JPH0441470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はピンチローラの傾き防止機構に係り、
特に簡単な構成でピンチローラの傾きを確実に防
止できるピンチローラの傾き防止機構に関する。

従来の技術 一般に磁気テープを引き出して回転ドラムに添
接させて磁気記録再生を行なう磁気記録再生装置
においては、磁気テープのローデイングに伴いピ
ンチローラも変位して磁気テープをキヤプスタン
に圧着する構成とされている。このピンチローラ
はピンチローラアームに取付けられており、その
回動変位に伴いキヤプスタンと圧着する位置まで
変位される。従来のピンチローラ及びピンチロー
ラアームを第４図Ａ，Ｂに示す。同図に示すピン
チローラアーム１は側方より見て略Ｔ字状をな
し、その一端部にピンチローラ２を回転自在に取
付けている。このピンチローラアーム１において
は軸受部１ａが比較的長いため、ピンチローラア
ーム１にピンチローラ圧着力や、また不測の外力
が印加された場合においても、キヤプスタン３に
対してピンチローラ２が傾くようなことはなかつ
た。しかるに、昨今の電子機器の小型、薄型、軽
量化に伴い、ピンチローラアーム４も第５図Ａ，
Ｂに示されるような軸受部４ａの長さが小とされ
た構造のものが一般に採用されている。

考案が解決しようとする問題点 第５図Ａ，Ｂに示される軸受部４ａの長さが小
とされたピンチローラアーム４では、シヤフト５
と軸受部４ａとの間に少しでも間〓があると、第
６図Ａ，Ｂに示されるようにピンチローラアーム
４が傾き、これによりキヤプスタン３に対してピ
ンチローラ２が傾いてしまい、磁気テープの走行
が不安定になるという問題点があつた。また、薄
型、軽量化によりピンチローラアーム４自体の肉
厚寸法を小として薄板化することが行なわれてお
り、この場合ピンチローラアーム４に撓みが発生
しやすくなり、これによつてもキヤプスタンシヤ
フト３に対してピンチローラ２が傾いてしまうと
いう問題点があつた。

そこで本考案では、規制部材によりピンチロー
ラアームの傾きを規制する構成とすることにより
上記問題点を解決したピンチローラの傾き防止機
構を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本考案では、 ピンチローラが取付けられおり軸受部を中心と
して回動変位して該ピンチローラをキヤプスタン
に圧着させると共に上記軸受部が低背化された構
造のピンチローラアームと、 シヤーシ上に設けられると共に上記圧着時にピ
ンチローラアームのピンチローラ取付け位置近傍
部と係合する嵌合溝を有しており、このピンチロ
ーラ取付け位置近傍部が上記ピンチローラアーム
の回動に伴い上記嵌合溝に嵌入し該ピンチローラ
アームを上下より挟持することにより該ピンチロ
ーラアームの傾きを規制する規制部材と により構成したことを特徴とするものである。

作 用 ピンチローラの傾き防止機構を上記構成とする
ことにより、軸受部が低背化されたピンチローラ
に傾きが発生し易い構成でも、ピンチローラアー
ムは軸受部と、ピンチローラ取付け位置近傍部と
規制部材の嵌合溝との係合位置との２箇所で保持
するため、ピンチローラアームの傾きを確実に防
止することができる。

実施例 次に本考案になるピンチローラの傾き防止機構
（以下、単に機構と略称する）の一実施例につい
て図面と共に説明する。第１図Ａは機構６の平面
図、第１図Ｂは正面図、第１図Ｃは左側面図を
夫々示している。

ピンチローラアーム７は、薄肉板状の部材で、
磁気記録再生装置（以下VTRという）のシヤー
シ８に植設されたシヤフト９に回動自在に取付け
られている。またピンチローラアーム７の左方端
近傍位置にはピンチローラ１０が回動自在に取付
けられると共に右方端部にはコイルスプリング１
１が接続されている。このピンチローラアーム７
は図示しないピンチローラアーム駆動機構により
変位され、コイルスプリング１１の弾性力に抗し
てピンチローラ１０をキヤプスタン１２に圧着さ
せる（第１図はピンチローラ１０がキヤプスタン
１２に圧着された状態を示している）。上記ピン
チローラアーム７は、VTRの薄型化、軽量化の
ために、その軸受部７ａの高さ方向に対する寸法
は小とされている。

シヤーシ８上で、キヤプスタン１２近傍の所定
位置には本考案の要部となる規制部材１３設けら
れている。この規制部材１３は左側面より見て嵌
入溝１４を形成してなる略コ字状の板状部材であ
り、嵌入溝１４の右方の開口近傍部分にはテーパ
部１４ａ，１４ｂが形成されている。ピンチロー
ラ１０がキヤプスタン１２に圧着される状態（以
下、圧着状態という）にあつて、ピンチローラア
ーム７は規制部材１３の嵌入溝１４内に嵌入され
ている。ピンチローラアーム７は一連のローデイ
ング動作に伴い変位して嵌入溝１４内に進入する
が、テーパ部１４ａ，１４ｂの形成により上記嵌
入は円滑に行なわれる。またピンチローラアーム
７と規制部材１３の係合位置は、ピンチローラ１
０の配設位置近傍位置に選定されている。

上記説明から明らかなように、圧着状態にあつ
てピンチローラアーム７は、軸受部７ａと規制部
材１３の係合位置との２箇所で保持されている。
よつえ、ピンチローラ１０に圧着力が印加されて
も、またピンチローラアーム７に外力が作用して
も、ピンチローラアーム７が第１図Ｂに矢印A₁，
A₂で示す方向に変位或いは撓んでしまうような
ことはない。これにより、ピンチローラ１０を常
にキヤプスタン１２に対して所定状態で圧着させ
ることができ、磁気テープの安定走行を実現する
ことができる。

尚、上記実施例においては規制部材として、圧
着状態にあつてピンチローラアーム７を上下より
挟持して保持する構成の規制部材１３を示した
が、これに限るものではなく、第２図及び第３図
に示す如くピンチローラアーム７の上面と係合す
る規制部材１５としても、またピンチローラアー
ム７の下面と係合する構成の規制部材１６として
も良い。ピンチローラアーム７の不用変位方向が
判つている場合には、上記した規制部材１５，１
６とした方がその構造を容易とすることができ
る。また、両図において１７はピンチローラアー
ム７と直接当接するパツドである。

考案の効果 上述の如く本考案になるピンチローラの傾き防
止機構によれば、圧着状態においてピンチローラ
アームと係合する規制部材を設けることにより、
圧着状態ではピンチローラアームは２箇所で保持
されることになり、ピンチローラに圧着力が印加
されても、またピンチローラアームに不測の外力
が印加された場合でも、ピンチローラアームは変
位したり、或は撓んでしまうようなことはなく、
ピンチローラは常にキヤプスタンに傾くことなく
所定の状態で圧着されるため、磁気テープの安定
走行を実現できる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案機構の平面図、第１図Ｂは機
構の正面図、第１図Ｃは機構の左側面図、第２図
及び第３図は規制部材の他実施例を示す図、第４
図Ａ，Ｂは従来のピンチローラアームの一例の平
面図及び正面図、第５図Ａ，Ｂは軸受部の高さ方
向に対する寸法が小とされたピンチローラアーム
の一例の平面図及び正面図、第６図Ａ，Ｂは第５
図に示すピンチローラアームが傾いた状態を示す
正面図である。 ６……機構、７……ピンチローラアーム、７ａ
……軸受部、１０……ピンチローラ、１２……キ
ヤプスタン、１３，１５，１６……規制部材、１
４……嵌入溝、１４ａ，１４ｂ……テーパ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ピンチローラが取付けられており軸受部を中心
   として回動変位して該ピンチローラをキヤプスタ
   ンに圧着させると共に該軸受部が低背化された構
   造のピンチローラアームと、 シヤーシ上に設けられると共に上記圧着時に該
   ピンチローラアームのピンチローラ取付け位置近
   傍部と係合する嵌合溝を有しており、該ピンチロ
   ーラ取付け位置近傍部が上記ピンチローラアーム
   の回動に伴い該嵌合溝に嵌入し該ピンチローラア
   ームを上下より挟持することにより該ピンチロー
   ラアームの傾きを規制する規制部材と により構成されるピンチローラの傾き防止機構。