JP5656114B2 - 超急冷Fe基軟磁性合金薄帯および磁心 - Google Patents
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したがって、この渦電流損失を低減し、更に鉄損を低減するため、以下に述べるような種々の磁区細分化手法による鉄損低減が試みられている。
しかしながら、これらのレーザ照射法を、電磁鋼板よりも板厚が一桁程薄い、板厚が20μm〜50μm程度のFe基アモルファス合金やFe基ナノ結晶合金等の超急冷Fe基合金薄帯に適用した場合、単位重量当たりの処理量は著しく小さくなり生産性が悪いという課題がある。
前記凹部が点列状であることは好ましい。
図1に本発明に係る薄帯の自由凝固面の表面の形態の模式図、図2に本発明に係る薄帯の波目模様状の欠陥部を含む自由凝固面の表面の表面粗さプロファイルの一例を示す。また、図3にレーザ光照射により本発明に係る薄帯の表面に形成されたレーザ照射部のスポットおよびスポット断面の形態の一例を示す。
また、前記波目模様状の形状的欠陥の長手方向に対する間隔L1が1mm以上5mm以下、薄帯の厚さTが15μm以上35μm以下、形状的欠陥の凹部と凸部の差tと厚さの比t/Tが0.02以上0.2以下の範囲にある場合、低い鉄損が得られるため好ましい。
熱処理の平均昇温速度は0.1℃/minから1000℃/minが好ましく、より好ましくは1℃/min以上10℃/min以下であり、低保磁力を得ることができる。熱処理は1段処理でなく、多段処理、複数回処理を行っても良い。さらに、合金に直接電流を流して、ジュール熱によって熱処理を施す、高周波励磁し発熱させて熱処理を施すこともできる。また、応力下で熱処理し、誘導磁気異方性を付与しB−Hループ形状を制御することも可能である。
本発明による超急冷Fe基軟磁性合金薄帯や磁心は、高周波の用途として特にパルス状電流が流れるような応用品に最も性能を発揮するが、センサや低周波の磁性部品の用途にも使用可能である。特に、磁気飽和が問題となる用途において優れた特性を発揮可能で、高エネルギー密度のパワーエレクトロニクスや電力関連の用途に特に適している。
(実施例1)
原子パーセントでSi3.7%、B14.3%、残部Feおよび不可避不純物からなる合金溶湯を単ロール法により超急冷して、幅170mm、平均板厚24.3μmの薄帯を作製した。作製した薄帯はX線回折を行ないアモルファス状態にあることを確認した。ロールは水冷されたCu-Cr-Zr合金製であり、製造時のノズルとロール間のギャップは180μmとした。超急冷法により作製されたFe基アモルファス合金薄帯の自由面側には波目模様状の形状的欠陥が形成していたが、一部波目模様状の欠陥が形成していない部分が存在していた。薄帯の平均板厚をT、幅方向における薄帯幅に対する波目模様状の欠陥が形成している部分の割合G、波目模様状の欠陥の長手方向に対する間隔L1を表1に示す。また、図2に示す凹部と凸部の差tおよびt/Tを表1に示す。波目模様状の欠陥が形成している部分の割合Gは、図1に示すような波目模様状の欠陥が連続している部分の総和の薄帯幅に対する割合で定義される。
本発明の超急冷Fe基軟磁性合金薄帯は、励磁電力S13/50をほとんど増加させずに、鉄損を低減することができるためその効果は著しいものがある。
表2に示す組成の1250℃〜1350℃の合金溶湯を、スリット状のセラミックス製のノズルから周速20〜35m/sで回転するCu-Cr−Zr合金製の水冷冷却ロール上に噴出し、幅30 mmのFe基アモルファス合金薄帯を作製した。ノズル先端部のスリットは、幅30mm、スリット間隔0.5〜0.7mm、ノズル先端とロール間のギャップは150〜300μmとした。作製した薄帯のX線回折を行った結果、アモルファス特有のハローパターンを示しており、作製した合金はアモルファス状態にあることが確認された。また、作製したアモルファス合金薄帯の自由面表面には波目模様状の形状的欠陥が形成されていた。薄帯の平均板厚をT、幅方向における薄帯幅に対する波目模様状の欠陥が形成している部分の割合G、波目模様状の欠陥の長手方向に対する間隔L1を表2に示す。また、図2に示す凹部と凸部の差tおよびt/Tを表2に示す。
本発明の超急冷Fe基軟磁性合金薄帯は、励磁電力S13/50をほとんど増加させずに、鉄損を低減することができるためその効果は著しいものがある。
表3に示す組成の1250℃〜1350℃の合金溶湯を、スリット状のセラミックス製のノズルから周速20〜35m/sで回転するCu-Cr−Zr合金製の水冷冷却ロール上に噴出し、幅30mmのFe基アモルファス合金薄帯を作製した。ノズル先端部のスリットは、幅30mm、スリット間隔0.5〜0.7mm、ノズル先端とロール間のギャップは150〜300μmとした。作製した合金薄帯のX線回折を行った結果、アモルファス特有のハローパターンを示しており、作製した合金はアモルファス状態にあることが確認された。また、作製したアモルファス合金薄帯の自由面表面には波目模様状の形状的欠陥が形成されていた。薄帯の平均板厚をT、幅方向における薄帯幅に対する波目模様状の欠陥が形成している部分の割合G、波目模様状の欠陥の長手方向に対する間隔L1を表3に示す。また、図2に示す凹部と凸部の差tおよびt/Tを表3に示す。
本発明超急冷Fe基軟磁性合金薄帯は、励磁電力S15.5/50をほとんど増加させずに、鉄損を低減することができるためその効果は著しいものがある。
Claims (5)
- 超急冷凝固法により製造した幅20mm以上の広幅のFe基軟磁性合金薄帯であって、前記Fe基軟磁性合金薄帯の自由凝固面側の長手方向に対してほぼ一定間隔で、薄帯表面に薄帯幅方向に向かって波目模様状の形状的欠陥が形成されており、同時に前記薄帯の全幅に対して前記波目模様状の形状的欠陥が形成されていない部分が存在し、前記波目模様状の形状的欠陥が形成されていない部分には、前記薄帯表面の薄帯幅方向にレーザ光照射による凹部が形成されていることを特徴とする超急冷Fe基軟磁性合金薄帯。
- 前記波目模様状の形状的欠陥が前記薄帯の全幅に対して50%以上、95%以下形成していることを特徴とする請求項1に記載の超急冷Fe基軟磁性合金薄帯。
- 前記凹部が点列状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超急冷Fe基軟磁性合金薄帯。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の超急冷Fe基軟磁性合金薄帯を積層又は巻き回してなることを特徴とする磁心。
- 請求項4に記載の磁心において、前記超急冷Fe基軟磁性合金薄帯が、磁路方向の磁界中で熱処理されていることを特徴とする磁心。
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