JPH0437373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、土付苗を苗植付け機構によつて所定
の間隔で本圃に連続的に移植するようにした土付
苗移植機において、紙筒土付苗のように連続する
かあるいは少なくとも連接するものが密接並列し
ている土付苗を、苗供給コンベアの送出端部にお
いて格別の土付苗に分離するとともに、それを上
記苗植付け機構に向けて転送する苗転送装置に関
する。

【従来の技術】

この種の土付苗移植機の苗転送装置としては、
例えば、特開昭57−202212号公報に記載のものが
知られている。 それには、紙筒土付苗を横方向に搬送する平ベ
ルト製の苗供給コンベアの送出端部の上側に苗押
さえローラを設けるとともに、該送出端部の前側
に苗分離ローラを設け、この苗分離ローラによつ
て格別に分離した紙筒土付苗を、一対の平ベルト
を前後に対設してなる苗転送コンベアにより、苗
植付け機構に向け転送する型式のものと、かかる
形式において、苗転送コンベアを構成している前
後の平ベルトのうち一方すなわち前側平ベルトの
上端部に苗分離機能を持たせることによつて、上
記分離ローラを省略した型式のものが記載されて
いる。

【考案が解決しようとする課題】

上記苗転送コンベアを構成している前後の平ベ
ルトのうち他方すなわち後側平ベルトは、上記両
型式のいずれのものにおいても、その上端部を苗
供給コンベアの送出端部の下側に位置させ、これ
ら上端部と送出端部との間に所要の隙間を形成す
るのを、その機構上余儀無くされているものであ
る。 そのために、苗分離ローラあるいは前側平ベル
トの上端部で分離された直後の紙筒土付苗が、苗
転送コンベアを構成する前、後側平ベルトで挟持
される前に、上下隙間に入り込むことがあり、そ
れは、特に、前側平ベルトがその表面にスポンジ
あるいは毛状物等の弾性体を有しているとき、そ
の弾性反力により上記隙間に押し込まれる傾向が
あり、かつ、そのときのシヨツクで紙筒内の土が
緩みあるいは脱落することがあり、緩んだだけの
ときにおいても、それは当該移植機の走行に伴う
振動等により助長され、ときにはその緩んだ土が
転送中に脱落してしまうことがある。 一般に、このような現象を土抜けといつている
が、土抜けが生じると当該苗の活着不良を惹起す
る結果となるものである。 本考案の目的は、このような欠点を解消するこ
とにある。

【問題点を解決するための手段】

本考案の構成は次のとおりである。 本考案装置は、苗供給コンベアａにより密接並
列して搬送した土付苗１を、該苗供給コンベアａ
の送出端部において各別の土付苗１に分離すると
ともに、それを苗転送コンベアｂにより苗植付け
機構ｃに転送し、その苗植付け機構ｃにより所定
の間隔で本圃に移植するよにした土付苗移植機の
苗転送装置に係る。 苗供給コンベアａは、複数本の丸ベルト２を所
定の間隔で平行に張架することによつて形成され
ている。 また、苗転送コンベアｂは、前側平ベルト９と
これに対向する複数本の後側丸ベルト１３とで形
成されている。 そして、苗転送コンベアｂの後側丸ベルト１３
の上端部と苗供給コンベアａの丸ベルト２の送出
端部とを互いに交差させている。 さらに、苗転送コンベアｂの後側丸ベルト１３
の上端部が苗供給コンベアａより低くなるように
配置するとともに、苗供給コンベアａの搬送速度
より転送コンベアｂの搬送速度を速くさせてい
る。

【作用】

苗供給コンベアａで搬送された土付苗１は、苗
転送コンベアｂにより苗植付け機構ｃに向け円滑
に転送される。すなわち、苗供給コンベアａによ
り搬送された土付苗１は、直ちに苗転送コンベア
ｂを構成する前側平ベルト９と後側丸ベルト１３
の間に挟持され、苗供給コンベアａの送出端部と
後側丸ベルト１３の間に入り込むようなことはな
い。

【実施例】

以下図示の実施例について詳述する。 ａは苗供給コンベアで、それは、複数本の丸ベ
ルト２……を、軸杆７，７′に所定の間隔で固着
した複数のプーリ６……，６′……間に平行に張
架してなり、紙筒土付苗等の土付苗１を横方向
（矢印方向）に搬送する。 ３は、苗供給コンベアａの送出端部の上方に軸
架した苗押えローラで、表層をスポンジ等の弾性
反力を有する適宜の物質で形成している。 この苗押えローラ３の軸杆４は、歯車５を固着
しており、その歯車５を上記軸杆７に固着の歯車
８に噛合させ、これによつて、苗供給コンベアａ
の走行速度と苗押えローラ３の周速を同じに設定
してある。 そして、苗供給コンベアａ上を互いに連続する
かあるいは少なくとも隣接するものが密接並列し
て搬送される土付苗１は、苗押えローラ３で一旦
押えられたあと、該苗供給コンベアａの送出端部
の前方に送出されることになる。 ｂは苗供給コンベアで、それは、苗供給コンベ
アａが搬送送出した土付苗１を後記苗植付け機構
ｃに向けて下方に転送するものであり、対向設置
した前側平ベルト９と複数本の後側丸ベルト１３
とからなる。 前側平ベルト９は、上側プーリ１０と下側プー
リ１１の間に張架され、その表面にはスポンジあ
るいは直径５mm以下の毛状突起１２が設けられ、
その上端部９′を、苗供給コンベアａの送出端部
の前方に対向位置させて、これに後記する苗分離
機能を持たせている。 前側平ベルト９の走行速度は、後記駆動軸１６
と連繋して苗供給コンベアａのそれより速くなる
ように設定してある。 各後側丸ベルト１３は、上記プーリ６……の間
において軸杆７に遊嵌した遊車１４……と駆動軸
１６に固着した複数のプーリ１５との各間に張架
している。すなわち、後側丸ベルト１３……の上
端部と苗供給コンベアａの丸ベルト２……の送出
端部とは互いに交差しているものである。 しかしながら、遊車１４……はプーリ６……よ
り小径とし、これによつて、苗供給コンベアａの
丸ベルト２……上の土付苗１が、その遊車１４…
…及びそれに巻回の後側丸ベルト１３……に接触
することがないようにしてある。 次に、上記駆動軸１６は、図示していない接地
輪と連動し、当該移植機の進行により回転するの
であり、それには歯車１７とスプロケツト１８を
固着している。 歯車１７は、上記下側プーリ１１の軸杆１９に
固着されかつ該歯車１７と同一の歯数を持つ歯車
２０と噛合し、また、スプロケツト１８は、上記
軸杆７に固着のスプロケツト２１との間に伝導チ
エーン２２を装架し、これによつて、前側平ベル
ト９と後側丸ベルト１３……とが、同じ速度で、
しかし、苗供給コンベアａより速く走行し、また
苗押えローラ３は該苗供給コンベアａと同速で回
転するように関係部分を適宜設定しているもので
ある。 今、多数の土付苗１を密接並列状態のまま苗供
給コンベアａに乗載搬送すると、それは苗押えロ
ーラ３で一旦押えられたあと、該苗供給コンベア
ａの送出端部の前方に突出し、その突出した土付
苗１は、苗転送コンベアｂの前側平ベルト９の上
端部９′により強制的に後続の土付苗１から分離
され、引き続き、該上端部９′と苗供給コンベア
ａの送出端部前面とに誘導されて前側平ベルト９
と後側丸ベルト１３……の間に挟持される。 このとき、上記の分離された土付苗１が、苗供
給コンベアａの送出端部と後側丸ベルト１３の間
に入り込む余地がないことは上記した構成からし
て明らかである。 前側平ベルト９と後側丸ベルト１３……とで、
すなわち苗転送コンベアｂで挟持転送された土付
苗１は、該苗転送コンベアｂの下端部において、
当該移植機の進行方向に回転する一対の弾性回転
板２３，２３よりなる公知の苗植付け機構ｃに供
給され、それによつて所定の間隔で本圃に連続的
に移植される。 なお、上記実施例においては、苗供給コンベア
ａの送出端部から送出された土付苗１の分離機能
を、苗転送コンベアｂを構成する前側平ベルト９
の上端部９′に持たせているが、その分離は公知
の苗分離ローラを使用して行うようにしてもよい
ものである。

【考案の効果】

以上述べたところから明らかなように、本考案
によれば、苗供給コンベアで搬送される密接並列
した土付苗は、苗供給コンベアから苗転送コンベ
アへ転送されるときに各別の土付苗に分離されな
がら、苗転送コンベアを構成する前側平ベルトと
後側丸ベルトとの間に挟持され、苗植付け機構に
向けて円滑に転送される。 したがつて、従来のように密接並列した土付苗
が苗転送コンベアで分離・挟持される前に上記苗
転送コンベアと苗供給コンベアとの隙間に入り込
み、そのため苗の根部の土が緩みあるいは脱落す
るということがなくなり、また密接並列した土付
苗を単に苗供給コンベア上に載置すれば密接並列
した土付苗が分離され、苗植付け機構に導かれる
ので、作業能率が向上し、さらに後側丸ベルトの
上端が苗供給コンベアの上面より低いので、苗供
給コンベア上の密接並列した土付苗に影響を与え
ることはない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
側面図、第２図は要部の拡大平面図である。 １……土付苗、ａ……苗供給コンベア、２……
丸ベルト、ｂ……苗転送コンベア、９……前側平
ベルト、１３……後側丸ベルト、ｃ……苗植付け
機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 密接並列した土付苗を搬送する苗供給コンベア
   と、この苗供給コンベアの送出端部において密接
   並列した土付苗を各別の土付苗に分離しながら転
   送する苗転送コンベアとを備え、この苗転送コン
   ベアにより各別の土付苗を転送しながら苗植付け
   機構により所定の間隔で本圃に移植するようにし
   た土付苗移植機の苗転送装置において、 上記苗供給コンベアを複数本の丸ベルトを所定
   間隔で張架して形成するとともに、上記苗転送コ
   ンベアを、対向する前側平ベルトと複数本の後側
   丸ベルトとで形成し、かつこの後側丸ベルトの上
   端部と上記苗供給コンベアの送出端部側の丸ベル
   トとを、上記後側丸ベルトの上端部を上記苗供給
   コンベアの送出端部側の丸ベルトより低く配して
   互いに交差させるとともに、上記苗供給コンベア
   の搬送速度より上記苗転送コンベアの搬送速度を
   速くしたことを特徴とする土付苗移植機の苗転送
   装置。