JPH04367202A - 軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯およびその 製造方法 - Google Patents

軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯およびその 製造方法

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JPH04367202A
JPH04367202A JP3143604A JP14360491A JPH04367202A JP H04367202 A JPH04367202 A JP H04367202A JP 3143604 A JP3143604 A JP 3143604A JP 14360491 A JP14360491 A JP 14360491A JP H04367202 A JPH04367202 A JP H04367202A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力トランス、高周波
トランスの鉄心、磁気回路のヨーク、可飽和リアクトル
の鉄心あるいは磁気センサなどに適用できる、飽和磁束
密度が高く軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】単ロール急冷法によって製造されるFe
基非晶質合金薄帯は電磁気特性がすぐれ、生産性が高い
ことから電力トランスの鉄心材料として注目され、一部
で実用化も進んでいる。しかし、現在一般に使われてい
る方向性珪素鋼板に比べると、材料コストが高いこと、
板厚が薄すぎることにより実用化の進捗は当初の予想に
比べて遅れている。これらの非晶質合金固有の実用的問
題のうち、板厚に関する課題は特公昭63−40629
号公報に開示される多重スリットノズル法により50μ
mを超える板厚の厚肉材料が開発され、技術的にはほぼ
解決された。また、材料コストについても、生産性は上
記多重スリットノズル法により2倍以上に向上するのを
はじめ、低コスト原料の使用を可能にした技術の開発な
どで珪素鋼板とのコスト差は縮まっている。
【0003】それにもかかわらず、非晶質合金鉄心トラ
ンスの普及率はまだ低い。その理由の一つに近年におけ
る珪素鋼板の著しい鉄損改善がある。非晶質合金の鉄損
の推移がほぼ横ばいのままである理由として、非晶質合
金の鉄損が、元来珪素鋼板に比べて1/5程度ときわめ
て低いため、鉄損低減の努力がほとんどなされなかった
こと、さらに珪素鋼板で鉄損低減の有効な手段が非晶質
合金においてはほとんど効果を示さないことなどが挙げ
られる。すなわち、珪素鋼板の鉄損低減の手法は、結晶
方位制御、結晶粒径制御、薄手化、Si増量、レーザ照
射、張力付与が代表的である。これらの要因を最適化す
ることにより、今日、実験室規模ではあるが、50Hz
、1.3Tにおける鉄損W13/50 が0.16〜0
.18W/kgのすぐれた値が得られることが野沢ら(
日本応用磁気学会  第51回研究会資料(1987年
)第3頁)、および西池ら(同  第21頁)によって
示されている。珪素鋼板のこの鉄損値は、平均的Fe基
非晶質合金薄帯の鉄損と比べて遜色がなく、最高レベル
の値0.1W/kgと比べても、その差は以前より大幅
に縮まっている。
【0004】珪素鋼板で効果を示した上記の手法のうち
、非晶質合金の鉄損改善に対しても適用の可能性がある
のは薄手化、レーザ照射、張力付与である。しかし、適
用の結果は、通常板厚30μmの薄帯に対しては全く効
果がないか、あってもわずかであった。この理由は、も
ともと渦電流損の比率の小さい非晶質合金においては渦
電流損の減少とヒステリシス損の増加が相殺されるため
である。上記の3つの手段のうちレーザ照射は厚肉の非
晶質合金に対しては効果を示した。
【0005】厚肉非晶質合金に対するレーザ照射の効果
については、T.Satoらがすでに報告している(1
985年,North−Holland 発行 Pro
ceedings of the FifthInte
rnational Conference on R
apidly Quenched Metals Vo
lume 2  第1643頁)。彼らは非晶質合金薄
帯の板厚が大きいほどレーザ照射による鉄損の低減が大
きいこと(図4参照)、これは板厚が大きいほど異常渦
電流損が大きくなるためであることを明らかにしている
。しかし図4のようにレーザ照射後の厚肉材の鉄損値が
薄肉材より低くなることはなく、板厚30μm以上でW
13/50 の値が0.1W/kg程度以下に改善され
ることはなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉄損を大幅
に改善したFe基非晶質合金薄帯およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用】本発明の要旨とす
るところは下記のとおりである。 (1)  多重スリットノズルを用いて製造された45
μm以上の板厚を有するFe基非晶質合金薄帯において
、該非晶質合金薄帯の表面層の、少なくとも0.5μm
の厚さを、表裏両面それぞれから除去することにより、
最大磁束密度1.3Tにおけるヒステリシス損を0.0
4W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特性のす
ぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
【0008】(2)  薄帯表面層の除去をケミカルエ
ッチングで行うことを特徴とする前項1記載の軟磁気特
性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。 (3)  前項1および2記載の方法で作製された軟磁
気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。 (4)  前項1記載の方法で作製された板厚が30μ
m以上のFe基非晶質合金薄帯に磁区細分化処理を行う
ことにより、50Hz、1.3Tにおける鉄損を0.0
8W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特性のす
ぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
【0009】(5)  磁区細分化の方法がパルスレー
ザ照射によることを特徴とする前項4記載の軟磁気特性
のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。 (6)  磁区細分化の方法が薄帯の幅方向に平行な溝
の形成によることを特徴とする前項4記載の軟磁気特性
のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。 (7)  磁区細分化の方法が機械的歪みの導入による
ことを特徴とする前項4記載の軟磁気特性のすぐれたF
e基非晶質合金薄帯の製造方法。
【0010】(8)  前項4記載の方法で作製された
軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。本発明は
多重スリットノズル法によって作製される50μm以上
の板厚をもつ厚肉のFe基非晶質合金薄帯の表面層をケ
ミカルエッチングで除去するとき図1に示すように、ヒ
ステリシス損が板厚除去量とともに急減し、板厚50μ
m以下ではほぼ一定のきわめて小さい値を保持するとい
う本発明者らがはじめて見出した知見に基づいて完成さ
れたものである。これに対して、一般的方法の単一スリ
ットノズル法で作製される板厚30μmの非晶質合金薄
帯では、同じケミカルエッチングによる板厚除去に対し
て、ヒステリシス損はエッチングの初期にやや減少する
もののその到達ヒステリシス損値は厚肉材料に比べて大
きく、0.04W/kg以下には達しない。また、ヒス
テリシス損が一定である板厚範囲がきわめて狭いことが
図1より明らかである。すなわち、多重スリットノズル
法で作製される厚肉非晶質合金薄帯をエッチングするこ
とにより、従来のFe基非晶質合金薄帯では到達不可能
なきわめて低いヒステリシス損が得られるのである。エ
ッチングにより0.04W/kg以下のヒステリシス損
を得るためには、初期の板厚が45μm以上である必要
性から、本発明においては薄帯の板厚の下限を45μm
に限定した。また、エッチングによる板厚除去量は両面
とも0.5μm以上でなければ、ヒステリシス損の向上
が小さいため、除去量の下限を表裏両面とも少なくとも
0.5μmと規定した。
【0011】さらに、エッチングによるヒステリシス損
低減処理をした板厚30μm以上のFe基非晶質合金薄
帯に磁区細分化手法を施すことにより、きわめて低い鉄
損を達成できる。磁区細分化の手段としては、レーザ照
射、薄帯幅方向に平行な溝の形成、あるいは線状の機械
的歪み導入など公知の方法を適用できる。磁区細分化に
あたり重要な留意点は、ヒステリシス損の増加を最小限
に抑えることである。レーザ照射法について述べるなら
ば、レーザのパワーを、従来のエッチングなしの場合に
比べて小さくすることである。あるいは、レーザスポッ
トの間隔を広く設定することである。具体的には、レー
ザパワーにより制御する場合はエッチングなしの適正値
の1/2程度ないしそれ以下、スポット間隔の場合はエ
ッチングなしの2倍程度ないしそれ以上とする。本発明
において適正照射条件を一義的に規定することは困難で
ある。それは、アニール、エッチング、レーザ照射の3
プロセスの順番によって最適照射条件が異なるからであ
る。プロセスの順番はつぎの6種類がある。具体的に示
すならば、■アニール、エッチング、レーザ照射、■ア
ニール、レーザ照射、エッチング、■レーザ照射、アニ
ール、エッチング、■レーザ照射、エッチング、アニー
ル、■エッチング、レーザ照射、アニール、■エッチン
グ、アニール、レーザ照射、の6種類である。このうち
、■、■、■の3つは、最高特性同士を比較するとき、
■、■、■に比べて劣っていた。よって、本発明では■
、■、■のプロセスを推奨する。
【0012】次に、■、■、■のプロセスに対して、好
ましいレーザ照射条件をレーザスポットの大きさを指標
として具体的に示す。ここでレーザスポットとはレーザ
照射により薄帯表面に形成される照射痕のことである。 プロセス■、すなわちアニール→エッチング→レーザ照
射においては、レーザスポットの直径を5〜50μmと
なる照射条件で照射する。この条件をレーザパワーで表
すと、直径0.5mm以下のレーザビームを用いるとき
、ほぼ0.01〜0.5Wに相当する。これによって鉄
損は、初期板厚45μm以上の非晶質合金薄帯をアニー
ル後、エッチングして板厚30μmとした場合に約10
〜30%、同じく初期板厚65μmを50μmにアニー
ル後エッチングした場合は約20〜50%改善される。 プロセス■および■においては■に比べて強い条件で照
射する。好ましい条件をスポットの直径で表示すると、
50〜200μmである。
【0013】同様に、磁区細分化手法として溝形成法を
採用する場合も、溝の深さを従来よりも浅くするか、溝
の間隔を広くするなどヒステリシス損の増加を極力抑え
ることが肝要である。さらに機械的歪みの導入にあたっ
ては、歪みの大きさを小さくするとともに、線状歪みの
間隔を従来法の適正値より少なくとも2倍に広げる必要
がある。
【0014】磁区細分化処理を適用するエッチング後の
板厚を30μm以上とした理由を図2を用いて説明する
。図2において△、▲印は従来の薄い薄帯をアニール後
エッチングしたものに最適条件でレーザ照射を行い、鉄
損W13/50 の変化を示している。図から照射前(
△)と照射後(▲)の鉄損の改善はわずかであることが
分る。一方、本発明のエッチング後の板厚が30μm以
上の材料においては照射による鉄損の改善効果が著しい
ことが分る。鉄損改善効果は、エッチング後の板厚が3
0μm未満であっても、従来の薄い薄帯をエッチングし
たものに比べると大きく(図示せず)、鉄損W13/5
0 は0.08W/kgより小さい値を示すが、除去板
厚が大きいため経済性に問題がある。よって磁区細分化
処理を施こす板厚を30μm以上に限定した。
【0015】本発明が対象とする非晶質合金はFe基非
晶質合金である。具体的には、Feを主成分とし、B、
Si、Cを副成分とする非晶質合金である。ここでFe
は高い飽和磁束密度を得るために必須の元素であり、副
成分は非晶質を形成するために不可欠な元素である。各
構成元素の好ましい組成範囲は、Fe:75〜82(原
子%、以下同じ)、B:7〜16、Si:4〜18、C
:0〜4である。この基本組成に、飽和磁束密度、透磁
率、熱的安定性、耐食性、皮膜形成特性などの実用的特
性を向上させるために合計で20原子%以下のCoある
いはNiを、あるいは5原子%以下のMo、Cr、Mn
、Nb、W、Ta、V、Snを添加できる。
【0016】次に本発明の実施態様についてさらに説明
を加える。本発明で用いる多重スリットノズルは図3に
示すようなスリット状開口部を2以上有するノズルであ
る。この多重スリットノズルを使用しない場合は、鉄心
材料に要求される所要特性を満足する厚肉非晶質合金は
得られない。よって本発明において採用する製造方法は
多重スリットノズル法に限定する。また初期の板厚を4
5μm以上に規定した理由は、45μm未満では表面粗
さの影響がエッチング後も残り、ヒステリシス損の減少
量が小さいため、目的とする1.3Tにおけるヒステリ
シス損(0.04W/kg以下)が達成されず、その結
果として、磁区細分化処理を施しても鉄損W13/50
 が0.08W/kg以下に低減しないためである。
【0017】本発明のエッチングはケミカルな手法、例
えば、5vol.%のフッ化水素を含有する過酸化水素
液を用いることができる。アニールは、不活性ガス雰囲
気中で、非晶質合金の結晶化温度がTxのとき、Tx〜
Tx−180℃の温度で、5〜120分間行う。
【0018】
【実施例】
実施例1 組成Fe80.5Si6.5 B12C1(原子%)の
合金を、Cu製のロールを用いる単ロール急冷法によっ
て板厚53μm幅25mmの非晶質合金薄帯を作製した
。薄帯製造においてノズルは0.4mm幅のスリット状
開口部3個を間隔1mmに配設したものを用いた。ただ
しロール周速は24m/sとした。この非晶質合金薄帯
を380℃で60分、N2ガス雰囲気中で磁界中アニー
ルした後、エッチングにより板厚を表裏両面からあわせ
て10μm除去した。ここで用いたエッチング液はフッ
化水素5vol.%の過酸化水素液である。表面層を除
去した薄帯のヒステリシス損を求めたところ0.020
W/kgであった。なおヒステリシス損は単板試験器を
用いて測定した鉄損の周波数依存性から求めた。この薄
帯にYAGパルスレーザを照射した。照射条件は、ビー
ム直径0.1mmのYAGパルスレーザをパワー0.1
W、薄帯の幅方向にスポットの間隔が250μm、点列
の間隔が5mmとなるように、ビームを走査した。単板
試験器で測定した鉄損W13/50 は0.053W/
kgであった。この鉄損値はエッチングをしない同一板
厚33μmのFe基非晶質合金にレーザ照射して得られ
る鉄損値0.098W/kgに比べてすぐれた値である
【0019】実施例2 実施例1と同一組成、同一方法で鋳造された同一寸法の
非晶質合金薄帯を、380℃で60分、N2 ガス雰囲
気中で磁界中アニールした後、レーザ照射した。照射は
、ビーム直径0.1mmのYAGパルスレーザをスポッ
ト径が100μmとなる条件で、薄帯の幅方向にスポッ
トの間隔が250μm、点列の間隔が5mmとなるよう
にビームを走査した。レーザ照射の後、この薄帯をケミ
カルエッチングにより板厚を表裏両面からあわせて2μ
m除去した。なお、エッチング液はフッ化水素5vol
.%の過酸化水素液である。この薄帯の鉄損を単板試験
器により測定したところ、W13/50 は0.065
W/kgであった。この鉄損値はエッチングをしない場
合の鉄損0.104W/kgに比べてすぐれた値である
【0020】実施例3 実施例1と同一組成、ロール周速を20m/sとした以
外は実施例1と同一方法で鋳造された板厚65μm、幅
25mmの非晶質合金薄帯に、YAGパルスレーザを照
射した。照射は、スポット径が150μmとなる条件で
、薄帯の幅方向にスポットの間隔が300μm、点列の
間隔が8mmとなるようにビームを走査した。レーザ照
射後、薄帯を380℃、60分、N2 ガス中で磁界中
アニールし、さらに表裏両面から合わせて5μmエッチ
ングした。エッチング液は実施例1および2と同一であ
る。この薄帯の鉄損を単板試験器で測定したところ、W
13/50 は0.058W/kgであった。この鉄損
値はエッチングをしない場合の鉄損値0.116W/k
gに比べてすぐれた値である。
【0021】実施例4 実施例1と同一組成、0.4mm幅のスリットを4枚1
mm間隔で配列したノズルを用い、ロール周速を18m
/sとした以外は実施例1と同一方法で鋳造された板厚
82μm、幅25mmの非晶質合金薄帯を400℃、6
0分、N2 ガス中で磁界中アニールした後、エッチン
グにより薄帯の表裏両面からあわせて板厚10μmを除
去した。この薄帯に深さ2μm、幅50μmで、間隔が
10mmの溝を薄帯幅方向に平行な方向に形成した。単
板試験器で測定した鉄損W13/50 は0.073W
/kgであった。この鉄損値はエッチングをしない同一
板厚72μmのFe基非晶質合金薄帯に溝を形成して得
られる鉄損値0.125W/kgに比べてすぐれた値で
ある。
【0022】実施例5 実施例4と同一組成、同一方法で鋳造された板厚82μ
m、幅25μmの非晶質合金薄帯を400℃、60分、
N2 ガス中で磁界中アニールした後、エッチングによ
り薄帯の表裏両面からあわせて板厚10μmを除去した
。 この薄帯に、先端の径が30μmの金属針を用いて薄帯
表面をけがき、薄帯の幅方向に平行な間隔10mmの線
状歪みを導入した。歪み導入後に単板試験器で測定した
W13/50 は0.078W/kgであった。この鉄
損値はエッチングをしない同一板厚72μmのFe基非
晶質合金薄帯に線状歪を導入したときの鉄損0.132
W/kgに比べてすぐれた値である。
【0023】
【発明の効果】本発明が提供するFe基非晶質合金は、
従来のFe基非晶質合金に比べて鉄損の改善が著しい。 したがって、この合金を電力トランス、高周波トランス
の鉄心、磁気回路のヨークに用いるとき、損失の低減、
すなわち効率の改善効果が顕著に表れる。また磁気セン
サとして用いるとき感度の向上が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】多重スリットノズル法で作製した62μmの非
晶質Fe80.5Si6.5 B12C1 合金薄帯を
エッチングにより板厚を除去していくときの鉄損の変化
(●)、ヒステリシス損の変化(○)を示す。なお比較
のために板厚30μmの同一組成の薄帯についても同様
に調べた。▲は鉄損、△はヒステリシス損を示す。
【図2】エッチング後の非晶質合金薄帯にレーザ照射し
たときの鉄損改善効果の板厚依存性を示す図である。
【図3】板厚45μm以上の厚肉非晶質合金薄帯を作製
するために用いるノズルの構造を示す図である。
【図4】レーザ照射効果の板厚依存性を示す図である。
【符号の説明】
a    2重スリットノズル b    3重スリットノズル l, l1 ,l2     スリットの間隔W1 ,
W2 ,W3     スリットの幅→    冷却基
板の移動方向

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  多重スリットノズルを用いて製造され
    た45μm以上の板厚を有するFe基非晶質合金薄帯に
    おいて、該非晶質合金薄帯の表面層の、少なくとも0.
    5μmの厚さを、表裏両面それぞれから除去することに
    より、最大磁束密度1.3Tにおけるヒステリシス損を
    0.04W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特
    性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  2. 【請求項2】  薄帯表面層の除去をケミカルエッチン
    グで行うことを特徴とする請求項1記載の軟磁気特性の
    すぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項1および2記載の方法で作製さ
    れた軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。
  4. 【請求項4】  請求項1記載の方法で作製された板厚
    が30μm以上のFe基非晶質合金薄帯に磁区細分化処
    理を行うことにより、50Hz、1.3Tにおける鉄損
    を0.08W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気
    特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  5. 【請求項5】  磁区細分化の方法がパルスレーザ照射
    によることを特徴とする請求項4記載の軟磁気特性のす
    ぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  6. 【請求項6】  磁区細分化の方法が薄帯の幅方向に平
    行な溝の形成によることを特徴とする請求項4記載の軟
    磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  7. 【請求項7】  磁区細分化の方法が機械的歪みの導入
    によることを特徴とする請求項4記載の軟磁気特性のす
    ぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  8. 【請求項8】  請求項4記載の方法で作製された軟磁
    気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。
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JPH09213516A (ja) * 1996-02-06 1997-08-15 Mitsui Petrochem Ind Ltd 磁気コア製造方法および磁気コア製造装置
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