JPH0439736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、ベツドを使用しない時に収納してお
き使用時にそのベツドを出して使用するようにし
た収納型２段ベツドに関する。

（従来の技術） 従来の収納型ベツドは、１個のベツドを収納可
能とした１段型で、例えば壁面に埋込まれて配置
された収納枠にベツドが１軸で回動自在に支持さ
れ、そして、ベツドの収納時に、収納枠内に垂直
状態に収納しておき、ベツドの使用時に、ベツド
の回動端側に設けられた脚部を手で引出すととも
にベツドを回動させて収納枠内から引出し、その
脚部でベツドの回動端側を支持してベツドを水平
状態に配置して使用するようになつていた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の収納型ベツドは、１個のベツドを収納可
能とした１段型であるが、例えば２人の子供がい
る家庭では、部屋のスペースをさらに有効利用可
能とした２段型が要望されている。また、それと
ともに、ベツドは、壁面に固定されるのではな
く、移動可能とした家具調のものが要望されてい
る。

また、ベツドの回動支点側を１軸で回動自在に
支持したのでは、ベツドの回動支点側の縁部およ
び回動端側の縁部が円弧を描いて回動するので、
それら縁部が収納枠の上下面に当たらないよう
に、ベツド収納時のベツドの上下縁部と収納枠の
上下面との間の間隔を大きく開けなければなら
ず、見栄えがよくない。

さらに、ベツドの使用時または収納時に、脚部
を手で出したり収納しなけらばならず、手間がか
かる。

本考案は、上述のような点に鑑みてなされたも
ので、上下に２段のベツドを備え、この各ベツド
を収納ケースに支持して移動可能とし、また、ベ
ツド収納時の上下のベツド間やベツドと収納ケー
スとの間の間隔を少なくして見栄えをよくでき、
さらに、各ベツドの回動に伴つて各脚部をそれぞ
れ使用状態および収納状態に自動的に配置するこ
とができる収納型２段ベツドを提供することを目
的とするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の収納型２段ベツドは、前面に開口する
収納部６を有した収納ケース１と、この収納ケー
ス１の収納部６の上下部にそれぞれ垂直状態に収
納配置されるとともに回動されて水平状態に使用
配置される一対のベツド１１と、この各ベツド１
１を収納ケース１に回動自在に支持する支持機構
２１とを備え、この支持機構２１は、上記上下段
の各ベツド１１の回動支点側の両端部と上記収納
ケース１とを回動自在に連結する第１および第２
のリンク２２，２３と、下段のベツド１１の回動
端側に回動自在に設けられた下段用の脚部３０
と、この下段用の脚部３０と第１の支持リンク２
２とに回動自在に連結され第１の支持リンク２２
に連動して下段用の脚部３０を常時垂直状態に支
持する連結リンク２８と、下段用の脚部３０と上
段のベツド１１の回動端側とに回動自在かつ伸縮
自在に設けられ下段用の脚部３０に当接して上段
のベツド１１を水平状態に支持する上段用の脚部
３５とを備えたものである。

（作用） 本考案の収納型２段ベツドでは、収納ケース１
の収納部６の上下部に一対のベツド１１を回動可
能に支持し、ベツド１１の収納時に収納ケース１
の収納部６内の上下部に各ベツド１１をそれぞれ
垂直状態に配置し、ヘツド１１の使用時に収納ケ
ース１から各ベツド１１を回動させてそれぞれ水
平状態に配置する。

また、ベツド１１が回動する際、ベツド１１は
第１および第２の支持リンク２２，２３によつて
支持されているため、ベツド１１が垂直状態から
水平状態に回動する初期にベツド１１の回動支点
側および回動端側の縁部が略水平に移行し、その
後に円弧を描いて回動するので、ベツド収納時の
各ベツド１１の縁部と収納ケース１の上下面との
対向間隔、上下のベツド１１の対向間隔を少なく
できる。

また、ベツド収納時およびベツド使用時に、各
ベツド１１の回動に連動して脚部３０，３５が使
用状態および収納状態に配置される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例の構成を図面を参照し
て説明する。

第１図および第２図において、１は収納ケース
で、この収納ケース１は、天板２と地板３および
両側板４，４とが矩形枠状に組合わせられて、そ
の裏面が裏板５で閉塞して設けられ、内部に前方
に開口する収納部６を構成している。

収納ケース１の収納部６の上下部には、一対の
ベツド１１，１１が回動自在に配置される。この
ヘツド１１は、短辺の縁部１２，１２と長辺の縁
部１３，１３とから長方形枠状のベツド枠１４が
設けられてその底部に底板１５が設けられてい
る。このベツド１１の外形は、収納ケース１の収
納部６の上下部にそれぞれ垂直状態に収納配置可
能の寸法とされ、その垂直状態でベツド１１，１
１の下方の縁部１３側がベツド１１の回動支点側
となり、上方の縁部１３側が収納ケース１の前面
側に回動されるベツド１１の回動端側となる。な
お、ベツド枠１４内にはベツド用クツシヨン等が
配置される。

ベツド１１，１１は支持機構２１によつて収納
ケース１に回動自在に支持されている。この支持
機構２１は、第３図に示すように（下段のベツド
１１の支持機構２１を示す）、第１および第２の
支持リンク２２，２３を有し、この各支持リンク
２２，２３の一端は、ベツド１１の回動支点側の
両縁部１２，１２に各支軸ａ，ｂで回動自在に連
結され、他端は、収納ケース１の側板４，４の内
面後方位置に上下方向に沿つて固定された支持枠
２４，２４に支軸ｃ，ｄによつて回動自在に連結
されている。この第１および第２の支持リンク２
２，２３の支軸ａ，ｂは、ベツド１１の垂直状態
（収納配置された状態）で上下部に位置し、第１
の支持リンク２２の支軸ｃは支軸ａより上方に位
置し、第２の支持リンク２３の支軸ｄは支軸ｂよ
り下方に位置する。そして、この第１および第２
の支持リンク２２，２３の支持により、ベツド１
１の垂直状態から水平状態（使用配置された状
態）に回動させた場合に、ベツド１１は第３図実
線状態から想像線状態に回動移行する。なお、第
１および第２の支持リンク２２，２３の支軸ｃ，
ｄは、支持枠２４の内面に固定された各軸受金具
２５，２５に回動自在に連結され、この軸受金具
２５，２５の上方に開口する軸受溝２６，２６に
支軸ｃ，ｄを上方から挿入するのみで連結され
る。また、この第１および第２の支持リンク２
２，２３は、上下段のベツド１１，１１に共通し
て設けられている。

下段のベツド１１の第１の支持リンク２２，２
２の支軸ａ，ａは、ベツド１１の縁部１２，１２
の内側に貫通され、その端部に第１の支持リンク
２２，２２と一体に回動する連結片２７，２７が
設けられ、この連結片２７，２７の支軸ａ，ａか
ら下方に変位した位置に支軸ｅ，ｅによつて連結
リンク２８，２８の一端部が回動自在に連結され
ている。

下段のベツド１１の回動端側の両縁部１２，１
２には、支軸ｆ，ｆで下段用の脚部３０，３０が
回動自在に設けられ、この脚部３０，３０は、角
型パイプから形成されて下端に緩衝体３１，３１
が取付けられている。

この脚部３０，３０の支軸ｆ，ｆは、縁部１
２，１２の内側に貫通され、その端部に脚部３
０，３０と一体に回動する連結片３２，３２が設
けられ、この連結片３２，３２の下方に変位した
位置に支軸ｇ，ｇによつて上記連結リンク２８，
２８の各他端部が回動自在に連結されている。

そして、上記連結リンク２８，２８によつて第
１の支持リンク２２，２２と連結された脚部３
０，３０は、ベツド１１の垂直状態で第３図実線
に示すように、縁部１２，１２の側部で収納ケー
ス１の側板４，４との間に垂直状態に配置され、
ベツド１１の水平状態で第３図想像線に示すよう
に、ベツド１１の底板１５に対して直角になり、
下端の緩衝体３１，３１が床面に当接してベツド
１１の回動端側を支持する。従つて、脚部３０，
３０は常時垂直状態に支持され、その支持状態は
支軸ａとｅおよび支軸ｆとｇとのそれぞれの変位
量を調整することにより設定することができる。

上段のベツド１１の回動端側の両縁部１２，１
２には、第４図にも示すように、支軸ｈ，ｈによ
つて上段用の脚部３５，３５の上端が回動自在に
連結され、この脚部３５，３５は、上記下段用の
脚部３０，３０と断面同形状の角型パイプから構
成され、この脚部３５，３５の内部に、その下端
から進退される連結脚３６，３６が収納配置さ
れ、この連結脚３６，３６の下端部が下段用の脚
部３０，３０の支軸ｆ，ｆから上方に変位した位
置に支軸ｉ，ｉによつて連結されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

収納ケース１は、例えば裏板５を壁面４０に合
せて床面４１上に配置される。

収納ケース１内にベツド１１，１１を収納配置
した状態では、第４図に示すように、収納ケース
１の収納部６内の上下部にベツド１１，１１が垂
直状態に配置され、収納ケース１の前面に両ベツ
ド１１，１１の底板１５，１５が臨んでいる。ま
た、下段用の脚部３０，３０および上段用の脚部
３５，３５は、各ベツド１１，１１の縁部１２，
１２と側板４，４との間に垂直状態に配置されて
いる。

次に、下段のベツド１１を回動させて水平状態
に使用配置すると、第５図に示すように、水平状
態のベツド１１の回動支点側、第１および第２の
支持リンク２２，２３によつて支持され、回動端
側は、第１の支持リンク２２，２２の回動が連結
リンク２８，２８により伝達されベツド１１の下
方に出された脚部３０，３０によつて支持され
る。また、下段用の脚部３０，３０の回動に伴つ
て上段用の脚部３５，３５の下端から連結脚３
６，３６が引出されて、上段のベツド１１と脚部
３０，３０との間に上段用の脚部３５，３５およ
び連結脚３６，３６とが傾斜状態で配置されてい
る。なお、この状態で１段用ベツドとして使用す
ることができる。

次に、上段のベツド１１を回動させて水平状態
に使用配置すると、第６図に示すように、水平状
態に配置されたベツド１１の回動支点側は、第１
および第２の支持リンク２２，２３によつて支持
され、回動端側は、連結脚３６，３６を収納し下
段部が下段用の脚部３０，３０の上端に当接した
上段用の脚部３５，３５によつて支持される。

また、ベツド１１，１１を収納ケース１内に収
納する場合には、まず、上段のベツド１１を回動
させて収納ケース１内の上部に垂直状態に収納配
置した後、下段のベツド１１を回動させて収納ケ
ース１内の下部に垂直状態に収納配置する。

また、ベツド１１が回動する際、ベツド１１は
第１および第２の支持リンク２２，２３によつて
支軸ａ，ｂ，ｃ，ｄの４点で支持されているた
め、第５図に示す回動軌跡S₁，S₂のように、ベツ
ド１１は、垂直状態から水平状態に回動する初期
ベツド１１の回動支点側および回動端側の縁部１
３，１３が略水平に移行し、その後に円弧を描い
て回動するので、ベツド１１の収納時におけるベ
ツド１１の縁部１３，１３と収納ケース１の天板
２および地板３との間隔、上下段のベツド１１，
１１の対向する両縁部１３，１３の間隔を少なく
することができ、ベツド１１，１１の収納時にお
ける収納ケース１の見栄えを良好にすることがで
きる。

また、収納および使用時にベツド１１，１１を
回動させることで、そのベツド１１の回動に連動
して脚部３０，３０および脚部３５，３５が出入
れされるので、ベツド１１，１１の収納状態およ
び使用状態への配置が容易に行なえる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、収納ケースの上下部に一対の
ベツドをそれぞれ回動可能に支持し、ベツド収納
時に収納ケースの収納部内の上下部に各ベツドを
それぞれ垂直状態に収納配置し、ベツドの使用時
に収納ケースから各ベツドを回動させてそれぞれ
水平状態に使用配置するようにしたので、部屋の
スペースを１段型に比べより有効利用することが
でき、また、両ベツドは移動可能とした家具調の
収納ケース内に収納されるため、収納ケースを各
部屋へおよび部屋内で移動させることにより自由
に設置することが可能である。

また、ベツドが回動する際、ヘツドは第１およ
び第２の支持リンクによつて支持されているた
め、ベツドが垂直状態から水平状態に回動する初
期にベツドの回動支点側および回動端側の縁部が
略水平に移行し、その後に円弧を描いて回動する
ので、ベツド収納時の各ベツドの縁部と収納ケー
スの上下面との対向間隔、上下のベツドの対向間
隔を少なくすることができ、ベツドの収納時にお
ける収納ケースの見栄えを良好にすることができ
る。

さらに、ベツド収納時およびベツド使用時に、
各ベツドの回動に連動して脚部が使用状態および
収納状態にそれぞれ自動的に配置され、人手によ
る手間を省くことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の収納型２段ベツドの一実施例
を示すベツドの使用状態の斜視図、第２図はその
ベツドの収納状態の斜視図、第３図はその支持機
構を示す一部の側面図、第４図ないし第６図はそ
の動作説明図である。 １……収納ケース、６……収納部、１１……ベ
ツド、２１……支持機構、２２……第１の支持リ
ンク、２３……第２の支持リンク、２８……連結
リンク、３０……下段用の脚部、３５……上段用
の脚部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面に開口する収納部を有した収納ケースと、
   この収納ケースの収納部の上下部にそれぞれ垂直
   状態に収納配置されるとともに回動されて水平状
   態に使用配置される一対のベツドと、この各ベツ
   ドを収納ケースに回動自在に支持する支持機構と
   を備え、 上記支持機構は、上記上下段の各ベツドの回動
   支点側の両端部と上記収納ケースとを回動自在に
   連結する第１および第２のリンクと、下段のベツ
   ドの回動端側に回動自在に設けられた下段用の脚
   部と、この下段用の脚部と第１の支持リンクとに
   回動自在に連結され第１の支持リンクに連動して
   下段用の脚部を常時垂直状態に支持する連結リン
   クと、下段用の脚部と上段のベツドの回動端側と
   に回動自在かつ伸縮自在に設けられ下段用の脚部
   に当接して上段のベツドを水平状態に支持する上
   段用の脚部とを備えたことを特徴とする収納型２
   段ベツド。