JPH04357935A - 磁気共鳴診断装置および画像データ処理方法 - Google Patents

磁気共鳴診断装置および画像データ処理方法

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JPH04357935A
JPH04357935A JP3134023A JP13402391A JPH04357935A JP H04357935 A JPH04357935 A JP H04357935A JP 3134023 A JP3134023 A JP 3134023A JP 13402391 A JP13402391 A JP 13402391A JP H04357935 A JPH04357935 A JP H04357935A
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magnetic field
slice
frequency magnetic
waveform
signal
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Junichi Taguchi
順一 田口
Koichi Sano
佐野 耕一
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴診断装置におい
て、高周波磁場波形の改良に係わり、特に通常の2倍の
スライス枚数を撮影する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)エイチ・ピー・ハフネル  、マ
グネティク  レゾナンス  イン  メディスン、1
3巻、(1990)279頁      ( H.P.
Hafner , Magnetic Resonan
ce in Medicine Vol.13 (19
90) p.279 )(2)ジイ・エイチ・グロウヴ
ァア  、「ポンプ  イメージング  :  ア  
ニュウ  ハイ  エフィシェンシイ  テクニック」
  、  ソサイアティ  オブ  マグネティック 
 レゾナンス  イン  メディスン  、第7回大会
予稿集、第1巻、(1988)241頁       
 ( G.H.Glover , ” POMP im
aging : A new high effici
encytechnique ” , Society
 of Magnetic Resonance in
 Medicine , Sevence Annua
lMeeting and Exhibition V
ol.1 (1988) p.241 ) (3)エイ  エイ  モウズリイ  、  ジャーナ
ル  オブ  マグネティック  レゾナンス  、 
 41巻  (1980)112頁        (
 A.A. Maudsly, Journalof 
Magnetic Resonance Vol.41
 , (1980) p.112 )上記従来技術(1
)(2)(3)は、図5で示すQD信号発生機能を持つ
高周波磁場発生装置のある磁気共鳴診断装置で実現する
。上記従来技術(3)にQD信号を発生する高周波磁場
発生装置の構成が記述されている。QD信号を発生する
ため、高周波の基準周波数信号を0度、90度、180
度、270度の4つの位相を持つ基準周波数信号に分離
し、おのおの独立して振幅変調し、再度合成する。0度
と180度の位相を持つ基準周波数信号はREALに、
90度と270度の位相を持つ基準周波数信号はIMA
Gに対応させる。REALとIMAGを独立に振幅変調
することにより、複数のスライスを任意の重みづけで同
時に励起することができる。
【0003】上記従来技術(1)に2倍スライス撮影の
原理およびシミュレーション結果が記されている。計測
した2種類の信号デーダから2つの分離したスライス画
像を得る2倍スライス撮影の場合、2つのスライスを同
時に励起する。励起後、2つのスライスから発生する信
号の絶対値をS1、S2とする。一回目の計測では、S
1+S2となるようにREALとIMAGに対応する基
準周波数信号を振幅変調する。二回目の計測では、S1
−S2となるようにする。(A+B)/2でS1が、(
A−B)/2でS2が得られる。ただし、本説明では、
上記従来技術(1)の文献に載っている記号と異る記号
の定義をした。
【0004】上記従来技術(2)は、一般にN倍スライ
ス撮影を行う方法について記載している。スライスを分
離する計算が画像再構成の演算であるフーリエ変換と同
様になるような工夫を行っている。しかし、N=2の場
合は、上記従来記述(1)で述べられた2倍スライス撮
影と数学的に全く同等になる。
【0005】上記従来技術(3)はラインスキャンとい
う撮影方法で具体的な応用を行っている。スピンエコー
法をうまく利用して、1つのスライス上の複数のライン
をアダマール行列の重みで同時に励起する。発生する信
号を計測し、その後の処理によって各ラインを分離する
。ラインスキャン撮影で具体的応用を行ったものである
が、2倍スライス撮影にも上記従来技術(3)の考え方
を適用することができる。すなわち、今日知られる撮影
法を用い、ライン数を2とし、ラインをスライスに置き
換えるて考えてみると、2倍スライス撮影をすることが
できる。
【0006】なお、2倍スライス撮影やN倍スライス撮
影などを行う効果は、上記従来技術(2)(3)にも記
載されているように、複数のスライスを同時に励起して
観測したほうが、別々に励起して観測するよりも効率が
良いことにある。即ち、同じ測定時間、同じスライス枚
数を測定する場合には、同時に励起して観測する方が別
々に観測するよりも最終的な画像のS/Nが良くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術(1)(
2)(3)は、図3で示す高周波磁場の発生装置をもつ
磁気共鳴診断装置では実現できない。
【0008】本発明の目的は、図3で示す高周波磁場発
生装置をもつ磁気共鳴診断装置で2倍スライス撮影を実
現する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】COS成分を中心とした
フーリエ成分を持つ高周波磁場とSIN成分を中心とし
たフーリエ成分を持つ高周波磁場を発生させ、スライス
の同時励起、および計測を行う。
【0010】
【作用】撮影するスライスの片方の信号の絶対値をS1
、もう片方の信号の絶対値をS2とする。COS成分を
中心としたフーリエ成分を持つ高周波磁場は、S1+S
2なる信号Aを作る。SIN成分を中心としたフーリエ
成分を持つ高周波磁場はi・S1−i・S2なる信号B
を作る。(A−i・B)/2で片方のスライスの信号S
1が求まり、(A+i・B)でもう片方の信号S2が求
まる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を(1)節から(11)
節に分けて記述する。(1)節では磁気共鳴診断装置の
全体的な装置構成を述べ、(2)節で本発明に特に係り
のある高周波磁場発生装置の典型的なタイプと装置構成
、(3)節で各タイプの高周波磁場発生装置の関係、(
4)節で本発明で利用する高周波磁場発生装置のタイプ
について説明する。(5)節で本発明の実施例を説明す
るための準備として磁化の性質の一般的な説明を行い、
(6)節で本発明の概要を説明し、以下(7)節で操作
を説明し、(8)(9)節で部分の詳しい説明を行い、
(10)(11)節で拡張や変更を行った実施例につい
て述べる。
【0012】(1)磁気共鳴診断装置の構成に関する一
般的な説明 図2に本発明を実施する磁気共鳴診断装置の構成図を示
す。
【0013】静磁場発生装置202が作る磁場により、
検査対象201に磁化が発生する。検査対象201に発
生した磁化の密度分布などをあらわす断層像を撮影する
ために必要な諸操作はシーケンス制御装置206によっ
て行われる。
【0014】シーケンス制御装置206は、傾斜磁場発
生装置203、高周波磁場発生装置204、受信装置2
05、処理装置207を制御する。
【0015】傾斜磁場発生装置203は場所によって強
度が線形に変化する傾斜磁場を発生する。装置の性能の
許す範囲内で任意の時刻に任意の強度の傾斜磁場を発生
する事ができる。検査対象201に発生した磁化に位置
情報を与えるなどの働きがある。
【0016】高周波磁場発生装置204は、高周波磁場
を発生する。検査対象201に発生した磁化に、電磁気
的な摂動を与える。共鳴条件を満足する磁化にエネルギ
ーを与え、電磁波を出す状態にするなどの働きがある。
【0017】受信装置205は、検査対象201の磁化
が励起状態にある時に発生する電磁波を受信し、処理装
置207に測定データを渡す。
【0018】処理装置207では測定データを保存した
り、画像化など数々の処理や画像データの保存などを行
う。必要に応じて画像データなどを表示装置208に渡
す。 (2)高周波磁場発生装置204の典型的なタイプおよ
びその構成。
【0019】高周波磁場発生装置は、数々のタイプがあ
る。図3から図6に代表例を示した。
【0020】図3で示す高周波磁場発生装置は最も簡単
な構成を持つタイプのもので、高周波の基準周波数信号
発生装置303を1つだけ持つ。高周波の基準周波数信
号に振幅変調を加えて帯域を持った高周波信号を作り、
コイル305で照射して、高周波磁場を発生する。振幅
変調を行うための振幅変調波形は波形テーブル301に
格納する。シーケンス制御装置206は波形テーブル3
01を参照して振幅変調波形のデジタル信号を高周波磁
場発生装置204に送る。D/A302は振幅変調波形
のデジタル信号をアナログ信号に変換する。波形テーブ
ル301にもとづいた振幅変調波形のアナログ信号と高
周波の基準周波数信号を、ミクサー304で積算する。 積算により、波形テーブル301の振幅変調を受けた高
周波の信号ができる。コイル305で照射して、高周波
磁場を発生する。
【0021】図4で示す高周波磁場発生装置は高周波の
基準周波数信号発生装置303の位相を自由にコントロ
ールする位相シフタ401を加えたものである。図3で
示した高周波磁場発生装置の機能に、高周波磁場の位相
を自由に制御するしくみが加わったものである。
【0022】図5はQD信号発生機能を持つ高周波磁場
発生装置の構成図である。QD信号を発生するため、1
つの基準周波数発生装置303を4つの基準周波数信号
に分離し、それぞれ0度、90度、180度、270度
の位相を持たす。位相は、90度位相シフタ601、1
80度位相シフタ602、270度位相シフタ603で
つけられる。各位相の基準周波数信号は、各々独立して
、ミクサー304で波形テーブル301に基づいた振幅
変調を受ける。4つの位相の基準周波数信号がそれぞれ
独立して振幅変調を受け、再度合成される。0度と18
0度がREALに、90度と270度がIMAGの信号
に対応したQD信号が発生する。コイル304で照射す
る。REALとIMAGが独立した振幅変調を持ったQ
Dの高周波磁場ができる。
【0023】図6は、図5の高周波磁場発生装置と同等
な機能を持つQD信号発生機能を持つ高周波磁場発生装
置の構成図である。90°位相シフトした基準周波数信
号と180°位相シフトした基準周波数信号とは振幅の
符号が違うだけであり、どちらか一方があれば十分であ
る。0°と180°についても同様にどちらか一方があ
れば良い。従って図6のように、0°と90°だけで同
一の機能が実現できる。
【0024】(3)各タイプの高周波磁場発生装置の関
係 上記図3から図6の高周波磁場発生装置は、以下のよう
な上位互換性がある。図4の位相シフト機能を持つ高周
波磁場発生装置は、位相シフタ401を用いなければ、
図3の高周波磁場発生装置となる。図5のQD信号発生
機能を持つ高周波磁場発生装置は、各位相の基準周波数
信号に加える振幅変調波形を同一にし、各々の強度を適
当に調節すれば、位相シフタ401と同等の機能が実現
でき、図4の位相シフト機能を持つ高周波磁場発生装置
の代わりができる。図6の高周波磁場発生装置は、(2
)節で述べたように、図5の高周波磁場発生装置と同等
の機能である。以上より、図4は図3の高周波磁場発生
装置として用いる事ができ、図5と図6は、図4や図3
の高周波磁場発生装置として用いる事ができる。
【0025】(4)本発明で利用する高周波磁場発生装
置204のタイプ 本発明は、図3で示す高周波磁場発生装置でも2倍スラ
イス撮影ができる手法を提供するものである。従って本
発明では、図3で示す高周波磁場発生装置を利用するこ
とを想定しているが、上記(3)節で示したことからわ
かるように、図4、図5、図6で示す高周波磁場発生装
置でも利用することができる。また、図3から図6で示
した以外の高周波磁場発生装置でも図3で示した高周波
磁場発生装置と同等な機能を実現できれば、本発明で利
用することができる。なお、図3から図6で示した高周
波磁場発生装置は、コイル305がシングルコイルの場
合を図示しているが、直交した2つのコイルを用いるQ
Dコイルの場合でも同様に本発明で利用することができ
る。
【0026】(5)磁化の性質と高周波磁場による磁化
の励起(一般的説明と表記等の定義) 静磁場によって検査対象201に生じた磁化は、高周波
磁場の電磁気的な摂動によって共鳴励起し、電磁波を出
す状態になる性質がある。磁気共鳴診断装置では、磁化
の上記性質が画像化を行う上で重要である。本発明の2
倍スライス撮影においても、上記性質と特徴を利用して
いる。以下、本実施例の説明を容易にするため、磁化の
性質を説明し、図7を参考にして、高周波磁場で磁化が
励起する様子と、ここで用いる表記等の定義の説明を行
う。
【0027】(5−1)磁場と磁化 磁化は静磁場と傾斜磁場を加えた外部磁場の強度に比例
した固有の回転振動数を持つ。回転軸は外部磁場の方向
である。静磁場と傾斜磁場は同方向なので、回転軸は静
磁場の方向701となる。静磁場は場所によらず均一な
磁場であるが、傾斜磁場は、位置に応じて強度が線形に
変化する。従って、外部磁場に比例した回転振動数を持
つ磁化は、傾斜磁場によって、位置に応じた回転振動数
を持つようになる。
【0028】(5−2)スライス選択励起高周波磁場印
加前の磁化704は、回転軸である静磁場の方向701
を向いている。磁化の振動数が高周波磁場の振動数帯域
に含まれる場合、高周波磁場を印加すると、磁化は共鳴
して方向を変える。磁化の振動数が高周波磁場の帯域に
含まれない場合、磁化は共鳴せず方向を変えない。傾斜
磁場がある場合、磁化の振動数が位置によって変化する
ので、高周波磁場の振動数帯域に対応した位置にある磁
化のみが選択されて励起する。ちょうどスライス状に励
起するのでスライス選択励起という。励起するスライス
の位置や形状などは、傾斜磁場と高周波磁場の振動数帯
域の様子によって決まる。特に、スライスを選択する形
状を決める元となるものは高周波磁場のフーリエ成分そ
のものであるということができる。
【0029】(5−3)磁化の励起の様子と表記磁化が
共鳴して方向を変えた場合、高周波磁場印加後の磁化7
05は、静磁場と直交した面への射影成分706を持つ
。静磁場と直交した面への射影成分706は電磁波を出
す強度と位相を決定する。静磁場と直交した面内を表現
するためREAL軸702とIMAG軸703を用意す
る。REAL軸への射影成分707とIMAG軸への射
影成分708ができる。また、REAL軸702と磁化
の静磁場と直交した面への射影成分706のなす角度を
磁化の位相ということにする。REAL軸702とIM
AG軸703の決め方は任意であるが、ここでは、回転
座標系を用いる。回転座標系の回転数は静磁場による磁
化の回転振動数とし、REAL軸702の方向は、傾斜
磁場が無いときに高周波磁場によって磁化が共鳴した場
合を基準にして、その時の磁化の静磁場と直行した面へ
の射影成分の向く方向がREAL軸702とする。
【0030】なお、磁化が共鳴後に励起状態となって出
す電磁波の強度は、静磁場と直行した面への射影成分7
06の絶対値に比例する。また、電磁場の位相は、磁化
の位相、すなわち、静磁場と直行した面への射影成分7
06とREAL軸702のなす角度で決まる。
【0031】(5−4)スライスプロファイル高周波磁
場がスライスを選択的に励起する様子を表現するため、
スライスプロファイルを導入する。傾斜磁場方向に一列
に均一に磁化を並べる。各位置での磁化の大きさが1で
あるとする。傾斜磁場と高周波磁場を印加し、さらに、
強度を反転した傾斜磁場を高周波磁場の印加時間の半分
の時間だけ印加する。位置によって共鳴して方向を変え
る磁化と共鳴せず方向を変えない磁化などが現れる。各
位値で、磁化の静磁場と直行した面への射影成分706
を求める。これをスライスプロファイルという。均一な
物体があった場合の各位値での電磁波の出方を表したも
のになっている。実験で求めることもできるが、シミュ
レーションで求めることもできる。なお、スライスプロ
ファイルは一次元の軸上に複素数がのったものである。 静磁場と直行した面への射影成分706がREAL軸7
02とIMAG軸703に成分を持つからである。しか
し、一次元の軸上に複素数を表現するのは難しいため、
絶対値と位相にわけて表現することもある。
【0032】(6)本発明の概要 磁気共鳴診断装置は核磁気共鳴現象を利用し、磁気共鳴
した部分の磁化が励起状態になって発生する電磁波を測
定し、演算処理によって磁化の密度分布像などを得るも
のである。本発明の2倍スライス撮影は、2つのスライ
スを同時に励起し、励起の仕方の異なる2種類の信号デ
ータから演算して、2つの分離したスライス画像を得る
ものである。本発明の要点は、2つのスライスを同時に
励起し、しかも2種類の異なった励起のさせかたをどの
ように行うかということにある。以下、図1にもとずき
概要を説明する。
【0033】(6−1)COS波とSIN波図1に、高
周波磁場波形101に基ずく振幅変調を行った高周波磁
場を印加した場合に得られるスライスプロファイル10
2を示す。スライスプロファイル102は高周波磁場の
フーリエ成分、すなわち、高周波磁場波形101のフー
リエ成分と密接に関連する。COS成分を中心としたフ
ーリエ成分を持つ高周波磁場波形101をCOS波形1
03と呼び、SIN成分を中心としたフーリエ成分を持
つ高周波磁場波形101をSIN波形105と呼ぶ事に
する。COS波形103で振幅変調を受けた高周波磁場
は、COS成分のフーリエ成分を持ち、SIN波形10
5で振幅変調を受けた高周波磁場は、SIN成分のフー
リエ成分を持つ。それぞれの高周波磁場を印加して得ら
れるスライスプロファイル102を、COS波のプロフ
ァイル104及びSIN波のプロファイル106と呼ぶ
事にする。本発明では、COS波形103とSIN波形
105を作ったことが大きな特徴となっており、両波形
の高周波磁場を印加したときのスライスプロファイルの
違いが2倍スライス撮影を可能にする。
【0034】(6−2)原理(1次元)本発明の2倍ス
ライス撮影の原理が分かることを目的として、スライス
方向の一次元方向のみに着目して説明する。
【0035】はじめに記号の定義をする。
【0036】zをスライス方向の座標、ρ(z)を撮影
する物体の磁化の密度、PC(z)をCOS波のスライ
スプロファイル、PS(z)をSIN波のスライスプロ
ファイル、S1を2倍スライス撮影する物体の一方のス
ライスから発生する信号の絶対値、S2をもう一方のス
ライスから発生する信号の絶対値とする。
【0037】COS波形103で振幅変調した高周波磁
場は、2つのスライス部分を同時にREAL方向に励起
する。従って、得られる信号データaは、以下の式で表
される。
【0038】     a=∫dz〔PC(z)・ρ(z)〕    
  =S1+S2                 
                 …(数1)ただし
積分範囲は−∞から∞。
【0039】SIN波形105で振幅変調した高周波磁
場は、2つのスライス部分を同時にそれぞれ極性を逆に
してIMAG方向に励起する。従って信号データbは、
以下の式で表される。
【0040】     b=∫dz〔PS(z)・ρ(z)〕    
  =i・S1−i・S2             
             …(数2)ただし積分範囲
は−∞から∞。
【0041】数1、数2から、以下の式が導かれる。
【0042】     S1=(a−i・b)/2         
               …(数3)ただしiは
虚数単位。
【0043】     S2=(a+i・b)/2         
               …(数4)以上により
1次元の場合ではあるが、同時に2つのスライスを励起
して観測した2種類の信号データから、演算により、そ
れぞれのスライスの信号データが得られることを示した
【0044】つぎに、3次元の場合についての説明を用
意にするために、上に示した内容をスライスプロファイ
ルを中心として整理する。
【0045】数3を数1と数2を使って書き直すと、 
   S1=∫dz〔PC(z)・ρ(z)〕    
      −i・∫dz〔PS(z)・ρ(z)〕 
       =∫dz〔{PC(z)−i・PS(z
)}・ρ(z)〕        =∫dz〔P1(z
)・ρ(z)〕                  
  …(数5)ただし積分範囲は−∞から∞。
【0046】ここでP1(z)は、演算により分離した
一方のスライスのプロファイルである。
【0047】数5は、PC(z)とPS(z)のスライ
スプロファイルで測定した信号データをもとに、演算に
より、あたかもP1(z)なるスライスプロファイルで
測定したかのような信号データが得られることを示して
いる。
【0048】数4を同様に数1と数2を使って書き直す
と、     S2=∫dz〔PC(z)・ρ(z)〕   
       +i・∫dz〔PS(z)・ρ(z)〕
        =∫dz〔{PC(z)+i・PS(
z)}・ρ(z)〕        =∫dz〔P2(
z)・ρ(z)〕                 
   …(数6)ただし積分範囲は−∞から∞。
【0049】ここでP2(z)は、演算により分離した
もう一方のスライスのプロファイルである。
【0050】同様に、数6は、PC(z)とPS(z)
のスライスプロファイルで測定した信号データから、演
算により、あたかもP2(z)なるスライスプロファイ
ルで測定したかのような信号データが得られることを示
している。
【0051】(6−3)原理(3次元)以下に、本発明
の2倍スライス撮影の原理を説明する。
【0052】はじめに記号の定義を行う。
【0053】x,yを撮影面の方向、zをスライス方向
とする。
【0054】ρ(x,y,z)を撮影する物体の磁化の
密度、PC(z)をCOS波のスライスプロファイル1
04、PS(z)をSIN波のスライスプロファイル1
05、Fを撮影を行う際に磁化に加えるx,y方向の操
作を表す演算子、Gを信号データから画像を再構成する
際の演算を表す演算子とする。
【0055】磁化に加える操作を表す演算子Fは、撮影
の仕方に依存する。通常の2次元フーリエ変換法を用い
た撮影では、Fは、2次元の逆フーリエ変換に相当する
操作になっている。画像再構成演算を表す演算子Gは磁
化に加えた操作の逆演算とするのが好ましい。通常の2
次元フーリエ変換法を用いた撮影では、Fが逆フーリエ
変換なので、Gはフーリエ変換である。従ってG・Fは
1であると考えてよい。
【0056】COS波形103で振幅変調した高周波磁
場をもちいて撮影した計測データAとSIN波形105
で振幅変調した高周波磁場をもちいて撮影した計測デー
タBは、以下のように表現できる。
【0057】     A=F・∫dz〔PC(z)・ρ(x,y,z
)〕            …(数7)ただし積分範
囲は−∞から∞。
【0058】     B=F・∫dz〔PS(z)・ρ(x,y,z
)〕            …(数8)ただし積分範
囲は−∞から∞。
【0059】数7、及び数8を用いると、以下の数式が
成り立つ。
【0060】     A−i・B=F・∫dz〔{PC(z)−i・
PS(z)}・ρ(x,y,z)〕         
     =F・∫dz〔P1(z)・ρ(x,y,z
)〕              =F・S1(x,y
)                     …(数
9)ただし積分範囲は−∞から∞。
【0061】ただし、P1(z)は、演算により分離し
た一方のスライスのスライスプロファイル、S1(x,
y)は、そのスライス面から発生する信号分布である。
【0062】     A+i・B=F・∫dz〔{PC(z)+i・
PS(z)}・ρ(x,y,z)〕         
     =F・∫dz〔P2(z)・ρ(x,y,z
)〕              =F・S2(x,y
)                    …(数1
0)ただし積分範囲は−∞から∞。
【0063】ただし、P2(z)は、演算により分離し
たもう一方のスライスのスライスプロファイル、S2(
x,y)は、そのスライス面から発生する信号分布であ
る。数9および数10から、以下のように各々のスライ
スから発生する信号分布を導きだせる。
【0064】     G・{A−i・B}=G・F・S1(x,y)
                      =S1
(x,y)                …(数1
1)    G・{A+i・B}=G・F・S2(x,
y)                      =
S2(x,y)                …(
数12)以上により、各スライスから発生する信号分布
が得られた。なお、     S1(z)=∫dz〔P1(z)・ρ(x,y
,z)〕          …(数13)からわかる
ように、スライスから発生する信号分布は、スライス内
の磁化の密度分布、すなわち、スライス方向に投影して
得られたスライス面の磁化の密度分布に対応している。 以上より、各スライス内の磁化をスライス方向に投影し
た磁化の密度分布を表す画像が得られる。
【0065】(7)手順 以下、本発明の1実施例の実施手順を簡単に述べる。
【0066】(7−1) 項目:  COS成分を中心としたフーリエ成分をもつ
高周波磁場を発生する手段と、SIN成分を中心とした
フーリエ成分をもつ高周波磁場を発生する手段を設ける
【0067】実現方法:  高周波磁場を発生する高周
波磁場発生装置の構成および数々のタイプについては、
(2)節、(3)節、(4)節に記した。ここでは、図
3の高周波磁場発生装置を用いることにする。(6−1
)節で示したように、図3の波形テーブル301に、図
1で示したCOS波形103及びSIN波形105を入
れ、必要に応じてそれぞれの波形を参照した振幅変調を
行うと、上記高周波磁場が得られる。COS波形103
およびSIN波形105の具体的な波形の作り方は、後
ほど(9)節で示す。
【0068】(7−2) 項目:  COS成分を中心としたフーリエ成分をもつ
高周波磁場を用いて計測した信号データと、SIN成分
を中心としたフーリエ成分をもつ高周波磁場を用いて計
測した信号データの2つの種類の信号データを得る。
【0069】実現方法:  (6−3)節の数7、数8
で示した計測データを得るために必要な各機器の動作を
表す撮影シーケンスについては、後ほど(8)節で示す
【0070】(7−3) 項目:  得られた2種類の信号データを演算処理して
2つの分離したスライス画像を得る。
【0071】実現方法:  (6−3)節の数9、数1
0、数11、数12の演算により、分離したスライス画
像を得る。
【0072】(8)撮影シーケンス 撮影の際に行う各機器の動作のさせかたを撮影シーケン
スという。通常の2次元フーリエ変換法を用いた撮影法
でも、具体的な各機器の動作のさせかたを表す撮影シー
ケンスは数多く存在する。例えばスピンエコー法、グラ
ディエントエコー法、IR法などである。また、本法は
どの方法にも適用可能である。典型例としてグラディエ
ントエコー法とスピンエコー法の場合について説明する
【0073】グラディエントエコー法といっても、具体
的な動作を表す撮影シーケンスは数多くある。図8に最
も簡単な場合を示す。図8のシーケンスでは、Z方向の
傾斜磁場と90度パルスを組み合わせて印加してZ方向
のスライス選択を行い、Y方向の傾斜磁場を印加、X方
向の傾斜磁場でグラディエントエコー信号を形成させデ
ータ計測を行う。これを所定回数繰り返す。各繰り返し
で、Y方向の傾斜磁場の強度を所定のステップ値だけ毎
回変える。繰り返しの時間間隔や、90度パルスによる
磁化の励起からグラディエントエコー信号を形成するま
での時間の選びかたで、被検体の緩和時間の強調がつい
た信号を形成し、緩和時間の強調のついた画像が得られ
る。グラディエントエコー法のシーケンスでは、90度
パルス801のスライスプロファイルで決まるスライス
像を撮影することが特徴となっている。
【0074】図8のグラディエントエコー法の撮影シー
ケンスを2倍スライス撮影に拡張したものが図9で示す
シーケンスである。90度パルス801の代わりにCO
S波形の90度パルス901、およびSIN波形の90
度パルス902を用いる。他は図8と同様である。CO
S波形の90度パルス901を用いた場合に得られる信
号データを全て計測した後にSIN波形の90度パルス
902を用いた撮影を行っても良いし、COS波形とS
IN波形を交互に繰り返しながら撮影を行っても良い。 最終的に結果として、図8の90度パルス801をCO
S波形の90度パルス901に置き換えたときに得られ
る信号データと、90度パルス801をSIN波形の9
0度パルス902に置き換えたときに得られる信号デー
タが得られる。
【0075】グラディエントエコー法の撮影シーケンス
は図8の他にも、信号計測後にスポイルやリフェーズの
ための傾斜磁場を加えたものや、信号計測前にリフェー
ズのための傾斜磁場を加えたもの、90度パルス801
を90度より低い角度にしたものなどがある。それらの
シーケンスを2倍スライス撮影に拡張するのは上記の例
から分かるように容易である。すなわち、図8のシーケ
ンスに、計測後のスポイルや、計測前後のリフェーズを
するための傾斜磁場を加えたシーケンスについて2倍ス
ライス撮影のシーケンスに拡張する場合は、同様に90
度パルス801をCOS波形の90度パルス901に置
き換えたシーケンスと、90度パルス801をSIN波
形の90度パルス902に置き換えたシーケンスにする
。また、図8のシーケンスの90度パルスの印加強度を
90度より低い角度にしたシーケンスを2倍スライス撮
影に拡張するには、COS波形とSIN波形の印加強度
を同様に低くしたパルスに置き換えたシーケンスにする
【0076】つぎにスピンエコー法の場合について説明
する。スピンエコー法といってもグラディエントエコー
法と同様に具体的な動作を表すシーケンスは数多くある
。図10に、最も簡単な場合のシーケンスを示す。図1
0のシーケンスでは、Z方向の傾斜磁場印加中に90度
パルス801を照射してZ方向のスライス選択励起をし
、X方向の傾斜磁場と強度を毎回同じステップ値だけ変
更するY方向の傾斜磁場を印加する。Z方向の傾斜磁場
印加中に180度パルス1001を照射し、90度パル
スでスライス選択励起した部位と同一部位の磁化の位相
を反転し、X方向の傾斜磁場を印加して、スピンエコー
信号を発生させ信号計測を行う。Y方向の傾斜磁場の強
度を変更して、所定回数繰り返し計測する。グラディエ
ントエコー法のシーケンスと同様に、繰り返し時間や9
0度パルスで励起してから計測を行うまでの時間の選び
方で、被検体の緩和時間の強調がついた画像が撮影でき
る。スピンエコー法のシーケンスでは、90度パルスの
スライス選択特性と180°パルスのスライス選択特性
の重ねあわせたプロファイルが得られることが特徴であ
る。
【0077】図10のスピンエコーシーケンスを2倍ス
ライス撮影に拡張したのが図11のシーケンスである。 グラディエントエコー法の場合と同様に以下の2つのシ
ーケンスを重ね合わしたシーケンスとなる。一つ目のシ
ーケンスは、90度パルス801の代わりにCOS波形
の90°パルス901を用い、180°パルス1001
の代わりに2倍スライス撮影用の180°パルスを用い
たシーケンスであり、今一つのシーケンスは、90°パ
ルス801の代わりにSIN波形の90°パルス902
を用い、180°パルス1001の代わりに2倍スライ
ス撮影用の180°パルスを用いたシーケンスである。 グラディエントエコー法の場合と同様に一つのシーケン
スによる撮影が終わってからもう一つのシーケンスによ
る撮影をしても良いし、撮影の各繰り返しで交互に2つ
のシーケンスを走らせても良い。最終的に2つのシーケ
ンスの撮影データが得られれる任意の組み合わせの撮影
順番が可能である。
【0078】スピンエコー法のシーケンスは、図10で
示したシーケンスの他に数多くの変形がある。180°
パルスの数を増やし、測定のエコー数を増やしたマルチ
エコーや、信号計測後にスポイルやリフェーズのための
傾斜磁場を加えたもの、信号計測前にリフェーズのため
の傾斜磁場を加えたものなどがある。それらのシーケン
スを2倍スライス撮影に拡張するのはグラディエントエ
コー法やスピンエコー法の上記例から分かるように容易
である。マルチエコーの場合は、図10から図11の場
合と同様の置き換えをし、新たに追加した180°パル
スの代わりに2倍スライス撮影用180°パルス100
1に置き換えると2倍スライス撮影シーケンスになる。 同様に、信号計測後にスポイルやリフェーズのための傾
斜磁場を加えたものや、信号計測前にリフェーズのため
の傾斜磁場を加えたシーケンスの場合には、図10から
図11に変えたように90°パルスと180°パルスを
2倍スライス撮影用のパルスに置き換える事により2倍
スライスのシーケンスになる。
【0079】(9)高周波磁場波形 2倍スライス撮影用の高周波磁場波形を作るプログラム
例を図12に示す。表1にCOS波形、SIN波形、1
80°波形を作る場合について、波形を作る際に必要な
図12のプログラム例中の各パラメーター値を表として
記述した。COS波形はCOS成分を中心としたフーリ
エ成分を持つ高周波磁場波形であり、SIN波形はSI
N成分を中心としたフーリエ成分を持つ高周波磁場波形
である。COS波形とSIN波形の性能の良否、帯域幅
などを問題にしなければ、数々のパラメータ値の組みあ
わせが考えられる。表1と表2に一例を示した。表1に
は2倍スライス撮影用の180°パルス波形として、表
1のCOS波形とSIN波形のスライス幅と一致するよ
うに設計した180°波形を示した。表2には、COS
波とSIN波についてそのほかのパラメータ例を示した
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】表1のパラメーターをもとに作った高周波
磁場波形により得られるスライスプロファイルのシミュ
レーション結果を図13と図14に示す。シミュレーシ
ョンは、磁化の従う方程式であるブロッホ方程式を解く
ことにより行った。図13、図14はともに図11で示
したスピンエコーシーケンスで2倍スライス撮影を行な
う場合に得られるスライスプロファイルのシミュレーシ
ョン結果を示した。スピンエコーのため、90°パルス
のスライスプロファイルと180°パルスのスライスプ
ロファイルを掛けあわせたものとなっている。図13は
、COS波の90°パルスを使った場合のスライスプロ
ファイルである。絶対値のみを表示した。位相はスライ
ス部でおよそ同一である。図14は、SIN波の90°
パルスを使った場合のスライスプロファイルを絶対値の
み示した。位相はスライスの左右でπずれたものになっ
ており、しかもCOS波の位相にたいしπ/2および−
π/2ずれたものになっている。図15および図16に
分離したスライス画像を示す。スライスプロファイルの
分離計算は、図13のプロファイルをPC(z)、図1
4のプロファイルをPS(z)とすると、PC(z)+
i・PS(z)、およびPC(z)−i・PS(z)で
行った。
【0083】表2には、表1の他の高周波磁場波形のパ
ラメータ例を示す。COS波形とSIN波形についての
み対にして記載した。表2の一番左の数字は、波形例の
番号を示している。波形例2は、表1の波形例にくらべ
てSIN波形のパラメータ値FR(1)が多少異なるも
ので結果としての差は若干あるのみである。波形例3は
波形例2にたいし、COS波形のパラメータ値FR(0
)を0にしたものである。スライスの中心が励起されず
、分離したスライス間にギャップが生じる。波形例4で
は、波形例3の場合よりも励起するスライスの厚さを若
干広くしたものである。波形例5では、波形例4よりも
スライスのギャップを広くした。波形例6では波形例2
よりもスライスの幅を広くしたものである。
【0084】(10)上記実施例の変更例上記実施例を
変更する数々の変更例がある。以下に示す。
【0085】(10−1)位相シフトする場合図4で示
した位相シフト機能を持つ高周波磁場発生装置の場合、
高周波磁場の位相を制御して計測する信号の位相を変え
ることができる。高周波磁場の位相をθずらせば、計測
する信号の位相もθずれる。計測信号の位相変化に伴っ
て、スライスを分離する計算も変わる。一例を示す。位
相をずらさない場合の計測信号をS1、S2とする。こ
の時の分離計算はS1+i・S2、S1−i・S2であ
る。例えば、計測する一方の信号S2の位相をπ/2ず
らし、S3=i・S2とする場合、分離計算はS1+i
・S2=S1+S3、S1−i・S2=S1−S3とな
る。
【0086】(10−2)高周波磁場の合成上記実施例
の2倍スライス撮影に用いる2つの高周波磁場波形の線
形結合を作る方法がある。以下に記号を用いて説明する
【0087】COS成分を中心としたフーリエ成分をも
つ高周波磁場をHCと記し、その時の印加強度が90度
であるとする。SIN成分を中心としたフーリエ成分を
もつ高周波磁場をHSとし、その時の印加強度が90度
であるとする。
【0088】以下の合成を行った高周波磁場HA、HB
を作る。
【0089】   HA=K・HC+L・HS           
         …(数14)  ただし  KHP
K+LHPL=1  HB=M・HC+N・HS   
                 …(数15)MH
PM+NHPN=1 K,L,M,Nは実数 HAの高周波磁場による計測信号をSA、HBの高周波
磁場による計測信号をSBとする。このとき、スライス
を分離する計算式は以下である。
【0090】   S1=(n・SA−l・SB)/(k・n−l・m
)      …(数16)  S2=i・(m・HA
−k・HB)/(k・n−l・m)  …(数17)(
10−3)マルチスライスへの適用 上記実施例では、1つのスライスを撮影するシーケンス
を2倍スライス撮影のシーケンスに拡張することを示し
た。複数のスライスを撮影するマルチスライス撮影につ
いても2倍スライスに拡張することは容易である。
【0091】以下マルチスライス撮影について簡単に説
明する。マルチスライス撮影は、通常の撮影シーケンス
を重ねあわすようにして行う。一枚のスライスを計測す
るためには、一連の機器の動作を繰り返し時間TRに比
べて実際に機器を動作している一連の時間が少なく、数
倍の差が開いているシーケンスが多い。この時、TR時
間内で機器の動作を行わない空いた時間に、別のスライ
スを撮影するシーケンスを重ねる事ができる。別のスラ
イスを撮影するシーケンスは、高周波磁場の基準周波数
を変えるだけで行うことができる。TR時間内で1つの
スライスを撮影する一連の機器動作時間をTMとすると
、INT(TR/TM)枚のスライスの撮影シーケンス
を重ねる事ができる。なを、INTは、切り捨てによる
整数化を意味する。
【0092】以上より、マルチスライス撮影のシーケン
スを2倍スライス撮影に拡張する事が容易である事が分
かる。すなわち、1つのスライスを撮影するためのシー
ケンスを2倍スライス撮影のシーケンスにして、他のス
ライスの2倍スライス撮影用のシーケンスと重ねるとマ
ルチスライス撮影の2倍スライス撮影用シーケンスとな
る。
【0093】(11)数学的に同等または効果として同
等な数々の操作 上記実施例について数学的に同等な計算法、または操作
が存在する。例えば以下が考えられる。
【0094】(11−1)数学的に同等または、効果と
して同等な計算法 磁気共鳴診断装置で撮影した画像データは、上記実施例
でも示したように、複素数でデータを持っている。しか
し、最終的には絶対値をとった画像データを表示したり
保存したりする場合が多い。また、複素数のデータでも
、画像全体に同じ複素数の係数を掛けたデータは、診断
上元のデータと大差がない。従って数々の同等な効果が
得られる計算法がある。一例を示すと数9、数10のA
−i・B、A+i・Bの変わりに−A+i・B、−A−
i・B、i・A+B、i・A−B、−i・A−B、−i
・A+Bなどの演算を行うことや、位相シフトを行うと
きの分離計算のS1+S3、S1−S3の代わりに、−
S1−S3、−S1+S3などの演算を行うことができ
る。
【0095】(11−2)画像化してからスライスの分
離計算 上記実施例では、スライスを分離する計算を信号データ
で行ってから画像化の演算を行う例を示した。しかし、
画像化の演算が計測信号の重ねあわせについて線形であ
れば、画像化を行ってからスライスの分離計算を行うこ
とが可能である。画像化の演算をG、計測信号をA、B
として、以下に式で一例を示す。
【0096】G・{A+i・B}=G・A+i・G・B
(11−3)計測時の信号の入れ替え 計測信号にiを掛ける操作は、計測信号の実数部を虚数
部に、虚数部を符号をかえて実数部にする操作に相当す
る。従って、計算で行うかわりに、A/Dで信号を計測
してから計測信号の入れ替え一方の符号を反転する操作
を行っても良い。
【0097】
【発明の効果】本発明により、図3で示す高周波磁場発
生装置でも2倍スライス撮影ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波磁場波形とスライスプロファイルの対応
を示した図。
【図2】磁気共鳴診断装置のブロック構成図。
【図3】通常良く用いられる典型的な高周波磁場発生装
置の構成図。
【図4】位相シフト機能を持つ高周波磁場発生装置の構
成図。
【図5】QD信号発生機能を持つ高周波磁場発生装置の
構成図。
【図6】簡略化したQD信号発生機能を持つ高周波磁場
発生装置の構成図。
【図7】高周波磁場印加前後の磁化の状態と表現方法を
表す図。
【図8】グラディエントエコー法のシーケンス例を示す
図。
【図9】グラディエントエコー法で2倍スライス撮影を
実現するシーケンスを示す図。
【図10】スピンエコー法のシーケンス例を示す図。
【図11】スピンエコー法で2倍スライス撮影を実現す
るシーケンス例を示す図。
【図12】高周波パルス波形を作るプログラム例を示す
図。
【図13】COS波を用いた場合のスライスプロファイ
ルを示す図。
【図14】SIN波を用いた場合のスライスプロファイ
ルを示す図。
【図15】分離したスライスプロファイルのうちの1つ
を示す図。
【図16】分離したスライスプロファイルのうちのもう
一方を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)COS成分を中心としたフーリエ成
    分をもつ高周波磁場と、SIN成分を中心としたフーリ
    エ成分をもつ高周波磁場とを発生させ、(2)各々の高
    周波磁場を検査対象に印加して検査対象から発生する信
    号をそれぞれ計測し、(3)得られた2種類の信号デー
    タを処理して2つの分離したスライス画像を得る、こと
    を特徴とする磁気共鳴診断装置における2倍スライス撮
    影方法。
  2. 【請求項2】上記(1)における高周波磁場の発生時に
    、基準周波数信号の位相をコントロールしない場合には
    、上記(3)の処理は、得られた2種類の信号データA
    、Bから、 A+i・B、A−i・Bなる演算処理;または、 −A−i・B、−A+i・B、i・A−B、i・A+B
    、ただし、AはCOS成分を中心とした高周波磁場を印
    加して得られる信号データ、BはSIN成分を中心とし
    た高周波磁場を印加して得られる信号データ、iは虚数
    単位である。 −i・A+B、−i・A−Bなる演算処理;を行う請求
    項1項記載の磁気共鳴診断装置における2倍スライス撮
    影方法。
  3. 【請求項3】上記(1)における高周波磁場の発生時に
    、基準周波数信号の位相をコントロールする場合には、
    上記(2)では各々の高周波磁場の基準周波数信号の位
    相がお互いの関係として、90度異なるように印加し、
    上記(3)の処理は得られた2種類の信号データC、D
    から、 C+D、C−Dなる演算処理; または、 −C−D、−C+Dなる演算処理; を行う請求項1項記載の磁気共鳴診断装置における2倍
    スライス撮影方法。
  4. 【請求項4】(1)COS成分を中心としたフーリエ成
    分をもつ高周波磁場と、SIN成分を中心としたフーリ
    エ成分をもつ高周波磁場とを、下記の様に合成した高周
    波磁場HA、HBを発生させ、 記 COS成分を中心としたフーリエ成分をもつ高周波磁場
    をHCと記し、その時の印加強度が90度であるとする
    。SIN成分を中心としたフーリエ成分をもつ高周波磁
    場をHSとし、その時の印加強度が90度であるとする
    。この時、以下の2つの合成を行う。   HA=K・HC+L・HS           
     ただし  KHPK+LHPL=1  HB=M・H
    C+N・HS                   
     MHPM+NHPN=1             
                             
        K,L,M,Nは実数(2)各々の高周波磁場
    を検査対象に印加して検査対象から発生する信号をそれ
    ぞれ計測し、(3)得られた2種類の信号データを処理
    して2つの分離したスライス画像を得る、ことを特徴と
    する磁気共鳴診断装置における2倍スライス撮影方法。
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