JPH04372717A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH04372717A
JPH04372717A JP17483891A JP17483891A JPH04372717A JP H04372717 A JPH04372717 A JP H04372717A JP 17483891 A JP17483891 A JP 17483891A JP 17483891 A JP17483891 A JP 17483891A JP H04372717 A JPH04372717 A JP H04372717A
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JP
Japan
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group
magnetic
groups
ferromagnetic powder
acid
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Application number
JP17483891A
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English (en)
Inventor
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Koichi Masaki
幸一 正木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関する
ものであり、特に優れた表面平滑性、分散性および高充
填性を有する磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の高容量化、高密度化へ
の要求の高まりとともに、磁気記録媒体にあっても、高
密度記録に適する磁気記録特性が要求されている。
【0003】特に短波長記録において高再生出力が必要
であり、スペーシングロスを少なくするために優れた表
面平滑性、および電磁変換特性の向上の為に優れた分散
性・高充填度が必要であり、また低ノイズのためにより
微粒子の磁性粉末の使用が必要である。
【0004】さらに高密度記録のためにより大きな抗磁
力、より大きな磁束密度を得る為に強磁性金属微粉末の
使用が多くなっている。磁性粉末の抗磁力が高くなると
共に、また残留磁束密度が大きくなるとともに、粒子同
志の磁気的相互作用が大きくなり、その結果分散が難し
くなる。
【0005】また、一体型カメラ等の普及にともなう使
用環境の拡大等や強磁性粉末の微粒子化により磁気記録
媒体の走行性、耐久性はより以上の改善が必要になって
きている。
【0006】従来、分散の改良のためには、種々の界面
活性剤(例えば特開昭52−156606号公報、特開
昭53−15803号公報、特開昭53−116114
号公報等に開示されている。)を用いたり、種々の反応
性のカップリング剤(例えば、特開昭49−59608
号公報、特開昭56−58135号公報、特公昭62−
28489号公報、特公平1−20489号公報等に開
示されている。)や酸性の極性基を有する化合物(特開
昭63−42025号公報、特開平1−189025号
公報)を用いることが提案されている。
【0007】以上の技術を使用することにより強磁性粉
末の分散性を一応改良することができた。しかしながら
、最近の高密度記録用の磁気記録媒体に使用されるよう
な微粒子で比表面積の大きい強磁性粉末や六方晶系フェ
ライトの様に板状の微粒子でかつ板面に垂直な方向に磁
化容易軸がある強磁性粉末の分散には充分に応えきれな
かった。
【0008】また、分散改良のための上記の種々の化合
物が強磁性粉末に優先的に吸着してしまい結合剤樹脂の
強磁性粉末表面に対する吸着を阻害して、むしろ分散性
を低下させてしまう他、磁性層の塗膜としての一体性を
低下させる結果となったりした。
【0009】以上のように従来の技術では、特に近似の
高密度記録用磁気記録媒体に対しては、磁気特性・電磁
変換特性、走行性や耐久性を十分向上させるには至らな
かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点に鑑みなされたものであり、強磁性粉末の分散
性がよく、磁気特性及び電磁変換特性の優れた特に高密
度記録に最適な磁気記録媒体を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は分散性を良く
するため種々の極性基を有する化合物について鋭意検討
した結果、塩基性基を有し酸性基を有する化合物が特に
分散性を向上し、さらに耐久性にも優れることを見出し
た。
【0012】即ち、本発明は、非磁性支持体上に強磁性
粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気
記録媒体において、磁性層中に下記一般式(I)で表さ
れる化合物を含有することを特徴とする磁気記録媒体で
ある。
【0013】X−R−Y        (I)式中、
Rは、炭素数1〜20の二価の有機基を、Xは、塩基性
基を、Yは、酸性基を表す。
【0014】本発明は、式(I)で表せる化合物(以下
、本発明の化合物と言う)を強磁性粉末の分散剤として
使用することを特徴とするものである。即ち、本発明の
化合物は、連結基として機能するR基と、その一端に結
合した酸性基Yと、その他端に結合した塩基性基Xから
構成される。該酸性基は主として強磁性粉末の粒子表面
に吸着し、塩基性基は結合剤樹脂と親和性が大きいので
、本発明の化合物を介して強磁性粉末の分散性および強
磁性粉末と結合剤樹脂との一体性が強化され、構造一体
性の強化された磁性層塗膜を提供できるものと考えられ
る。
【0015】本発明の化合物の作用を更に具体的に説明
すると、酸性の強いY基が強磁性粉末表面の吸着サイト
、例えばOH基や塩基性点等と水素結合あるいは酸塩基
相互作用により強力に結合し、更に塩基性のアミノ基等
のX基があることにより結合剤樹脂との親和性を高める
結果、あるいはポリイソシアネート化合物を硬化剤とし
て用いた場合は尿素結合を生じる結果、強磁性粉末の分
散安定性が向上し、磁気特性及び電磁変換特性を優れた
ものとすることが出来、また、強磁性粉末と結合剤樹脂
との親和性を高める結果、磁性層の構造がより一体化し
たものとすることが出来るので、磁気特性を向上させる
と共に走行中磁性層が損傷されることが少なく、走行性
、耐久性を高めることが出来る。
【0016】本発明の化合物において、R基としては、
炭素数1〜20の2価の有機基であれば、特に制限なく
公知のものが使用でき、例示すれば、脂肪族基、芳香族
基、複素環基等が挙げられる。
【0017】脂肪族基としては、アルキレン基が好まし
く、炭素数1〜20、更に好ましくは、1〜8である。 芳香族基としては、アリーレン基が好ましく、特にフェ
ニレン基、ナフチレン(naphthylene)基、
アントリレン(anthrylene)基が好ましい。 また、フェニレン基の中でもオルト、メタに酸性基およ
び塩基性基があるものでもよいが、パラのものが最も好
ましい。
【0018】本発明の化合物において、塩基性基即ちX
基としては、従来公知の任意の1価の塩基性基、即ちプ
ロトン受容性基あるいは電子供与性基が包含されるが、
好ましくはN含有塩基性基である。その具体例としては
、アミノ基、モノアルキルアミノ基(アルキル基の炭素
数は、1〜4が好ましい。)、ジアルキルアミノ基(ア
ルキル基の炭素数は、1〜4が好ましい。)、ピリジル
基、イミダゾイル基等のN含有複素環基等が例示される
【0019】本発明の化合物において、酸性即ちY基と
しては、従来公知の任意の1価の酸性基、即ちプロトン
供与性基あるいは電子受容性基が包含される。その具体
例としては、COOH、OSO3 H、SO3 H、O
PO3 H2 、PO3 H2 等が挙げられ、好まし
くはSO3 H、OPO3 H2 、PO3 H2 で
ある。
【0020】本発明の化合物の具体例をしては、グリシ
ン、フェニルグリシン、p−アミノ安息香酸、p−ジメ
チルアミノ安息香酸等のアミノカルボン酸、アミノメタ
ンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、p−アミノベ
ンゼンスルホン酸、2,4−ジアミノベンゼンスルホン
酸等のアミノスルホン酸等を挙げることができ、これら
は単独もしくは組み合わせて使用できる。
【0021】本発明の磁性層には、強磁性粉末100重
量部に対して本発明の化合物を通常0.03〜10重量
部、好ましくは、0.04〜7重量部の範囲内に設定す
ることにより磁性層の表面平滑性が高くなるなど強磁性
粉末の分散状態が良好になる。含有量が0.03重量部
より少ないと配合の効果が有効に現れず、また10重量
部より多く配合しても分散状態は向上せず、かえって不
良になったりする。
【0022】本発明の化合物を磁性層中に含有させて強
磁性粉末の分散性を向上させる方法としては、本発明の
化合物を低沸点の有機溶媒中に溶解もしくは分散状態に
し、この溶液中に強磁性粉末を投入して混合した後、有
機溶媒を除去して表面処理した強磁性粉末を調整し、こ
の強磁性粉末を用いて磁気記録媒体を製造する方法、お
よび磁性塗料を調整する際に本発明の化合物を磁性塗料
調整用溶剤の一部に溶解もしくは分散した状態で結合剤
樹脂と共に投入して混練分散を行う方法などを利用でき
る。
【0023】強磁性粉末の表面処理により、一般式(I
)の化合物を強磁性粉末の表面に付着した方が本発明の
目的を効果的に達成できる。本発明に使用される強磁性
粉末は、従来公知の任意の組成、形状のものが使用でき
るが、特に強磁性粉末が比表面積が30m2 /g以上
の微粒子のもの、強磁性金属粉末、板状の六方晶系フェ
ライト粉末である場合、本発明の磁気記録媒体は記録密
度の面で格別の効果を奏する。
【0024】本発明に使用する強磁性粉末としては、γ
−Fe2 O3 、Co含有γ−Fe2 O3 、Co
含有FeOx(x=1.33〜1.5)、Fe3 O4
 、Baフェライト等の六方晶マグネトプランバイト型
フェライト、Cr2 O3 等の酸化物系微粉末、Fe
、Co、Niなどよりなる金属あるいは合金微粉末等の
従来公知の各種強磁性粉末を用いることができる。
【0025】金属あるいは合金の強磁性粉末としては、
金属分が75重量%以上であり、そして金属分の80重
量%以上が少なくとも1種類の強磁性金属あるいは合金
(例、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、C
o−Ni、Co−Ni−Fe、Co−Ni−P、Co−
Ni−Fe−B、Fe−Ni−Zn、Fe−Co−Cr
 )であり、該金属分の20重量%以下の範囲内て他の
成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、
Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb
、Bi、La、Ce、Pr、Nd、B、P)を含むこと
のある合金等が例示される。
【0026】本発明に使用される強磁性合金粉としては
、その粒子サイズは、望ましくは、BET法による比表
面積が30乃至60m2 /gであって、X線回折法か
ら求められる結晶子サイズが100乃至300Åである
【0027】比表面積が余りに小さいと高密度記録に充
分に対応できなくなり、又余り大きくても分散が充分に
行えずに平滑な面の磁性層が形成できずこれ又高密度記
録に対応できなくなるので好ましくない。
【0028】磁気特性としては、、飽和磁化は少なくと
も110emu/g以上、望ましくは120emu/g
以上である。また抗磁力としては、800Oe以上、望
ましくは900Oe以上である。その粒子の針状比(平
均粒子長/平均幅)は5以上であることが望ましい。
【0029】本発明で使用される板状の六方晶系フェラ
イト強磁性粉末としては、バリウムフェライト、ストロ
ンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェラ
イトの各置換体等が挙げられ、特に好ましいものとして
はバリウムフェライト、ストロンチウムフェライトの各
Co置換体である。
【0030】板状の六方晶系フェライト強磁性粉末は、
通常、六角状の形状であり、板面に対して垂直方向に磁
化容易軸を有する。該強磁性粉末のBET法による比表
面積(SBET )は25〜50m2 /gであって、
また、電子顕微鏡で測定される該強磁性粉末の板径(平
均粒子径)は、0.02〜6μm、板状比(粒子径/板
厚)は、2〜6である。25m2 /g未満では十分な
出力向上が見込めず、又50m2 /g以上だと分散が
困難となり且つ耐久性の確保が難しい。
【0031】板状の六方晶系フェライト強磁性粉末の製
造方法としては、ガラス結晶化法、水熱法、共沈法など
を使用することができる。本発明で使用できる該強磁性
粉末の抗磁力は、300〜3000Oe(エルステッド
)、特に400〜2000Oeの範囲が好ましい。また
、該飽和磁化量は、40emu/g以上が好ましい。
【0032】本発明で用いる強磁性粉末を有機溶媒と共
に混練、分散する結合剤樹脂としては、当業界公知の種
々のものを使用できる。これらの樹脂は単独でも2種以
上の組合せとしても用いることができ、例えば、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、又は反応型樹脂等が挙げられる
【0033】熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃
以下、平均分子量が10000〜300000、重合度
が約50〜2000程度のもので、例えば、(メタ)ア
クリル酸エステル、スチレン、(メタ)アクリロニトリ
ル、ブタジエン、ビニルエステル、(メタ)アクリルア
ミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の重合体あるいは
これらの誘導体の重合体或いは共重合体や更にこれらと
共重合可能なモノマーとの共重合体、例えば、塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニ
ル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、ア
クリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エス
テルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレ
ン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコ
ン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフ
ッカビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体
、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート
、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネー
ト、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセル
ロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース
、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース等
)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、
クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、ア
ミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれら
の混合物等が使用される。
【0034】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布、
乾燥後に加熱することにより、縮合、付加等の反応によ
り分子量は無限大のものとなる。又、これらの樹脂のな
かで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融しない
ものが好ましい。具体的には例えばフェノール樹脂、フ
ェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂
、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン
樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂
、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコ
ール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソ
シアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂
及びこれらの混合物等である。また、公知の電子線硬化
型樹脂を使用することも可能である。これらの例とその
製造方法については特開昭62−256219号に詳細
に記載されている。
【0035】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に以下に挙げる極性基を
有するものを少なくとも使用することが望ましく、本発
明にあっては、これらの樹脂と強磁性粉末との相互作用
を強め、分散性を向上させると共に本発明の化合物と相
互作用させ一体性のある磁性層を形成する上で極性基含
有樹脂を使用することが好ましい。該極性基としては、
カルボン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スル
ホン酸基、燐酸基、硫酸基、ホスホン基、ホスフィン基
、ホウ酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基、これら
のアルキルエステル基等の酸性基(これらの酸性基は、
Na塩などの形でもよい);アミノ酸類の基;アミノス
ルホン酸類の基、アミノアルコールの硫酸または燐酸エ
ステル類の基;アルキルベタイン型等の両性類の基;ア
ミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等の塩基性基;
反応により水酸基を生ずるエポキシ基、水酸基、アルコ
キシル基、チオール基、ハロゲン基、シリル基、シロキ
サン基などを通常1種以上6種以内含むことができる。 特に好ましい極性基としてはエポキシ基、−OH、−C
OOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO3 M
2 、−OPO3 M2 基を挙げることができる(こ
こで、MはHあるいはNa、K等のアルカリ金属、アン
モニウムイオンである。)。これらの極性基は、極性基
を含有するモノマーを共重合(共縮合重合)させること
により、または高分子反応を利用して樹脂に導入するこ
とが可能である。上記極性基は樹脂重量に対し1×10
−5当量/g〜1×10−3Q  等量/g含むことが
好ましい。
【0036】極性基含有樹脂として、本発明では特に、
塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。特に、
極性基としては、エポキシ基、−SO3 M、−OH基
が好ましい。これら極性基含有樹脂は、分散性の良くな
い強磁性金属粉末や六方晶系フェライトを分散するため
に使用する上で好ましい。
【0037】塩化ビニル樹脂としては、好ましくは、エ
ポキシ基含有塩化ビニル系共重合体が挙げられ、塩化ビ
ニル繰返し単位と、エポキシ基を有する繰返し単位と、
所望により−SO3 M、−OH、−OSO3 M、−
COOMおよび−PO(OM)2 (以上につきMは前
記と同義)等の極性基を有する繰返し単位とを含む塩化
ビニル系共重合体が挙げられる。エポキシ基を有する繰
返し単位との併用では、−SO3 Na、−OHを有す
る繰返し単位を含むエポキシ基含有塩化ビニル系共重合
体が好ましい。
【0038】このようなエポキシ基と特定の極性基を有
する塩化ビニル系共重合体は、例えば、次のようにして
製造することができる。例えばエポキシ基と、極性基と
して−SO3 M、−OH、COOM、−PO(OM)
2 等とが導入されている塩化ビニル系共重合体を製造
する場合には、ジグリシジル(メタ)アクリレートと反
応性二重結合と前記極性基を有するモノマー、例えば、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ナトリウム、2−(メタ)アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそ
のナトリウムあるいはカリウム塩、ヒドロキシエチル(
メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−スルホ
ン酸エチルおよびナトリウムあるいはカリウム塩、(無
水)マレイン酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸−2−リン酸エステル等を低温で混合し、これと塩
化ビニルとを加圧下に、100℃以下の温度で重合させ
ることにより製造することができる。
【0039】なお、上記の製造法の外に、例えば、塩化
ビニルとビニルアルコールなどとの重合反応により多官
能−OHを有する塩化ビニル系共重合体を製造し、この
共重合体と、以下に記載する極性基および塩素原子を含
有する化合物とを反応(脱塩酸反応)させて共重合体に
極性基を導入する方法を利用することができる。
【0040】ClCH2 CH2 SO3 M、ClC
H2 CH2 OSO3 M、ClCH2 COOM、
ClCH2 PO(OM)2  また、この脱塩酸反応を利用するエポキシ基の導入には
通常はエピクロルヒドリンを用いる。
【0041】なお、該塩化ビニル系共重合体における塩
化ビニル以外の他の単量体としては、ビニルエーテル(
例、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル
、ラウリルビニルエーテル)、α−モノオレフィン(例
、エチレン、プロピレン)、アクリル酸エステル(例、
(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等の官能基を含有する(メタ)アクリル酸
エステル)、不飽和ニトリル(例、(メタ)アクリロニ
トリル)、芳香族ビニル(例、スチレン、α−メチルス
チレン)、ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等)等が例示される。
【0042】極性基含有ポリウレタン樹脂とは広義の意
味であり、少なくとも極性基とウレタン結合が存在する
のであれば他の公知の結合要素、例えば、エステル結合
、エーテル結合等を有してよい。
【0043】極性基含有ポリウレタン樹脂としては、好
ましくは、−SO3M、−OSO3 M、−COOMお
よび−PO(OM)2 (以上につきMは前記と同義)
等の極性基を有する繰返し単位を含む樹脂が挙げられ、
極性基としては、特に−SO3 Mを含むものが好まし
い。
【0044】極性基含有ポリウレタン樹脂は、具体的に
は、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポ
リカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール
のようなポリオールとジイソシアネート、更に必要に応
じて多価アルコール、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリア
ミン、芳香族ポリアミン等の鎖延長剤とから製造するこ
とができ、該極性基は、種々の手段を使用して導入する
ことができる。
【0045】例えば、極性基を有する多塩基酸もしくは
ポリオールを使用してポリエステルポリオールに極性基
を導入し、このポリエステルポリールとポリイソシアネ
ート化合物を反応させることにより得ることができる。
【0046】極性基を有する多塩基酸及び極性基を有す
るポリオールの例としては、5−スルホイソフタル酸、
2−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、5−ス
ルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸
ジアルキル、3−スルホフタル酸アルキル、およびこれ
らのアルカリ金属塩並びにジメチロールプロピオン酸お
よびこのアルカリ金属塩を挙げることができる。
【0047】尚、ポリエステルポリオールの調整の際に
用いる極性基を有しないポリオールおよび同多塩基酸を
用いて極性基量を制御することができる。上記のポリエ
ステルポリオールと反応するポリイソシアネート化合物
は通常のものを用いることができる。合成したポリウレ
タン樹脂は、数平均分子量は、300〜10万、好まし
くは、1万〜5万の範囲内にあることが好ましい。
【0048】また、上記の製造方法の他に、予め水酸基
を有するポリウレタン樹脂を調製し、この水酸基と極性
基および上記塩素原子を有する化合物との脱塩反応によ
り極性基を導入する方法を利用することができる。
【0049】これらの樹脂に関しては特開昭59−81
27号、同59−92442号、同57−92423号
、同59−8127号、同59−40320号公報等に
記載されている。
【0050】極性基含有樹脂の好ましい具体例としては
−COOH基含有ポリウレタン(三洋化成(株)製「T
IM−3005」)、−SO3 Na含有ポリウレタン
(東洋紡(株)製「UR−8300」)、−COOH基
含有塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(日本ゼオン(株)
製  400×110A)、−SO3 Na含有ポリエ
ステルポリウレタン(東洋紡(株)製「バイロン530
」)、−SO3 Na含有塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体(日本ゼオン(株)製「MR−110」)などが挙げ
られる。
【0051】これらの極性基含有樹脂は単独でも2種以
上の組合せとしても用いることができ、例示した極性基
を有さない通常の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は反
応型樹脂等と共に用いてもよい。この場合、前記極性基
含有量樹脂が30重量%以上、好ましくは50〜100
重量%以上存在することが好ましい。
【0052】本発明においては、結合剤樹脂の量は、強
磁性粉末100重量部当たり5〜30重量部、好ましく
は、10〜25重量部である。結合剤樹脂の量が少ない
と分散性や耐久性が劣り、また結合剤樹脂の量が多いと
磁性層の充填度が減少し、好ましくない。ただし、ここ
で言う結合剤樹脂とは、硬化剤を使用する場合はそれを
含める。
【0053】本発明に使用する樹脂は、任意の硬化剤を
使用することができる。本発明においては、特に、該硬
化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物を使
用することが、本発明の化合物の機能を発揮させる上で
好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、分子中
に−N=C=O基を2個以上有する脂肪族、芳香族およ
び脂環式化合物から選ばれるジ、トリおよびテトライソ
シアネートが例示できる。
【0054】具体的には、トリレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トル
イジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
、トリフェニルメタントリイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等のイソシアネート類、又当該イソシ
アネート類とポリアルコールとの生成物、又イソシアネ
ート類の縮合に依って生成したポリイソシアネート等を
使用することができる。これらポリイソシアネートの市
販されている商品名としては、コロネートL、コロネー
トHL、コロネート2030、コロネート2031、ミ
リオネートMR、ミリオネートMTL  (日本ポリウ
レタン(株)製)、タケネートD−102、タケネート
D−110N、タケネートD−200、タケネートD−
202(武田薬品(株)製)、デスモジュールL、デス
モジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールH
L(住友バイエル社製)等があり、これらを単独若しく
は硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以上の組
み合わせによって使用することができる。又、硬化反応
を促進する目的で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサン
ジオール、分子量が1000〜10000のポリウレタ
ン、水  等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や金属
酸化物の触媒を併用する事も出来る。これらの水酸基や
アミノ基を有する化合物は多官能である事が望ましい。 これらのポリイソシアネート化合物は結合剤樹脂総量の
1〜50重量%、望ましくは10〜30重量%で用いる
ことが好ましい。
【0055】本発明で強磁性粉末を分散、混練、塗布の
際に使用する有機溶媒としては、任意の比率で混合使用
することができる。以下にその具体例を示すと、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系;メタノール、エタノール
、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グ
リコールモノエチルエーテル等のエステル系;エーテル
、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチル
エーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベン
ゼン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メ
チレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、
クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベン
ゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアル
デヒド、ヘキサン等が使用できる。
【0056】本発明の磁性層は前記の強磁性粉末の他に
添加剤として、研磨剤、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、
等を含んでもよい。本発明に用いられる研磨剤としては
、一般に使用される材料でモース硬度が5以上好ましく
は7以上の非磁性無機微粉末があげられ、具体的には酸
化アルミニウム(α−Al2 O3 、γ−Al2 O
3 、溶融アルミナ、コランダムなど)、酸化クロム(
Cr2 O3 )、酸化鉄(α−Fe2 O3 )、二
酸化珪素、二酸化チタン等の酸化物、炭化珪素、炭化チ
タン等の炭化物、窒化硼素等の窒化物、ダイアモンド等
の微粉末を挙げることができいる。これらの平均粒子径
は、0.05〜1.0μmが好ましく、強磁性粉末10
0重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加する
ことができる。
【0057】潤滑剤としては、炭素数12〜20個の一
塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコールか
ら成る脂肪酸エステル類、ジアルキルポリシロキサン(
アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキ
サン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモ
ノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5
個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロ
キサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭
素数1〜5個)などのシリコンオイル;グラファイト等
の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ンなどの無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエ
チレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィン重合物
;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィン
二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約20
);フルオロカーボン類等が使用できる。これらの潤滑
剤は、通常、結合剤100重量部に対して0.2〜20
重量部の範囲で添加され得る。
【0058】本発明に使用する分散剤(含量湿潤剤)と
しては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステ
アロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸(R1 C
OOH、R1 は炭素数11〜17個のアルキル基また
はアルケニル基);前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li
、Na、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、
Ba)からなる金属石鹸;前記の脂肪酸エステルの弗素
を含有した化合物;前記脂肪酸のアミド;ポリアルキレ
ンオキサイドアルキルリン酸エステル;レシチン;トリ
アルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(
アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プ
ロピレンなど);等が使用される。この他に炭素数12
以上の高級アルコール、及びこれらの他に硫酸エステル
等も使用可能である。これらの分散剤は、結合剤100
重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加される
【0059】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
カーボンブラックグラフトポリマー等の導電性微粉末;
サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系
、グリセリン系、グリシドール系等のノニオン界面活性
剤;高級アルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類、
ピリジンそのほかの複素環類、ホスホニウムまたはスル
ホニウム類、等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、ス
ルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基など
の酸性基を含むアニオン界面活性剤等が使用される。
【0060】上記の導電性微粉末は、結合剤100重量
部に対して0.2〜20重量部が、界面活性剤は0.1
〜10重量部の範囲で添加される。これらの界面活性剤
は単独または混合して添加しても良い。これらは帯電防
止剤として用いられるものであるが、時としてそのほか
の目的、例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、
塗布助剤として適用される場合もある。
【0061】上記強磁性粉末、結合剤樹脂、有機溶媒、
添加剤等からなる磁性塗料の作製における分散、混合の
方法は任意であり、従来公知の方法が適用できる。例え
ば、磁性塗料を幾つかの組成物に分けて後で混合するこ
となどができる。混練分散に当たっては各種の混練機が
使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロールミル
、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグライ
ンダー、ゼグバリ(Szegvari)、アトライター
、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速衝撃
ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホモジナ
イザー、超音波分散機などを用いることができる。
【0062】また、非磁性支持体上に磁性層を形成する
方法としては、従来公知の方法を用いることが出来、詳
しくは「コーティング工学」(昭和46年朝倉書店)等
の成書に記載されている方法を行うことができる。
【0063】上記のようにして調製した磁性塗料の塗布
方法としては任意の塗布装置、例えば、エアードクター
コート、ブレードコート、エアナイフコート、スクイズ
コート、含浸コート、リバースロールコート、トランス
ファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キ
ャストコート、スプレイコート、バーコート、スピンコ
ート等を使用する方法等が挙げられる。
【0064】混練分散、塗布に関する技術は、T.C.
PATTON著(テー.シー.パットン)“塗料の流動
と顔料分散”(1975年)に記載された如く多層同時
塗布法によって同時に2層以上の磁性層を設けてもよい
【0065】磁性層の厚みは乾燥厚みで1〜6μm、好
ましくは、2〜4μmの範囲となるように塗布するのが
望ましいが、重層化により更に薄くすることも可能であ
る。又、この乾燥厚味は磁気記録媒体の用途、形状、規
格などにより決められる。
【0066】また、本発明は非磁性支持体の両面に磁性
層を形成することもでき、その手段は、公知の方法が適
用できる。このような方法により、支持体上に塗布され
た磁性層は必要により層中の強磁性粉末を配向する処理
をした後、乾燥され、カレンダリング処理などの表面処
理を施される。
【0067】さらに硬化処理として、熱処理、電子線等
の照射処理等を必要に応じて行うこともできる。こそ後
所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を
製造する。
【0068】本発明で使用する非磁性支持体には特に制
限はなく、通常使用されているものを用いることができ
る。非磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレ、ポリプロピレン、
ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、
ポリエーテルサルホン等の各種合成樹脂のフィルム、お
よびアルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げ
ることができる。非磁性支持体は一般には2.5〜10
0μm、好ましくは3〜80μmの厚さのものが使用さ
れ、テープ、シート、カード、ディスク、ドラムなどの
形状で使用される。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。尚、「部」は「重量部」を示す。
【0070】
【実施例】   磁性塗料用組成物   強磁性粉末AもしくはB            
              100部強磁性粉末A:
Al系焼結防止剤を被着させたオキシ水酸化鉄を還元し
て、その後不活性ガス中で徐々に酸素濃度を上昇させ、
粉末表面に酸化被膜を形成させたFeを主体とし、Ni
、Zn、Crを少量含む強磁性粉末合金微粉末、平均長
軸長約0.2μm、針状比約10、BET法比表面積5
5m2 /g、結晶子サイズ約175Å、飽和磁化12
5emu/g、抗磁力1580Oeを得た。
【0071】強磁性粉末B:第1鉄水溶液に水酸化アル
カリを加え水酸化第1鉄の懸濁液を生成した。ついで水
酸化ナトリウムを添加して水酸化鉄を炭酸鉄とした後、
空気酸化してα−FeOOH(平均粒子長  0.20
μm、平均針状比8)を得た。水洗した後、水可溶性の
塩を除去してほう酸ナトリウム、硫酸アルミニウム水溶
液を添加してさらにアルカリを添加して中性にした。硼
素化合物とアルミニウム化合物で焼結防止処理を施した
。 このようにして得られたゲータイトを脱水した後、水素
で還元して、ついで不活性ガス中で酸素濃度を上昇させ
てゆき粒子表面に酸化被膜を形成させた。以上のように
して、平均粒子長0.12μm、平均針状比8、BET
法比表面積が53.5m2 /g、X結晶子サイズ16
0Å、飽和磁化133emu/g、抗磁力1630Oe
の強磁性粉末を得た。
【0072】強磁性粉末A、Bをそのままあるいは第1
表に示す表面処理用化合物及び量をメチルエチルケトン
に溶解したもので表面処理したものを使用する。   塩化ビニル樹脂                
                    12部(S
O3 Na基含有塩化ビニル系樹脂、重合度約300、
SO3 Na基含有量;7×10− 5 等量/g、O
H基含有量;30×10− 5 等量/g、エポキシ基
;70×10− 5 等量/g)   ポリウレタン樹脂               
                     8部(ポ
リエステルポリウレタン樹脂、平均分子量約6万、SO
3 Na基含有量;6×10− 5 等量/g、ガラス
転移温度20℃)  α−アルミナ(平均粒子径0.2
μm)              10部  カーボ
ンブラック(平均粒子径0.03μm)       
   1部  メチルエチルケトン         
                     100部
  シクロヘキサノン               
                 100部  トル
エン                       
                   50部上記の
磁性塗料用組成物をサンドミルを用いて、充分に混練分
散処理した後、更に、ポリイソシアネート(バイエル社
製ディスモジュールL−75)を6部、ステアリン酸2
部とブチルステアレート2部を溶解したMEK溶液50
部を加えて、更に高速剪断分散して磁性塗料を得た。
【0073】この塗料を濾過後、厚さ10μmのポリエ
ステルフィルム上に乾燥膜厚が3.5μmになるように
塗布し、磁場中配向し、乾燥して磁性層を得た。更に、
磁性層を設けた面とは反対側の面にバックコート層を形
成した。引き続きカレンダーで加圧成形処理し、更に2
4時間60℃で熱処理を行った。
【0074】以上の様にして得られた磁気記録媒体の試
料を8mm幅に裁断して、8mmビデオテープ用のテー
プを得た。以上の様にして得られた8mmビデオテープ
用のテープの試料につき磁性層の光沢度、磁気特性及び
電磁変換特性(出力)、摩擦係数、耐久性を以下の条件
で測定した。
【0075】表面光沢度…スガ試験機(株)製の標準光
沢計を用いて入射角45度、反射角45度における磁性
層表面の光沢度を測定した。比較例1のテープの光沢度
の値を100とした。
【0076】磁気特性…東英工業(株)製振動試験磁束
計(VSM)を用いて磁場強度(Hm)5KOeにおけ
るヒステリシス曲線を求め、磁気特性〔最大磁束密度(
Bm)及び角型比(SQ)〕を測定した。
【0077】再生出力…市販の8mmビデオテープレコ
ーダーを用いて、5MHzの信号を記録し、この信号を
再生したときの出力の大きさの比を求めた、比較例1の
テープの再生出力を0dBとした。
【0078】摩擦係数…ステンレスポール(SUS42
0J、表面粗さ0.1S、5mmφ)と接触させて、荷
重20g、1.4mm/秒の速度でテープを走行させた
時の摩擦係数を測定した。測定時の雰囲気は、温度25
℃、湿度65%RHである。
【0079】耐久性…スチルモードを解除する機能を解
除したデッキを用い、5℃、60%RHの雰囲気でスチ
ル状態で出力を測定し、出力が10dB以上低下するま
での時間を測定した。
【0080】以上の結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表1の結果から、非磁性支持体上に強磁性
粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けた磁気記録
媒体において、分散剤として本発明の化合物を使用する
ことによって分散が優れた、電磁変換特性に優れ、かつ
走行安定性、耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることが
できることが判る。
【0083】
【発明の効果】本発明は、酸性基と塩基性基を有する本
発明の化合物を特に極性基を有した結合剤樹脂と共に分
散の困難な強磁性粉末の分散性を向上することができる
と共に磁性層の機械的構造をより強固にすることができ
るので、優れた表面性が得られるだけでなく、電磁変換
特性に優れ、かつ走行安定性、耐久性に優れた磁気記録
媒体を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤
    中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体にお
    いて、磁性層中に下記一般式(I)で表される化合物を
    含有することを特徴とする磁気記録媒体。 X−R−Y        (I) 式中、Rは、炭素数1〜20の二価の有機基を、Xは、
    塩基性基を、Yは、酸性基を表す。
JP17483891A 1991-06-20 1991-06-20 磁気記録媒体 Pending JPH04372717A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013065381A (ja) * 2011-09-16 2013-04-11 Fujifilm Corp 磁気記録媒体およびその製造方法

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