JPH0437709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、金型の曲面を砥石車によつて研削す
る装置に関するものである。

〈従来の技術〉 金型三次元自由曲面の仕上加工を数値制御式立
型フライス盤にて行う場合、工具形状として球を
用いるのが一般的であるが、回転軸中心では速度
はゼロとなるため、軸中心における仕上性能が低
下し、工具摩耗も大きく、実用上大きな問題とな
つていた。この問題を解消するために、回転軸を
一軸付加し、砥石作業面が球帯である砥石車を用
い、あらゆる方向に対して均一な仕上性能を持つ
た二軸回転の曲面研削装置が提供されている。

この装置は、第２図で示すように固定部１に回
り止め軸１４で回り止めしたハウジング２にアー
バ３と一体の回転軸４を回転自在に支承し、アー
バ３の先端に砥石車５をアーバ３の軸線と直交す
る砥石軸６の軸線回りに回転自在に設け、前記ハ
ウジング２に固定した固定傘歯車７と、前記アー
バ３に歯車支持軸８をアーバ３の軸線と直交する
軸線回りで回転自在に軸承し、この歯車支持軸８
に支持された前記固定傘歯車７と噛合して前記回
転軸４の回転により自転公転する遊星傘歯車９
と、この遊星傘歯車９の回転による歯車支持軸８
の回転を砥石車５に伝えるプーリ１０，１１とベ
ルト１２とによる伝達機構とを備えた構造であ
る。そして、回転軸４を工作機械の主軸１３にコ
レツトチヤツク１５を介して装着し主軸１３の回
転に基づく回転軸４の回転で遊星傘歯車９を固定
傘歯車７の周りを公転自転させ、プーリ１０，１
１とベルト１２により砥石車５を回転し、砥石車
５を主軸回転方向と砥石軸方向に同時に二軸回転
させて型内面の三次元自由曲面を研削するもので
ある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の曲面研削装置の砥石車５は球体円板
形状である。そのため。傾斜面の加工時は工作物
と砥石面の接触時間が極端に短くなり、加工能率
と加工精度面で不利となる問題があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決したもので
あり、その特徴とする構成は、固定部に回り止め
したハウジングにアーバと一体の回転軸を回転自
在に軸承し、アーバの先端に砥石車をアーバの軸
線と直交する軸線回りに回転自在に設け、前記ハ
ウジングに固定した固定傘歯車と、前記アーバに
歯車支持軸をアーバの軸線と直交する軸線回りで
回転自在に軸承し、この歯車支持軸に支持され前
記固定傘歯車と噛合して前記回転軸に回転により
自転公転する遊星傘歯車と、この遊星傘歯車の回
転による歯車支持軸の回転を前記砥石車に伝達す
る機構とを備えた研削装置において、前記砥石車
をその回転軸心線を中心とする半球形状とし、か
つ半球中心を前記アーバの回転中心に一致させた
ものである。

〈作用〉 本考案は、半球形状の砥石車により、工作物と
砥石車の半球面との接触時間が長く得られる。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図に基づいて説明す
る。固定部１に回り止め軸１４で回り止めしたハ
ウジングにアーバ３と一体の回転軸４を回転自在
に軸承し、アーバ３の先端にアーバ３の軸線と直
交する軸線で砥石軸６が固設されている。

前記ハウジング２には回転軸４と同心円の固定
傘歯車７が固設されている。また、アーバ３には
歯車支持軸８がアーバ３と直交する軸線回りで回
転自在に軸承され、この歯車支持軸８に前記固定
傘歯車７と噛合する遊星傘歯車９が支持されてい
る。

前記歯車支持軸８上にプーリ１０が固着され、
このプーリ１０と前記砥石軸６に一体に設けられ
たプーリ１１との間にベルト１２が掛け渡されて
いる。

上記のような研削装置において、本考案は、前
記砥石軸６に固設される砥石車１６を砥石軸６の
回転軸心線を中心とする半球形状としたものであ
る。１５は工作機械の主軸に設けられているチヤ
ツクであり、回転軸４がチヤツキングされる。

本考案は、上記の通りの構造であるから、工作
機械の主軸の回転が回転軸４に伝えられ、アーバ
３の先端の砥石車１６は主軸の回転方向に回転す
る。また、回転軸４の回転によつて遊星傘歯車９
が固定傘歯車７の周りを公転しながら自転し、歯
車支持軸８を回転する。この歯車支持軸８の回転
をプーリ１０，ベルト１２及びプーリ１１を介し
て砥石車５に伝達し、砥石車１６を砥石軸６の軸
線回りに回転する。この砥石車１６の砥石軸線回
りの回転と前記主軸の回転方向の回転との二軸回
転は同時に行うのである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案装置によると、二軸回転す
る砥石車は、砥石軸の回転軸心線を中心とする半
球形状としたものであるから、工作物の傾斜面加
工時に工作物と砥石面の接触時間が長くなり、加
工能率並びに加工精度の向上が得られる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の断面図、第２図は従来装
置の断面図である。 １……固定部、２……ハウジング、３……アー
バ、４……回転軸、６……砥石軸、７……固定傘
歯車、８……歯車支持軸、９……遊星傘歯車、１
０，１１……プーリ、１２……ベルト、１６……
砥石車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定部に回り止めしたハウジングにアーバと一
   体の回転軸を回転自在に軸承し、アーバの先端に
   砥石車をアーバの軸線と直交する軸線回りに回転
   自在に設け、前記ハウジングに固定した固定傘歯
   車と、前記アーバに歯車支持軸をアーバの軸線と
   直交する軸線回りで回転自在に軸承し、この歯車
   支持軸に支持され前記固定傘歯車と噛合して前記
   回転軸の回転により自転公転する遊星傘歯車と、
   この遊星傘歯車の回転による歯車支持軸の回転を
   前記砥石車に伝達する機構とを備えた研削装置に
   おいて、前記砥石車をその回転軸心線を中心とす
   る半球形状とし、かつ半球中心を前記アーバの回
   転中心に一致させたことを特徴とする曲面研削装
   置。