JPH04362004A - 塩素の工業的製造方法 - Google Patents

塩素の工業的製造方法

Info

Publication number
JPH04362004A
JPH04362004A JP3134781A JP13478191A JPH04362004A JP H04362004 A JPH04362004 A JP H04362004A JP 3134781 A JP3134781 A JP 3134781A JP 13478191 A JP13478191 A JP 13478191A JP H04362004 A JPH04362004 A JP H04362004A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
chlorine
tower
hydrogen chloride
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3134781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2726770B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Ito
洋之 伊藤
Yoshitsugu Jinno
神野 嘉嗣
Satoshi Tsuruta
鶴田 智
Shinji Takenaka
竹中 慎司
Teruo Hirayama
平山 照夫
Isao Kikuchi
菊地 功
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP3134781A priority Critical patent/JP2726770B2/ja
Priority to EP92305102A priority patent/EP0518553B1/en
Priority to DE69213342T priority patent/DE69213342T2/de
Priority to KR1019920009828A priority patent/KR950011825B1/ko
Publication of JPH04362004A publication Critical patent/JPH04362004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2726770B2 publication Critical patent/JP2726770B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化水素ガスを含酸素
ガスで酸化し塩素を製造する方法、より詳細には、各種
含塩素化合物の反応工程で排出される塩化水素ガスを含
酸素ガスで酸化し塩素を製造する工業的製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】塩素は食塩電解により大規模に製造され
ており、塩素の需要は、年々増大するにもかかわらず、
食塩電解の際に同時に生成する苛性ソーダの需要は、塩
素のそれよりも少ないために、各々の不均衡をうまく調
整するのは、困難な状況が生じている。
【0003】一方、有機化合物の塩素化反応、またはホ
スゲン化反応の際に、大量の塩化水素が副生し、その量
は市場の需要量より大巾に多いために、未利用のままで
無駄に廃棄されている。また廃棄のための処理コストが
大きい。
【0004】塩化水素を酸化して塩素を製造する反応は
、古くからDeacon反応として知られている。18
68年、ディーコン(Deacon)の発明による銅系
の触媒が、従来最も優れた活性を示す触媒とされ、塩化
銅と塩化カリに第三成分として、種々の化合物を添加し
たいわゆるディーコン触媒が多数提案されている。しか
しながら、これらの触媒で工業的に行なうには、少なく
とも400℃以上の高温が必要であり、又触媒寿命の問
題があった。
【0005】また、これらディーコン触媒以外に、酸化
クロムを触媒として用いる提案も種々なされているが、
充分な活性を示すものはなかった。例えば、米国特許第
  676,667号は、CrO3をアルミナに担持し
、焼成または水素還元して、三価のクロミア触媒にして
用いる方法を開示しているが、低い転化率しか示されて
いない。更に、英国特許第846,832号では、前記
米国特許のように、六価クロムを三価クロミアにした酸
化クロム触媒は、初期転化率は高いが、活性低下が著し
く大きいので、その改良法として、高い転化率を維持す
るため、原料塩化水素にクロミルクロライドを混入して
、反応させる方法も提案されている。しかし、このよう
に酸化クロムを触媒として用いても、新たな反応試薬を
加えない限り、反応温度も高く、空間速度も低いために
、工業的な操作に耐えうるものは見当らなかった。
【0006】しかし、発明者らは、先に酸化クロムを主
成分とする触媒を使用して、塩素を高い収率で得る工業
的製造方法を提案した(特開昭62−275001、特
開昭62−191403、特開昭62−270404、
特開昭63−45102、特開昭63−11502、特
開昭63−107801)。この発明により、塩化水素
を酸化して塩素を製造する技術が工業化できるものとな
った。
【0007】このうち特開昭62−275001では、
生成ガス中の塩素を圧縮・冷却・液化による液体塩素と
して塩素を取り出し、残ガスの一部または全部を、反応
に使用する酸素源として反応工程へ戻すことを行ってい
る。本反応においては、過剰に酸素が必要であるが、未
反応酸素はすべて残ガスに含まれることになり、この酸
素の有効な再利用のために、反応工程へ残ガスを戻すこ
とが重要である。
【0008】しかし、この残ガスには、塩素液化条件に
よるが、塩素が5〜20%含まれる。この残ガスを、反
応工程に戻す際には、反応器入口で原料ガス中に塩素が
含まれることになる。この塩化水素を、酸素で酸化する
反応は、平衡反応なので、原料中に塩素が含まれる、と
いうことは供給する塩化水素の転化率を、低下させるこ
とになる。もし残ガス中の塩素がほとんどなければ、塩
化水素の転化率は、数%向上させることができ、その経
済性は大幅に向上する。
【0009】ガス中の塩素の除去・回収に関する従来技
術は、ハロゲン化炭化水素、おもに四塩化炭素によるガ
スからの塩素の吸収と吸収液からの、塩素の蒸発分離が
一般的に行われている。たとえば米国特許4,394,
367、ザ・  ケミカルエンジニア(The.  C
hem.  Eng.  ,  1963年、CE  
229頁)や特開平01−212202にその記載があ
る。しかし、四塩化炭素は有害な有機溶剤であり、環境
問題上もその使用に問題がある。
【0010】また、塩素吸収後の残ガスに四塩化炭素が
残った場合には、前出の反応工程に四塩化炭素が入り、
その四塩化炭素の50%ほどは塩素等に分解されるが一
部は四塩化炭素の形で、反応工程から反応生成ガスとと
もに、次の工程に流れ、最終的には排水などへ混入しさ
らに環境汚染を引き起こすことになる。よって四塩化炭
素を使用することは好ましくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】発明者らの前出の塩素
の工業的製造方法においては残ガス中に塩素を含むので
、残ガスを反応工程に戻すことにより原料塩化水素の転
化率を平衡転化率に比較し低下させている。また塩素の
回収に四塩化炭素などの有害な溶剤を使用せざるをえな
い。
【0012】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、先に塩素
を圧力スイング吸着法によりガス中から塩素を分離・濃
縮する方法を提案した(特願平2−75500)。この
方法により、操作条件を適切に選択するならば、塩素を
含むガスより塩素を回収・濃縮し、その残ガス中の塩素
を実用上ゼロにすることができ、しかも四塩化炭素など
の溶剤をまったく使用しない。
【0013】この発明を前記の塩素の工業的製造方法に
利用するならば、塩化水素の転化率の大幅な向上の可能
性があるので検討を行った。その結果、従来法に比較し
て塩化水素転化率の数%の向上が認められ、本発明を完
成するに至った。
【0014】すなわち、塩化水素を含むガスを原料ガス
とし、これを酸化させて塩素を製造する方法において、
■原料ガス中に含まれる塩化水素1モルに対して、0.
25モル以上の酸素を用い、反応温度300〜500℃
で酸化クロム触媒の存在下、塩化水素の酸化反応を行い
、■主として塩素、水、未反応塩化水素、酸素、および
揮散・飛散クロムを含有する生成ガスを急冷、水洗して
該クロムを水溶液として回収した後、■生成ガスをさら
に水洗浄し、未反応塩化水素を水に吸収させて塩化水素
水溶液として回収し、■生成ガスをさらに硫酸で洗浄、
脱水し、■吸着剤を充填した圧力スイング吸着装置に該
生成ガスを導入して塩素を吸着して回収し、未吸着の残
ガスの一部または全部を循環ガスとして前記工程■の酸
化工程へ戻し、■圧力スイング吸着装置に吸着された塩
素に富むガスを吸着圧力より減圧して回収する、ことを
特徴とする塩素の工業的製造方法を完成した。
【0015】次に本発明による好ましい製法を一つの例
として、第1図のフローシートを参考に詳しく説明する
【0016】塩化水素(1)中の有機化合物は極力除去
するのが好ましく、また生成ガス中には通常炭酸ガス等
の無機性ガスが含有されているが、そのまま反応器(6
)へ入っても特に問題はない。従って塩化水素(1)は
活性炭充填塔に通じ微量の有機化合物を活性炭吸着によ
って除去した後に、反応器(6)へ入る。
【0017】本発明に用いる酸化クロム触媒は、主成分
がクロミア(Cr2O3)  であり、沈澱法または浸
漬法で調整することができる。
【0018】本発明において、反応器(6)の圧力は0
.1〜5kg/cm2Gの範囲、好ましくは3〜4kg
/cm2Gである。また反応温度は300〜500℃、
好ましくは350〜450℃である。反応温度が高い程
塩化水素の転化速度は速くなるが、それに伴い触媒から
蒸気状で揮散したクロミルクロライド量が大きくなる。 塩化水素と酸素との反応は次式(化1)反応式に示され
る。
【0019】
【化1】 4HCl  +  O2  →    2Cl2  +
  2H2O
【0020】反応式に示される通り、塩化
水素4モルに対し、酸素1モルが理論当量である。使用
する酸化クロム触媒は反応時、常に酸化雰囲気下にして
おく必要があるので、反応器(6)に入る混合ガス流路
(5)での塩化水素と酸素の比率は、塩化水素1モルに
対し、酸素0.25モル以上でなければならず、0.2
5〜10モルの範囲が好ましい。更に好ましくは0.3
〜2モルの範囲になるように酸素流路(4)および循環
ガス流路(35)の流量を調整する。
【0021】反応器(6)を出た生成ガスは水、塩素、
未反応塩化水素、酸素及び触媒成分から由来する揮散・
飛散クロムや微量の無機性ガスを含む約300〜500
℃の高温ガスである。生成ガスは次にクロム回収塔(8
)に入り、急冷、水洗される。このクロム回収塔(8)
にて揮散・飛散クロム化合物を塩酸水としてガスより分
離するが、3〜4kg/cm2G付近の運転圧力では9
0〜130℃で操作する。
【0022】揮散・飛散クロムを除去した生成ガスを、
塩酸ガス吸収塔(9)に導入する。この吸収塔(9)は
20〜100℃、望ましくは60℃以下の水を循環し、
生成ガスを水にて急速に冷却する。反応で生成した生成
ガス中の水の大部分を凝縮し、また生成ガス中のほとん
どの塩化水素ガスが分離する。
【0023】生成ガスは塩素、微量の水、塩化水素およ
び無機性ガスを含み水洗後の生成ガス流路(20)を経
て、硫酸洗浄塔(21)へ導入する。硫酸洗浄塔(21
)は20〜80℃、好ましくは60℃以下の硫酸を硫酸
ポンプ(23)にて循環しており、生成ガスは硫酸と接
触し生成ガス中の残存水分を完全に硫酸に吸収する。 硫酸循環系(24)の硫酸濃度を適度に保つように硫酸
補給口(22)の硫酸と希硫酸抜出口(26)の希硫酸
の流量を調節する。硫酸は冷却器(25)にて冷却し、
所定温度に調節する。
【0024】硫酸洗浄塔(21)を出た生成ガスは(2
7)を経て、圧縮機(28)で圧縮し、その後(29)
を経て冷却器(30)で冷却する。
【0025】生成ガス(31)を圧力スイング吸着装置
の吸着塔(32a,32b,32c)のいずれか1台)
に導入する。吸着塔(32a,32b,32c)には後
に述べる塩素とそれ以外のガスとを分離するに最適な吸
着剤を充填しており、この吸着剤に塩素が吸着し生成ガ
ス(31)より塩素を実際上無視できる程度に除去し、
生成ガス(34)を得る。生成ガス(34)は酸素濃度
が高いので原料の塩化水素の酸化に再使用するため、循
環ガス流路(35)を経て原料塩化水素、及び酸素の混
合ガスに混入する。その際、継続運転中に原料塩化水素
、及び酸素に含まれる無機性ガスが逐次増加してくるた
め、常時その一部を廃ガス(36)として系外へ放出す
る。
【0026】吸着塔(32a,32b,32c)の吸着
操作時の圧力は3〜15kg/cm2G、好ましくは3
〜10kg/cm2Gがよい。操作温度は0〜150℃
まで取ることができるが、通常は大気温度で操作する方
が経済的であり特に問題ない。
【0027】吸着塔(32a,32b,32c)に充填
する吸着剤としては合成および天然ゼオライト、非ゼオ
ライト系多孔質酸性酸化物や活性炭および分子ふるいカ
ーボンのような炭素質吸着剤が使用できる。たとえばゼ
オライトとしてはA型、X型、Y型、L型、ZSM型、
天然モルデナイトなどが挙げられるが、好ましくはX型
、Y型、L型、ZSM型である。活性炭は果実殻系・木
材系・石炭系・石油系などが吸着剤として使用できるが
、この中でも分子ふるいカーボン、ヤシ殻活性炭が好ま
しい。
【0028】これらの吸着剤は酸素、窒素、二酸化炭素
、一酸化炭素、アルゴンなどの無機性ガスに比較し塩素
に対して強い親和性を有しているので、これらの吸着剤
を充填した吸着塔に塩素を含有するガスを導入すると塩
素が他のガスより優先的に吸着され、吸着塔のガス出側
では塩素濃度の低いガスが得られ、最適な操作条件を選
択するならば吸着塔のガス出側では塩素はほとんど検出
されない。
【0029】仮に吸着塔として(32a)を使用してい
るとすると、吸着塔(32a)への塩素の吸着が進み飽
和状態に近づいたところでガス(31)の導入を吸着塔
(32a)より吸着塔(32b)に切り換える。吸着塔
(32a)の操作圧力を降下させ、吸着している塩素お
よびその他のガスを脱着させる。この時の操作圧力は吸
着時の圧力以下とし、必要に応じては真空ポンプ(37
)により大気圧以下にすることも有効であり、脱着時の
好ましい操作圧力は10〜400torrである。脱着
圧力は低い方が脱着により得られる塩素に富んだガス(
33)の塩素純度は高いが、使用する真空ポンプ(37
)が過大になりすぎるので、経済的理由により操作圧力
は決定される。また操作温度は任意であるが、基本的に
は吸着時の温度と同じとする方が経済的である。
【0030】この脱着操作により導入ガスよりも塩素濃
度の高いガスを得ることができるとともに、塩素を吸着
した吸着塔(32a)を脱塩素することで再生すること
ができるので、再び次の吸着操作に使用できる。
【0031】吸着塔はたとえば(32b)が吸着操作に
ある時には、(32a)は脱着操作にあり、(32c)
は脱着再生を完了して待機状態であり、(32b)が塩
素により飽和直前となった時に(32b)より(32c
)に切り換える。このような動きを順次行いながら吸着
塔(32a,32b,32c)は常に塩素の吸着と脱着
再生を行う。
【0032】吸着塔は塩素が破過する前に上記の切り換
え操作を行うならば、ガス(34)には実際上塩素はゼ
ロとすることができる。このガスを流路(35)から反
応器(6)  へ戻すことにより前記したように塩化水
素の転化率を数%向上させることができる。
【0033】脱着により得られる塩素に富んだガス(3
3)は操作条件により塩素純度40〜90%であるので
、このまま塩素として利用するかまたは通常の液化操作
を行い塩素精製として利用することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例で本発明を詳しく説明する。 実施例1 圧力3kg/cm2G、温度25℃の塩化水素ガス(1
)39.4kg/h(1.10kgモル、塩化水素:9
3.70wt%,  酸素:1.33wt%,窒素:2
.02wt%,  一酸化炭素:2.88wt%,オル
ソジクロルベンゼン:0.04wt%)をヤシガラを乾
留した活性炭(4×6mmの粒状)充填塔(2)に通し
て、塩化水素ガス中の有機化合物を除去した。酸素ガス
(4)10.4kg/h(0.33kg  mol、酸
素:99.6wt%,  窒素:0.4wt%)、含酸
素循環ガス10.7kg/h(0.31kg  mol
、塩化水素:トレース、酸素:63.1wt%,  水
分:トレース、塩素:トレース、窒素:9.0wt%、
炭酸ガス:27.9wt%)  を加えて(原料塩化水
素1モルに酸素0.54モルの割合)、加熱器に送入し
、加熱蒸気で200℃に加熱し流動床反応器(6)に送
入した。
【0035】反応器内に装着している触媒の製造は別途
に次のように行なった。即ち、硝酸クロム9水塩3.0
kgを脱イオン水30リットルに溶解させ、よく撹拌し
ながら28%のアンモニア水29kgを30分間を要し
て滴下注入した。生じた沈澱スラリーをデカンテーショ
ンで洗浄後、焼成後の全重量の10%にあたるコロイダ
ルシリカを加えた。この混合スラリーをスプレードライ
ヤーで乾燥して得られた粒状粉末を、空気雰囲気中60
0℃で3時間焼成し、平均粒径50〜60μの触媒を得
た。以上の操作を繰返して合計39.5kgの触媒を得
た。
【0036】流動床反応器(6)は直径約0.3m、高
さ約3m、Ni内張り製の円筒状反応器であり、この中
に前述の触媒39.5kgを装着した。
【0037】原料の塩化水素ガスと酸素ガスおよび含酸
素循環ガスを、触媒の存在下410℃で酸化反応を行っ
た。酸化による生成ガス(塩化水素:12.7wt%,
  酸素:17.3wt%,  水:11.8wt%,
  塩素:47.3wt%,  窒素:3.0wt%,
  炭酸ガス:7.8wt%)は60.4kg/h(1
.5kgmol)の流量にてクロム回収塔(8)へ送入
した。クロム回収塔(8)は上部に塩酸ガス吸収塔(9
)を併せもち、内部に充填物を有する直径約0.3m、
高さ約6mの塔である。下部のクロム回収塔はクロム回
収の塔で、該回収塔の上部より散水し、塔底より水を抜
き、その水は常時循環しており、循環水は50℃に冷却
器で調節した。
【0038】生成ガス中の塩化水素、及び触媒の主成分
のクロムが揮散飛散したものは水で水洗し、それぞれ水
溶液となるが循環使用のため、クロム濃度を一定水溶液
として取り出すため、循環系内に常時一定量の水を補給
し、連続的に約0.15重量%クロム水溶液の取出しを
行った。クロム分を溶解した塩酸水溶液はその後、アル
カリで中和し回収した。
【0039】クロム回収塔の充填物上に設けられている
ミストセパレーターを出た生成ガスは上部の塩酸ガス吸
収塔(9)に送入した。該吸収塔内には1インチのラッ
シリングを充填し、上部より25℃の水を40.0kg
/hの流量で送入して向流式に洗浄を行った。洗浄後の
33℃の水は、冷却器で15℃に冷却し、循環洗浄した
。循環洗浄中は、循環ポンプ出口より33℃の洗浄水(
塩酸水溶液)約10kg/h(  塩化水素:30.2
wt%,  水分:69.4wt%,  塩素:0.4
wt%)の流量で抜出した。不足する水は塩酸ガス吸収
塔(9)へ追加した。
【0040】塩酸ガス吸収塔(9)で水洗され、ガス中
の塩化水素ガスが僅かとなった生成ガスを硫酸洗浄塔(
21)に送入した。硫酸洗浄塔(21)は内部に充填物
を有し、PVCライニングの上部、下部の2段に分かれ
た直径約0.3m、高さ約7mの塔である。上段の洗浄
塔上部には、15℃の、90〜95%硫酸を送入し、向
流式に生成ガスを洗浄し、ガス中の脱水を行った。ガス
洗浄後の塔底の硫酸は、一部は抜き出し冷却器にて15
℃に冷却し、循環ポンプで硫酸洗浄塔の洗浄に循環使用
した。この循環系には硫酸濃度を90〜95%に保つた
め98%硫酸約2.0kg/hを常時補給した。上段の
硫酸洗浄塔底に流下した硫酸の残部は、下段の硫酸洗浄
塔上部に流下し、更に生成ガスの向流洗浄、脱水を行っ
た。
【0041】下段の硫酸洗浄塔底に流下した硫酸は、抜
き出され冷却器で、15℃に調節して70%硫酸として
循環ポンプで下段硫酸洗浄塔上部へ送液、循環して生成
ガスの洗浄、脱水を行った。この循環系の循環ポンプ出
口からは約70〜90%硫酸を硫酸洗浄塔底の液面が一
定となるように抜き出した。硫酸洗浄塔を出た約20℃
の生成ガス(塩化水素:トレース、酸素:23.0wt
%,水:トレース,  塩素:62.6wt%,  窒
素:3.9wt%,  炭酸ガス:10.4wt%)は
45.7kg/h(0.9kg  mol)の流量で圧
縮機(28)に送入圧縮し、3kg/cm2Gより7k
g/cm2Gとし25℃に冷却した。
【0042】直径約0.3m、高さ約2mの吸着塔3台
(32a,32b,32c)に合成Y型ゼオライト(東
洋シーシーアイ株より購入)各90kgを充填し、前も
って真空下に窒素を通気して乾燥を行った。この吸着塔
の内1台(32a)  に前記圧縮ガスを10分間通気
した。この間吸着塔(32a)の塔頂から得られるガス
(34)には塩素はほとんど検出されなかった。10分
間通気したのちに次の吸着塔(32b)に切り換え、吸
着塔(32a)を真空ポンプ(37)で20torrま
で減圧し、10分間排気した。この時得られたガス(3
3)の塩素濃度は90.1wt%であった。10分間排
気したのちに吸着塔(32a)は再び圧縮ガスを吸着す
べく待機状態とした。この吸着操作を32a,  32
b,  32cの順に順次実行して連続的に圧縮ガスを
処理しガス(33)およびガス(34)を得た。ガス(
33)の流量は31.7kg/h、ガス(34)の流量
は13.9kg/hであった。
【0043】ガス(34)は主に酸素からなり、その他
に無機性ガスを含んでいるが、この内10.7kg/h
を循環ガス流路(35)を経て反応器入口ガスに混合し
、塩化水素の酸化に再利用した。また、一部の残ガス(
36)は約4kg/hの流量で除害塔で水洗後、大気へ
廃棄した。原料塩酸ガス(1)に対する生成ガス(33
)に含まれる塩素の収率79%であった。
【0044】比較例1 圧力3kg/cm2G、温度25℃の塩化水素ガス(1
)42.6kg/h(1.19kgモル、塩化水素:9
3.70wt%,  酸素:1.33wt%,窒素:2
.02wt%,  一酸化炭素:2.88wt%,  
オルソジクロルベンゼン:0.04wt%)をヤシガラ
を乾留した活性炭(4×6mmの粒状)充填塔(2)に
通して、塩化水素ガス中の有機化合物を除去した。酸素
ガス(4)11.2kg/h(0.35kg  mol
、酸素:99.6wt%,  窒素:0.4wt%)、
含酸素循環ガス15.8kg/h(0.39kg  m
ol、塩化水素:トレース、酸素:46.0wt%, 
 水分:  トレース、塩素:32wt%,  窒素:
8.7wt%、炭酸ガス:13.3wt%)を加えて(
  原料塩化水素1モルに酸素0.54モルの割合)、
加熱器に送入し、加熱蒸気で200℃に加熱し流動床反
応器(6)に送入した。
【0045】反応器内に装着している触媒の製造は実施
例1と同様の方法で製造した。流動床反応器(6)は実
施例1と同じ機器であり、この中に前述の触媒42.7
kgを装着した。原料の塩化水素ガスと酸素ガスおよび
含酸素循環ガスを、触媒の存在下410℃で酸化反応を
行った。酸化による生成ガス(塩化水素:13.6wt
%,  酸素:16.6wt%,  水:10.7wt
%,  塩素:49.9wt%,  窒素:3.3wt
%,  炭酸ガス:5.7wt%)は69.6kg/h
(1.7kgmol)の流量にてクロム回収塔(8)へ
送入した。 クロム回収塔(8)は実施例1と同じ機器であり、実施
例1と同様の操作をした。
【0046】クロム回収塔の充填物上に設けられている
ミストセパレーターを出た生成ガスは上部の実施例1と
同じ塩酸ガス吸収塔(9)に送入し、実施例1と同様の
操作をした。すなわち25℃の水を40.0kg/hの
流量で送入して向流式に洗浄を行い、洗浄後の水は、冷
却器で15℃に冷却し、循環洗浄した。循環洗浄中は、
循環ポンプ出口よりの洗浄水(塩酸水溶液)  約10
kg/h(塩化水素:29.3wt%,  水分:70
.3wt%,  塩素:0.4wt%)の流量で抜出し
た。不足する水は塩酸ガス吸収塔(9)へ追加した。
【0047】塩酸ガス吸収塔(9)で水洗され、ガス中
の塩化水素ガスが僅かとなった生成ガスを実施例1と同
じ硫酸洗浄塔(21)に送入し、実施例1と同様の操作
をした。すなわち上段の洗浄塔上部には、15℃の、9
0〜95%硫酸を送入し、向流式に生成ガスを洗浄し、
ガス中の脱水を行った。ガス洗浄後の塔底の硫酸は、一
部は抜き出し冷却器にて15℃に冷却し、循環ポンプで
硫酸洗浄塔の洗浄に循環使用した。この循環系には硫酸
濃度を90〜95%に保つため98%硫酸約2.0kg
/hを常時補給した。上段の硫酸洗浄塔底に流下した硫
酸の残部は、下段の硫酸洗浄塔上部に流下し、更に生成
ガスの向流洗浄、脱水を行った。下段の硫酸洗浄塔底に
流下した硫酸は、抜き出され冷却器で、15℃に調節し
て70%硫酸として循環ポンプで下段硫酸洗浄塔上部へ
送液、循環して生成ガスの洗浄、脱水を行った。この循
環系の循環ポンプ出口からは約70〜90%硫酸を硫酸
洗浄塔底の液面が一定となるように抜き出した。
【0048】硫酸洗浄塔を出た約20℃の生成ガス(塩
化水素:トレース、酸素:22.0wt%,  水:ト
レース,  塩素:67.0wt%,  窒素:4.3
wt%,  炭酸ガス:7.6wt%)は52.8kg
/h(1.0kg  mol)の流量で圧縮機(28)
に送入圧縮し、3kg/cm2Gより7kg/cm2G
とし25℃に冷却した。25℃に冷却された圧縮生成ガ
スを蒸留塔(38)に送入した。蒸留塔は内径約0.1
5m、高さ約6mの塔で、その内部には充填物を有し、
上部には冷凍機により冷却する冷却器(39)が設けら
れてあり、蒸留塔(38)中段に送入された圧縮生成ガ
スは、上部の冷却器で冷却され、約−25℃で生成ガス
中の塩素は液化、凝縮され、塔内充填物間を流下し塔底
に至る。その間、液化塩素は精製され、液化塩素中の不
純物は酸素などの残ガスと共に塔頂へ排出され、塔底の
液化塩素を液体塩素(40)として分離した。この液体
塩素(40)は純度99.0wt%で26.7kg/h
(  0.4kg  mol)の流量にて得ることがで
きた。
【0049】また、ガス(34)は主に酸素からなり、
その他に無機性ガスを含んでいるが、この内15.8k
g/hを循環ガス流路(35)を経て反応器入口ガスに
混合し、塩化水素の酸化に再利用した。また、一部の残
ガス(36)は約9kg/hの流量で除害塔で水洗後、
大気へ廃棄した。
【0050】原料塩酸ガス(1)に対する生成ガス(3
4)と液体塩素(40)に含まれる塩素の合計の収率は
76%であった。比較例1の反応および生成ガスの脱水
までの操作条件は実施例1と同一であるが、塩素収率は
比較例1が3%程度低い。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によると、含塩化水素ガス
を酸化することにより、塩素を製造する方法において、
圧力スイング吸着装置を用い、循環ガス中の塩素分を実
質上ゼロにすることにより、酸化反応の平衡転化率が上
昇し、塩素の収率アップとなり、工業的にきわめて重要
な塩素の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する場合の好ましいフローシ
ートの一例を説明するための図である。
【図2】比較例を説明するための図である。
【符号の説明】
1:塩化水素              2:活性炭
充填塔          3:塩化水素流路 4:酸素流路              5:混合ガ
ス流路          6:反応器 7:生成ガス流路          8:クロム回収
塔          9:塩酸ガス吸収塔 10:ポンプ              11:クロ
ム水溶液循環系  12:冷却器 13:水補給口            14:塩酸水
溶液抜出口    15:ポンプ 16:塩酸水溶液循環系    17:冷却器    
          18:水補給口 19:塩酸水溶液抜出口    20:水洗後の生成ガ
ス    21:硫酸洗浄塔 22:硫酸補給口          23:硫酸ポン
プ          24:硫酸循環系 25:冷却器              26:希硫
酸抜出口        27:脱水生成ガス流 路 28:圧縮機              29:圧縮
ガス流路        30:冷却器 31:圧縮、冷却ガス流路  32a,  b,  c
:吸着塔        33:塩素ガ ス 34:残ガス流路          35:循環ガス
流路        36:残ガス流路 37:真空ポンプ          38:蒸留塔 
             39:凝縮器 40:液化塩素

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  塩化水素を含むガスを原料ガスとし、
    これを酸化させて塩素を製造する方法において、■原料
    ガス中に含まれる塩化水素1モルに対して、0.25モ
    ル以上の酸素を用い、反応温度  300〜500℃で
    酸化クロム触媒の存在下、塩化水素の酸化反応を行い、
    ■主として塩素、水、未反応塩化水素、酸素、および揮
    散・飛散クロムを含有する生成ガスを急冷、水洗して該
    クロムを水溶液として回収した後、■生成ガスをさらに
    水洗浄し、未反応塩化水素を水に吸収させて塩化水素水
    溶液として回収し、■生成ガスをさらに硫酸で洗浄、脱
    水し、■吸着剤を充填した圧力スイング吸着装置に該生
    成ガスを導入して塩素を吸着して回収し、未吸着の残ガ
    スの一部または全部を循環ガスとして前記工程■の酸化
    工程へ戻し、■圧力スイング吸着装置に吸着された塩素
    に富むガスを吸着圧力より減圧して回収する、ことを特
    徴とする塩素の工業的製造方法。
  2. 【請求項2】  圧力スイング吸着装置に充填した吸着
    剤がゼオライト、活性炭、非ゼオライト系多孔質酸性酸
    化物または分子ふるいカーボンである請求項1記載の方
    法。
JP3134781A 1991-06-06 1991-06-06 塩素の工業的製造方法 Expired - Lifetime JP2726770B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3134781A JP2726770B2 (ja) 1991-06-06 1991-06-06 塩素の工業的製造方法
EP92305102A EP0518553B1 (en) 1991-06-06 1992-06-03 Method and apparatus for industrially preparing chlorine
DE69213342T DE69213342T2 (de) 1991-06-06 1992-06-03 Verfahren und Apparat zur industriellen Herstellung von Chlor
KR1019920009828A KR950011825B1 (ko) 1991-06-06 1992-06-05 염소의 공업적 제조방법 및 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3134781A JP2726770B2 (ja) 1991-06-06 1991-06-06 塩素の工業的製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04362004A true JPH04362004A (ja) 1992-12-15
JP2726770B2 JP2726770B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=15136407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3134781A Expired - Lifetime JP2726770B2 (ja) 1991-06-06 1991-06-06 塩素の工業的製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2726770B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524569A (ja) * 2006-01-27 2009-07-02 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 塩素の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524569A (ja) * 2006-01-27 2009-07-02 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 塩素の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2726770B2 (ja) 1998-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0233773B1 (en) Production of chlorine
JP5158719B2 (ja) (クロロ)炭化水素とホスゲンとを含む塩化水素ガス流から(クロロ)炭化水素を含まない塩化水素とホスゲンを含まない(クロロ)炭化水素とを回収する方法
US5488185A (en) Process for the production of ethanol and isopropanol
JP4921489B2 (ja) 塩素の製造方法
JP5537415B2 (ja) 塩化水素含有ガスストリームから有機成分を取り除くための凝縮−吸着方法
CA2186206A1 (en) Process for working up reaction gases during the oxidation of hci to chlorine
JP4758722B2 (ja) 塩化水素ガスの精製方法
KR20090129476A (ko) 염산 기체 유동으로부터 무기 성분을 제거하기 위한 흡착 방법
JP4011139B2 (ja) 塩素含有供給ガスからの高純度の塩素の分離方法
JP6067353B2 (ja) イソシアネートの製造方法
KR950011825B1 (ko) 염소의 공업적 제조방법 및 장치
JP2726771B2 (ja) 塩素の工業的製造方法
JPH053405B2 (ja)
EP1024136B1 (en) A process for producing dimethyl sulphoxide
JP2726770B2 (ja) 塩素の工業的製造方法
JP3512205B2 (ja) 塩素の製造方法
EP0648728A1 (en) Process for the production of ethanol and isopropanol
JPH0617203B2 (ja) 塩素の製造方法
JPS5829926B2 (ja) 塩化水素の回収法
JP3258394B2 (ja) 亜酸化窒素の製造方法
US20020159945A1 (en) Process for the separation of hydrogen halides by adsorption
CN111991978A (zh) 一种氟化氢气体的除水装置及方法
JP2024504583A (ja) ヨウ素(i2)から水を除去するための方法
HU202160B (en) Process for separating chlorine from gas mixtures
KR910005984B1 (ko) 염소의 제거방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 14