２……漏下網、２３…
…選別装置、２４……二番選別ベルトコンベア
ー、２５……二番移送樋、２６……二番移送螺
旋、２７……起風機、２８……昇穀機、２９……
排塵フアン、３０……排塵棚。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 選別装置の下方において、一端を上方にして
   他端を下方に位置させて傾斜させた選別ベルト
   コンベアーを設け、該選別ベルトコンベアーの
   他端部分に臨ませて土等の漏下孔を有する移送
   樋内に移送螺旋を設け、該移送螺旋の外周には
   前記選別ベルトコンベアーの表面を回転範囲内
   とするブラシを設けてなる大豆用脱穀機の穀粒
   移送装置。 (2) 選別ベルトコンベアーに付着した土や塵埃を
   移送螺旋に取り付けたブラシによつて清掃でき
   る構成とした実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の大豆用脱穀機の穀粒移送装置。