JPH042442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープカセツトに対する衝撃を緩和
するためなされたカセツト装着装置に関するもの
である。

最近のビデオテープレコーダ（VTR）におい
ては、セツト本体の厚さ寸法を軽減するためにテ
ープカセツトを本体前面から装着（ローデイン
グ）するようにしたカセツト前面装着型が広く採
用されている。このようなカセツト前面装着型
VTRにおいてはテープカセツトは本体に設けら
れているカセツトホルダに挿入されるが、テープ
カセツトを保持したカセツトホルダは水平方向に
移動した後垂直方向に移動されることにより
VTRの所定位置にテープカセツトの装着を行な
う。

このようなカセツト装着装置においては上記カ
セツトホルダを収容するための左右一対のフレー
ム板を備えており、このフレーム板にはカセツト
ホルダを水平および垂直方向にガイドするための
水平溝およびこれに連なる垂直溝から成るガイド
溝が設けられている。

第１図および第２図は従来におけるカセツト装
着装置の一例を示す上面概略図および側面概略図
で、１はテープカセツト２を支持するためのカセ
ツトホルダ、３はカセツト押さえ、４はカセツト
ホルダ１を収容するためのフレーム板で矢印５で
示すようなテープカセツト２の挿入方向に対し左
右一対備えているが片側のみ示している。６Ａ，
６Ｂは上記フレーム板４に取り付けられたシヤフ
トで各々にはギヤ７Ａ，７Ｂが回転自在に設けら
れる。６Ｃはフレーム板４を貫通するように取り
付けられたシヤフトでギヤ７Ｃが設けられ、また
シヤフト６Ｃにはカラー８が嵌着されると共にカ
ラー８とギヤ７Ｃのフック９間にはトーシヨンス
プリング１０Ａがカラー８の外周を介して張架さ
れる。ギヤ７Ａ，７Ｂ，７Ｃは隣同士が互いに歯
合するように配置される。カラー８はギヤ７Ｃの
一部に設けられた穴１１を挿通するように設けら
れ、通常は上記トーシヨンスプリング１０Ａの張
力によつてその端部１１Ｅに押し付けられてい
る。

また上記ギヤ７Ｃはカラー８に対しては回転自
在となるように設けられ、穴１１の巾Ｗの範囲内
で回転可能となつている。１２はフレーム板４に
設けられたガイド溝で水平溝１２Ａおよびこれに
連なる垂直溝１２Ｂとから成つている。１３は前
記カセツトホルダ１に取り付けられたガイドロー
ラ部材で上記ガイド溝１２を挿通するように設け
られ、１４は上記ギヤ７Ａに一体化されたローデ
イングアームでガイド溝１４Ａを有し、このガイ
ド溝１４Ａによつて上記ガイドローラ部材１３と
係合されるようになつている。上記ガイドローラ
部材１３はシヤフト１３Ａおよびこの周囲に回転
自在に設けられたローラ１３Ｂ，１３Ｃを有して
いる。またギヤ７Ａの周囲にもトーシヨンスプリ
ング１０Ｂが設けられている。

以上の構成において上記カセツトホルダ１内に
テープカセツト２が保持されているとして、操作
ボタンの動作によりシヤフト６Ｃが時計方向に回
転されるとギヤ７Ｃも時計方向に回転するので、
ギヤ７Ｂを介してギヤ７Ａに時計方向の回転が与
えられる結果ローデイングアーム１４は水平溝１
２Ａ内を右方向に移動するようになりカセツトホ
ルダ１をガイドローラ部材１３を介して右方向に
移動させる。ガイドローラ部材１３が水平溝１２
Ａの右端に接触するとギヤ７Ａの回転は停止し、
シヤフト６Ｃも回転できなくなる。この状態でシ
ヤフト６Ｃをさらに時計方向に回転させると、こ
れまで前記穴１１の端部１１Ｅに押し付けられて
いたカラー８はトーシヨンスプリング１０Ｂの張
力に逆らつて右方向に回転するようになり、穴１
１の反対端に当るまでＷのストローク分回転した
位置で停止する。

これによつてローデイングアーム１４すなわち
ガイドローラ部材１３にはギヤ７Ａを介してさら
に右方向へ押し付けられる力が加えられる。

以上の一連の動作によりガイドローラ部材１３
がガイド溝１２の水平溝１２Ａに接触した時点で
テープカセツト２はカセツトホルダ１から排出さ
れるようになる。また次に新たにテープカセツト
をカセツトホルダ１に挿入する時は、上述のよう
にカセツトホルダ１は右方向に押し付けられた状
態にあるためガタは生じないのでスムーズな挿入
が行なえるように構成されている。

しかしながらテープカセツトを排出する時は、
ガイドローラ部材１３が水平溝１２Ａの端部に当
つた瞬間に行われるのでこの時の衝撃がガイドロ
ーラ部材１３に加わるようになる。このためテー
プカセツトが急激に排出されて損傷を受けたり、
メカニズム部分に無理な力が加わる等の欠点が生
ずる。

本考案は以上の問題に対してなされたもので、
ガイド溝における水平溝の端部付近にダンパ手段
を設けることにより従来欠点を除去することを目
的とするもので、テープカセツトを保持するカセ
ツトホルダを収容するための左右一対のフレーム
板を備え、このフレーム板に上記カセツトホルダ
を水平および垂直方向にガイドするための水平溝
およびこれに連なる垂直溝から成るガイド溝を設
けると共に上記カセツトホルダの側面図には上記
ガイド溝を貫通するようにガイドローラ部材を設
け、上記フレーム板にはさらに駆動ギヤおよびこ
れと一体化されたローデイングアームを上記ガイ
ドローラ部材と係合するように設けると共に上記
水平溝の端部付近にダンパ手段を設け、上記駆動
ギヤの回転動作に基いて上記ローデイングアーム
がガイドローラ部材をガイド溝内を移動させる場
合上記ガイドローラ部材が水平溝の端部に接近し
た時上記ダンパ手段によつてガイドローラ部材の
接近力を緩和させるように構成したカセツト装着
装置を特徴とするものである。以下図面を参照し
て本考案実施例を説明する。

第３図乃至第５図は本考案実施例によるカセツ
ト装着装置を示すもので第１図および第２図と同
一部分は同一番号で示し、１５はダンパアームで
水平溝１２Ａの端部付近にピン１６によつて回転
自在にフレーム板４に取り付けられる。このダン
パアーム１５の一端１５Ａとフレーム板４のフッ
ク１７間にはスプリング１８が張架され、これに
よつてダンパアーム１５の他端１５Ｂは常に時計
方向に回転されるように付勢される。またこのダ
ンパアーム１５はその他端１５Ｂが水平溝１２Ａ
の端部を十分にカバーして回転するような位置に
設けられると共に、常時は第３図のように他端１
５Ｂが水平溝１２Ａの端部をカバーしている状態
となるようにスプリング１８の張力が調整され
る。

以上の構成において上記カセツトホルダ１内に
テープカセツト２が保持されている状態で操作ボ
タンの動作によりテープカセツトの排出を行う場
合、ローデイングアーム１４によつて水平溝１２
Ａ内を右方向に移動させられるガイドローラ部材
１３のローラ１３Ｂは水平溝１２Ａの端部に接触
する前に第４図のように前記ダンパアーム１５の
他端１５Ｂに接触する。これによつてガイドロー
ラ部材１３の動きはスプリング１８の張力によつ
て除々に押し戻されるような反力を受け、いわゆ
るダンパ作用が生ずる。したがつてガイドローラ
部材１３はゆつくりと水平溝１２Ａの端部に接触
するようになる。

これによりテープカセツト２はカセツトホルダ
１からガイドローラ部材１３のローラ１３Ｃによ
つて排出されるが、上述のようにダンパアーム１
５によるダンパ作用によつてテープカセツトはゆ
つくりと排出されるようになる。よつてテープカ
セツトが損傷されたり、メカニズム部分に無理な
力が加わること等の弊害は防止される。

ダンパ作用を発生させるための手段としては上
述したような回転動作を行うアームに限らず、ガ
イドローラ部材１３が移動する水平溝１２Ａに沿
つた方向にダンパ部材をスプリング作用でスライ
ドさせるような力を発生する手段を設定するよう
にしてもよい。

また新たにテープカセツトをカセツトホルダ１
に挿入する時は、カセツトホルダ１はガイドロー
ラ部材１３を介して水平溝１２Ａの端部に押し付
けられた状態にあるため、ガタは生じないのでス
ムーズな挿入を行なうことができる。

以上述べて明らかなように本考案によれば、テ
ープカセツトを保持するカセツトホルダをガイド
ローラ部材を介して水平および垂直方向にガイド
するための水平溝およびこれに連なる垂直溝から
成るガイド溝を有するフレーム板の上記水平溝の
端部付近に、スプリングで一方向に付勢されたダ
ンパ部材を設け、上記ガイドローラ部材を水平溝
の端部方向に移動させる場合、上記ダンパ部材に
よつてガイドローラ部材の押し付ける力を緩和さ
せるように構成したものであるから、従来欠点を
除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示す側面概略図
および断面概略図、第３図、第４図および第５図
はいずれも本考案実施例を示す側面概略図および
断面概略図である。 １……カセツトホルダ、２……テープカセツ
ト、４……フレーム板、６Ａ，６Ｂ，６Ｃ……シ
ヤフト、７Ａ，７Ｂ，７Ｃ……ギヤ、１２……ガ
イド溝、１２Ａ……水平溝、１２Ｂ……垂直溝、
１３……ガイドローラ部材、１４……ローデイン
グアーム、１５……ダンパアーム、１８……スプ
リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープカセツトを本体前面から水平方向に装着
   するようにしたVTRにおいて、上記テープカセ
   ツトを保持するカセツトホルダを収容するための
   左右一対のフレーム板を備え、このフレーム板に
   上記カセツトホルダを水平および垂直方向にガイ
   ドするための水平溝およびこれに連なる垂直溝か
   ら成るガイド溝を設けると共に上記カセツトホル
   ダの側面には上記ガイド溝を挿通するようにガイ
   ドローラ部材を設け、上記フレーム板にはさらに
   駆動ギヤおよびこれと一体化されたローデイング
   アームを上記ガイドローラ部材と係合するように
   設けると共に上記水平溝の端部付近に、スプリン
   グで一方向に付勢されたダンパ部材を設け、上記
   駆動ギヤの回転動作に基づいて上記ローデイング
   アームがガイドローラ部材をガイド溝内を移動さ
   せる場合上記ガイドローラ部材が水平溝の端部に
   接近した時上記ダンパ部材によつてガイドローラ
   部材の接近力を緩和させるように構成したことを
   特徴とするカセツト装着装置。