JP3688404B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下「MRI装置」という)に係わり、特にS/N比を向上させる撮影、画像再構成が可能なMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、被検体に一定強度の磁場を与える静磁場コイルと、被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を印加する照射コイルと、更に空間内の位置情報を得るための傾斜磁場を与える傾斜磁場コイルとを備えている。これら照射コイル及び傾斜磁場コイルはシーケンサからの信号により所定のパルスシーケンスで動作する。
【0003】
例えば、代表的なパルスシーケンスであるスピンエコー法では、まず高周波磁場である90゜パルスを測定断面を選択するためのスライス方向傾斜磁場と共に印加した後、エコー時間をTEとしたとき、TE/2の時間後に180゜パルスをスライス方向傾斜磁場と共に加える。これにより時刻TEにおいて選択された断面からエコー信号が発生する。
【0004】
この際、エコー信号の空間的な分布を求めるために線形な傾斜磁場を静磁場に重畳する。例えば、Y方向の位置情報を得るための位相エンコード傾斜磁場であり、X方向の位置情報を得るための周波数エンコード傾斜磁場である。
【0005】
このようなパルスシーケンスを基本単位として、位相エンコード傾斜磁場の強度を毎回変化させながら一定の繰り返し時間TR毎に、1枚の画像を構成するのに必要な回数(位相エンコード数)、例えば256回繰り返す。この位相エンコード傾斜磁場の強度Gpと印加時間Tpとの関係は式(2)で示される。
2πi=γ・Gp・Tp・FOV (2)
この式(2)において、γは磁気回転比、FOVは撮影視野、以下同様、iは、−prj/2<i≦prj/2、を満たす全ての整数であり、prjはプロジェクション数、即ち一枚の画像を構成するのに必要な位相エンコード数を示す。
【0006】
こうして得られた計測データを2次元逆フーリエ変換することで巨視的磁化の空間的分布が求められ、撮影画像が構成される。
【0007】
ここで、一般的に撮影画像のS/N比は、式(3)に示すようにシーケンスの繰り返し数NSAの平方根とは比例する関係にある。
【数1】
Figure 0003688404
従って、撮影画像のS/N比を高くするためには、前述したシーケンスを複数回計測して、それらのデータの算術平均をとっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影時間Tと繰り返し数NSAとの関係は式(4)に示すように、比例関係にあり、
【数2】
Figure 0003688404
撮影画像のS/N比を2倍にしようとすれば、撮影時間Tは4倍を要することになる。このようにS/N比を高くするためには、かなりの撮影時間の延長が必要となり、このため被検体に長時間の拘束時間を強いることとなる。
【0009】
本発明はこのような従来のMRI装置の改良し、撮影時間の延長を抑えつつも、高いS/N比を実現するMRI装置の提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明は一般的に関心領域は撮影画像の中央付近であることに着目し、通常の計測シーケンスに少なくとも画像中央付近の計測データを取得できるような位相エンコード印加パターンを加えることによって、画像中央付近のS/Nを向上させたものである。即ち、本発明のMRI装置は、被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、被検体にスライス方向傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場及び位相エンコード傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を被検体に照射する送信系と、傾斜磁場発生手段及び送信系を制御し、各傾斜磁場及び高周波磁場をある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサと、核磁気共鳴信号を計測信号として検出する受信系と、受信系で検出された信号を処理し画像再構成する信号処理系と、この装置全体を制御する中央処理系と、中央処理系に条件を入力する入力手段と、信号処理系により処理されたデータを表示、保存する出力手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、シーケンサが実行するパルスシーケンスは、少なくとも、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を所定の増分で変更しながら計測信号を計測する第1の位相エンコード印加パターンと、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を先の所定の増分とは異なる増分で変更しながら計測信号を計測する第2の位相エンコード印加パターンとを含み、前記信号処理系は、前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データと前記第2の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データとから画像再構成する手段を備えものである。ここで、第1の印加パターンと異なる増分の印加パターンは2以上であってもよい。
【0011】
好適には、前記第2の位相エンコード印加パターンのステップ幅を前記第1の位相エンコード印加パターンのステップ幅の整数倍とする。
【0012】
また、このようなMRI装置においては、このようなS/N比の高い画像を得るため、第1の印加パターンと第2の印加パターンとを含む計測シーケンスによって取得された生の計測データから、まずそれぞれ画像を再構成し、その後これらの画像を合成するようにしてもよく、また、両パターンによる計測データを合成後、その合成データから画像を再構成してもよく、更に、データ数の少ない方の計測データを他方の計測データで補完後、補完後のデータ及び他方の計測データの画像をそれぞれ再構成し、その後画像合成するようにしてもよい。尚、計測データや画像の合成の具体的方法としては、算術平均等が使用できる。
【0013】
このようなMRI装置は、通常の位相エンコード傾斜磁場の印加強度の増分でこの傾斜磁場を印加する計測に加えて、通常の増分とは異なる大きい増分で印加する計測を含む計測シーケンスを実行する。このような計測シーケンスは、第1の印加パターンにより通常の増分で印加しながら計測する中で、第2の印加パターンによる増分毎に同一の位相エンコードシーケンスを繰り返すことにより実施される。あるいは、第1の位相エンコード印加パターンと第2の位相エンコード印加パターンのいずれか一方を先に他方を後にしてシーケンシャルに実行する。この第2の印加パターンの計測時(繰り返し時)に得られる計測データは、通常の画像と分解能は同じで、撮影視野が異なる画像が得られる。
【0014】
具体的には、上記の式(5)に従って、位相エンコード傾斜磁場を印加する場合、第2の印加パターンのステップ幅(n)を第1の印加パターンのステップ幅(n=i)の整数倍(m倍)をすることにより、第2の印加パターンでは通常の1/m個の計測データが得られ、その計測時間も1/mとすることができる。従って、通常の計測を2回繰り返すことに比べ、時間も短縮される。
【0015】
このように得られた計測データを通常に画像再構成すると、前者からは標準的な撮影視野の画像が得られ、後者からは標準の1/mの撮影視野の画像が得られ、この視野は標準的な視野の中央付近に位置することになる。一般的に関心領域は中央付近に存在することが多いので、このようにして得られた画像を合成することにより、関心領域についてS/N比の高い画像が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したMRI装置の実施例について説明する。
【0017】
まず、このようなMRI装置の全体構成について図2に示す。このMRI装置は従来の装置とほぼ同様な構成を採るものであり、被検体が配置される空間に均一な静磁場を発生させる静磁場発生磁石4、このような磁場内に置かれた被検体の組織内において核磁気共鳴を生じさせるために高周波磁場を発生させる送信系3、磁場強度をX、Y、Z方向にそれぞれ独立して線形に変化した傾斜磁場を静磁場に重畳して印加する傾斜磁場発生系21、高周波磁場の照射によって被検体から発生される共鳴信号を受信する受信系5、これら各系統の動作のタイミングをコントロールするシーケンサ2、受信系5から送られる計測データをもとに画像再生に必要な各種演算を行うと共に、MRI装置全体を制御する中央処理部(以下、CPUという)1及びCPU1に撮影条件等の入力を行なうと共に、CPU1により処理されたデータを様々な方法で出力する信号処理系6を備えている。
【0018】
具体的には、送信系3は、高周波信号を発生させる高周波発信器8、この高周波信号を変調する変調器9、この変調された信号を増幅する高周波増幅器10及び増幅された信号に従い高周波磁場を発生する照射コイル11を有する。
【0019】
また、傾斜磁場発生系21は、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル13及び傾斜磁場コイル13に電流を供給する傾斜磁場電源12を備えている。
【0020】
受信系5は、共鳴信号を受信する受信コイル14、受信コイル14に接続され、信号を増幅する増幅器15、この増幅信号を2系列の信号に変換する直交位相検波器16及びこれらの信号をデジタル量の計測データに変換するA/D変換器17を備えている。
【0021】
更に、信号処理系6は、CPU1に撮影条件等を入力する入力手段としてのキーボード22、再構成画像を表示する出力手段であるCRT等のディスプレイ18、CPU1で処理されたデータ等を保存するための出力手段である光ディスク19及び磁気ディスク20を備えている。
【0022】
このような構成のMRI装置においては、キーボード22から様々な計測条件がCPU1に対して入力された後、CPU1はこれらの条件に従って、装置全体を制御して稼動する。
【0023】
CPU1の指令に従ってシーケンサ2は、3系統の傾斜磁場電源12の動作のタイミングを制御し、静磁場発生磁石4により付与される均一な磁場強度の磁場に重畳して、傾斜磁場コイル13により傾斜磁場を印加する。一方、送信系3では、高周波信号発信器8から出力される信号は、シーケンサ2により動作のタイミングを制御された変調器9により変調され、次いで増幅器10で増幅される。照射コイル11にこの信号が流れると、所定のパルス状の高周波磁場が被検体に照射される。このようにCPU1に制御されたシーケンサ2の働きにより、高周波磁場及び傾斜磁場の所定のパルスシーケンスが実行され、パルスシーケンスの基本単位毎にA/D変換器17はデータを収集する。
【0024】
これらの磁場を照射された被検体からは共鳴信号が発生し、受信系5の受信コイル14により受信される。受信された信号は増幅器15で増幅された後、直交位相検波器16で2系列に分けられ、それぞれの信号がA/D変換器17でデジタル量の計測データに変換される。このときA/D変換器17はシーケンサ2によりデータ収集のタイミングを制御される。この計測データはCPU1に入力され、2次元フーリエ変換等により画像再構成される。再構成された画像は信号処理系6のディスプレイ18に表示され、また、光ディスク19や磁気ディスク20といった外部記憶媒体に処理データとして保存される。
【0025】
次に、このような本発明のMRI装置において実行されるパルスシーケンスについて説明する。図3は本発明をスピンエコー法に適用した場合を示すもので、まず高周波磁場が90゜パルス23として印加された後、エコー時間をTEとしたとき、TE/2の時間後に180゜パルス24が加えられる。これにより時刻TEにおいてエコー信号が得られる。90゜パルス23及び180゜パルス24と同時にZ方向の傾斜磁場であるスライス方向傾斜磁場25が印加され、これにより選択される断面を励起できる。更に、2次元方向の位置情報を付与するために、90゜パルス23及び180゜パルス24の間に位相エンコード傾斜磁場26と周波数エンコード傾斜磁場27が印加される。
【0026】
これらパルス23、24、傾斜磁場25〜27は、一定の繰り返し時間TR毎に、シーケンサ2により制御されたタイミングで繰り返し印加され、エコー信号が繰り返し計測される。このとき、位相エンコード傾斜磁場26の印加強度は所定の増分で変更される。
【0027】
本実施例のMRI装置においては、従来と異なり、位相エンコード傾斜磁場26の強度変化をさせながら各強度について1度計測するだけでなく、図3において太線で示すように所定の増分(エンコードステップ、図示するように偶数ステップ)では2度の基本シーケンス(図3)を繰り返して計測する。
【0028】
この位相エンコード傾斜磁場26の印加パターンを更に詳しく示したものが図1であり、この印加パターンは式(6)で表すことができ、
Gp=2πn/(γ・Tp・FOV) (6)
ここで、nは、・・・−3、−2、−2、−1、0、0、1、2、2、3、4、4・・・で示される整数の数列である。図1(a)では同一磁場強度につき1度の計測のときと、2度計測のときとを区別して表すため、記号i及びjを用いて表わしている。即ち、記号iは整数を、記号jは2の倍数を示しており、記号jに相当する強度の磁場で2度計測される。
【0029】
この印加パターンは、記号iに対応する位相エンコード傾斜磁場26を示す図1(b)及び記号jに対応する位相エンコード傾斜磁場26を示す図1(c)に分解できる。この図1(b)からわかるように記号iに対応する印加パターンは、式(2)で示される従来の位相エンコード傾斜磁場と同じものである。一方、図1(c)からわかるように、記号jで示される印加パターンは、図1(b)の位相エンコードステップ幅を標準とすれば、標準の2倍のステップ幅のものである。
【0030】
従って、本実施例の計測シーケンスは、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を基本となる1増分で変更しながら計測する通常の計測シーケンス(第1の印加パターン)と、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を2倍の増分で変更しながら計測する計測シーケンス(第2の印加パターン)とを合成したものとして把握できる。
【0031】
このような印加パターンとすることにより、従来の方法で2回繰り返し行なう場合に比べ撮影時間を短縮することができる。
【0032】
尚、この例では、位相エンコード磁場の強度変化1回おきに同じ強度で2度計測する、即ち第2の印加パターンのステップ幅が2倍の場合について示したが、これに限定されるものではなく、一般的にはmを2以上の整数とすれば、強度変化m回おきに同一強度で2度計測してステップ幅をm倍にしてもよい。
【0033】
このようなことを考慮して、位相エンコード傾斜磁場強度Gpを表す式(6)の記号nを一般的な形で表すと、第1の印加パターン(n=i)の場合、iが、−(prj/2)<i≦(prj/2)を満たす全ての整数であり、第2の印加パターン(n=j)の場合、jが、−(prj/2)<j≦(prj/2)を満たす2以上の整数mの全ての倍数である。尚、プロジェクション数prjは、通常のステップ幅である第1の印加パターンのときの位相エンコード数、例えば256、512等を示している。
【0034】
次に、このような印加パターンにより取得された計測データの信号処理系6における処理方法について説明する。
【0035】
図1に示すような第1の印加パターンによる位相エンコード傾斜磁場26の印加時に得られた計測データ及び第2の印加パターンによる位相エンコード傾斜磁場26の印加時に得られた計測データをそれぞれRi(x,y)、Rj(x,y)と表すと、これらを2次元フーリエ変換する際のk空間配置はそれぞれ図4(a)、(b)に示すように、それぞれi=0、j=0を中心に対称に配置される。
【0036】
これら計測データをそれぞれ2次元フーリエ変換により画像再構成したものを図4(c)、(d)に示した。図4からもわかるように、第1の印加パターン印加時の計測データRi(x,y)は、位相エンコード傾斜磁場26の印加パターンが従来と同一であるため、得られる画像Ii(x,y)は従来と同様の視野となる。一方、第2の印加パターンでは、位相エンコードステップの増分は2倍となるため、式(2)に従い計測データRj(x,y)から得られる画像Ij(x,y)は画像Ii(x,y)の1/2の視野となり、この画像Ij(x,y)の視野は中央付近のものとなる。
【0037】
このように得られた画像データIi(x,y)と画像データIj(x,y)は、上述のように視野は異なるが空間分解能は同一であり、視野の重なる部分を算術平均することにより合成することができ、図4(e)のような合成画像If(x,y)が得られる。即ち、−(prj/2)/m<y≦(prj/2)/mの場合、即ち画像中央付近においては、画像データは式(7)で示すことができ、
If(x,y)=(Ii(x,y)+Ij(x,y))/2 (7)
上記以外の場合、即ち画像の上下端付近においては式(8)、
If(x,y)=Ii(x,y) (8)
で示すことができる。このように画像を合成することにより、画像中央付近のみが2回の計測データによる平均となるため、この部分についてS/N比を向上することができる。
【0038】
次に、2つのパターンの位相エンコード傾斜磁場26を印加して取得した計測データRi(x,y)、Rj(x,y)の別の処理方法について図5を用いて説明する。図5(a)、(b)は前述の例と同様、それぞれRi(x,y)、Rj(x,y)で表される計測データのk空間配置を示す。この処理ではまず、計測データRi(x,y)と計測データRj(x,y)とを合成する。計測データRi(x,y)と計測データRj(x,y)とはデータの数が異るため、同一の位相エンコード傾斜磁場を印加したデータ同士を算術平均し、図5(c)に示すようなk空間配置の合成データRf(x,y)を得る。このk空間におけるyの値が整数mの倍数の場合、合成データRf(x,y)は式(9)で示すように算術平均で求めることができる。
Rf(x,y)=(Ri(x,y)+Rj(x,y))/2 (9)
一方、上記以外の場合は、式(10)で示すように、
Rf(x,y)=Ri(x,y) (10)
第1の印加パターンによる計測データがそのまま用いられる。このようにして得られたRf(x,y)を2次元フーリエ変換により画像再構成を行うと、図5(d)に示すような画像If(x,y)が得られる。この場合、式(9)により計測データを平均してRf(x,y)を求めた部分は、画像中央付近に対応するため、図4の例と同様、画像中央付近でS/N比の高い画像を得ることができる。
【0039】
計測データRi(x,y)、Rj(x,y)の更に別の処理方法を図6を用いて説明する。図6(a)、(b)は前述の例と同様、それぞれRi(x,y)、Rj(x,y)で表される計測データのk空間配置を示す。この処理ではまず、データ数の少ない第2の印加パターン印加時に取得された計測データRj(x,y)の不足しているデータを、第1の印加パターン印加時に取得された計測データRi(x,y)を用いて補い、図6(c)で示すような補完データRj’(x,y)を作成する。即ち補完データRj’(x,y)は、k空間におけるyの値がmの倍数の場合は、式(11)のように、
Rj’(x,y)=Rj(x,y) (11)
であり、それ以外の場合は式(12)のように、
Rj’(x,y)=Ri(x,y) (12)
である。このようにデータを補完した後、第1の印加パターン印加時に取得された計測データRi(x,y)及び補完データRj’(x,y)をそれぞれ2次元フーリエ変換し、図6(d)、(e)で示される画像Ii(x,y)と画像Ij(x,y)とを得る。これらは視野、空間分解能共に同一の画像データであり、式(13)で示すように算術平均を行なうことにより、合成画像If(x,y)を作成する。
If(x,y)=(Ii(x,y)+Ij(x,y))/2 (13)
これにより得られた合成画像If(x,y)は、2つの計測データが存在するRj(x,y)に対応する部分、即ち画像中央付近においてS/N比の高い画像となる。
【0040】
尚、以上の実施例では、パルスシーケンスとしてスピンエコー法を用いて説明したが、これ以外のパルスシーケンス、例えばグラジエントエコー法等にも本発明を適用することができる。
【0041】
また、第2の印加パターンに対応する位相エンコード傾斜磁場強度で2度計測する場合についてのみ説明したが、2度以上であれば何回計測してもかまわない。この場合、計測する回数が増えるほど画像中央付近のS/N比は向上する。また、第2の印加パターンにおける位相エンコードステップの幅を2倍にした場合(m=2)についてのみ説明したが、2倍以上の何倍にしてもよい。これにより、撮影視野は異なり、ステップ幅をm(>2)倍にしたときには撮影視野は1/mになる。従って関心領域の大きさ等に応じてmを任意に選択して、関心領域のS/Nを高めることができる。
【0042】
また、本発明では、標準となる第1の印加パターンに加え、異なるステップ幅の印加パターンを複数種組合せることも可能である。例えば2倍のステップ幅の第2の印加パターンと3倍のステップ幅の第3の印加パターンとを併用することも可能である。このように印加パターンを自在に選択することにより、撮影時間の延長を最小限にとどめつつ関心領域の画像のS/N比を向上させることができる。
【0043】
また、画像再変換の方法として2次元フーリエ変換を挙げたが、これ以外の画像再構成の方法を採用しても本発明は同様に適応できる。
【0044】
更に、以上の実施例では第1の印加パターンと第2の印加パターンとの組合せ方として、1連の計測シーケンスにおいて位相傾斜磁場強度が同一のものを繰り返すようにして両パターンを実行する場合についてのみ説明したが、第1の印加パターンと第2の印加パターンとがシーケンシャルに並べた場合にも同様に適用でき、同様な効果を得られる。即ち、まず第1の印加パターンによる1連の計測シーケンスを実行し、次いで第2の印加パターンによる1連の計測シーケンスを実行することもできる。このように、複数の印加パターンをシーケンシャルに並べる場合には、同一位相エンコードでの反復計測の困難なエコープラーナー法やスパイラルスキャン等にも適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のMRI装置は、少なくとも、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を所定の増分で変更しながら計測信号を計測する第1の位相エンコード印加パターンと、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を先の所定の増分とは異なる増分で変更しながら計測信号を計測する第2の位相エンコード印加パターンとを組み合わせたパルスシーケンスで位相エンコード傾斜磁場を印加するものであり、このように異なった位相エンコードステップの増分からなる印加パターンを加えることにより、一定パターンで複数回繰り返し行うよりも撮影時間を短縮することができる。
【0046】
しかも位相エンコードステップの増分を大きくすることにより得られる計測データは、画像再構成後の撮影視野は狭くなるがその部分についての画像の分解能は維持され、k空間における位置も一般的に撮影画像の関心領域となる画像中心付近に対応するので、主要な部分においてS/N比の高い画像を得ることができる。
【0047】
このように本発明のMRI装置は、撮影時間の延長を抑えつつも、高いS/N比を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRI装置による位相エンコード傾斜磁場の印加パターンの一例を示す図。
【図2】本発明のMRI装置のブロック図。
【図3】本発明のMRI装置におけるパルスシーケンスの一例を示す図。
【図4】本発明のMRI装置での画像取得の一実施例を示す図。
【図5】本発明のMRI装置での画像取得の第2の実施例を示す図。
【図6】本発明のMRI装置での画像取得の第3の実施例を示す図。
【符号の説明】
1 中央処理系(CPU)
2 シーケンサ
3 送信系
4 静磁場発生手段
5 受信系
12、13、21 傾斜磁場発生手段
6 信号処理系
26 位相エンコード傾斜磁場
i 第1の位相エンコード印加パターン
j 第2の位相エンコード印加パターン
Ri(x,y)、Rj(x,y) 計測データ
Ii(x,y)、Ij(x,y) 画像
If 合成画像
Rf(x,y) 合成データ
Rj’(x,y) 補完データ

Claims (7)

  1. 被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、前記被検体にスライス方向傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場及び位相エンコード傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を前記被検体に照射する送信系と、前記傾斜磁場発生手段及び前記送信系を制御し、各傾斜磁場及び高周波磁場をある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサと、核磁気共鳴信号を計測信号として検出する受信系と、前記受信系で検出された信号を処理し画像再構成する信号処理系と、この装置全体を制御する中央処理系と、前記中央処理系に条件を入力する入力手段と、前記信号処理系により処理されたデータを表示、保存する出力手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサが実行するパルスシーケンスは、少なくとも、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を所定の増分で変更しながら前記計測信号を計測する第1の位相エンコード印加パターンと、位相エンコード傾斜磁場の印加強度を前記所定の増分とは異なる増分で変更しながら前記計測信号を計測する第2の位相エンコード印加パターンとを含み、前記信号処理系は、前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データと前記第2の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データとから画像再構成する手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記第2の位相エンコード印加パターンのステップ幅を前記第1の位相エンコード印加パターンのステップ幅の整数倍とすることを特徴とする請求項1の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記第1の位相エンコード印加パターンの位相エンコード傾斜磁場強度と前記第2の位相エンコード印加パターンの位相エンコード傾斜磁場強度が同一の場合に、該同一位相エンコード傾斜磁場を繰り返すことによって、前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測と前記第2の位相エンコード印加パターンによる計測を並列させて同時に行うことを特徴とする請求項1又は2の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記第1の位相エンコード印加パターンと前記第2の位相エンコード印加パターンのいずれか一方を先に他方を後にしてシーケンシャルに計測することを特徴とする請求項1又は2の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記信号処理系が行う画像再構成は、前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データ及び前記第2の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データを用いてそれぞれ画像再構成し、これらの画像を合成するとを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記信号処理系が行う画像再構成は、前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データと前記第2の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データとを合成しこの合成されたデータを画像再構成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記信号処理系が行う画像再構成は、前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データを用いて、前記第2の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データの不足部を補完、この補完されたデータ及び前記第1の位相エンコード印加パターンによる計測で取得された計測データのそれぞれから画像を再構成し、これらの画像を合成するとを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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