JPH0441011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、トラクタ等の車輌における操向装置
のハンドルポスト軸の防振装置に関する。

（従来の技術） この種、防振装置として、例えば、実開昭59−
87375号（実願昭57−183963号）公報に記載のも
のが公知である。この従来のものは、上端にハン
ドルを有するハンドルポスト軸の下端と、操向系
に連動された入力軸とにカツプリングを外挿する
と共に、該カツプリングとカツプリングに内挿さ
れた前記軸とを連結ピンにより連結したものにお
いて、前記カツプリングと軸との少なくとも一方
と連結ピンとの間に弾性部材が介在されたもので
あつた。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来のものは、カツプリングのピン挿通孔
に介在された弾性体が、振動により抜け落ちやす
いものであつた。その為、弾性体の抜け止めを行
うため、ピンの両端にフランジを形成していた。

しかし、ピンの両端に弾性体抜け止め用フラン
ジを形成するとピンの抜き差しが困難になる。特
に、ハンドル軸の取付け位置を前・後に変更する
前・後進両用の車両にあつては、ピンの挿脱が困
難ではその目的を達成することが出来ない。

そこで、本考案は、弾性体の抜け止めを確実に
行うと共に、連結ピンの挿脱を容易としたハンド
ルポスト軸の防振装置を提供すること目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために、本考案は次の手段
を講じた。即ち、本考案の特徴とする処は、ハン
ドルポスト軸の下端と操向伝動装置の入力軸の上
端とのいずれか一方にスリーブカツプリングが固
定され、該カツプリングと他方の軸端部とが挿脱
自在に連結されると共に、該カツプリングと前記
他方の軸端部とを径方向に挿脱自在に貫通するピ
ンで結合し、且つ、前記カツプリングに開設され
た前記ピンの挿通孔を前記ピンの径より径大に形
成し、該挿通孔の内周面と前記ピンの端部の外周
面間に弾性体を挿入したものにおいて、 前記挿通孔の外側開口部を塞いで内部の前記弾
性体が該挿通孔から離脱しないよう、Ｃ形の弾性
バンドを前記スリーブカツプリングの表面に嵌着
し、前記弾性バンドは、前記スリーブカツプリン
グに凹設された凹部に嵌合して、軸方向移動が防
止されている点にある。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第８図に示すものは、前・後進両用型のトラク
タ１であり、該トラクタ１は前輪２と後輪３を備
え、エンジン４、ミツシヨンケース５等で車体を
構成し、エンジン４はボンネツト６で被覆され、
後輪３は左右のフエンダ７で被覆されている。

前記ボンネツト６の後部にハンドルポスト８が
設けられ、該ハンドルポスト８は車体に突設され
たボス９に着脱自在に固定されている。ハンドル
ポスト８の上端部にハンドル車１０が設けられて
いる。

前記左右のフエンダ７間に座席１１が着脱自在
に設けられ、該座席１１の下方の車体に、後進用
のハンドルポスト取付用ボス１２が設けられてい
る。

上記トラクタ１を後進用として使用する場合、
第１図の実線で示す位置のハンドルポスト８及び
座席１１を、仮想線で示す位置に取り替えて使用
する。

前記ハンドルポスト８の取付構造の詳細が第１
〜５図に示されている。これらの図面において、
ハンドルポスト取付用ボス９又は１２は車体側に
固定され、該ボス９又は１２の中心部に操向伝動
装置の入力軸１３がベアリング１４を介して回動
自在に支持されている。この入力軸１３の上端部
の外周面にスプライン１５が形成されている。

上記ボス９または１２の上端開口部に筒状のハ
ンドルポスト８の下端が挿脱自在に挿入されて、
ボス９または１２とハンドルポスト８は図示省略
の締結手段で固定される。

上記ハンドルポスト８にはハンドルポスト軸１
６が同心状に挿通され、該軸１６とハンドルポス
ト８は、その上端部において防振ゴム１７及びシ
ール部材１８を介して支持されている。ハンドル
ポスト軸１６の上端部にハンドル車１０が固定さ
れている。ハンドルポスト軸１６の下端は前記入
力軸１３と同心状に突き合わされ、両者１３，１
６はスリーブカツプリング１９で結合されてい
る。ハンドルポスト軸１６とカツプリング１９と
は溶接で固定されている。スリーブカツプリング
１９と入力軸１３はスプライン結合により挿脱自
在に結合していると共に、径方向に貫通するロー
ルピン２０を介して両者１３，１９の離脱が防止
されている。このピン２０と入力軸１３とは密嵌
状に嵌合しているが、カツプリング１９とロール
ピン２０とは弾性体２１を介して結合している。

すなわち、カツプリング１９にはピン径より大
きな直径を有するピン挿通孔２２が開設され、こ
の挿通孔２２にリング状の弾性体２１が嵌合さ
れ、該弾性体２１の孔にピン２０が嵌合してい
る。

そして、第４図に示すようなＣ型の弾性バンド
２３が、スリーブカツプリング１９の表面に着脱
自在に嵌着されている。このバンド２３の両端部
にはロールピン２０の両端を嵌合する切欠部２４
が形成されている。このバンド２３は、第３図に
示すように、挿通孔２２の外側開口部を塞ぎ、内
部の弾性体２１の抜け止めを行つている。

尚、スリーブカツプリング１９の表面に第５図
に示すようなバンド嵌着溝（凹部）２５が凹設さ
れ、バンド２３の上下方向の移動が防止される。

第６図及び第７図に示すものは、本考案の第２
実施例であり、この場合、Ｃ形弾性バンド２３の
両端部に切欠部が形成されていない。従つてバン
ド２３の回り止めを行うため、前記バンド嵌着溝
２５は周方向の一部分にのみ形成されている。

尚、本考案は、上記実施例に限定されるもので
ない。

（考案の効果） 本考案によれば、Ｃ形弾性バンドによりピン挿
通孔内の弾性体の抜け止めが図られる為、防振効
果を確実に確保できる。また、Ｃ形弾性バンド
は、スリーブカツプリングに設けられた凹部に係
合して、軸方向の移動が防止されているので、振
動等によて位置ずれが生じず、確実に弾性体の抜
け止めを行う。しかもハンドルポスト差替えに際
し、ピンの挿脱作業がきわめて容易に行え、前・
後進の切換作業が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図
はその要部の拡大断面図、第３図は第２図の−
線断面図、第４図はＣ形弾性バンドの斜視図、
第５図はスリーブカツプリングの正面図、第６図
は本考案の第２実施例を示す断面図、第７図は第
２実施例に使用するＣ形弾性バンドの斜視図、第
８図は本考案を採用したトラクタの全体図であ
る。 １３……入力軸、１６……ハンドルポスト軸、
１９……カツプリング、２０……ピン、２１……
弾性体、２２……挿通孔、２３……バンド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ハンドルポスト軸１６の下端と操向伝動装置の
   入力軸１３の上端とのいずれか一方にスリーブカ
   ツプリング１９が固定され、該カツプリング１９
   と他方の軸端部とが挿脱自在に連結されると共
   に、該カツプリング１９と前記他方の軸端部とを
   径方向に挿脱自在に貫通するピン２０で結合し、
   且つ、前記カツプリング１９に開設された前記ピ
   ン２０の挿通孔２２を前記ピン２０の径より径大
   に形成し、該挿通孔２２の内周面と前記ピン２０
   の端部の外周面間に弾性体２１を挿入したものに
   おいて、 前記挿通孔２２の外側開口部を塞いで内部の前
   記弾性体２１が該挿通孔２２から離脱しないよ
   う、Ｃ形の弾性バンド２３を前記スリーブカツプ
   リング１９の表面に嵌着し、前記弾性バンド２３
   は、前記スリーブカツプリング１９に凹設された
   凹部２５に嵌合して、軸方向移動が防止されてい
   ることを特徴とするハンドルポスト軸の防振装
   置。