JPH0441458Y2 - - Google Patents

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JPH0441458Y2
JPH0441458Y2 JP15976685U JP15976685U JPH0441458Y2 JP H0441458 Y2 JPH0441458 Y2 JP H0441458Y2 JP 15976685 U JP15976685 U JP 15976685U JP 15976685 U JP15976685 U JP 15976685U JP H0441458 Y2 JPH0441458 Y2 JP H0441458Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は円盤状の剛性基盤表面にフレキシブル
磁気シートを貼付してなる磁気記録用デイスクに
関するものである。
(従来技術) 従来から用いられている磁気デイスクの1つと
してリジツド磁気デイスクがあり、このリジツド
磁気デイスクはアルミニウム(例えばJIS
A5086)の円盤を基盤として用い、この基盤表面
に磁性層を設けて作られている。このリジツド磁
気デイスクの製造に際して、基盤は旋盤による旋
削の後、表面が研磨され、次いでこの研磨後の基
盤表面に蒸着、スピン塗布等によつて磁性層を設
けて作られる。
この場合、記録・再生用のヘツドとデイスク表
面の間隙を小さくし、高密度記録・再生を行なわ
せるためには、デイスクの表面粗さは平滑である
程好ましい。しかしながら、アルミニウム盤を用
いたデイスクの場合には、中心線平均粗さRaが
0.1μm以下の表面を得ることは困難であつた。さ
らに、基盤が柔軟性を欠くため、磁性層を設ける
際、ウエブに連続して塗布ができない等の制約を
受け、さらに、高密度記録にとつて表面に付着す
るごみの影響が大きいため、ごみが付着せぬよう
デイスクを作らねばならず、手間のかかる製造工
程をより面倒且つ複雑で、多大な設備投資を必要
とするものにしていた。
又、アルミニウムに代表されるように従来の基
盤はリジツドであるため柔軟性がなく、ヘツドは
デイスクの磁性層上を一定の狭い間隙を有して非
接触のままトレースするようにする必要がある
が、この狭い間隙を一定に持続するのが困難であ
る。又、今後は記録密度を上げるため上記ヘツド
とデイスクとの間隙を更に小さくすることも要求
されるが、この間隙を小さくすることは従来のリ
ジツド磁気デイスクでは極めて困難であつた。す
なわち、この間隙が狭いままヘツドのトレースを
行なわせ、ヘツドがデイスク表面に接触するよう
なことが起こると、基盤がリジツドなため、ヘツ
ドが接触した磁性層表面に大きな衝撃力が集中
し、表面破壊が発生してデイスクの寿命を短いも
のとしていた。
さらに、上記の如き研磨したアルミニウム基盤
自体が高価であるという欠点があつた。
これに対して、最近、第1図に示すように、デ
イスク基盤51の両面に凹部54を設け、片面に
磁性層を有するフロツピーデイスク又はフレキシ
ブルデイスク(以下、フレキシブルデイスクと称
する)52を磁性層を表面として基盤51の両面
に貼り合わせ、フレキシブルデイスク52の裏面
と基盤51との間に間隙53を持たせた磁気デイ
スクが提案されている。
このタイプの磁気デイスクは磁気記録面が柔軟
性を持つため、ヘツドが磁気記録面に接触した場
合や、更に高密度記録を行なわせるためにヘツド
と磁気記録面とを接触させた場合であつても、リ
ジツドデイスクのような基盤の破壊は起こりにく
い。また、フレキシブルデイスクの技術がそのま
ま応用でき、表面が平滑で且つ耐久性のある磁性
層を磁気デイスク用の磁性層として用いることが
できるので、従来のリジツド磁気デイスクの欠点
を解消できるものとして注目されている。
なお、上記のタイプの磁気デイスクにおいて
は、基盤の表面に貼付されるフレキシブルデイス
クはたるみのないように貼付されるのであるが、
基盤の材料(例えば、合成樹脂等)とフレキシブ
ルデイスクの材料(例えば、プラスチツクフイル
ム等)との相違による熱膨張率の相違から、磁気
デイスクの使用される温度条件によつては基盤上
に貼付されたフレキシブルデイスクにたるみが生
ずるおそれがあるという問題がある。
〔考案の目的) 本考案はこのような問題に鑑みてなされたもの
で、基盤上に貼付されたフレキシブルデイスクに
予めテンシヨンを付加しておき、使用温度条件が
異なつた場合でもフレキシブルデイスクにたるみ
が生ずることがないようにした磁気デイスクを提
供することを目的とするものである。
(考案の構成) 本考案の磁気デイスクは、所定径の内孔を有す
る円盤状の基盤の表面に、この表面の最外周部と
最内周部との間において環状の凹部を形成し、こ
の基盤の表面に合わせた形状のフレキシブル磁気
シートを最外周部と最内周部において接着して基
盤表面に貼付してなり、 上記基盤の表面において、最内周部近傍に沿つ
てリング状のテンシヨン付与用溝が形成され、該
テンシヨン付与用溝内に突出する環状突起を有す
る保持部材を上記基盤に取り付け、該環状突起に
よりフレキシブルプレートの内周部をテンシヨン
付与用溝内へ押し込みフレキシブルプレートにテ
ンシヨンを付与するようにしたことを特徴とする
ものである。
(実施例) 以下、図により本考案の好ましい実施例につい
て説明する。
第1図は本考案に係る磁気デイスク10の使用
状態を示し、外部からのホコリ・ゴミ等の侵入を
防止したケース4内に、デイスクドライブ機構2
および記録・読取装置3が配されている。デイス
クドライブ機構2の駆動軸2aと嵌合して磁気デ
イスク10が取り付けられ、デイスクドライブ機
構2により磁気デイスク10は高速回転(例え
ば、3600r.p.m.)される。一方、磁気デイスク1
0の表裏両面に対向して記録・読取装置3のヘツ
ド3a,3bが配されており、磁気デイスク10
の高速回転により生じる空気流によりヘツド3
a,3bは磁気デイスク10の表面から極く微少
の間隙(0.05〜.15μm程度)を有して該表面上
をトレースし、記録・読取りを行なうようになつ
ている。
この磁気デイスク10の構造を第2図および第
3図を用いて詳細に説明する。
磁気デイスク10は、所定径の内孔13aを有
する円盤状の基盤13、基盤13の両面に貼付さ
れた基盤表面と略同形状の2枚のフレキシブル磁
気シート11,12、および基盤13の内周部に
取り付けられフレキシブル磁気シート11,12
にテンシヨンを付与する2個の保持部材14,1
5から構成される。
フレキシブル磁気シート11,12は支持体表
面に磁性層を設けてなり、いわゆるフロツピーデ
イスク用材料をそのまま用いることが可能であ
る。この支持体としては、ポリエチレンテレフタ
レート等のプラスチツクフイルムが用いられ、2
軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルム
(PET)が好ましい。特に、2軸配向ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムであつて、表面に磁性
層を設けたものが、約70℃で48時間熱処理した後
の収縮率が0.2%以下で、且つ縦横の収縮率の差
が0.1%以下、好ましくは0.05%以下になるよう
なものが好ましい。また、この支持体の少なくと
も磁性層を設ける側の面のRa(中心線平均粗さ)
が0.1μm以下であることが好ましく、このような
支持体を用いることによつて最終製品である磁気
デイスクの記録密度を高くすることができる。支
持体表面に設ける磁性層としては、磁性酸化鉄や
強磁性合金粉末をバインダー等と共に塗布するも
ののみならず、真空蒸着、スパツタリング、イオ
ンプレーテイング等のベーパーデイポジシヨン
法、メツキ法等によつて形成したものでもよい。
一方、基盤13の材料としてはアルミニウム、
アルミニウム合金などの金属、ガラス、合成樹脂
もしくはフイラー入り合成樹脂、又はこれらの組
合せが用いられる。なお、本考案の磁気デイスク
の場合は、基盤13上にフレキシブル磁気シート
11,12を貼付するものであり、基盤13の表
面粗さはさほど要求されず、アルミニウムをもち
いても研磨等に要する費用はそれ程大きくはな
い。なお、合成樹脂、フイラー入り合成樹脂を用
いた基盤は射出成型で大量に製造でき、製造コス
トも低いという利点がある。
上記基盤13の厚さは1〜5mm、フレキシブル
磁気シート11,12の厚さは10〜100μmが一般
的であり、磁気デイスクの寸法安定性は基盤のそ
れに支配されるので、基盤13としては寸法安定
性のよいものを選ぶことが好ましい。なお、磁気
ヘツドのアームの材質は普通アルミニウムが使わ
れるので、基盤の熱膨張係数はアルミニウムの値
(2.4×10-5/℃)に近く、かつ吸湿膨張係数は小
さい程よい。
このような基盤13の表および裏面にフレキシ
ブ磁気シート11,12を接着するのであるが、
この接着は基盤13の最外周部13bおよび最内
周部13cにおいてなされ、接着剤としては熱硬
化型、電子線、紫外線などの放射線硬化型等が使
用される。
一方、基盤13の両面には最外周部13bと最
内周部13cの間において凹部13d,13dが
形成されており、このため、基盤13の両面にフ
レキシブル磁気シート11,12が接着される
と、このフレキシブル磁気シート11,12と凹
部13d,13dとの間には間隙16,16が形
成される。
この間隙16,16があると、ヘツド3a,3
bが当接するフレキシブル磁気シート11,12
の表面が柔軟であり、ヘツド3a,3bとシート
11,12の磁性層が接触しても摩擦力を分散し
て耐久性を高めることができ、ヘツド3a,3b
を磁性層に適当に接触させることができヘツド3
a,3bと磁性層との間隙を極めて小さくして高
密度記録が可能となる。このためには、凹部13
dの深さは0.1mm以上であることが好ましい。な
お、原因は明確でないが間隙16があると磁性層
6に付着したゴミの影響も少ないようである。
このように、ヘツド3a,3bは高速回転する
磁気デイスク10のフレキシブル磁気シート1
1,12の表面に極く近接して、もしくは接触し
て磁気デイスク10上をトレースされるものであ
り、フレキシブル磁気シート11,12は基盤1
3に対したるみのないように接着する必要があ
る。さらに、磁気デイスク10が比較的高温条件
下で使用される場合などに、基盤13とシート1
1,12との熱膨張率の差からたるみが生ずるこ
とも防止する必要がある。このため、基盤13の
表面の最内周部近傍に沿つてリング状のテンシヨ
ン付与用溝13e,13eが形成されており、基
盤13の内孔部に取り付けられた一対の保持部材
14,15の外周部に形成された環状突起14
a,15aがフレキシブル磁気シート11,12
を介してテンシヨン付与用溝13e,13e内に
突出し、該シート11,12にテンシヨンを付与
するようになつている。このようにして、テンシ
ヨンを付与するとシート11,12にたるみが生
ずるのを防止できる。なお、上記一対の保持部材
14,15は互に接着されて基盤に取り付けら
れ、この保持部材14,15の内孔14b,15
bがデイスクドライブ機構2の駆動軸2aと嵌合
するようになつている。
なお、保持部材14,15によつてシート1
1,12にテンシヨンを付与した場合、シート1
1,12の内周部が内周方向に引っ張られてテン
シヨンが付与されるため内周部に極く小さなしわ
が生ずる可能性があるが、この場合は磁気デイス
クを一定条件下で熱処理してこのしわを除去する
のが好ましい。
また、本実施例においては基盤13の両面にフ
レキシブル磁気シート11,12を貼り付ける場
合について説明したが、片面にのみ貼り付けても
よく、その場合にはテンシヨン付与用溝はシート
を貼り付ける面にのみ形成し、保持部材も1つで
良い。
(考案の効果) 以上説明したように、本考案によれば基盤の表
面にフレキシブル磁気シートを貼付するととも
に、基盤の内径部に取り付けた保持部材の環状突
起によつて上記シートの内周部をテンシヨン付与
用溝内へ押し込んで該シートにテンシヨンを付与
するようにしているので、 磁気デイスクの使用温度条件が異なつた場合等
においても上記シートにたるみが生ずるのを防止
することができ、常に良好な高密度記録を達成す
ることができる。
さらに、通常では、環状突起により機械的にテ
ンシヨンを付与するだけで、熱処理等が不要なの
で基盤、シート等の熱処理時の変形等を考慮する
必要がなく、安価な材料を使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る磁気デイスクを記録・読
取装置に装着した状態を示す断面図、第2図は上
記磁気デイスクの断面図、第3図は上記磁気デイ
スクの構成部品の斜視図、第4図は従来の磁気デ
イスクを示す断面図である。 2……デイスクドライブ機構、3a,3b……
ヘツド、10……磁気デイスク、11,12……
フレキシブル磁気シート、13……基盤、13e
……テンシヨン付与用溝、14,15……保持部
材、16……間隙。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 所定径の内孔を有する円盤状の基盤の少なく
    とも一方の面における最外周部と最内周部との
    間に環状の凹部を形成し、上記一方の面と略同
    一形状のフレキシブル磁気シートを上記最外周
    部と最内周部において接着して上記一方の面に
    貼付してなる磁気デイスクにおいて、 上記一方の面の上記最内周部近傍に沿つてリ
    ング状のテンシヨン付与用溝が形成され、該テ
    ンシヨン付与用溝内に突出して上記フレキシブ
    ル磁気シートにテンシヨンを付与する環状突起
    を有する保持部材が、上記基盤に取り付けられ
    ていることを特徴とする磁気デイスク。 2 上記フレキシブル磁気シートが上記基盤の両
    面に接着されるとともに上記テンシヨン付与用
    溝も該両面に対称に形成され、上記保持部材に
    は該両面のテンシヨン付与用溝にそれぞれ突出
    する一対の環状突起を有することを特徴とする
    実用新案登録請求の範囲第1項記載の磁気デイ
    スク。
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