JP2873747B2 - 軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯およびその 製造方法 - Google Patents

軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯およびその 製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力トランス、高周波
トランスの鉄心、磁気回路のヨーク、可飽和リアクトル
の鉄心あるいは磁気センサなどに適用できる、飽和磁束
密度が高く軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】単ロール急冷法によって製造されるFe
基非晶質合金薄帯は電磁気特性がすぐれ、生産性が高い
ことから電力トランスの鉄心材料として注目され、一部
で実用化も進んでいる。しかし、現在一般に使われてい
る方向性珪素鋼板に比べると、材料コストが高いこと、
板厚が薄すぎることにより実用化の進捗は当初の予想に
比べて遅れている。これらの非晶質合金固有の実用的問
題のうち、板厚に関する課題は特公昭63−40629
号公報に開示される多重スリットノズル法により50μ
mを超える板厚の厚肉材料が開発され、技術的にはほぼ
解決された。また、材料コストについても、生産性は上
記多重スリットノズル法により2倍以上に向上するのを
はじめ、低コスト原料の使用を可能にした技術の開発な
どで珪素鋼板とのコスト差は縮まっている。
【0003】それにもかかわらず、非晶質合金鉄心トラ
ンスの普及率はまだ低い。その理由の一つに近年におけ
る珪素鋼板の著しい鉄損改善がある。非晶質合金の鉄損
の推移がほぼ横ばいのままである理由として、非晶質合
金の鉄損が、元来珪素鋼板に比べて1/5程度ときわめ
て低いため、鉄損低減の努力がほとんどなされなかった
こと、さらに珪素鋼板で鉄損低減の有効な手段が非晶質
合金においてはほとんど効果を示さないことなどが挙げ
られる。すなわち、珪素鋼板の鉄損低減の手法は、結晶
方位制御、結晶粒径制御、薄手化、Si増量、レーザ照
射、張力付与が代表的である。これらの要因を最適化す
ることにより、今日、実験室規模ではあるが、50H
z、1.3Tにおける鉄損W13/50 が0.16〜0.1
8W/kgのすぐれた値が得られることが野沢ら(日本
応用磁気学会 第51回研究会資料(1987年)第3
頁)、および西池ら(同 第21頁)によって示されて
いる。珪素鋼板のこの鉄損値は、平均的Fe基非晶質合
金薄帯の鉄損と比べて遜色がなく、最高レベルの値0.
1W/kgと比べても、その差は以前より大幅に縮まっ
ている。
【0004】珪素鋼板で効果を示した上記の手法のう
ち、非晶質合金の鉄損改善に対しても適用の可能性があ
るのは薄手化、レーザ照射、張力付与である。しかし、
適用の結果は、通常板厚30μmの薄帯に対しては全く
効果がないか、あってもわずかであった。この理由は、
もともと渦電流損の比率の小さい非晶質合金においては
渦電流損の減少とヒステリシス損の増加が相殺されるた
めである。上記の3つの手段のうちレーザ照射は厚肉の
非晶質合金に対しては効果を示した。
【0005】厚肉非晶質合金に対するレーザ照射の効果
については、T.Satoらがすでに報告している(1
985年,North-Holland 発行 Proceedings of the Fi
fthInternational Conference on Rapidly Quenched Me
tals Volume 2 第1643頁)。彼らは非晶質合金薄
帯の板厚が大きいほどレーザ照射による鉄損の低減が大
きいこと(図4参照)、これは板厚が大きいほど異常渦
電流損が大きくなるためであることを明らかにしてい
る。しかし図4のようにレーザ照射後の厚肉材の鉄損値
が薄肉材より低くなることはなく、板厚30μm以上で
13/50 の値が0.1W/kg程度以下に改善されるこ
とはなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉄損を大幅
に改善したFe基非晶質合金薄帯およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用】本発明の要旨とす
るところは下記のとおりである。 (1) 多重スリットノズルを用いて製造された45μ
m以上の板厚を有するFe基非晶質合金薄帯において、
該非晶質合金薄帯の表面層の、少なくとも0.5μmの
厚さを、表裏両面それぞれから除去することにより、最
大磁束密度1.3Tにおけるヒステリシス損を0.04
W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特性のすぐ
れたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
【0008】(2) 薄帯表面層の除去をケミカルエッ
チングで行うことを特徴とする前項1記載の軟磁気特性
のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。 (3) 前項1および2記載の方法で作製された軟磁気
特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。 (4) 前項1記載の方法で作製された板厚が30μm
以上のFe基非晶質合金薄帯に磁区細分化処理を行うこ
とにより、50Hz、1.3Tにおける鉄損を0.08
W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特性のすぐ
れたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
【0009】(5) 磁区細分化の方法がパルスレーザ
照射によることを特徴とする前項4記載の軟磁気特性の
すぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。 (6) 磁区細分化の方法が薄帯の幅方向に平行な溝の
形成によることを特徴とする前項4記載の軟磁気特性の
すぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。 (7) 磁区細分化の方法が機械的歪みの導入によるこ
とを特徴とする前項4記載の軟磁気特性のすぐれたFe
基非晶質合金薄帯の製造方法。
【0010】(8) 前項4記載の方法で作製された軟
磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。本発明は多
重スリットノズル法によって作製される50μm以上の
板厚をもつ厚肉のFe基非晶質合金薄帯の表面層をケミ
カルエッチングで除去するとき図1に示すように、ヒス
テリシス損が板厚除去量とともに急減し、板厚50μm
以下ではほぼ一定のきわめて小さい値を保持するという
本発明者らがはじめて見出した知見に基づいて完成され
たものである。これに対して、一般的方法の単一スリッ
トノズル法で作製される板厚30μmの非晶質合金薄帯
では、同じケミカルエッチングによる板厚除去に対し
て、ヒステリシス損はエッチングの初期にやや減少する
もののその到達ヒステリシス損値は厚肉材料に比べて大
きく、0.04W/kg以下には達しない。また、ヒス
テリシス損が一定である板厚範囲がきわめて狭いことが
図1より明らかである。すなわち、多重スリットノズル
法で作製される厚肉非晶質合金薄帯をエッチングするこ
とにより、従来のFe基非晶質合金薄帯では到達不可能
なきわめて低いヒステリシス損が得られるのである。エ
ッチングにより0.04W/kg以下のヒステリシス損
を得るためには、初期の板厚が45μm以上である必要
性から、本発明においては薄帯の板厚の下限を45μm
に限定した。また、エッチングによる板厚除去量は両面
とも0.5μm以上でなければ、ヒステリシス損の向上
が小さいため、除去量の下限を表裏両面とも少なくとも
0.5μmと規定した。
【0011】さらに、エッチングによるヒステリシス損
低減処理をした板厚30μm以上のFe基非晶質合金薄
帯に磁区細分化手法を施すことにより、きわめて低い鉄
損を達成できる。磁区細分化の手段としては、レーザ照
射、薄帯幅方向に平行な溝の形成、あるいは線状の機械
的歪み導入など公知の方法を適用できる。磁区細分化に
あたり重要な留意点は、ヒステリシス損の増加を最小限
に抑えることである。レーザ照射法について述べるなら
ば、レーザのパワーを、従来のエッチングなしの場合に
比べて小さくすることである。あるいは、レーザスポッ
トの間隔を広く設定することである。具体的には、レー
ザパワーにより制御する場合はエッチングなしの適正値
の1/2程度ないしそれ以下、スポット間隔の場合はエ
ッチングなしの2倍程度ないしそれ以上とする。本発明
において適正照射条件を一義的に規定することは困難で
ある。それは、アニール、エッチング、レーザ照射の3
プロセスの順番によって最適照射条件が異なるからであ
る。プロセスの順番はつぎの6種類がある。具体的に示
すならば、アニール、エッチング、レーザ照射、ア
ニール、レーザ照射、エッチング、レーザ照射、アニ
ール、エッチング、レーザ照射、エッチング、アニー
ル、エッチング、レーザ照射、アニール、エッチン
グ、アニール、レーザ照射、の6種類である。このう
ち、、、の3つは、最高特性同士を比較すると
き、、、に比べて劣っていた。よって、本発明で
は、、のプロセスを推奨する。
【0012】次に、、、のプロセスに対して、好
ましいレーザ照射条件をレーザスポットの大きさを指標
として具体的に示す。ここでレーザスポットとはレーザ
照射により薄帯表面に形成される照射痕のことである。
プロセス、すなわちアニール→エッチング→レーザ照
射においては、レーザスポットの直径を5〜50μmと
なる照射条件で照射する。この条件をレーザパワーで表
すと、直径0.5mm以下のレーザビームを用いると
き、ほぼ0.01〜0.5Wに相当する。これによって
鉄損は、初期板厚45μm以上の非晶質合金薄帯をアニ
ール後、エッチングして板厚30μmとした場合に約1
0〜30%、同じく初期板厚65μmを50μmにアニ
ール後エッチングした場合は約20〜50%改善され
る。プロセスおよびにおいてはに比べて強い条件
で照射する。好ましい条件をスポットの直径で表示する
と、50〜200μmである。
【0013】同様に、磁区細分化手法として溝形成法を
採用する場合も、溝の深さを従来よりも浅くするか、溝
の間隔を広くするなどヒステリシス損の増加を極力抑え
ることが肝要である。さらに機械的歪みの導入にあたっ
ては、歪みの大きさを小さくするとともに、線状歪みの
間隔を従来法の適正値より少なくとも2倍に広げる必要
がある。
【0014】磁区細分化処理を適用するエッチング後の
板厚を30μm以上とした理由を図2を用いて説明す
る。図2において△、▲印は従来の薄い薄帯をアニール
後エッチングしたものに最適条件でレーザ照射を行い、
鉄損W13/50 の変化を示している。図から照射前(△)
と照射後(▲)の鉄損の改善はわずかであることが分
る。一方、本発明のエッチング後の板厚が30μm以上
の材料においては照射による鉄損の改善効果が著しいこ
とが分る。鉄損改善効果は、エッチング後の板厚が30
μm未満であっても、従来の薄い薄帯をエッチングした
ものに比べると大きく(図示せず)、鉄損W13/50
0.08W/kgより小さい値を示すが、除去板厚が大
きいため経済性に問題がある。よって磁区細分化処理を
施こす板厚を30μm以上に限定した。
【0015】本発明が対象とする非晶質合金はFe基非
晶質合金である。具体的には、Feを主成分とし、B、
Si、Cを副成分とする非晶質合金である。ここでFe
は高い飽和磁束密度を得るために必須の元素であり、副
成分は非晶質を形成するために不可欠な元素である。各
構成元素の好ましい組成範囲は、Fe:75〜82(原
子%、以下同じ)、B:7〜16、Si:4〜18、
C:0〜4である。この基本組成に、飽和磁束密度、透
磁率、熱的安定性、耐食性、皮膜形成特性などの実用的
特性を向上させるために合計で20原子%以下のCoあ
るいはNiを、あるいは5原子%以下のMo、Cr、M
n、Nb、W、Ta、V、Snを添加できる。
【0016】次に本発明の実施態様についてさらに説明
を加える。本発明で用いる多重スリットノズルは図3に
示すようなスリット状開口部を2以上有するノズルであ
る。この多重スリットノズルを使用しない場合は、鉄心
材料に要求される所要特性を満足する厚肉非晶質合金は
得られない。よって本発明において採用する製造方法は
多重スリットノズル法に限定する。また初期の板厚を4
5μm以上に規定した理由は、45μm未満では表面粗
さの影響がエッチング後も残り、ヒステリシス損の減少
量が小さいため、目的とする1.3Tにおけるヒステリ
シス損(0.04W/kg以下)が達成されず、その結
果として、磁区細分化処理を施しても鉄損W13/50
0.08W/kg以下に低減しないためである。
【0017】本発明のエッチングはケミカルな手法、例
えば、5vol.%のフッ化水素を含有する過酸化水素
液を用いることができる。アニールは、不活性ガス雰囲
気中で、非晶質合金の結晶化温度がTxのとき、Tx〜
Tx−180℃の温度で、5〜120分間行う。
【0018】
【実施例】
実施例1 組成Fe80.5Si6.5 121(原子%)の合金を、Cu
製のロールを用いる単ロール急冷法によって板厚53μ
m幅25mmの非晶質合金薄帯を作製した。薄帯製造に
おいてノズルは0.4mm幅のスリット状開口部3個を
間隔1mmに配設したものを用いた。ただしロール周速
は24m/sとした。この非晶質合金薄帯を380℃で
60分、N2ガス雰囲気中で磁界中アニールした後、エ
ッチングにより板厚を表裏両面からあわせて10μm除
去した。ここで用いたエッチング液はフッ化水素5vo
l.%の過酸化水素液である。表面層を除去した薄帯の
ヒステリシス損を求めたところ0.020W/kgであ
った。なおヒステリシス損は単板試験器を用いて測定し
た鉄損の周波数依存性から求めた。この薄帯にYAGパ
ルスレーザを照射した。照射条件は、ビーム直径0.1
mmのYAGパルスレーザをパワー0.1W、薄帯の幅
方向にスポットの間隔が250μm、点列の間隔が5m
mとなるように、ビームを走査した。単板試験器で測定
した鉄損W13 /50 は0.053W/kgであった。この
鉄損値はエッチングをしない同一板厚33μmのFe基
非晶質合金にレーザ照射して得られる鉄損値0.098
W/kgに比べてすぐれた値である。
【0019】実施例2 実施例1と同一組成、同一方法で鋳造された同一寸法の
非晶質合金薄帯を、380℃で60分、N2 ガス雰囲気
中で磁界中アニールした後、レーザ照射した。照射は、
ビーム直径0.1mmのYAGパルスレーザをスポット
径が100μmとなる条件で、薄帯の幅方向にスポット
の間隔が250μm、点列の間隔が5mmとなるように
ビームを走査した。レーザ照射の後、この薄帯をケミカ
ルエッチングにより板厚を表裏両面からあわせて2μm
除去した。なお、エッチング液はフッ化水素5vol.
%の過酸化水素液である。この薄帯の鉄損を単板試験器
により測定したところ、W13/50 は0.065W/kg
であった。この鉄損値はエッチングをしない場合の鉄損
0.104W/kgに比べてすぐれた値である。
【0020】実施例3 実施例1と同一組成、ロール周速を20m/sとした以
外は実施例1と同一方法で鋳造された板厚65μm、幅
25mmの非晶質合金薄帯に、YAGパルスレーザを照
射した。照射は、スポット径が150μmとなる条件
で、薄帯の幅方向にスポットの間隔が300μm、点列
の間隔が8mmとなるようにビームを走査した。レーザ
照射後、薄帯を380℃、60分、N2 ガス中で磁界中
アニールし、さらに表裏両面から合わせて5μmエッチ
ングした。エッチング液は実施例1および2と同一であ
る。この薄帯の鉄損を単板試験器で測定したところ、W
13/5 0 は0.058W/kgであった。この鉄損値はエ
ッチングをしない場合の鉄損値0.116W/kgに比
べてすぐれた値である。
【0021】実施例4 実施例1と同一組成、0.4mm幅のスリットを4枚1
mm間隔で配列したノズルを用い、ロール周速を18m
/sとした以外は実施例1と同一方法で鋳造された板厚
82μm、幅25mmの非晶質合金薄帯を400℃、6
0分、N2 ガス中で磁界中アニールした後、エッチング
により薄帯の表裏両面からあわせて板厚10μmを除去
した。この薄帯に深さ2μm、幅50μmで、間隔が1
0mmの溝を薄帯幅方向に平行な方向に形成した。単板
試験器で測定した鉄損W13/50 は0.073W/kgで
あった。この鉄損値はエッチングをしない同一板厚72
μmのFe基非晶質合金薄帯に溝を形成して得られる鉄
損値0.125W/kgに比べてすぐれた値である。
【0022】実施例5 実施例4と同一組成、同一方法で鋳造された板厚82μ
m、幅25μmの非晶質合金薄帯を400℃、60分、
2 ガス中で磁界中アニールした後、エッチングにより
薄帯の表裏両面からあわせて板厚10μmを除去した。
この薄帯に、先端の径が30μmの金属針を用いて薄帯
表面をけがき、薄帯の幅方向に平行な間隔10mmの線
状歪みを導入した。歪み導入後に単板試験器で測定した
13/50 は0.078W/kgであった。この鉄損値は
エッチングをしない同一板厚72μmのFe基非晶質合
金薄帯に線状歪を導入したときの鉄損0.132W/k
gに比べてすぐれた値である。
【0023】
【発明の効果】本発明が提供するFe基非晶質合金は、
従来のFe基非晶質合金に比べて鉄損の改善が著しい。
したがって、この合金を電力トランス、高周波トランス
の鉄心、磁気回路のヨークに用いるとき、損失の低減、
すなわち効率の改善効果が顕著に表れる。また磁気セン
サとして用いるとき感度の向上が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】多重スリットノズル法で作製した62μmの非
晶質Fe80.5Si6.5 121 合金薄帯をエッチングに
より板厚を除去していくときの鉄損の変化(●)、ヒス
テリシス損の変化(○)を示す。なお比較のために板厚
30μmの同一組成の薄帯についても同様に調べた。▲
は鉄損、△はヒステリシス損を示す。
【図2】エッチング後の非晶質合金薄帯にレーザ照射し
たときの鉄損改善効果の板厚依存性を示す図である。
【図3】板厚45μm以上の厚肉非晶質合金薄帯を作製
するために用いるノズルの構造を示す図である。
【図4】レーザ照射効果の板厚依存性を示す図である。
【符号の説明】
a 2重スリットノズル b 3重スリットノズル l, l1 ,l2 スリットの間隔 W1 ,W2 ,W3 スリットの幅 → 冷却基板の移動方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−225804(JP,A) 特開 昭60−250605(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/153

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重スリットノズルを用いて製造された
    45μm以上の板厚を有するFe基非晶質合金薄帯にお
    いて、該非晶質合金薄帯の表面層の、少なくとも0.5
    μmの厚さを、表裏両面それぞれから除去することによ
    り、最大磁束密度1.3Tにおけるヒステリシス損を
    0.04W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特
    性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 薄帯表面層の除去をケミカルエッチング
    で行うことを特徴とする請求項1記載の軟磁気特性のす
    ぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1および2記載の方法で作製され
    た軟磁気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法で作製された板厚が
    30μm以上のFe基非晶質合金薄帯に磁区細分化処理
    を行うことにより、50Hz、1.3Tにおける鉄損を
    0.08W/kg以下にすることを特徴とする軟磁気特
    性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 磁区細分化の方法がパルスレーザ照射に
    よることを特徴とする請求項4記載の軟磁気特性のすぐ
    れたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  6. 【請求項6】 磁区細分化の方法が薄帯の幅方向に平行
    な溝の形成によることを特徴とする請求項4記載の軟磁
    気特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  7. 【請求項7】 磁区細分化の方法が機械的歪みの導入に
    よることを特徴とする請求項4記載の軟磁気特性のすぐ
    れたFe基非晶質合金薄帯の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の方法で作製された軟磁気
    特性のすぐれたFe基非晶質合金薄帯。
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