JP2676625B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2676625B2 JP1025250A JP2525089A JP2676625B2 JP 2676625 B2 JP2676625 B2 JP 2676625B2 JP 1025250 A JP1025250 A JP 1025250A JP 2525089 A JP2525089 A JP 2525089A JP 2676625 B2 JP2676625 B2 JP 2676625B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は、非磁性支持体と2層よりなる重層の磁性層
よりなる磁気記録媒体の改良に関する。
〔発明の背景および従来技術の説明〕
一般にオーディオ用、ビデオ用あるいはコンピュータ
用等の磁気記録媒体(以下磁気テープと記載することも
ある)として、γ−Fe2O3、Co含有磁性酸化鉄、CrO2
どの針状結晶からなる強磁性粉末を結合剤(バインダ)
中に分散させた磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記
録媒体が用いられている。
最近、磁気記録媒体においては、より高密度記録への
要求が高まり、従来から使用されている強磁性粉末より
さらに微粒化されたものが使用されるようになってきて
いる。特に、ビデオテープにおいては、記録波長を短く
したり、トラック幅を狭するなどの方法の利用に伴な
い、非常に高密度の記録を行うことが必要になり、従来
の強磁性粉末よりさらに微粒化されたものを用いたビデ
オテープが使用されるようになってきている。
このような微粒化された強磁性粉末(例えば、BET法
比表面積で30m3/g以上の強磁性粉末)を使用して、且つ
磁性層の表面を平滑にすることができれば、さらに高密
度の記録ができ、磁気記録媒体の電磁変換特性が向上す
ることが期待できる。しかしながら、微粒化された強磁
性粉末はその分散性が低下するという問題があり、充分
にその性能を発揮することが難しかった。最近になり、
極性基を有する結合剤を使用したり分散方法の改良によ
り、この微粒化された強磁性粉末の分散性についてはか
なり改善され、磁気記録媒体の電磁変換特性は優れたも
のが得られるようになった。
一方、磁性層の表面を平滑にすると、ビデオテープの
走行中において磁性層と装置系との接触の摩擦係数が増
大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁性層が損
傷を受け、あるいは磁性層が剥離する傾向がある。特に
ビデオテープではビデオヘッドと記録媒体が高速で接触
しながら走行するため、磁性層から強磁性粉末が脱落し
易く、磁気ヘッドの目詰まりの原因ともなる。従って、
ビデオテープの磁性層の走行性の向上が望まれている。
従来、磁性層の走行性を向上させるための対策として
は、磁性層にコランダム、炭化ケイ素、酸化クロムなど
の研磨材(硬質粒子)を添加する方法が提案されている
が、磁性層の走行性を向上させる目的で磁性層に研磨材
を添加する場合には、研磨材を相当多量に添加しなけれ
ばその添加効果が現れにくい。しかし、研磨材を多量添
加した磁性層は、磁気ヘッドなどを著しく摩耗させる原
因となり、また磁性層を平滑化して電磁変換特性を向上
させるとの趣旨にも反することとなり好ましい方法であ
るとは言えない。
また脂肪酸や脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステル
を磁性層中に潤滑剤として添加し、摩擦係数を低減させ
ることも行なわれている。しかしながら微粒化された強
磁性粉末を使用した磁気記録媒体の場合、上記潤滑剤の
効果が充分に発揮されないことが多い。
従って、電磁変換特性は比較的優れたものが得られる
ようになっているが、同時に良好な走行性を得ることは
難しい。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、電磁変換特性と走行性がともに改良された
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、非磁性支持体と、該支持体上に
設けられた強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層
を2層有する磁気記録媒体において、上層にステアリン
酸吸着量が3.0×10-6〜6×10-6モル/m3の範囲にある酸
化鉄強磁性粉末を用い、下層にステアリン酸吸着量が6
×10-6〜9×10-6モル/m2の範囲にある酸化鉄強磁性粉
末であって、且つ該結合剤が極性基として; −SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM′)および−OPO
(OM′)(ただし、MはNa、Li、K、水素原子、NR4
またはNHR3を表わし、M′はNa、Li、K、水素原子、NR
4、NHR3またはアルキル基を表わす。(ただし、Rは低
級アルキル基)) からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するポリマ
ーを含み、さらに前記上層の磁性層が脂肪酸を含有して
いることを特徴とする磁気記録媒体により達成される。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、上記の如く、上
層と下層とで各々異なる範囲のステアリン酸の吸着量を
有する磁性酸化鉄系強磁性粉末、上記特定の極性基を有
するポリマーおよび脂肪酸を少なくとも含有している。
ステアリン酸の吸着量が上記特定範囲内の磁性酸化鉄
系強磁性粉末を使用することによって、潤滑剤である脂
肪酸の磁性酸化鉄系強磁性粉末への過度の吸着を防ぐこ
とができる。これにより脂肪酸の潤滑剤としての役目を
充分に機能することができる。しかし、ステアリン酸の
吸着量が上記特定範囲内の磁性酸化鉄系強磁性粉末は分
散性が低下しており、通常のポリマーでは充分な分散を
行なうことができず、磁性層表面の高度な平滑性が得ら
れない。従って、上記特定の極性基を有するポリマーを
使用することによって優れた分散性を得ることができ
る。すなわち、上記磁性酸化鉄系強磁性粉末、上記ポリ
マーおよび脂肪酸を使用することによって、優れた分散
性と向上した潤滑効果すなわち走行性を同時に得ること
ができる。
本発明の磁気記録媒体は、重層磁性層の中に分散して
いる強磁性粉末のステアリン酸吸着量に関し、上層と下
層とでその値を相違させ、上層の方が下層よりも小さ
く、且つその値の範囲を特定させているところに特徴が
ある。
上層の方の強磁性粉末のステアリン酸吸着量を比較的
小さくすることにより、潤滑剤として働く脂肪酸の量が
相対的に多くなり、磁性層の摩擦係数が低下する。その
結果、本発明の磁気記録媒体の走行耐久性を向上させて
いる。
一方、下層ではステアリン酸吸着量が比較的大きい強
磁性粉末を使用するが、このことは本発明で結合剤とし
て使用される極性基含有ポリマーの吸着が促進されると
いうことにもなり、強磁性粉末の分散が向上し、表面粗
さの小さい下層となりそれが本発明の磁気記録媒体の磁
性層の表面性を良化し、電磁変換特性を向上させること
ができたものと考えられる。
また、上層と下層とにおいて強磁性粉末のステアリン
酸吸着量の値を上記のような関係で特定の範囲にするこ
とにより、本発明の磁気記録媒体の走行耐久性・電磁変
換特性をともに良好なものにならしめている。
本発明の強磁性粉末は、単位表面積当たりのステアリ
ン酸吸着量が、上層に3.0×10-6〜6×10-6モル/m3の範
囲にあり、下層に6×10-6〜9×10-6モル/m2の範囲に
なる酸化鉄系強磁性粉末である。
上層に使用する磁性体のステアリン酸吸着量が3.0×1
0-6〜6×10-6モル/m3より小さいと表面光沢が劣化し、
これより多いと摩擦係数が大きくなり、走行性が劣化す
る。
下層に使用する磁性体のステアリン酸吸着量が6×10
-6〜9×10-6モル/m2より小さい電磁変換特性が充分で
なく、これより大きいと100pass後の摩擦係数が大きく
なり、走行性に問題が生じる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、強磁性粉
末を含有する重層の磁性層がこの非磁性支持体上に設け
られた基本構造を有するものである。
本発明で使用する非磁性支持体の例としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリイミドなどの各種の合成樹脂フィル
ム、およびアルミ箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げ
ることができる。また、非磁性支持体の厚さは、一般に
は2.5〜100μm、好ましくは3〜70μmである。
非磁性支持体は、後述する磁性層が設けられていない
側にバック層(バッキング層)が設けられたものであっ
ても良い。
本発明の磁気記録媒体は、上述したような非磁性支持
体上に強磁性粉末を含む重層の磁性層が設けられたもの
である。
磁性酸化鉄系強磁性粉末を、Si、Al、Ca、Sn、Zrおよ
びTiの化合物により表面処理を行うことにより(例え
ば、磁性酸化鉄系強磁性粉末を水ガラス又は塩化アルミ
ニウム、塩化カルシウム等と水ガラスの組合せ等で表面
処理を行なうことにより)、ステアリン酸の吸着量が夫
々適正範囲内に調節された強磁性粉末が得られる。この
処理により、潤滑剤である脂肪酸の磁性酸化鉄系強磁性
粉末への過度の吸着を防ぎ、脂肪酸の潤滑剤としての役
目を充分に機能することができる。そして、この強磁性
粉末を磁性層の上層に用いることにより走行耐久性が向
上できる。この場合、脂肪酸エステルや高級アルコール
等の脂肪酸以外の潤滑剤に対しても効果を上げることが
できるが、潤滑剤として脂肪酸を使用したときに特に大
きな潤滑効果を上げることができる。
しかしながら、磁性酸化鉄系強磁性粉末の表面処理量
が大きすぎて上記ステアリン酸の吸着量を下回った場合
は、脂肪酸が吸着しないだけでなく結合剤の吸着量も低
下し、上記強磁性粉末の分散が不充分となる。
また、上記強磁性酸化鉄粉末の表面処理量を低めに押
さえてステアリン酸吸着量を比較的大きくすることによ
り、本発明で用いる前記結合剤の吸着が促進され強磁性
粉末の分散がよくなる。そして、このような強磁性粉末
を磁性層の下層に使用することにより磁性層の平滑性が
高まり、電磁変換特性が向上できる。
本発明の結合剤は、極性基として; −SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM′)および−O
PO(OM′)(ただし、MはNa、Li、K、水素原子、NR
4またはNHR3を表わし、M′はNa、Li、K、水素原子、N
R4、NHR3またはアルキル基を表わす。(ただし、Rは低
級アルキル基であり、好ましい炭素数は1〜8であ
る)、そして2つのM′は互いに同一でも異なっていて
も良い) からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するポリマ
ーを含んでいる。
上記表面処理された強磁性粉末は分散性が低下してお
り、通常のポリマーでは充分な分散を行なうことができ
ず、磁性層表面の高度な平滑性が得られない。従って、
上記特性の極性基を有するポリマーを使用することによ
って優れた分散性を得ることができる。すなわち、上記
磁性酸化鉄系強磁性粉末、上記ポリマーおよび脂肪酸を
使用することによって、優れた分散性と向上した潤滑効
果を同時に得ることができる。
本発明で使用される強磁性粉末は特定の磁性酸化鉄系
強磁性粉末である。上記表面処理を行なうのに適した磁
性酸化鉄系強磁性粉末の例としては、γ−Fe2O3、FeOx
(1.33<x<1.5)であるベルトライド酸化鉄、Fe3O4
びにCo変性酸化鉄、Co−Ti変性バリウムフェライトおよ
びCo−Ti変性ストロンチウムフェライトなどのような変
性六方晶フェライト粉末を挙げることができる。そし
て、これらの強磁性粉末のBET法比表面積は一般に25m2/
g以上で、好ましくは40m2/g以上である。
上記磁性酸化鉄系強磁性粉末を、Si、Al、Ca、Sn、Zr
およびTiの化合物により表面処理を行うことにより、範
囲表面積当たりステアリン酸の吸着量が3.0×10-6〜9
×10-6モル/m2の範囲にある磁性酸化鉄系強磁性粉末を
得ることができる。上記表面処理は、例えば、磁性酸化
鉄系強磁性粉末と水ガラスとをアルカリ性溶液中にて混
合、加温することにより行なうことができる。アルカリ
性溶液のpHは8〜13で、好ましくは8〜11である。処理
温度は40〜250℃、好ましくは50〜200℃であり、処理時
間は0.5〜5時間が好ましい。
上記磁性酸化鉄系強磁性粉末と共に、強磁性金属微粉
末を併用しても差し支えない。強磁性金属粉末の例とし
ては、強磁性金属微粉末中の金属分が75重量%以上であ
り、そして金属分の80重量%以上が少なくとも一種類の
強磁性金属あるいは合金(例、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe
−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe)であり、該金属分の20重量
%以下の範囲内で他の成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、T
e、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、B、P)を含むことのある合金を挙げることができ
る。また、上記強磁性金属分が少量の水、水酸化物また
は酸化物を含むものなどであってもよい。これらの強磁
性金属粉末の製造方法は既に公知であり、本発明で併用
される強磁性合金粉末についてもこれら公知の方法に従
って製造することができる。
強磁性粉末を使用する場合に、その形状にとくに制限
はないが通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および
板状のものなどが使用される。
本発明の磁性層の形成用の結合剤として用いられる上
記極性基を有するポリマーは、塩化ビニル系共重合体樹
脂(例、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合
体、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体)、アクリル
系樹脂(例、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、(メタ)
アクリル酸エステル/アクリロニトリル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル/塩化ビニリデン共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル/スチレン共重合体、ブタ
ジエン/アクリロニトリル共重合体)、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリアミド
樹脂、ポリビニルブチレートおよびスチレン/ブタジエ
ン共重合体に上記極性基(−SO3M、−OSO3M、−COOM、
−PO(OM′)および−OPO(OM′))を少なくとも
一種導入したポリマーから選ばれる。好ましくは塩化ビ
ニル系共重合体樹脂に極性基が導入されたポリマーであ
り、分子量は1万〜10万、好ましくは2万〜5万であ
り、好ましい極性基としては−SO3Na、−SO3H、−OPO3H
2、−COOHである。
上記極性基は、上記ポリマー中に10-6〜10-3当量/g、
好ましくは10-6〜10-4当量/gの範囲で含まれていること
が好ましい。
上記極性基を有するポリマーの他に、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂および反応型樹脂等の樹脂を併用すること
ができ、これらの樹脂を単独であるいは混合して併用す
ることができる。
熱可塑性樹脂としては、一般には平均分子量が1万〜
20万、重合度が約200〜2000程度のものが使用される。
このような熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル/酢
酸ビニル型共重合体樹脂(例、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合
体)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、アクリル
系樹脂(例、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、(メタ)
アクリル酸エステル/アクリロニトリル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル/塩化ビニリデン共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル/スチレン共重合体、ブタ
ジエン/アクリロニトリル共重合体)、セルロース誘導
体(例、セルロースアセテートブチレート、セルロース
ダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロー
スプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、ニトロセルロース、酢酸セルロース)、各種の合成
ゴム系の熱可塑性樹脂(ポリブタジエン、クロロプレ
ン、ポリイソプレン、スチレンブタジエン共重合体)、
ポリウレタン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチレート、スチレン/ブタジエン共重
合体およびポリスチレン樹脂などを挙げることができ、
これらを単独であるいは混合して併用することができ
る。
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、一般に塗布
液の状態で平均分子量が20万以下、好ましくは2万以上
20万以下の樹脂であり、塗布後に、縮合反応あるいは付
加反応などにより分子量がほぼ無限大になる樹脂が使用
される。ただし、これらの樹脂が加熱硬化樹脂である場
合、硬化に至る過程における加熱により樹脂が軟化また
は溶解しないものであることが好ましい。このような樹
脂の例としては、フェノール/ホルマリン/ノボラック
樹脂、フェノール/ホルマリン/レゾール樹脂、フェノ
ール/フルフラール樹脂、キシレン/ホルマリン樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、乾性油変性アルキッド樹脂、
フェノール樹脂変性アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂変
性アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂と硬化剤(例、ポリアミン、酸無水物、ポリアミド
樹脂)との組合せ、末端イソシアネートポリエーテル湿
気硬化型樹脂、ポリイソシアネートプレポリマー(例、
ジイソシアネートと低分子量トリオールとの反応生成物
である一分子内に三個以上のイソシアネート基を有する
化合物、ジイソシアネートのトリマーおよびテトラマ
ー)、ポリイソシアネートプレポリマーと活性水素を有
する樹脂(例、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合
体、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体、
p−ヒドロキシスチレン共重合体)の組合わせを挙げる
ことができ、これらを単独であるいは混合して併用する
ことができる。
結合剤としては、本発明の極性基を有する塩化ビニル
系共重合体(A)とポリウレタン樹脂(B)とを混合し
て用いることが好ましい。使用重量比はA:Bが1:3〜1:0.
1の範囲であることか好ましい。
結合剤の使用量は、強磁性粉末100重量部に対して、
一般には10〜100重量部、好ましくは15〜50重量部使用
される。
本発明に使用される上記脂肪酸は、特に制限はない
が、炭素数8〜22、好ましくは14〜20の脂肪酸(例、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ベヘン
酸)が好ましい。
これらの脂肪酸は磁性塗布液に添加するのが工程の簡
素化上好ましい。磁性塗布液に添加して使用されるとき
の添加量は、強磁性粉末に対し、0.01重量%〜10.0重量
%が好ましく、より好ましくは0.05重量%〜6重量%で
ある。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度が5以上の無機質粒子を含有することが好ましい。こ
れら無機質粒子の粒子サイズは0.05〜1.0μm、好まし
くは0.1〜0.5μmである。
使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれ
ば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の
例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO2(同6.5)、
SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、Cr2O3(同9)、および
α−Fe2O3(同5.5)を挙げることができる。
無機質粒子の含有量は、通常、強磁性粉末100重量部
に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜1
0重量部の範囲である。
また磁性層には上記の無機質粒子以外にも、カーボン
ブラック(特に、平均粒径が10〜300mμのもの)などが
含有されることが望ましい。
次に本発明の磁気記録媒体を製造する方法を説明す
る。
本発明の磁気記録媒体の磁性層の製造に際しては、強
磁性粉末と結合剤、および脂肪酸、更に必要により研磨
材あるいはその他の充填材とを通常は溶剤と共に混練し
磁性塗料とする。
混練の際に使用する溶剤は、通常磁性塗料の調製に使
用されている、たとえばメチルエチルケトンなどの溶剤
を使用することができる。
混練の方法は、通常磁性塗料の調製に利用されている
方法であれば特に制限はなく、また各成分の添加順序な
どは適宜設定することができる。
磁性塗料の調製には通常の混練機、たとえば、二本ロ
ールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、
トロンミル、サンドグラインダー、ゼグバリ、アトライ
ター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速
度衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホ
モジナイザーおよび超音波分散機などが使用される。こ
のような混練機を使って、公知の方法に準じて混練分散
を行ない磁性塗料を調製することができる。
磁性塗料を調製する際には、分散剤および帯電防止剤
等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
このようにして調製された磁性塗料は、前述の非磁性
支持体上に塗布される。塗布は、前記非磁性支持体上に
直接行なうことも可能であるが、また、接着剤層などを
介して非磁性支持体上に塗布することもできる。
重層の磁性層を設ける場合の塗布方法にあっては、特
開昭61−139929号公報、特開昭61−54992号公報で開示
された、同時又は、逐次潤滑塗布方式(以下、ウェット
・オン・ウェット塗布方式という)が有効である。
即ち、ウェット・オン・ウェット塗布方式とは、初め
一層を塗布した後に湿潤状態で可及的速やかに次の層を
その上に塗布する所謂逐次塗布方法、及び多層同時にエ
クストルージョン塗布方式で塗布する方法等をいう。
前記、ウェット・オン・ウェット塗布方式としては、
例えばエクストルージョン型同時多層塗布方式を用いて
実施される。
すなわち、連続的に走行する非磁性支持体例えばポリ
エチレンテレフタレートの可撓性支持体上に同時多層塗
布注液器を用い第1塗布液と第2塗布液とを同時に塗布
する方法を用いることができる。
又、本発明のウェット・オン・ウェット塗布方式は本
方式に限られるものでなく、例えば逐次塗布方法を用い
もよい。すなわち、塗布機にて第1塗布液を可撓性支持
体上にプレコートし、その直後スムージングロールにて
該塗布面を平滑化し、該第1塗布液が湿潤状態にある状
態で別の押し出し塗布機により次なる第2塗布液を塗布
する方法により実施される。
このようにして塗布された磁性層の厚さは、上層の磁
性層の厚さが0.1〜3μmの範囲にすることが望まし
い。上層と下層の磁性層の合計の膜厚は一般には約0.5
〜10μmの範囲、好ましくは1.5〜7.0μmの範囲になる
よう塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は、磁気記録媒体
がテープ状で使用される場合は、通常、磁性層中の強磁
性粉末を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施した
後、乾燥される。また必要により表面平滑処理が施され
る。表面平滑処理等が施された磁気記録媒体はつぎに所
望の形に裁断される。
〔発明の効果〕
本発明においては、非磁性支持体上に設けられる磁性
層を2層よりなる重層構成とし、その磁性層中に分散さ
れている強磁性粉末のステアリン酸吸着量の値を上層の
方を下層よりも小さくし、且つステアリン酸吸着量の値
をそれぞれ特定の範囲に選び、さらに磁性層の結合剤に
特定の極性基を有するポリマーを使用し且つ脂肪酸を含
有させることによって、強磁性粉末が高度に分散された
電磁変換特性の優れた且つ磁性層表面には、前記脂肪酸
が常に適量補給されるようにすることにより走行耐久性
を良好ならしめた磁気記録媒体を提供することができ
る。
次に、本発明の実施例および比較例を示す。なお実施
例中の「部」との表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例1〕 表面処理強磁性粉末の調製(1) Co変性針状磁性酸化鉄(比表面積45.7m2/g、長軸長0.
13μm)300gを、pH10にした水酸化ナトリウム水溶液2
中に加え、ホモミキサーにて分散を行なってCo変性磁
性酸化鉄の水性スラリーを得た。このスラリーの温度を
60℃に昇温し、Co変性磁性酸化鉄中のFeに対して水可溶
性水ガラスをSi換算で0.3wt%となるように100mlの蒸留
水に溶解して、5ml/分の速度で撹拌しながらスラリー中
に滴下した。滴下後、炭酸ガスを0.2/分で通気し、
スラリーのpHを7.5として30分撹拌後、濾過し、窒素ガ
ス雰囲気中で70℃にて乾燥して表面処理Co変性磁性酸化
鉄(サンプルNo.C)を調製した。
Co変性磁性酸化鉄中のFeに対して水可溶性水ガラス
(Si換算)のwt%を変化させて、上記の方法にてサンプ
ルA〜Dの磁性酸化鉄を調製した。同様にCo変性針状酸
化鉄(比表面積30m2/g、長軸長0.32μm)を用いて表面
処理し、サンプルE〜Hを調製した。
各サンプルのステアリン酸吸着量を第1表に示す。
上記第1表中のステアリン酸吸着量の測定は下記の方
法で行なった。
得られた表面処理Co変性磁性酸化鉄の強磁性粉末5g
を、ステアリン酸を2wt%含有するメチルエチルケトン
溶液50mlが入った100ml三角フラスコ中に加え、該フラ
スコを密栓してマグネチックスターラーにて25℃にて25
時間撹拌した。次いで遠心分離機にて固液分離し、上澄
液中のステアリン酸濃度C(wt%)をガスクロマトグラ
フィを用いて測定した。
強磁性粉末の単位面積当りのステアリン酸吸着量は次
式より求められた。
ただし、SSA:強磁性粉末比表面積 MW:ステアリン酸分子量(284) 磁性塗料の調製 次に下記の磁性塗料用組成物をサンドグラインダーで
3時間分散した。その後、イソシアネート系硬化剤(二
本ポリウレタン(株)製、コロネートL)8部、ステア
リン酸5部およびブチルステアレート5部を添加し、15
分間分散した後、平均孔径が1μmであるフィルターを
用いて濾過し、磁性塗布液を作成した。
磁性塗料用組成物 上記の組成で、強磁性粉末(サンプルA〜H)及び結
合剤(サンプルI〜K)を第3表に示す組合せで上層及
び下層を形成して、以下のようにビデオテープNo.1〜N
o.12を得た。
そして、各ビデオテープのサンプルにつき、磁性層の
表面光沢、走行耐久性、電磁変換特性を後述する方法で
評価した。
その結果を第3表に示す。
1ヘッドに2スリットを有するエクストルージョン型
塗布ヘッドを用いて、厚さ15μmのポリエチレンテレフ
タレート支持体上に第1塗布液を塗布速度100m/分、給
液量20cc/m2の条件で塗布し、第2塗布液を給液量4cc/m
2の条件で同時重層塗布し、配向、乾燥、カレンダー処
理をした。熱硬化処理をした後、1/2インチ幅にスリッ
トし1/2インチビデオテープを製造した。ここで、強磁
性粉末と官能基含有塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の
組合せを第2表に示すように変え、ビデオテープNo.1〜
12を得た。
得られたビデオテープNo.1〜12を市販のビデオレコー
ダー(NW8200、松下電器製)を用いて、表面光沢、摩擦
係数(1パス、100パス)、スチル耐久性を測定した。
測定の方法は以下の方法で行なった。
表面光沢 光入射角60度で磁性層表面の光沢を測定した。なお、
表記した値は、屈折率1.567のガラス表面の鏡面光沢度
を100%とした時の相対値である。また、用いた測定機
はデジタル光度計(スガ試験機(株)製)である。
摩擦係数 得られたビデオテープとステンレスポールとを50gの
張力(T1)で接触(巻きつけ角180度)させて、この条
件で、ビデオテープを3.3cm/sの速度で走行させるのに
必要な張力(T2)を測定した。この測定値をもとに、下
記計算式によりビデオテープの、1パス目の摩擦係数μ
を求めた。
μ=1/π・ln(T2/T1) 尚、100パス目の摩擦係数は99パス走行させたビデオ
テープを用いて上記の如く測定した。
スチル耐久性 ビデオテープレコーダーを用いて各ビデオテープに一
定のビデオ信号を記録し、再生した静止画像の出力が急
激に低下しだした時間を測定した。(実験は5℃、80%
RHで行なった。) ビデオS/N 松下電器(株)製NV8200ビデオテープレコーダーを使
用し50%セットアップの灰色信号を録画しシバソク製92
5C型S/Nメーターでノイズを測定した。ビデオ感度、ビ
デオS/NはサンプルNo.7を0dBとしたときのそれぞれの相
対比較値。
第3表の結果より明白な如く、本発明の特定のステア
リン酸吸着量を上・下層に有する強磁性粉末及び特定の
極性基を有するポリマーを使用した実施例(テープNo.1
〜No.6)では、高い表面光沢と低い摩擦係数、すぐれた
スチル耐久性とビデオS/Nを示す。
一方、本発明の特定の極性基を有するポリマーを使用
し、上層の強磁性粉末のステアリン酸吸着量が3.0×10
-6〜6×10-6モル/m3以外で、下層の吸着量のステアリ
ン酸吸着量が本発明の6×10-6〜9×10-6モル/m2の範
囲内にある場合(テープNo.7、No.8、No.11)には、表
面光沢・摩擦係数・スチル耐久性とビデオS/Nが両立し
ていない。又、上層の強磁性粉末のステアリン酸吸着量
が3.0×10-6〜6×10-6モル/m3内で、下層の吸着量のス
テアリン酸吸着量が6×10-6〜9×10-6モル/m2以外で
ある場合(テープNo.9、No.10、No.12)には、表面光沢
・摩擦係数・スチル耐久性とビデオS/Nが両立していな
い。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体と、該支持体上に設けられた
    強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を2層有す
    る磁気記録媒体において、上層にステアリン酸吸着量が
    3.0×10-6〜6×10-6モル/m3の範囲にある酸化鉄強磁性
    粉末を用い、下層にステアリン酸吸着量が6×10-6〜9
    ×10-6モル/m2の範囲にある酸化鉄強磁性粉末であっ
    て、且つ該結合剤が極性基として; −SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM′)および−OPO
    (OM′)(ただし、MはNa、Li、K、水素原子、NR4
    またはNHR3を表わし、M′はNa、Li、K、水素原子、NR
    4、NHR3またはアルキル基を表わす。(ただし、Rは低
    級アルキル基)) からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するポリマ
    ーを含み、さらに前記上層の磁性層が脂肪酸を含有して
    いることを特徴とする磁気記録媒体。
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