JPH0440916Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は印刷元から仕入れたカレンダーに得意
先名を刷り込む際に使用するカレンダー印刷機に
おける捲り送り装置に関する。

＜従来技術＞ 従来カレンダーに得意先名を刷り込むには、得
意先名印刷機の前部所定位置へ月捲りカレンダー
を人為的に１冊宛供給すると同時に月毎に一枚宛
捲り出して得意先名を印刷するものであつた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかし中間印刷業者において得意先名を印刷す
る場合、カレンダーを印刷機へ１冊宛人為的に供
給するだけでなく、月別に一枚宛捲り出さなけれ
ばならず、その為に必ず一人の係り要員を必要と
していたので作業性や安全性が悪く、しかも人件
費の負担増となつていた。

そこで本考案においては、このような簡単な作
業であるにも拘わらず人手を要するので、こうし
た手作業による捲り動作の不確実性や不経済性を
なくすると共に、生産性並びに安定性の向上を図
ることを目的とする。

＜問題点を解決する為の手段＞ 支持基枠上に揺動台を傾動自由に枢支し、該揺
動台上に取付けたカレンダー載支板の前方一側部
における前記揺動台上に、カレンダーの先端側縁
部を吸着して、該カレンダーを一枚宛捲り取るよ
うにした吸盤による捲り送り機構を取付けて自動
的に捲り送るようにしてなる。

＜作用＞ 揺動台上のカレンダー載支板上に、カレンダー
を１冊宛供給し、該カレンダーの綴金具寄りの位
置を抑止保持した後、該カレンダーの先端側縁を
捲り送り機構の吸盤面に対向せしめ、該吸盤に作
用せしめた陰圧により、カレンダーを１枚宛順次
捲つて保持し乍ら、捲り出されたカレンダーの被
印刷面を印刷機の捺印部へ供給する。

＜実施例＞ 以下本考案について図面に示す実施例により詳
細に説明すると、支持基枠１０の上面に一対の支
柱１１，１１を平行に立設すると共に該支柱１
１，１１の最上端には、前記支持基枠１０と平行
な水平支持枠５を定設し、該支持枠５の長手方向
の左半部（第１図）に２本の案内杆１′，１′を横
架並設して、該案内杆１′，１′上に被嵌した四隅
の摺動金具に細長い複数条の磁性体からなる吸着
具１，１……を前後の連結体を介して夫々同一平
面上にあるように取付け保持しており、前記支持
枠５の右半部には、該支持枠５上の左右の横棧間
に亘り前記案内杆１′，１′の延長線上に一致させ
てシリンダー２を横架定設し、該シリンダー２の
ピストン杆と前記連結体とを連結することによ
り、該ピストン杆の伸縮動作で吸着具１，１……
を一挙に少量宛移動せしめるようにして供給装置
Ｂを構成する。

そして、前記支柱１１，１１の上位前面に上下
に揺動するアーム３の基端を駆動装置４の回動軸
端に取付け、該アーム３の先端に前記吸着具１，
１……にて吸着垂下したカレンダーの綴金具寄り
位置に対向して吸盤を定着し、前記揺動アーム３
を上下に揺動させることにより、前記カレンダー
Ａを１冊宛供給装置Ｂから取り出すように吸着取
出機構Ｃを構成し、次の作業工程へ送り出すもの
である。

更に前記支柱１１，１１の上下間の途中に揺動
台７を揺動自由に枢設し、該揺動台７の前端寄り
下面を、前記支持基枠１０上に枢設したシリンダ
ー８のピストン杆端に接続し、該ピストン杆を伸
縮させることにより該揺動台７をその枢軸部を支
点に傾動するようにし、印刷済みカレンダーを順
次前面に傾斜により送出せしめると共に前記支持
基枠１０の上面端部寄りに立設した支柱９，９の
上端で揺動台７を水平に保つようにして取り出し
装置を構成している。

そして、該揺動台７の上面には支持杆にて支持
されたカレンダー載支板６の中程に形成したスリ
ツト内にカレンダー抑止具６′を前後方向に位置
調節可能に取付け、サイズの異なる種々のカレン
ダーにも対応するようにしている。

以上はカレンダーを供給して、印刷後カレンダ
ーＡを取り出すようにした装置の部分について述
べたが、次に本考案の最も要旨とするカレンダー
の捲り送り機構について、その構成を述べる。

上述したように揺動台７上に設けたカレンダー
載支板６の奥端部に、カレンダーの捲り送り機構
Ｄを定設する。即ち該捲り送り機構Ｄは、前記揺
動台７上の床板１２に、上面に２本の平行な案内
軌条１６，１６を取付けた軌条支持基板１４を支
柱１３，１３……によつて不動に固定し、該軌条
１６，１６上には、該軌条１６，１６上に摺動自
由に嵌合した摺動子１７，１７を介してアクチユ
エータ２１の摺動架台１８を載支し、該摺動架台
１８の垂直取付面１８′の前面（第２図左側）下
部にスペーサー１９を介してカレンダー支持板２
０を取付けると共に、前記摺動架台１８の取付面
１８′の裏側に空気圧によつて所定角度回動する
ようにしたロータリーアクチユエータ２１を定着
し、該アクチユエータ２１の作動軸２２を前記取
付面１８′の中央部を貫通して、その先端に吸盤
２５の支持アーム２４を取付具２３によつて定着
し、該アーム２４をアクチユエータ２１の回動に
よつて所定角度回動せしめ、その動作によつて吸
盤２５をカレンダー支持板２０上にあるカレンダ
ーの最上部の頁に接近吸着並びに捲り送るように
してなる。

そして他方では軌条支持基板１４上には前記両
軌条１６，１６の間に位置調節金具２７を介さ
せ、支持基板１４の該軌条１６，１６間に形成し
たスリツト１５の部分を経て下側から挿通した調
節ボルト２８によつて前記調節金具２７を摺動且
つ定位置に静止保持するようにし、該調節金具２
７の裏面にエアーシリンダー２９を取付け、該シ
リンダー２９のピストン杆３０の外端を前記摺動
架台１８の後端に連結具３１を介して連接して、
シリンダー２９が動作することにより摺動架台１
８は案内軌条１６，１６に沿つて所定量移動す
る。

そして前記摺動架台１８の前面片方寄り位置に
空気噴射嘴３３を取付金具３２によつて不動に定
着し、該噴射嘴３３の先端部が前記吸盤２５の直
後に位置するように対設して吸盤２５によるカレ
ンダー捲り送りの際、風圧を作用させて、捲り送
り動作を確実ならしめるものである。

以下、本考案の一連動作について述べると先ず
第１図の供給装置Ｂにおいて，まだ得意先名を刷
りこんでないカレンダーＡを第１図の磁性吸着具
１の下面に綴金具３５によつて一挙に多数吸着垂
下せしめる。

次に図示しない自動送り回路を始動せしめるこ
とによりシリンダー２が動作してピストン杆の先
端で磁性吸着具１を案内杆１′，１′に沿つて第１
図右方へ移動せしめる。即ち、カレンダー１冊分
に相当する送り量を以て間歇的に前方へ送り出す
ようにしており、しかもその動作は吸着取出機構
Ｃにおける駆動装置４が動作して、吸着回動アー
ム３の回動によつて、その先端の吸盤でカレンダ
ーＡを群の最先端から取り出す毎に前記磁性吸着
具をピストンの動作によつて前進せしめるように
している。

そして、前記回動によつて取り出されたカレン
ダーＡは載支板６上に載置され且つ綴金具３５の
部分を抑止具６′によつて抑止し、カレンダーの
裾の部分を支持板２０上に静置し、最初第３図鎖
線の位置にある吸盤２５を、アクチユエータ２１
の回動によつて実線状態に回動せしめ乍ら支持板
２０上にあるカレンダーＡの裾部、即ち綴金具３
５の反対側端縁に接して、最上位のカレンダーの
端縁を、ニツプル２６から陰圧を作用させて吸盤
２５によつて吸着し、その状態においてシリンダ
ー２９を作動することにより摺動架台１８は連結
具３１とピストン杆３０を介して案内軌条１６，
１６に沿つて左方（第２図）へ移動する。

そして、この移動中は、前記吸盤２５と支持板
２０が摺動架台１８上に設置されている為に共に
一体となつて移動する。この時綴金具３５の部分
はカレンダー載支板６上の抑止具６′によつて前
述したように抑止されており、他方該カレンダー
の裾部は該吸着盤２５と支持板２０によつて挟持
されたままカレンダーＡを僅かに褶曲させ乍ら移
動する。

そして、次の瞬間アクチユエータ２１を動作す
ることによりアーム２４が第３図鎖線のように回
動し乍ら最上部の頁を吸盤２５によつて吸着した
まま捲り上げると同時に、カレンダーＡを矢印ａ
の方向に押出して裾部の所定印刷位置を印刷機の
捺印位置へ宛がうように動作することにより該吸
盤２５にて吸着されているカレンダーの頁は、両
作用が相俟つて大きく捲り上げることができる。

そして、前記アーム２４が回動してカレンダー
を捲り上げたところで、空気取入れ口３４から取
り入れた空気を噴射嘴３３から噴出させて、次の
頁を捲る時、吸盤２５が一旦カレンダーを釈放し
ても元へ戻らないように風圧を作用させて抑圧保
持しておき、この時既に送り込まれたカレンダー
の所定位置には得意先名が印刷されているものと
すれば、次の頁を宛がう動作が開始される。

即ち、これまで吸着していた吸盤２５の陰圧を
解除して、頁を変えたために該吸盤２５をシリン
ダー２９の後退動作で第２図点線位置に移動させ
ることにより、該吸盤２５とカレンダーＡとは直
面しなくなるので、その状態でアクチユエータ２
１を動作させてアーム２４を再び前記第３図実線
位置へ回動し乍ら同時にシリンダー２９の動作で
第２図左方へ移動させ、次頁の所定位置へ吸盤２
５を対応移行せしめ、カレンダーの端縁に直面し
た時、吸盤２５に陰圧を作用させて吸着させ、再
び僅かに左方へ移動し、捲り上げ乍らカレンダー
を押出し印刷するものであつて、以下同様の動作
を反復して作業を推進するものである。

尚、上記動作において、吸盤２５でカレンダー
を吸着したまま支持板２０と共に僅かに左方へ移
動させることにより、該吸盤２５に吸着されてい
る頁は褶曲作用を受けるが、その下位にある各頁
はカレンダー自体の弾力性によつて平坦な状態を
保つように作用し、従つて確実に吸盤はカレンダ
ーを１頁宛捲り送ることができる。

尚、上記構成において本考案はカレンダーの各
サイズに適応できるように調節ボルト２８を緩め
て摺動架台１８をスリツト１５に沿つて第２図に
おいて左右へ移動するようにしている。

＜考案の効果＞ 本考案は上述のように構成されているので、一
挙に複数冊のカレンダーＡを供給装置Ｂへセツト
しておくことにより図示しない自動制御回路が動
作して、その最先端の１冊宛を順次捲り送り機構
Ｄへ供給し、ここで１頁毎確実に捲り出し、印刷
機へ供給するので、１人で複数台の装置を操作す
ることができる。

又、吸盤でカレンダーの最上位の頁を吸着した
まま僅かに横方向へ移動させる動作で、下位に隣
接する頁の付着を完全に防止し、確実に１枚宛捲
り送ることができる。

更には吸盤によるカレンダーの捲り上げ乍らこ
れと同時に該カレンダーを印刷機の方向へ移動す
るようにしているので捲り動作が一層確実である
と共に、圧縮空気を捲り上げたカレンダーに向か
つて吹き付けるようにしているので、次頁の繰り
出しが確実であるなど、構造簡単であるにも拘わ
らず多くの優れた効果を有する実用価値の高い考
案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置を有する自動カレンダー
供給装置の側面図、第２図は、第１図のＸ−Ｘ断
面図、第３図は、第２図の左側面図、第４図は、
第２図の平面図、第５図は、第２図のＹ−Ｙ断面
図、第６図は、カレンダーの斜視図である。 ６……載支板、７……揺動台、１４……軌条支
持基板、１６……案内軌条、１８……摺動架台、
２０……支持板、２１……アクチユエータ、２５
……吸盤、２９……シリンダー、３３……噴射
嘴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平及び前傾状態に傾動するようにした揺動台
   上にあつてカレンダーを前後に移動可能に設置し
   たカレンダー載支板と、該揺動台上の軌条支持基
   板に取付けた案内軌条によつて支持され且つカレ
   ンダーの前記移動方向と直角な方向に移動可能な
   摺動架台と、前記支持基板上にあつて該摺動架台
   を移動せしめるシリンダーと、前記載支板と同高
   位位置に保たれカレンダーの先端寄り一側縁を受
   載するように前記摺動架台に取付けられた支持板
   と、摺動架台の背面に取付けたロータリーアクチ
   ユエータの作動軸上に保持され前記支持板に向つ
   て回動し離隔するようにした吸盤と、該吸盤と略
   同高位置にあつてその横側からカレンダーに向つ
   て圧縮空気を噴出する噴射嘴及びこれらを操作す
   るための自動制御回路とからなることを特徴とす
   る印刷機における捲り送り装置。