JPH04361503A - 超電導導体の接続方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

［発明の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は超電導導体の接続方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】超電導導体には長さの製造限界があるた
め、大型の超電導コイルを作る場合には超電導導体を接
続する必要がある。この場合、接続部におけるジュール
発熱、摩擦発熱、渦電流損などの発熱量が大きいと超電
導状態が崩壊（クエンチ）する原因となるため、特に大
電流、高磁界の超電導コイルにおいては接続部の電気抵
抗が小さく、強固で、かつ冷却特性に優れた接続部の構
造、接続方法が臨まれる。

【０００３】従来、超電導導体の接続方法として超音波
接合による方法が提案されている。図４は超音波接合に
よる複数本のＮｏＴｉ超電導線の一括接続方法を示した
模式図（縦断面図）である。超音波接合は、安定化銅（
２）とＮｂＴｉフィラメント（３）とからなる超電導線
（１）の一束を横押え板（４）の間に挟み、縦押え板（
５）を介して矢印（６）の方向から加圧し、超音波によ
る振動を与えて施工される。この場合、大面積の接合は
容易でないため、超音波接合部は超電導線の長手方向に
数ケ所設けられる。なお、超電導線（１）の表面には素
線絶縁が施されているが、接合効率を高めるために接合
部ではこの素線絶縁は除去されている。

【０００４】図５及び図６は、このような超音波接合の
手段で構成された従来の超電導コイルのバンドル型導体
の接続部の構造を模式的に示したもので、図５はその縦
断面図、図６は図５中ＶＩ−ＶＩ矢視断面図である。図
において、（７）は、コンジット（８）内に多数の超電
導線（１）を収納して構成されるバンドル型導体、（９
）は超音波接合領域、（１０）は非接合領域、（１１）
はＦＲＰ固定板、（１２）はカバーである。

【０００５】バンドル型導体の接続では、一般に、接続
しようとする超電導線を数十本程度の単位でグループ分
けし、グループ毎に一括して超音波接合される。このよ
うにして接合した超電導線を再び寄せ集め、ＦＲＰ固定
板（１１）を挿入し、最後にカバー（１２）をコンジッ
ト（８）に溶接して接続部が組み立てられている。この
ような従来の接続方法、接続部の構成における問題点は
次の通りである。

【０００６】（ａ）超音波接合では図４に示すように、
超電導線の接合面に接触面を与えるための荷重を加える
必要があるが、多数の超電導線を一括して接合するとブ
リッジ効果のために加えた荷重がより内部に位置する超
電導線にまで効率良く伝達されず、接合が不十分となる
。逆に荷重を大きくすると、図６に示したように周辺の
超電導線がかなり変形し、超電導線の劣化が生じ易い。

【０００７】（ｂ）バンドル型導体ではコンジット（８
）により超電導線（１）にコンパクションがかけられて
いるために超電導導体の通常の部分では超電導線が動く
ことはないが、接続部ではコンジットが除去されるため
超電導線が動き易くなる。超電導線が動くと摩擦熱や渦
電流損が発生し、超電導コイルがクエンチする恐れがあ
る。従来構成では、ＦＲＰ固定板（１１）で超電導線を
固定しているが、構成材料の線膨張係数の相違などの問
題があり、固定は十分にできない。 （ｃ）超音波接合部の間の非接合部（１０）において渦
電流対策がなされていないため、外部変動磁場がある場
合には接合部に余分な渦電流損が発生する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の超電導コイルの導体接続部の構造、導体接続の方法
では超電導線の劣化の問題、超電導線の動きや渦電流損
などによる熱的な問題があるため、従来の方法、構造を
更に大電流、高磁場、変動磁場の超電導コイルへ適用す
るには限界がある。

【０００９】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
、超電導線の劣化を低減し、かつ、接続部の熱的な問題
を解決した高信頼の導体接続方法を提供することを目的
とする。 ［発明の構成］

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明では接続しようとする超電導線の間に直径が異
なる超電導細線、あるいは超電導線の安定化材と同種の
材料からなる部材を混入し、あるいはさらに超電導線に
は互いによりを入れ、あるいはさらに接合しようとする
一束の超電導線の周囲に安定化材と同種の部材を配して
超音波接合を行い、あるいはさらに接続部をハンダで固
めて導体接続部を構成する。

【００１１】

【作用】本発明においては、接続しようとする超電導線
の安定化材と同種の材料からなり、かつ、この超電導線
と直径が異なる部材、あるいは超電導細線を接続しよう
とする一束の超電導線の間に混入して超音波接合するた
め、複数本の超電導線間で生じるブリッジ効果が緩和さ
れる。また、接続しようとする一束の超電導線の外側に
部材を配して周辺に位置する超電導線の接合時における
過剰変形を緩和するから、超音波接合時の圧縮力による
超電導線の劣化を防止することができる。また、導体接
続部では超電導線によりを入れるため、外部変動磁場に
対する渦電流損をかなり低減することができる。更に、
導体接続部はハンダで固めるため導体接続部の超電導線
の動きが拘束できるばかりでなく、導体接続部の成型、
固定が容易であるから接続部の剛性を高めることができ
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面（図１，
図２，図３）を参照して説明する。図１は本実施例によ
るバンドル型導体の導体接続部の超音波接合前のセッテ
ィングを示す縦断面図、図２は本実施例による導体接続
部を模式的に示した縦断面図、図３は図２中のＩＩＩ−
ＩＩＩ矢視図であり、超音波接合状態を示したものであ
る。図において、（２０）は銅製薄板、（２１）は超電
導細線、（２２）はハンダである。超電導細線（２１）
は接続しようとする超電導線（１）と直径が異なる超電
導線である。

【００１３】バンドル型導体は一般に数百本の超電導線
から構成されるが、前記したようにこの導体の接続は、
数十本ずつの一括接続の作業を繰り返して施工される。 図１はこのような作業における超音波接合前の１接続単
位の例を示したものであるが、本実施例では、接続しよ
うとする超電導線（１）の一束に超電導細線（２１）を
混入し、よりを入れ、更にこの周囲を銅製薄板（２０）
で包んで超音波接合する。このようにして接続された束
を寄せ集め、接合部をハンダで含浸し、成型してカバー
（１２）で導体接続部を固定する。

【００１４】このような構成において、接続しようとす
る一束の超電導線の間にこの超電導線と直径が異なる超
電導細線（２１）が混入されているため超電導線間で生
じるブリッジ効果が解消され、したがって超音波接合時
の圧縮荷重の伝達は滑らかである。このため超音波接合
に必要な面圧を得るための圧縮荷重を低減することがで
き、超電導線の断面変形を小さくすることができ、した
がって超電導線の劣化を低減することができる。

【００１５】前記したように、超音波接合は複数本の超
電導線を束ねて一括して施工されるが、この場合、束の
周辺に位置する超電導線は応力自由縁の存在のため、束
の内部に位置する超電導線よりも変形し易いが、銅製薄
板（２０）は超音波接合時に近傍の超電導線間に流れ込
むため、周辺に位置する超電導線の過剰な変形をかなり
低減できる。また、接合部では超電導線が互いによられ
ているため、外部変動磁場による渦電流損を低減するこ
とができる。更に、導体接続部はハンダ（２２）により
含浸されているから、超電導線が動き、その摩擦熱によ
って超電導コイルがクエンチすることはない。

【００１６】なお、本発明では、接続部に混入する部材
として超電導細線の代りに銅製のパイプでも良く、この
場合には、パイプの内側に冷媒を通せるから導体接続部
の冷却特性を向上させることができる。また、超電導線
の外側に配する銅製薄板の代りに機械加工などで作られ
た銅製の当て板、あるいは銅棒であっても良く、その効
果は同様である。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明においては接
続しようとする超電導線の安定化材と同種の材料からな
る部材あるいは超電導細線を混入してよりを入れ、一束
の超電導線の外側に部材を配して超音波接合を行い、ハ
ンダを流し込んで超電導コイルの導体接続部を構成した
ため、超電導線の劣化が小さく、かつ熱的な問題が生じ
ない高信頼の超電導導体接続部を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の超電導導体接続のセッティン
グを示す横断面図。

【図２】上記実施例の導体接続部の縦断面図。

【図３】図２中ＩＩＩ−ＩＩＩ矢視図。

【図４】従来の超音波接合方法を示す横断面図。

【図５】従来の超電導コイルの導体接続部の縦断面図。

【図６】図５中ＶＩ−ＶＩ矢視図である。

【符号の説明】

１…超電導線　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　２…安定化銅３…ＮｂＴｉフィラメント　　
　　　　　　　　　　４…横押え板５…縦押え板　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　６…加圧
方向を示す矢印 ７…バンドル型導体　　　　　　　　　　　　　　　　
　　８…コンジット９…超音波接合領域　　　　　　　
　　　　　　　　　　　１０…非接合領域 １１…ＦＲＰ固定板　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１２…カバー２０…銅製薄板　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　２１…超電導細線 ２２…ハンダ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　接続される超電導導体を構成する超電
   導線の安定化材と同種の材料からなる部材あるいは超電
   導細線を混入し超音波接合によっておこなうことを特徴
   とする超電導導体の接続方法。
2. 【請求項２】　　超電導線の安定化材と同種の材料から
   なる部材を、接続する一束の超電導線の外側に配置する
   ことを特徴とする請求項１記載の超電導導体の接続方法
   。
3. 【請求項３】　　超電導導体の軸方向に分散して複数ケ
   所施工される超音波接合部の間において、接続しようと
   する対の超電導線をよって接続することを特徴とする請
   求項１記載の超電導導体の接続方法。
4. 【請求項４】　　接続部あるいは周辺をハンダで固める
   ことを特徴とする請求項１記載の超電導導体の接続方法
   。