JPH0437473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シートバツクをシートクツシヨンに
対し傾斜自在とさせる自動車用座席に利用され
る。

（従来の技術） シートバツクをシートクツシヨンに対し傾斜自
在とした座席は、たとえば、実公昭58−1255号公
報に開示される如く公知である。この公知の座席
は、シートバツクとシートクツシヨンとの間に減
速機構を配し、該機構をシートクツシヨンの後方
に配される操作ノブで動かし、シートバツクの傾
角を調整する、しかし、この公知機構は、操作ノ
ブがシートクツシヨンの後方に配されることか
ら、その操作性がきわめて悪い。そこで、操作ノ
ブをシートクツシヨンの前方に配し、操作ノブと
減速機構とをチエーン又はベルトで連結される構
成を、本出願人が開発し、実願昭60−26167号と
して提案している。この本出願人が既に提案して
いる構成を第５−７図に示す。

自動車用座席１は、シートバツク２に取付けら
れるアツパブラケツト３と、シートクツシヨン４
に取付けられたロアブラケツト５との間に設けた
減速機構６、ロアブラケツト５の前方側部に設け
た操作ノブ７、および減速機構６と操作ノブ７と
の間に張設させたベルト又はチエーン８を有す。

第６図に示す如く、減速機構６は、正心軸部９
と偏心軸部１０を有し且つロアブラケツト５に軸
支されるシヤフト１１、アツパブラケツト３に設
けられ且つ偏心軸部１０に嵌合する内歯ギヤ１
２、ロアブラケツト５にピン１３を用いて固定さ
れ且つ正心軸部９に嵌合する外歯ギヤ１４、正心
軸部９に固定される第２スプロケツト１５を有
す。操作ノブ７は、ロアブラケツト５に固定され
たピン１６に軸支される第１のスプロケツト１７
を有し、両スプロケツト１５，１７をチエーン８
で連結させる。内歯ギヤ１２が外歯ギヤ１４と係
合するか、内歯ギヤ１２の歯数が外歯ギヤ１４の
歯数より１つ少ない。

第５−７図の従来例において、操作ノブ７の回
転運動は、第１スプロケツト１７及びチエーン８
を介して第２スプロケツト１５に伝達されシヤフ
ト１１を回転させる。シヤフト１１の回転はその
正心軸部９の軸心まわりに偏心軸部１０の軸心が
回動することになり、内歯ギヤ１２と外歯ギヤ１
４との噛合せ位置が変り、ロアブラケツト５に対
するアツパブラケツト３の傾き角が調整される。
尚、アツパブラケツト３に作用する力は、内歯ギ
ヤ１２と外歯ギヤ１４の歯数比によりシヤフト１
１を回転させることはない。

（本考案が解決しようとする問題点） 第５−７図の例では、チエーン８の張力は、シ
ヤフト１１とピン１６の軸心間きよりが一定のた
めチエーン８のゆるみが出た時、調整する機構が
なく、ノブの遊びやチエーンの当接音を作ること
になる。そこで、本考案は、ノブの遊びやチエー
ンの当接音の要因を除くことを解決すべき問題点
とする。

（問題点を解決するための技術的手段） 前記した問題点を解決するために、本考案は、
チエーン（又はベルト）張力調整装置を配する技
術的手段を用いる。

（実施例） 第１−４図に、本考案の実施例を示すが、第５
−７図に示す例と同一構成部分には、同一符号を
記し、その説明を省略する。チエーン（又ベル
ト）張力調整装置１８は、枢支部となる突起部１
９を有するガイドプレート２０からなり、該ガイ
ドプレート２０は、突起部１９の軸心をその中心
とする円弧状の長孔２１およびチエーン８の張り
方向に沿う形のガイド面２２を有す。ガイド面２
２は溝形となつており、チエーン８の振れを防止
する。

チエーン張力装置１８のピン状の突起部１９を
ロアブラケツト５の孔に挿入する。ガイド面２２
をチエーン８に当て、適正な張力をチエーン８に
印加した状態で、ネジ２３を長孔２１を介してロ
アブラケツト５にねじ込み、ガイドプレート２０
をロアブラケツト５に固定する。かくして、チエ
ーン８は、ガイドプレート２０により張力を付与
された状態で、両スプロケツト１５，１７間に張
設され且つガイドプレート２０のガイド面２２に
よりその動きがガイドされる。

ガイドプレート２０のガイド面２２をロアブラ
ケツト５の側面により離れ過ぎるのを防止するた
め、ロアブラケツト５に張り出し部２４を作り、
この張り出し部２４にガイドプレート２０を沿わ
せる。

（効果） チエーンやベルトの張力を調整するために、チ
エーンやベルトにローラやオートテンシヨナを押
付けることが成されるが、チエーンの谷部と山部
とが間欠的のローラ等に接し、その当りがノブを
通じて操作者の手に伝るが、本考案では、このよ
うな不具合はない。又、本考案のガイド面はチエ
ーン（又はベルト）との接触域が大であるため、
チエーンの張り具合はノブの回転操作中終始一定
となる効果を有す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例の座席の側面図、第２図
はその主要構成部分の分解斜視図、第３図はガイ
ドプレートを示す部分側面図、第４図は第３図の
−よりみた断面図、第５図は従来例の座席の
側面図、第６図は減速機構の斜視図、および第７
図は第６図の−よりみた組立状態時の断面図
である。 図中：２……シートバツク、３……アツパブラ
ケツト、４……シートクツシヨン、５……ロアブ
ラケツト、７……操作ノブ、８……チエーン、１
１……シヤフト、１２……内歯ギヤ、１４……外
歯ギヤ、１５，１７……スプロケツト、１８……
張力調整装置、２０……ガイドプレート、２１…
…長孔、２２……ガイド面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座席のシートバツクに取付けられるアツパブラ
   ケツト、該座席のシートクツシヨンに取付けられ
   るロアブラケツト、該両ブラケツトの何れか一方
   に設けられた内歯ギヤ、他方の前記ブラケツトに
   設けた外歯ギヤ、何れか一方の前記ギヤを正心軸
   部に且つ他方の前記ギヤを偏心軸部にて軸支する
   と共に前記正心軸部を前記両ブラケツトに支持さ
   せたシヤフト、前記ロアブラケツトに回転自在に
   支持された第１スプロケツトと操作ノブ、前記シ
   ヤフトに固定された第２スプロケツト、前記両ス
   プロケツト間に張設されたチエーン又はベルト、
   および該チエーン又はベルトの張力調整装置とを
   有し、前記張力調整装置がチエーン又はベルトの
   張り方向に沿うガイド面と、前記ロアブラケツト
   に枢支される枢支部と、該枢支部を中心とする円
   弧状の長穴とを有するガイドプレート、および前
   記長穴を介して前記ロアブラケツトにねじ込まれ
   るネジからなり、前記枢支部を中心にして前記ガ
   イドプレートを揺動可能とした自動車用座席。