JPH0440922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は胴周切欠き内に装着された紙くわえ用
の爪を有する印刷胴の周面に、胴周面の保護や紙
汚れ防止などのためのプレートを巻付ける印刷胴
のプレート装着装置に関するものである。

〔従来の技術〕

輪転印刷機の圧胴や渡し胴などの印刷胴には、
胴周面を損傷から保護したり、あるいは反転印刷
を行うときの紙汚れを防止したりするために、金
属プレートを胴周面に巻付けることがある。この
場合には、胴周切欠き内の爪との間で紙をくわえ
る爪台と、切欠きの壁面との間にプレートの折曲
げ端を挿入して固定し、このプレートを胴周面に
巻付けたのち、他端を切欠き内の巻き棒に固定し
て巻き棒を回動させることにより締めるという構
造が従来一般に用いられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、従来のプレート装着装置におい
ては、一端を固定して胴周面に巻付けたプレート
の他端を巻き棒に固定する場合、巻き棒にボルト
止めされた押さえ板のボルトを少し弛めてこの押
さえ板と巻き棒の面取り平面との開口部へプレー
トの端を挿入するが、、この場合、弾性を有する
プレートの端を、狭い開口部から外れないように
挿入することはきわめて困難で熟練を要し、短時
間での装着が困難であつた。ことに、番号印刷を
行つたりミシン目やスリツトを入れたりする胴の
場合にはプレートが傷付き易く、交換頻度が高い
ので、準備時間の延長により生産性が低下すると
いう問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために本考案では
巻き棒にボルト止めされる押さえ板のブレーキ挿
入側端部を、巻き棒の面取り平面のプレート挿入
端から突出させた。

〔作用〕

一端を固定して胴周面に巻き付けたプレートの
他端を巻き棒に保持させる場合、ボルトを少し弛
めて押さえ板を開口させ、プレートの先端をこの
開口にあてがうと、プレートの先端は、押さえ板
の突出端に当接してこれ押上げながら案内され、
開口内へ容易に挿入される。

〔実施例〕 第１図ないし第４図は本考案に係るプレート装
着装置を印刷機の圧胴に実施した例を示し、第１
図はこれを実施した圧胴の一部破断側面図、第２
図は巻き棒近傍の拡大縦断面図、第３図はプレー
トの展開側面図、第４図は同じく展開平面図であ
る。図において、圧胴１の外周切欠き２内には爪
軸３が胴端のベアラ４に軸支されて回動自在に延
設されており、この爪軸３上に並列する複数個の
各爪ホルダ５には、爪６がそれぞれ装着されてい
る。また、切欠き２の段状壁面２ａには、胴の全
長におよぶ爪台バー７が複数個のボルト８で固定
されており、この爪台バー７に並列して設けた複
数個の各切欠きには、逆Ｌ字状に形成された爪台
９がボルト１０でそれぞれ固定されている。なお
爪台バー７の上半部と壁面２ａとの間には、すき
間が形成されており、ボルト１０はこのすき間は
手前で終わり、壁面２ａに到達していない。そし
て前記爪軸３の軸端部には図示しないカム機構が
設けられており、このカム機構で爪軸３が所定角
度ずつ往復回動して爪６が開閉することにより、
爪６と爪台９との間で紙をくわえたり放したりす
るように構成されている。

一方、プレート１１は、一端に直角状に折り曲
げ部１１ａを有しており、また他端には幅方向に
並列する複数個のＵ字孔１１ｂを備えたヘの字状
の折り曲げ部１１ｃを有している。そしてこのプ
レート１１は折り曲げ部１１ａを前記爪台バー７
と壁面２ａとのすき間へ挿入され、ボルト１０と
位相を違えて図示しない別のボルトで壁面２ａに
固定されたのち、胴周面に巻付けられて他端の折
り曲げ部１１ｃを切欠き２へ導かれる。

切欠き２の他方の壁面２ｂの近傍には、胴周面
に巻付けられたプレート１１の他端を固定する固
定装置１２が設けられている。この固定装置１２
はベアラ４に両端を回動自在に軸支された巻き棒
１３を備えており、この巻き棒１３は、切欠き底
面にボルト１４で固定さえた複数個の支持金具１
５によつて中間部を曲がらないように支承されて
いる。巻き棒１３の軸端部には図示しないラチエ
ツト装置が設けられており、その爪を掛けてラチ
エツトホイルを回動操作することにより、巻き棒
１３が図の反時計方向への回動を規制されて時計
方向のみ回動するように構成されている。巻き棒
１３には、面取り平面１３ａ，１３ｂが互いに平
行して形成されており、一方の面取り平面には、
巻き棒１３のほゞ全長にわたる長尺の押さえ板１
６が重ねられている。この押さえ板１６は巻き棒
１３のねじ孔に螺入された複数個のボルト１７で
固定されており、このボルト１７を弛めることに
より押さえ板１６と面取り平面１３ａとの間が開
口してプレート１１の折り曲げ部１１ｃが挿入さ
れ、Ｕ字孔１１ｂとボルト１７とが係合するよう
に構成されている。そして、本装置においては、
押さえ板１６のプレート１１挿入側端部１６ａが
面取り平面１３ａのプレート挿入端から突出して
おり、プレート１１の折り曲げ部１１ｃ先端を当
接させて摺接することにより、これを押上げて開
口させ、プレード１１の挿入を案内するように構
成されている。

以上のように構成されたプレート装着装置の動
作を説明する。プレート１１の一方の折り曲げ部
１１ａを爪台バー７と壁面２ａとのすき間へ挿入
し、図示しないボルトでプレート１１を固定す
る。そしてプレート１１を胴周面に巻付けて他端
の折り曲げ部１１ｃをを切欠き２に導き、あらか
じめボルト１７を弛めて開口させた押さえ板１６
と巻き棒１３の面取り平面１３ａとのすき間へ折
り曲げ部１１ｃを挿入してＵ字孔１１ｂとボルト
１７とを係合させる。この場合、押さえ板１６の
プレート１１挿入端部１６ａが面取り平面１３ａ
のプレート１１挿入端から突出していることによ
り、第２図に示すように挿入しようとするプレー
ト１１の先端がこの突出端の裏面に当接し、プレ
ート１１を押すだけでその先端は押さえ板１６の
突出端裏面を摺接してこれを押上げ開口させなが
らこれと面取り平面１３ａとのすき間へ容易に案
内されて挿入される。

挿入後はボルト１７を締めてプレート１１を固
定し、図示しないラチエツト装置で巻き棒１３を
回動操作すると、プレート１１が締められて胴周
面に密着する。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなように本考案によれ
ば松葉印刷機のプレート装着装置において、巻き
棒にボルト止めされる押さえ板のプレート挿入側
端部を、巻き棒の面取り平面のプレート挿入端か
ら突出させたことにより、一端を固定して胴周面
に巻付けたプレートの他端を巻き棒に保持させる
場合、ボルトを少し弛めて押さえ板を開口させ、
プレートの先端を押さえ板の突出端裏面に押し付
けると、プレートは押さえ板に摺接してこれを押
し上げながら開口させるので、プレートを押さえ
板と巻き棒との間へきわめて容易に短時間で挿入
することができ、準備時間が短縮されて生産性が
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係る印刷胴のプ
レート装着装置の実施例を示し、第１図はこれを
実施した圧胴の一部破断側面図、第２図は巻き棒
近傍の拡大縦断面図、第３図はプレートの展開側
面図、第４図は同じく展開平面図である。 １……圧胴、２……切欠き、２ａ……壁面、７
……爪台、１１……プレート、１１ａ，１１ｃ…
…折り曲げ部、１１ｂ……Ｕ字孔、１２……固定
装置、１３……巻き棒、１３ａ……面取り平面、
１６……押さえ板、１６ａ……プレート挿入側端
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を胴周部に保持されて胴周面に巻付けられ
   たプレートの他端と、巻き棒の外周面取り平面と
   押さえ板との間へ挿入してねじ止め固定する印刷
   胴のプレート装着装置において、前記押さえ板の
   プレート挿入側端部を、前記面取り平面のプレー
   ト挿入端から突出させたことを特徴とする印刷胴
   のプレート装着装置。