JPH0440327B2 - - Google Patents

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JPH0440327B2
JPH0440327B2 JP61180198A JP18019886A JPH0440327B2 JP H0440327 B2 JPH0440327 B2 JP H0440327B2 JP 61180198 A JP61180198 A JP 61180198A JP 18019886 A JP18019886 A JP 18019886A JP H0440327 B2 JPH0440327 B2 JP H0440327B2
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JP
Japan
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tranilast
dissolving
slow
fast
granules
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Hiroaki Taniguchi
Michisuke Ooe
Motofusa Tachimori
Osamu Umagoe
Haruya Kumakura
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Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、アレルギー性疾患治療剤であるトラ
ニラストの遅溶性成分を構成々分の一つとして含
有するトラニラストの経口用持続性製剤に関す
る。 〔従来の技術〕 トラニラストは化学名をN−(3,4−ジメト
キシシンナモイル)アントラニル酸というアレル
ギー性疾患の治療剤である。その作用機序は従来
の対症療法剤とは異なり、ケミカルメデイエータ
ーの遊離抑制にあり、より原因治療に近づいた薬
剤であり、気管支喘息、あるいはアレルギー性鼻
炎等のアレルギー性疾患に細粒剤又はカプセル剤
の形で使用され、高い評価を得ている。トラニラ
スト細粒又はトラニラストカプセルは従来のクロ
モグリク酸ナトリウム(商品名:インタール)な
どとは異なり、消化管から吸収されるため経口剤
として投与でき、軽症〜中等症のアレルギー性疾
患にあつては、入院せず、日常生活を続けながら
長期間の服薬を続けることができる。 また、持続性製剤の従来技術の一つとして、胃
内では急速に崩壊し、その部分で吸収される速溶
性製剤と、腸溶性被膜を速溶性製剤上に適当量塗
布した腸溶性製剤とを、特定の比率で混合したい
わゆるmultiple−units dosage型の持続性製剤が
抗生物質や鎮痛剤などについて開発実用化されて
きた。しかしながら、一般的に云つて、薬物をこ
のmutliple−units dosage法によつて持続性製剤
にする場合には、種々の要因を解明しなければ、
目的とする製剤を設計することすら不可能であ
る。種々の要因としては、薬物の消化管における
吸収部位の特異性、薬物の溶解性を左右する因子
(例えば消化液のPHの影響,結晶水の有無,塩の
種類,薬物の粒度,製剤の形能など)、薬物の生
物学的半減期、そして腸溶性物質でコーテイング
などを行つて遅効性にする場合には、そのコーテ
イング被膜中への薬物の移行性がないことなど、
種々の物理的・化学的要因があり、これ等は個々
の薬物によつて異なつている。就中、薬物の消化
管における吸収部位はとりわけ重要である。 本発明にかかわるトラニラストについては、日
本薬局方で定める第1液(PH1.2)には、本質的
に殆んど溶解しないことが分つており、ラツトを
用いた吸収部位の研究(中沢等,基礎と臨床13
(1),25〜33,1979)によつても経胃吸収は殆んど
なく、十二指腸からのみ良好に吸収されることが
解明されている。これらの事実より、トラニラス
トはヒトについても同様の吸収挙動を示すものと
想像されてきた。従つて、上に述べた腸溶性物質
を施された遅溶性成分はトラニラストについては
意味は少ないと考えられ、まして胃に速やかに崩
壊する速溶性成分と腸溶性の遅溶性成分とを組合
せたmultiple−units dosage型の製剤は経胃吸収
がない以上、無意味であると想定されてきた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 トラニラスト細粒又はトラニラストカプセルを
ヒトに食後に投与した場合、その血中濃度は投与
後2〜4時間程度で最高血中濃度(C max)
に達し、その後急速に減少して体外に排泄され
る。血中濃度の半減期は約5時間であり、この程
度の時間で事実上その効果は消失してしまうもの
と考えられている。一方、本薬剤の対象となる疾
患のうち、気管支喘息などのアレルギー症におい
ては、早朝に発作が頻発するいわゆるモーニン
グ・デイツピング現象が特に問題視される。 就寝前に本薬剤を投与しても、血中の薬物濃度
の半減期から考えると、その持続時間は不十分で
あると云える。即ち、本薬剤を予防的に使用して
もモーニング・デイツピングを防止するために
は、少なくとも、血中濃度が高いレベルで10時間
程度持続することが要求される。 更に、別の観点から見ると、現在のトラニラス
ト細粒又はトラニラストカプセルのごとく1日3
回の服薬を要求される製剤の場合、患者は特に昼
間の服薬を忘れることが多く、医師の指示どおり
服薬が遵守されないことが統計的な調査からも明
確にされており、いわゆるコンプライアンス向上
の意味からも、服薬回数の少ない製剤の出現が望
まれている。 本発明者らは、上記の観点から、血中濃度を高
いレベルで長時間持続することができて、充分な
臨床効果が期待し得る製剤を開発すべく、鋭意研
究の結果、本発明に到達した。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、メタアクリル酸25.0〜52.0重量%を
含む、メタアクリル酸−メタアクリル酸メチル共
重合体で被覆処理されたトラニラストを有効成分
とするトラニラスト遅溶性成分と、持続化処理や
遅溶化処理が施されていないトラニラストを有効
成分とするトラニラスト速溶性成分とからなるト
ラニラストの経口用持続性製剤である。 本発明のメタアクリル酸−メタアクリル酸メチ
ル共重合体は、メタアクリル酸25.0〜52.0重量%
を含むメタアクリル酸とメタアクリル酸メチルと
の共重合であり、臨界PH値5.0以上、好ましくは
5.5以上で溶解する腸溶性物質であつて、適当な
可塑剤,分散分離剤と共に用いることができる。
該共重合体としては、メタアクリル酸コポリマー
L(オイドラギツトL、乾燥物中メタアクリル酸
38.0〜52.0重量%を含む)、メタアクリル酸コポ
リマーS(オイドラギツトS、乾燥物中メタアク
リル酸25.0〜34.5重量%を含む)(ともに日本薬
局方外医薬品成分規格に記載)、メタアクリル酸
メチルコポリマー60が好ましい材料である。さら
に、メタアクリル酸−メタアクリル酸メチル共重
合体は、トラニラストの被膜移行性が少ないた
め、本発明の優れた効果を得ることができる。こ
こで述べた臨界PH値とは次のごとく定義される。
日本薬局方一般試験法・崩壊試験法に規定される
方法に準じて、各々製剤の一定量を直接6ケのガ
ラス管に、もしくは補助筒に入れたものを、更に
6ケのガラス管に入れ、液温を37℃に保ち、崩壊
液のPHを変えて崩壊試験を行う。上下運動により
全ての製剤が崩壊しガラス管もしくは補助筒から
なくなる時間(崩壊時間)を測定する。崩壊時間
とPHの関係をグラフにプロツトすることによつ
て、崩壊が起るPH値を決定することができる。こ
のPH値を臨界PH値と定義する。 本発明におけるトラニラスト経口用持続性製剤
とは、速溶性成分及び遅溶性成分から構成されて
おり、血中濃度が長時間持続する製剤を意味す
る。 本発明における遅溶性成分とは、メタアクリル
酸−メタアクリル酸メチル共重合体で被覆処理さ
れた成分で、後述のトラニラスト速溶性成分に通
常のスプレー法、遠心流動コーテイング等の公知
の方法でコーテイング等の処理をするか、或いは
トラニラスト速溶性成分にメタアクリル酸−メタ
アクリル酸メチル共重合体を混合した後、適当な
溶媒を加えて練合して造粒する方法などの公知の
方法で作成すればよい。 本発明における速溶性成分とは、特別な持続化
処理又は遅溶化処理を施していない通常の成分を
指し、常法に従つて散剤,細粒剤,顆粒剤,丸
剤,錠剤等に製剤化すればよい。 賦形剤,崩壊剤の種類は通常の散剤,顆粒剤,
錠剤などの製剤を製造する際に用いられるものを
使用すればよく、糖類,デンプン類,セルロース
類等の添加剤を使用すればよい。 糖類としては白糖,乳糖,ブドウ糖,ソルビト
ールなどが、デンプン類としてはトウモロコシデ
ンプン,コムギコデンプン,バレイシヨデンプ
ン,ヒドロキシプロピルスターチなどが、又セル
ロース類としては結晶セルロース,カルボキシメ
チルセルロース,カルボキシメチルセルロースナ
トリウム,カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム,ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が例
示される。 しかし、崩壊性,速やかな溶出性,経時安定性
を考慮すると、白糖,トウモロコシデンプン,カ
ルボキシメチルセルロースカルシウムから選ばれ
た1種又はそれ以上を使用するものが好ましい。
更に、常法に従い、適当な結合剤,溶解促進剤等
を加えて製剤化すればよいが、結合剤の種類及び
使用量,使用方法等が異なれば溶出特性が大きく
異なるため、充分な注意が必要である。使用され
る結合剤として、メチルセルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチル
セルロース,ポリビニルピロリドン,ソリブルス
ターチ,ゼラチン,バレイシヨデンプン等が例示
される。 本発明の持続性製剤において、遅溶性成分は単
に一種類のものに限られるものではなく、臨界溶
出PHの異なる二種以上の成分を用いることも可能
である。遅溶性成分と速溶性成分の配合割合は、
前者中に含まれるトラニラストと後者中に含まれ
るトラニラストの重量比で2:8〜8:2、更に
好ましくは7:3〜3:7の範囲にあるのがよ
い。 持続性製剤の剤形としては、混合粉末剤,混合
(複合)細粒剤,混合(複合)顆粒剤等が好まし
く、これらが更にカプセル剤とされてもよい。ま
た例えば、遅溶性顆粒を速溶性粉末で被覆するこ
とにより構成された単一製剤であつてもよい。 〔作用〕 先に述べたとおり、トラニラストの消化管内吸
収部位としては、経胃吸収は殆んどなく、十二指
腸で主として吸収されると考えられていた。十二
指腸は長さ約25cmの腸管であり、経口的に投与さ
れた食物や薬物などは極めて短時間で通過してし
まうものと思われる。十二指腸内の消化液のPHは
5〜7.5と弱酸性〜弱アルカリ性を示し、腸溶性
物質はこの部位から小腸にかけて急速に溶解し、
内部の薬物が血液中に吸収されて行くことにな
る。 これ等の事を勘案するとき、従来からセフアレ
キシン(抗生物質)のmutiple−units dosage型
持続性製剤などでよく用いられている腸溶性物質
を施す方法で遅溶化した製剤では、速溶性成分と
比較して生物学的利用率(バイオアベイラビリテ
イー:血中濃度・時間曲線下面積の積分値を計算
し、area under curve の略号AUCとして示さ
れる)の低下をきたし、また血中濃度のタイムラ
グ(遅溶性すなわち遅効性を意味する)は期待で
きないと考えられていた。 しかしながら、本発明者らは腸溶性被材でコー
テイングした遅溶性成分と、胃液で容易に崩壊さ
れる速溶性成分を各々顆粒状に製造し、両者をト
ラニラストとしての投与量が全く同一となるよう
にヒトの空腹時に投与して、その血中濃度を測定
してみたところ、驚くべきことには、本発明の遅
溶性顆粒剤のAUCは、速溶性顆粒剤のそれと同
等であり、更に、最高血中濃度到達時間(T
max)は速溶性顆粒剤よりも3時間おくれてい
ることを見出した。 従来技術の項で述べたとおり、これまでいくつ
かの薬物が同種技術によつて持続性製剤化された
と報告されているが、PH依存性の遅溶性製剤の場
合においては、速溶性成分に比較して、しばしば
生物学的利用率の大幅な低下が認められたり、
又、その低下をまぬがれたとしても、C max
が相当に低下してしまうことが判明している。 遅溶(遅効)の度合については、本発明者らの
実験が、最も消化管内の通過時間の早い空腹時投
与にもかかわらず、上記のごとく大幅な遅溶化
(遅効化)が可能であつたことは想像を超えたこ
とであり、速溶性成分と遅溶性成分とを適当な比
率で配合した場合に、優れた持続性製剤を得るこ
とが可能となつた。 以下、参考例及び実施例により本発明を詳述す
る。 参考例 1 次の組成の速溶性製剤を下記の方法で作成し
た。 トラニラスト 球型核剤 トウモロコシデンプン 白 糖 ポリビニルピロリドンK90(PVP−K90:BASF) ポリビニルピロリドンK90(PVP−K90:BASF) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L:日本曹達)
5部 24.9部 38.4部 30.3部 0.6部 0.8部 合 計 100部 白糖及びトウモロコシデンプンから成る球型核
剤24.9部(重量部,以下同じ)にトラニラスト5
部及びトウモロコシデンプン38.4部より成る混合
物を、3%ポリビニルピロリドンK90(pvp−
k90)イソプロピルアルコール(IPA)溶液をス
プレーしつつ、遠心流動コーテイング法(ロータ
ー回転数:180rpm,スリツトエアー流量:150
/min〜400/min,品温:10℃,スプレー
液量15〜20ml/min)で造粒し、50℃で熱風乾燥
機中で十分に乾燥した。この顆粒を再び遠心流動
コーテイング造粒装置(フロイント産業)に投入
し、白糖の粉砕物30.3部を5%ヒドロキシプロピ
ルセルロース(HPC−L)水溶液をスプレーし
つつ造粒(ローター回転数180rpm,スリツトエ
アー流量:150/min,品温:10℃,スプレー
液量5ml/min)し、再度50℃で乾燥した。乾燥
後顆粒を分級し、12メツシユのスクリーンを通過
し、24メツシユのスクリーンを通過しない球型粒
子を速溶性製剤とした。 参考例 2 次の組成の速溶性製剤を、下記の方法で作成し
た。 トラニラスト 球型核剤 トウモロコシデンプン ポリビニルピロリドンK90(pvp−k90:BASF) 5部 36.1部 58.0部 0.9部 合 計 100部 白糖及びトウモロコシデンプンから成る球型核
剤36.1部に、トラニラスト5部及びトウモロコシ
デンプン58部から成る混合物を、3%pvp−k90
のIPA溶液をスプレーしつつ、参考例1と同様に
遠心流動コーテイング造粒装置にて積層させて造
粒し、50℃の熱風乾燥機中で十分に乾燥した。乾
燥後、顆粒を分級し、12メツシユのスクリーンを
通過し、24メツシユのスクリーンを通過しない球
型粒子を速溶性製剤とした。 参考例 3 腸溶性物質を含む次の組成のコーテイング液を
調整した。 メタアクリル酸・メタアクリル酸メチルコポリマ
ー60(オイラギツト L−100:ロームフアーマ)
5.41部 グリセリン脂肪酸エステル(マイバセツト9−
40T:光洋商会) 0.54部 軽質無水ケイ酸(アドソリター101:フロイント
産業) 0.05部 IPA 47部 メチレンクロライド 47部 合 計 100部 参考例2で得られた速溶性製剤100部を遠心流
動コーテイング造粒装置に入れ、顆粒を温風と遠
心力で均一に転動せしめながら、上記のコーテイ
ング液を一定のスプレー速度でスプレーしつつ、
コーテイング(ローター:120rpm,スリツトエ
アー量:400/min,スリツトエアー温度:70
℃,スプレー液量:15ml/min,品温:40〜60
℃)を実施した。コーテイング液を270部スプレ
ーした後、得られた製剤を温風中で十分に乾燥し
て溶媒を除去した。 更に、顆粒を分級し、12メツシユのスクリーン
を通過し、24メツシユのスクリーンを通過しない
粒子を遅溶性製剤とした。 得られた顆粒を崩壊試験器の6ケの補助筒中に
各々0.1gづつ採取した。 別に、常法に従つて、PHが5.5,6.0,6.5及び
7.0の4種類のリン酸塩緩衝液を調整して顆粒の
崩壊時間を各々測定した。その結果、全ての顆粒
が崩壊して補助筒から落下し去る時間はPH6.5,
7.0の場合約5分、PH6.0の場合に約20分であつた
が、PH5.5の場合には60分以上たつても崩壊しな
かつた。 参考例 4 参考例3に示した成分中、オイドラギツトL−
100をオイドラギツトS−100に変えた腸溶性物質
のコーテイング液を調整した。 参考例1で得られた速溶性製剤100部を遠心流
動コーテイング造粒装置に入れ、本コーチング液
330部をスプレーコートした。同じく、十分に温
風で乾燥して溶媒を除去した。得られた顆粒を分
級し、12メツシユのスクリーンを通過し、24メツ
シユのスクリーンを通過しない粒子を遅溶性製剤
とした。 実施例1と同様の方法で崩壊時間を測定し、臨
界PH値を求めたところ、約7であることが判明し
た。 参考例 5 参考例3,4で得られた遅溶性顆粒を、各々日
本薬局方に規定する溶出試験法に準じて薬物の溶
出挙動を測定した。溶出液はいずれもリン酸塩緩
衝液によるものである。両顆粒とも試験開始後数
分で急速にトラニラストが溶出し始め、約10分で
ほぼ100%溶出した。 両顆粒を別に、約1gづつポリエチレンラミネ
ート・アルミニウムフイルム中にヒートシールし
て分包した。これら分包品を40℃,75%PH%の恒
温恒湿槽中に6ケ月保存し、虐待試験を行なつた
後、同様の溶出試験を実施した。含有されるトラ
ニラストが半分溶出するに要する時間(T50
を、溶出曲線から読みとつて第1表にまとめた。
【表】 いずれの顆粒も溶出挙動は十分に早く、かつ長
期間の虐待条件下でも何等変化することはない。
トラニラストが安定に顆粒中に存在し、内容物の
移行や、化学的反応などによる被覆の変質がない
ことが判明した。 実施例 1 参考例2で得られた速溶性製剤及び参考例3で
得られた遅溶性製剤を用いて、トラニラストとし
て150mg相当量の速溶性製剤及び同相当量の遅溶
性製剤を、別個に各々4名のボランテイアに空腹
時に経口投与し、血中濃度を経時的に測定した。
その結果を第1図に示した。 実測値に基づき、各製剤のT max,C
max,AUC0→∞(0時間より無限時間までの
AUC)半減期を求め、第2表に示した。 速溶性製剤のT max,C maxは各々1時
間、30.1μg/mlであり、遅溶性製剤ではそれぞ
れ4時間、29.2μg/mlで、速溶性製剤と遅溶性
製剤とのT max差は3時間であつた。即ち、
本発明の遅溶性製剤は、薬効が約3時間遅れて発
現する。一方、消失半減期α相は前者で3.9時間、
後者では4.0時間であり、消失半減期β相は各々
6.4時間,6.5時間と極めて近似した値を示した。
また、両者のAUC0→∞はほとんど同じ程度であ
つた。即ち、遅溶性化してもトラニラストの生物
学的利用率は全く変らないことがわかる。
〔発明の効果〕
実施例4の血清中濃度の測定値より求めた速溶
性製剤と遅溶性製剤のフアルマコキネテツクスパ
ラメーター(第2表)を基に、両者の混合製剤の
血清中濃度を算出し、トラニラスト150mg相当量
を含有するこの混合製剤を朝・夕各1回(12時間
間隔)投与した場合の血清中濃度、及び通常製剤
と同一の体内動態を示すトラニラスト100mg相当
量を含有する速溶性製剤を1日3回(8時間間
隔)投与した場合の血清中濃度をシユミレート
し、両剤の血中動態を比較し、結果を第2図に示
した。第2図から以下の事が推定された。 (1) 本発明の持続性製剤の単回投与時の血清中濃
度は、従来製剤の単回投与時よりも明らかに持
続性が認められた。 (2) 本発明の持続性製剤の12時間毎2回投与時
と、従来製剤の8時間毎3回投与時の、10μ
g/ml(アトピー型気管喘息患者から採血した
白血球にハウスダストを加えるとき、遊離され
るヒスタミンの約70%を抑制する量に相当する
濃度)以上の血清中濃度の持続時間は、前者の
場合、後者と同等もしくはそれ以上であつた。 本発明の持続性製剤は臨床上の有効性が示唆さ
れる血清中濃度を長時間にわたつて持続し、且つ
コンプライアンスの低下を招く事が少なくなると
考えられる。以上を勘案するとき一層の有効性が
期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、トラニラストの速溶性製剤と遅溶性
製剤をヒトに投与した場合の、血清中濃度の時間
的推移を示す図である。 第2図は、トラニラストの持続性製剤と通常製
剤の、血清中濃度の時間的推移(シユミレーシヨ
ン)を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メタアクリル酸25.0〜52.0重量%を含む、メ
    タアクリル酸−メタアクリル酸メチル共重合体で
    被覆処理されたトラニラストを有効成分とするト
    ラニラスト遅溶性成分と、持続化処理や遅溶化処
    理が施されていないトラニラストを有効成分とす
    るトラニラスト速溶性成分とからなるトラニラス
    トの経口用持続性製剤。 2 遅溶性成分中のトラニラストと速溶性成分中
    のトラニラストとの含量比が2:8〜8:2(重
    量比)である特許請求の範囲第1項記載のトラニ
    ラストの経口用持続性製剤。 3 持続性製剤が遅溶性顆粒と速溶性顆粒の複合
    顆粒である特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    のトラニラストの経口用持続性製剤。 4 遅溶性成分を速溶性成分で被覆することによ
    り構成される特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載のトラニラストの経口用持続性製剤。
JP18019886A 1986-08-01 1986-08-01 トラニラストの経口用持続性製剤 Granted JPS6339814A (ja)

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