JPH0435688B2 - - Google Patents

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JPH0435688B2
JPH0435688B2 JP8320586A JP8320586A JPH0435688B2 JP H0435688 B2 JPH0435688 B2 JP H0435688B2 JP 8320586 A JP8320586 A JP 8320586A JP 8320586 A JP8320586 A JP 8320586A JP H0435688 B2 JPH0435688 B2 JP H0435688B2
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electrode
transmitting
scale
measurement
electrodes
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Andaamo Ingubaaru
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Mitutoyo Corp
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Priority to DE87104889T priority patent/DE3786424T2/de
Priority to CN87102580.9A priority patent/CN1013704B/zh
Priority to IN265/MAS/87A priority patent/IN169393B/en
Priority to IN263/MAS/87A priority patent/IN169902B/en
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Priority to US07/200,368 priority patent/US4879508A/en
Priority to US07/372,773 priority patent/US5023559A/en
Priority to US07/635,960 priority patent/US5053715A/en
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は容量型位置測定トランスデユーサ、特
に、互いに相対的に移動する一対の移動部材間の
絶対位置を静電容量の変化から正確に測定するこ
とのできる改良された容量型位置測定トランスデ
ユーサに関するものである。
[従来の技術] 電気的な測長器として2枚のスケールを相対移
動させ、両スケールに配列された電極間の静電容
量の変化を用いて前記両スケールの相対移動位置
を測定する電気的測長器が周知であり、三次元測
定器あるいはNC加工機等の大型測長器から携帯
可能なノギス、マイクロメータその他の小型測長
器まで広範囲に利用可能である。
このような測長器に用いられる静電容量型トラ
ンスデユーサはその送信電極に交流信号、好まし
くは複数の位相の異なる交流信号、を供給して対
応する受信電極には電気的な測定回路が接続さ
れ、両電極間の相対移動による静電容量変化を用
いて所定の位置測定が行われている。
従来の一般的な容量型トランスデユーサは相対
測定が通常であり、絶対測定には不適であつた。
すなわち、トランスデユーサの両スケール間の
相対移動は静電容量の繰返し変化として通常電気
的に検出され、従来においては、この繰返し数を
カウントすることによつて相対移動量を測定する
ことが通常であり、このような場合、両スケール
間の絶対位置そのものを測定することは極めて困
難であり、両スケールを基準位置から測定位置ま
で相対移動させ、この間の繰返し信号をカウント
する相対測定が一般的であつた。
しかしながら、このような相対測定では手軽に
測定値を得ることができず、特に携帯用のノギス
その他においてはその操作性の上からも絶対測定
が強く要望されていた。
また、前記相対測定では、両スケール間の移動
速度に制約が与えられ、また、消費電力が大きい
という問題があつた。
すなわち、前述した相対測定によれば、測定は
インクリメンタルに行われなければならず、また
各測定初期において常に装置の零セツトが必要と
される。
従つて、従来の相対測定装置は操作性が悪く、
また電力消費が大きいために電池駆動される小型
の測定装置としては電池寿命が短く、あるいは装
置が大形化するという問題があつた。
また、前述したごとく、相対測定においては、
両スケール間の移動速度が早くなると、処理速度
が追従できずにミスカウントを行うという問題が
あり、移動速度に制約が与えられ、あるいは交流
信号の周波数を十分に高くし、及び検出回路の処
理速度を十分に高めなければならないという問題
があつた。
一方、絶対測定によれば、トランスデユーサの
零セツトは組立時に行われれば、後の測定時にこ
れを調整する必要はなく、各測定値における零セ
ツトは全く不要となる。そして、絶対測定は測定
値を求める時のみ電源を接続すればよいために、
電力消費が著しく少なくなり、バツテリ駆動型の
小型測長器を可能とし、更に太陽電池等のような
電源容量の小さいバツテリでも十分に測長器を駆
動できるという利点を有する。
更に、絶対測長によれば、両スケールの相対位
置が定まつた時に両者間の静電容量を測定するの
で、スケールの相対移動の間は何ら測長作用に寄
与せず、この結果、スケールの移動速度に制約が
与えられることがないという利点がある。
従来において、静電容量を用いた絶対位置測定
トランスデユーサは特開昭54−94354(米国特許第
4420754号)として知られており、この従来技術
は本願発明者により発明されたものであつて、そ
の概略構造は2対の送信/受信電極を互いに相対
移動させ、両電極対はそれらの電極ピツチが互い
に異なることを特徴とし、両電極対あるいは両ス
ケール対から得られた位相の異なる信号を電気的
に処理することによつて絶対位置の測定が可能で
ある。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前記従来装置は実際上これを測
長器として実用化する際には以下のごときいくつ
かの問題点があつた。
第1の問題点は2対のスケールは互いに独立し
てそれぞれ別個の静電容量検出回路を構成し、こ
れら両検出出力が測定回路によつて処理される
が、両出力間にはどうしても僅かながら時間差が
発生し、この時間差によつて測定値に大きな誤差
が生じるという問題があつた。
また、両スケール対の間で僅かな測定誤差が生
じたような場合、すなわち一方が正確な位相検出
を行つているが、他方が僅かに測定誤差を含むよ
うな場合、原理的にこのような一方に生じたずれ
は測定回路が絶対位置を判断する際には極めて大
きな絶対値誤差として処理されることとなり、両
スケールの機械的な位置精度及び前述した独立し
て設けられた電気回路の処理特性を著しく厳格に
設定しなければならないという問題があつた。
第2の問題は2対のスケールを必要とすること
から、トランスデユーサのスペースが大きくなる
ことであり、これは、小型携帯用測長器を実用化
する際に大きな阻害要因となつていた。
第3の問題は、前述したごとく、従来装置にお
いては、2対のスケールをそれぞれ別個に静電容
量検出回路として用いるために、消費電力が大き
くなることであり、これも小型携帯用測長器にと
つては好ましくない特性であつた。
また、第4の問題として絶対測定を比較的長い
測長範囲内で行う場合、電極を著しく細密化しな
ければならず、これを正確にスケール上で達成す
るためには極めて高精度の加工技術が必要とされ
るということである。
通常の場合、前記電極は絶縁基板上に蒸着等に
よつて形成されるが、高分解能の測長器を得るた
めに前記細密分割された電極に頼る場合、その加
工は著しく困難となり、また必然的に装置の価格
上昇を招くという問題があつた。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、静電容量方式によつて相対
的に移動するスケール間の絶対位置を電気的に測
定するとともに、従来装置における前述した問題
点を全て除去し、電極自体の機械的細密分割を必
要とすることなく高分解能の改良された容量型位
置測定トランスデユーサを提供することにある。
本発明によれば、小型のトランスデユーサであ
りながら正確な絶対値測定を可能とし、測定の都
度零セツトを必要とすることなく、また電力消費
の少ないかつスケールの移動速度に制約のない改
良されたトランスデユーサが提供可能である。
そして、本発明によれば、送信電極に接続され
る交流信号はその周波数を比較的低い周波数に設
定しても、十分な高精度を確保することができ、
これによつて、電気回路を著しく簡略化し、また
安価に装置を完成し得る。
もちろん、本発明において、電源は絶対値を表
示するときのみに接続すれば、所望の測定作用を
行うことができ、装置の消費電力は著しく削減さ
れる。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は、2個の
相対移動する部材間の絶対位置を静電容量の測定
によつて行うトランスデユーサの改良に関し、こ
のトランスデユーサは前記相対移動する部材とし
て互いに近接して相対移動可能に配置された第1
スケール及び第2スケールを有する。
前記両スケールは通常直尺で形成されて直線的
な相対移動を行うことが一般的であるが、もちろ
ん、本発明において、2枚の同軸配置された円板
にてスケールを形成し、ロータリトランスデユー
サを得ることも好適である。
本発明において特徴的なことは、前述した十分
に長い測長範囲を確保しながら高精度の分解能を
達成するために、測定作用は粗目測定と密目測定
とに2分割し、粗目測定によつて正確ではあるが
概略的な位置の確認を行い、次にこの粗目間を第
2の密目測定によつて正確に位置測定することに
あり、更に、これら粗目測定及び密目測定用の電
極配置を単一のスケール対上に達成したことにあ
る。
従つて、本発明によれば、両スケール上に配置
された電極は粗目測定及び密目測定の両測定時に
それぞれ異なる機能を果すように用いられるが、
このような異なる機能は単に送受信信号の組合せ
のみによつて選択され、電極配置自体は両測定に
対して共通の配置であるために、その構成、特に
全測長範囲にわたつて設けられる電極の配置を極
めて簡単にできるという利点がある。
前記第1スケールには、交流信号が供給される
第1送信電極と、この第1送信電極に対して絶縁
された状態で近接配置され測定回路が接続される
第1受信電極が設けられている。
一方、第2スケールは、相対移動方向に沿つて
第1送信電極と対向可能な位置に配置された電極
群からなり第1送信電極と容量結合する第2受信
電極と、同様に相対移動方向に沿つて第1受信電
極と対向可能な位置に配置された電極群からなり
第1受信電極と容量結合する第2送信電極と、を
含む。
前記第2スケールに設けられた両電極は必要な
測定領域にわたつて連続的に配置され、通常第1
スケール側の電極より十分に長い電極列を形成し
ている。
本発明において、前記第2受信電極と第2送信
電極とは互いに送信及び受信電極間で結合電極に
て電気的に接続されており、通常、第2送信電極
と第2受信電極とは同数に設定されている。
更に、本発明において第1に特徴的なことは、
前記各接続された第2受信電極と第2送信電極と
の結合対には相対移動方向に沿つてそれぞれ異な
る偏位が与えられており、各移動位置に対して特
定された前記偏位により必要な全測定範囲内でま
ず粗目の絶対値測定が行われることにある。
前述した各移動位置に対する異なる偏位は移動
量に対する所定の関数として示され、この関数は
直線性を有することが通常であるが、本発明にお
いては、必ずしも直線的関数である必要はなく、
任意の特性を与えることができる。
本発明においては、前述したごとく、第2スケ
ールに設けられた第2受信電極と第2送信電極と
は各電極が互いに結合電極にて接続されており、
この結果、第1スケールの第1送信電極に供給さ
れた交流信号は、まず容量結合によつて第2スケ
ール側の第2受信電極に伝達され、次に、この信
号はそのまま電気的に第2送信電極に伝わり、再
び容量結合によつて第1受信電極に戻される。
従つて、本発明によれば、1系列の電気回路に
よつて第2受信電極と第2送信電極を通つて静電
容量の変化を一度で検出することができ、前記電
極間の偏位は必要な測定領域間で各移動位置ごと
に唯一に特定されているので、検出された静電容
量値は供給された交流信号の位相に対応して単一
値に定まり、従来装置のごとき2系列の電気回路
を用いた装置と異なり極めて高精度の測定作用を
行うことが可能となる。
前記測定回路は受信された信号レベルを送信さ
れた交流信号の位相と比較して所定の演算作用を
行い、相対移動位置の絶対値を求めることができ
る。
しかしながら、この求められた相対移動位置
は、前記第1送信電極と第2受信電極との偏位に
依存し、この偏位は後述する説明から明らかなご
とく送信波長ピツチを超えることはできないの
で、自ずから測長範囲に制約が与えられることと
なる。
本発明において特徴的なことは、このような前
記偏位に基づく制約を粗目測定と密目測定とに分
離することによつて大きな測長範囲でありながら
極めて高精度の位置測定を可能としたことにあ
る。
すなわち、前記両電極の偏位に基づいて、現在
の両相対移動部の絶対位置が粗目として正確に求
められ、この粗目間の絶対位置は次に以下に述べ
る密目測定に委ねることにある。
すなわち、本発明において更に特徴的なこと
は、前記第2受信電極が前記第1送信電極群の長
さを所定の整数で分割した等間隔ピツチの複数の
電極からなり、これによつて、受信電極ピツチを
送信電極群内の送信電極数で分割した高精度の密
目のスケール分解能を各粗目内にて達成したこと
にある。
すなわち、本発明によれば、従来のような単一
の第2受信電極ピツチに対して第1送信電極を整
数分の1に分割する細密分割とは異なり、第1送
信電極及び第2受信電極のそれぞれ複数個の群を
異なる数ずつの群として対向配置させ、両電極数
の差をビート信号として取出し、これによつて、
電極自体は加工の容易な大きなピツチを有して配
置されるが、その分解能自体は前記ビートによつ
て極めて細かい密目に設定できることを特徴とす
る。
従つて、本発明によれば、第1スケールと第2
スケールとを所定の測定状態に保持すれば、この
ときの両スケール間の相対移動距離が、まず粗目
の測定として前述した第2受信電極と第2送信電
極との偏位を用いて行われ、次に、電気回路を切
替えて、トランスデユーサの両スケール間位置は
全くそのままの状態に保持した状態で、前述した
粗目絶対値測定によつて概略の位置測定が行われ
た状態で、この粗目間の細密な密目測定が前記第
1送信電極と第2受信電極との組合せから求めら
れる。
従つて、本発明によれば、一対の第1スケール
と第2スケールとの電極組合わせを用いて、粗目
絶対値測定と密目絶対値測定との両者を容易に切
替えて行うことを可能とし、各電極が粗目測定及
び密目測定の両者に兼用され、簡単な電極配置に
よつて高精度の絶対測定を可能とするという利点
がある。
本発明において、この密目測定は、前記粗目測
定あるいは中目測定に用いた電極をそのまま用い
て行うことができ、本発明におけるこのような異
なる2種類の測定に対して電極が完全に兼用でき
ることは電極配置の簡略化に極めて有用である。
第22図には前述した密目測定の原理が示され
ている。
本発明の密目測定において特徴的なことは、従
来は第1送信電極12が各第2受信電極22に対
してそれぞれ複数例えば8個細密分割されていた
のに対し、今回は、従来における異なる位相の送
信信号が供給される8相の送信電極で形成される
送信波長ピツチWt1′から1つずつの送信電極を
抽出してその電極を大きく拡大して配置したこと
を特徴とする。
すなわち、第22図から明らかなごとく、従来
における第1の送信波長ピツチWt1′すなわち8
個の送信電極群からは第1の電極のみを取出して
これを符号12−1で示されるごとく拡大して第
1の第1送信電極とし、他の電極を除去した。
同様に、第1の送信電極ブロツクからは2番目
の電極12−2を取出し他を除去し、以下順次1
2−3,12−4…12−8で示される第1送信
電極を取出した。
従つて、本発明の密目測定によれば、新たな送
信波長ピツチWt1は従来に対して8倍に拡大され
たことが理解される。
従つて、第22図の原理図から明らかなごと
く、受信側においては受信電極は前記送信電極群
の長さすなわち新たな送信波長ピツチWt1を所定
の整数、この場合には「9」で分割した等間隔ピ
ツチの複数の電極から形成されることが理解され
る。
従つて、第22図において、第2受信電極ピツ
チPr2は1/9×Wt1となることが理解される。
そして、この原理図から明らかなごとく、第2
2図のそれぞれ取出した8個の第1送信電極12
は、9個の整列配置された第2受信電極22に対
する関係として、各受信電極に対して従来の送信
波長ピツチWt1′内に細密配置された8個の第1
送信電極と同様の関係にあることが理解される。
すなわち、従来の細密電極においても、両スケー
ルが相対移動すれば、送信電極及び受信電極間の
相対移動は第22図と全く同様に考えることがで
き、単に、第22図においては、受信電極の9枚
分にわたつた長さで判断しなければならないとい
う相違を有するのみである。
しかしながら、このような相違は単に測長器の
例えばノギスにおいて副尺の横幅が従来より広が
ることのみを意味し、実際上、副尺の横幅は各送
信電極の幅に対して十分に大きいために、実際上
装置の実用化に対して前記特徴は何ら阻害要因と
なることはない。
[実施例] 以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を説
明する。
第1図にはノギス等のように本尺に対して副尺
が直線移動する測長器に好適な本発明に係る容量
型位置検出トランスデユーサの好適な実施例が示
されており、第1スケール10と第2スケール2
0とを含み、例えばノギスの副尺側に前記第1ス
ケール10が組込まれ、また本尺側に第2スケー
ル20が組込まれる。
前記両スケール10,20は互いに近接して相
対移動可能に配置されており、第1図においてx
軸位置は第2スケール20を基準として第1スケ
ール10の移動位置を示す。
前記第1スケール10には第1送信電極12が
設けられており、この第1送信電極12には発振
器30から交流信号が供給されている。
図示した実施例において、第1送信電極12は
8個ずつの等間隔に配置された電極からなる3対
の第1送信電極構造を有し、各対には前記発振器
30から45度ずつ位相の異なる8相の交流信号
「1」〜「8」が供給されている。
前記第1スケール10には更に第1受信電極1
4が設けられており、この第1受信電極14は、
実施例において、ピツチWr1を有する三角波形状
の互いに反転配置された1対の電極群14a,1
4bからなり、前記第1送信電極12と隣接して
平行に配列されている。
各第1受信電極14はそれぞれ各対ごとに測定
回路32と接続されている。
前記各電極12,14はそれぞれ第1スケール
10の絶縁基板上に蒸着その他の手段によつて設
けられており、各電極間は電気的に絶縁状態にお
かれている。
粗目測定電極配置 本発明に係るトランスデユーサの第1の特徴的
事項は、粗目絶対測定用の第2スケール20の電
極配置にあり、図から明らかなごとく、第2スケ
ール20には整列配置された第2受信電極22及
び第2送信電極24が設けられている。
第2受信電極22は相対移動方向(x軸)に沿
つて第1送信電極と対向可能な位置に配置された
電極群からなり、第1送信電極と容量結合する。
実施例における第2受信電極22は等間隔に配
置されており、そのピツチはPr2にて示されてい
る。
一方、第2送信電極24は相対移動方向(x
軸)に沿つて前記第1受信電極14と対向可能な
位置に配置された電極群からなり、該第1受信電
極14と容量結合している。
そして、この第2送信電極24は、実施例にお
いて、等間隔に配置され、そのピツチがPt2にて
示されている。
そして、本発明において、前記第2受信電極2
2と第2送信電極24とのピツチは異なる値に設
定されており、この結果、両電極間には符号D(x)
で示される偏位が与えられていることが理解され
る。
そして、本発明においては前記偏位 D(x)=(Pt2−Pr2)f(x) は相対移動位置すなわちxの値に応じて一定の特
定された値になることが特徴的である。
更に、本発明においては前記第2受信電極22
と第2送信電極24とが各電極ごとに互いに結合
電極26によつて電気的に接続されていることを
特徴とする。
従つて、本発明によれば、各相対移動位置(x)に
対して結合電極26で互いに結合された両電極間
偏位D(x)は唯一の特定された値となることが理解
され、これによつて、検出される静電容量値は偏
位D(x)に対応した値となり、絶対値測定が可能と
なることが理解される。
もつとも、この偏位D(x)の絶対値はトランスデ
ユーサの測定範囲が増大するにしたがつて増加
し、その偏位D(x)量が送信ピツチ、実施例におい
ては第1送信電極12上の送信波長ピツチすなわ
ち第1図のWt1を超えることはできないという制
約がある。
すなわち、前記偏位D(x)が送信波長ピツチWt1
を超えた場合には、受信信号の識別が困難となる
からである。
従つて、第1図の実施例においては、第2スケ
ール20はノギスの本尺全長にわたつて最大の偏
位D(x)が前記送信波長ピツチWt1を超えないよう
に設定されている。更に詳細には、第1図におけ
る偏位D(x)は第2スケール20の中央部において
零、そして左右に進むにしたがつてその値が反対
方向に増加するように設定され、第2スケール2
0の両端における偏位を正負に振分けた形状から
なる。
第2スケール20も絶縁基板を有しており、前
述した第2受信電極22、第2送信電極24、そ
して各結合電極26は蒸着その他の手段によつて
前記絶縁基板上に形成され、各対応する第2受信
電極22と第2送信電極24とは電気的に接続さ
れ、このような電極対は相対移動方向(x軸)に
沿つて互いに電気的に絶縁された状態で配列され
ている。
以上のごとく、本発明によれば、第2スケール
20の第2受信電極22と第2送信電極24とは
相対移動方向に沿つて各位置ごとに唯一の特定さ
れた偏位D(x)を有しているので、第1スケール1
0が移動したときに検出される静電容量値は各位
置ごとに唯一の特定した値となり、任意位置の絶
対測定が可能となる。
そして、本発明によれば、第1送信電極12に
供給された交流信号は容量結合によつて第2受信
電極22に伝達され、これが直ちに結合電極26
の導通によつて第2送信電極24に伝わり、相対
移動方向(x軸)方向にシフトされた状態で再び
容量結合によつて第1受信電極14に戻される。
従つて、本発明によれば、単一の電気系統のみ
によつて前記異なる偏位を持たせた電極を通つて
信号の検出を行うことが可能となり、信号の位置
ずれあるいは時間差が生じることなく極めて高精
度の粗目絶対測定を可能とすることができる。
密目測定電極配置 前述した説明から明らかなごとく、本発明によ
れば、第2スケール20における第2受信電極2
2と第2送信電極24との偏位D(x)によつて全測
長範囲にわたる絶対測長が可能となるが、測長範
囲が増大するにしたがつてこの測定精度は粗くな
り、前述した説明にて得られる受信信号は粗目の
絶対測定信号しか求めることができない。
本発明において特徴的なことは、このような粗
目絶対測定の各粗目間を次に第2の電気的処理に
よつて密目絶対測定に供し、前記粗目絶対測定に
て概略的な位置測定が完了した後、この概略的位
置の密目絶対測定を単なる電気的な処理のみで可
能とし、両測定値から正確な高分解能の絶対測長
値を得ることを特徴とする。
以下に本発明に係る密目絶対測定を説明する。
本発明において特徴的なことは、前述したごと
く、第1送信電極12と第2受信電極22との電
極配置であり、本実施例において第1送信電極1
2は8個の交流信号、すなわち45度位相の異なる
信号をそれぞれ受入れるために8個の電極にて1
つの群を形成している。
従つてこの一群の長さが送信波長ピツチWt1を
形成し、また各第1送信電極間のピツチは図にお
いてPt1にて示されている。実施例において、第
2受信電極は前記送信電極群の長さすなわち送信
波長ピツチWt1を所定の整数で分割した等間隔ピ
ツチの複数の電極22からなり、実施例において
この分割数は「5」に設定されている。
本実施例において、前記送信波長ピツチWt1を
分割する整数を送信波長ピツチWt1内の第1送信
電極12の数より小さくしたことは、本発明の本
質的な事項ではないが、実際上、スケールの全長
にわたつて伸びる第2スケール20の電極ピツチ
Pr2をできるだけ大きくし、第2スケールの電極
加工を容易にするためには有用である。
以上の結果、第2受信電極22は送信波長ピツ
チWt1内で「1,2,3,4,5」の順に配列さ
れ、受信電極ピツチPr2は 1/5Wt1 となる。
一方、このような第2受信電極22の配置に対
して、前述した第1送信電極12はそのピツチ
Pt1が 5/8Pr2 となり、その交流信号の供給順は測定回路32に
おける処理を容易にするために第2図の拡大図か
ら明らかなごとく以下のように定められる。
すなわち、受信電極ピツチPr2を送信電極数、
実施例においては「8」分割したときに、各送信
電極12には前記受信電極ピツチの分割位置に対
応する交流信号が供給され、実施例においては、
左から順次「1,6,3,8,5,2,7,4」
なる順番で交流信号の供給が行われる。このよう
な供給順は本発明において必ずしも必須ではない
が、原理図で示した第22図と異なり、第1送信
電極数よりも第2受信電極数が少ない場合、その
配置は両電極の位相差順に図示のごとく配列する
ことが後の検出信号の処理を容易にするために有
用である。
以上のようにして、第1図の実施例から明らか
なごとく、本発明によれば、第2受信電極22を
送信電極波長ピツチWt1の整数分の1に分割した
等間隔ピツチで配置したので、受信電極ピツチ
Pr2の第1送信電極22群内の送信電極数すなわ
ち1/8の密目のスケール精度で位置検出を行うこ
とが可能となる。
従つて、本発明によれば、第1スケール10と
第2スケール20にて所望の測長位置を定めた状
態で、後述する電気回路にて示されるごとく、第
1の粗目測定を行つて現在のスケール位置の概略
的な位置を正しく求め、次に、この粗目間の精密
位置を電気回路の切替によつて密目測定し、両測
定値を加算することによつて所望のスケール相対
位置を絶対位置として測定することが可能とな
り、前記2回の電気的な測定処理は両スケール1
0,20を全く同一の状態で保持したまま高速度
にて行われ、実際上は、使用者が例えば測定ボタ
ンを押し操作する瞬間に表示器上に前記2回の測
定及び加算演算を行つた結果が表示される。
以上のように、本発明によれば、密目測定用の
電極と前記粗目測定用の電極とは互いに共用さ
れ、各測定に対してそれぞれ専用の電極配置を必
要としないことから、長い測長範囲にあたつて簡
略化された電極配置にて高精度の測定を可能とす
る利点がある。
他の実施例 第3図には本発明に係る粗目測定における第1
スケールの他の実施例が示され、第1図と同一も
しくは対応する部材には同一符号を付して説明を
省略する。
第1送信電極12は実施例において4種類の位
相の異なる交流信号が供給され、このために符号
「1」〜「4」にて示される4個の電極毎に1つ
のブロツクを形成しており、90度ずつの位相の異
なる交流信号は発振器30から位相変換器34を
介して各電極に供給される。
図から明らかなように、第1送信電極12は各
電極間ピツチがPt1にて示され、交流信号の数す
なわち送信電極グループの数をnとすると、実施
例ではn=4となり、各グループ電極の長さ、す
なわち、送信波長ピツチWt1は n×Pt1 となることが理解される。
前記第1送信電極12に隣接した整列配置され
た第1受信電極14は2個毎に1ブロツクを形成
しており、それぞれ測定回路32に対して2種類
の検出信号Sa,Sbを供給している。
そして、実施例においては、前記第1受信電極
14の各ブロツク毎のピツチすなわち受信波長ピ
ツチWr1は前述したごとく送信信号が第2スケー
ルを通つて所定のシフトがなされたシフト量に対
応して、 Wr1=Wt1×Pt2/Pr2 に設定されている。
従つて、このような受信波長ピツチWr1によれ
ば、第1送信電極12から送信された交流信号は
第2スケールにおいて所定のシフトが行われた
後、再び第1受信電極において、前記シフト量に
対応した長さの受信電極14にて受信できること
が理解される。
測定回路32に出力される測定信号Sa,Sbは
それぞれ反転位相を有しており、この結果、両信
号の差演算を行うことによつて、検出精度を更に
向上することが可能である。
第4図には本発明の第1スケールの更に他の実
施例が示されており、第3図と類似するが、第1
受信電極14は相対移動方向(x軸)に対して受
信波長ピツチWr1にて繰返す三角波形状を有して
いる。
そして、この三角波形状は互いに逆位相で配置
された2個の第1受信電極14a,14bからな
り、それらの検出値が互いに差演算され、これに
よつて、検出信号の感度を改善することができ
る。
第5図には本発明の密目測定用の他の送受信電
極の組合わせが示されている。
第5図の実施例において、第1送信電極12は
第1図と同様に8相の異なる交流信号を受入れ、
その送信波長ピツチはWt1で示され、また電極ピ
ツチはPt1にて示されている。そして、第2受信
電極22は、この実施例においては、前記送信波
長ピツチWt1を「3」にて分割した構成を有し、
この結果、受信電極ピツチPr2は 1/3Wt1 となる。
この実施例においても、送信電極12の信号供
給順序は受信電極Pr2を送信信号数である8で分
割した位置にて定まり、図において、左から
「1,4,7,2,5,8,3,6」なる順序に
設定される。
第5図の実施例において、送信電極ピツチPt1
は 3/8Pr2 に設定されている。
第6図は本発明に係る密目測定用の更に他の実
施例を示し、この実施例においては第1送信電極
12が非等間隔で配置されていることを特徴とす
る。
すなわち、第6図の実施例において、6個の第
1送信電極が一群となつて送信波長ピツチWt1を
定めているが、この一群内での電極ピツチPt1は
一定でなく、3個ずつの更に細かいサブブロツク
に別れている。
しかしながら、このような装置においても、第
2受信電極22側を等間隔で整列配置すれば、本
発明の原理を損うことなく良好な位置検出作用を
行うことができる。
もちろん、このような非等間隔配置において
も、交流信号の供給順は前述したと同様に、受信
電極ピツチPr2を送信電極数で分割した位置にて
決定され、実施例によれば、「1,3,5,4,
6,2」なる順序が設定される。
本実施例によれば、図示のごとく、受信電極ピ
ツチPr2は 1/3Wt1 に選ばれている。
第7,8図にはそれぞれ本発明に係るトランス
デユーサの具体的な第1スケール10及び第2ス
ケール20が詳細に示されている。
第7図の第1スケール10は前述した第4図の
実施例と類似するが、その第1受信電極14a,
14bは第4図の三角波形状と異なり正弦波状を
呈していることを特徴とし、両第1受信電極14
a,14bからの出力は測定回路32の差動増幅
器において差演算される。
また、第7図の第1スケール10において、第
1送信電極12に供給される交流信号は8相に分
割されており、それぞれ45度の位相差を有する。
第7図のごとき第1スケール10においては、
第1送信電極12に供給される交流信号は矩形波
の信号が選択され、また、第1受信電極14a,
14bはその電極形状が正弦波であることから、
測定回路32に供給される2種類の反転位相の出
力信号は正弦波状を呈することが理解される。
第8図の第2スケール20は必要な測長全域に
わたつて伸張したスケールからなるが、実施例に
おいてはその一部のみが切取られて示されてい
る。
図から明らかなごとく、本実施例における第2
受信電極22と第2送信電極24とは互いに各電
極対が結合電極26によつて電気的に結合されて
おり、これによつて、第2受信電極22によつて
受信された交流信号は第2送信電極24において
所定の変位量シフトされることが理解される。
前述したごとく、この偏位D(x)は相対移動位置
に対して唯一の特定の値となるように設定されて
おり、本実施例においては、両電極22,24が
それぞれピツチPr2,Pt2にて等間隔に配置され
ていてるので、前記偏位D(x)は相対移動距離の比
例関数となることが理解される。
第1図と同様に、前記偏位D(x)は第2スケール
20の中央部において零、そして両端に向かうに
したがつて順次増大する量に設定されており、こ
こで、第2スケール20の全長をSとすると送信
波長ピツチ(Wt1)の負側の−1/2値から正側の
+1/2まで変化し、次式にて示される。
D(x)=(−1/2+x/S)×Wt1 また、第8図に示した第2受信電極22は前記
第1送信電極12の送信波長ピツチWt1を「5」
で分割した等間隔ピツチの複数の電極からなり、
密目の絶対測定を行う電極配置は第1図と同様で
ある。
第9図には本発明に係る更に他のトランスデユ
ーサの好適な実施例が示されており、本実施例に
おいて特徴的なことは、第2受信電極22が半波
の正弦波形状を呈していることであり、所望の正
弦波形状の出力を得ることができる。
第10図には本発明に係る更に他のトランスデ
ユーサの好適な実施例が示されており、本実施例
において特徴的なことは、前述た第9図の第2ス
ケール20に設けられた第2受信電極22及び第
2送信電極24が互いに対称的に2組設けられ、
また第1スケール10の第1受信電極14がこれ
に対応して2組設けられていることである。
その他の基本的な電極配置は第9図の実施例と
極めて類似しており、第2受信電極22はそれぞ
れ半波の正弦波形状を呈している。
また、第1送信電極12の送信波長ピツチWt1
に対して第2受信電極22は「3」で分割した等
間隔ピツチを有する。
第10図において、第2受信電極22は互いに
180度異なる反転した状態で配置された2個の電
極22a,22bからなり、各電極22a,22
bに対してそれぞれ同一方向に同一偏位D(x)でそ
れぞれ結合電極26a,26bによつて結合され
ている。
前記第2スケール20側に対応して、第1スケ
ール10側においても、本実施例では、前記第2
送信電極20aと容量結合する三角波形状の一対
の第1受信電極14a,14bが設けられ、同様
に第2送信電極24bに対向して容量結合する一
対の第1受信電極14c,14dが設けられてい
る。
従つて、本実施例によれば、前記各第1受信電
極14から得られた受信信号Sa,Sb,Sc,Sdは
演算切替器31において任意に加算あるいは差演
算され、例えば電極の一部が汚染されたような場
合においても、極めて高精度の信号を出力可能で
ある。
前記演算切替器31の切替えは後述する測定回
路によつて行われている。
以上のようにして、本発明によれば、第1送信
電極に供給された交流信号は容量結合によつて第
2受信電極に伝達され、これが直ちに第2送信電
極に所定変位量シフトされて導通し、再び容量結
合によつて第1受信電極に戻され、この検出され
た出力信号は第2スケール上における第2受信電
極と第2送信電極の偏位情報を含んでおり、本発
明においてこの偏位は必要な測定領域内において
相対移動位置に対して常に唯一の特定された値を
有しているので、この結果、検出された信号は相
対移動位置を演算するために十分な情報を保有し
ていることとなる。
そして、本発明によれば、前述した偏位D(x)の
測定によつて正確な粗目絶対測定を可能とし、従
来の相対測定における測定の都度必要な零セツ
ト、大消費電力そしてスケールの移動速度のない
優れた測長器を提供可能である。
また、本発明によれば、前述したごとく、トラ
ンスデユーサを貫通する電気回路が唯一であるた
めに、電極配置の機械的誤差あるいは電気的な遅
れ時間差の相違等を考慮することなく、測定精度
を著しく改善でき、また一組のスケール対によつ
て測定が行われるので、スペース及び消費電力の
小さいトランスデユーサを提供可能である。
そして、本発明によれば、更に、以上のように
して前記偏位D(x)を利用して求められた粗目の絶
対値測定が行われるとともに、第1送信電極12
と第2受信電極22との特定の設定された電極ピ
ツチに基づいて、前記粗目にて粗く求められた全
スケール長間の粗絶対位置の各粗目間における密
目の絶対位置が次に電気回路に切替えによつて得
られ、両求められた測定値を加えることによつて
全測定範囲内において極めて正確な密目の絶対測
定値を得ることが可能となる。
測定回路 第11図には前述した本発明にかかるトランス
デユーサに接続される測定回路の一例が示され、
またその各部波形及びタイミングチヤートが第1
2図に示されている。
前述した本発明に係るトランスデユーサは符号
100にて示されており、その第1送信電極には
複数の位相の異なる交流信号が供給されており、
この交流信号は発振器30から得られ、この発振
出力f0は本発明においてさほど高周波である必要
はなく、例えば100〜200KHz程度の比較的低い周
波数とすることができる。
前記発振器30の出力f0はトランスデユーサ1
00に対しては更に分周器60にて分周された信
号として供給されるが、変復調器に対する同期信
号としても用いられており、装置の分解能を定め
るための一つの要因を形成するが、前述したごと
く、本発明においてはこの基本周波数及び次に分
周されて第1送信電極に供給される交流信号の周
波数が低いことから、回路構成を簡略化して安価
な装置によつて十分な分解能が得られるという効
果を有する。
前記分周器60の出力は更に位相変換器34に
て所望の8個のそれぞれ45度の位相差を有する交
流信号200−1〜200−8に変換される。従
つて、このような位相の異なる8個の交流信号は
例えば前述した第1図の第1送信電極に供給され
ることが好適である。
前述した8個の交流信号は変調器62におい
て、前記発振器30の出力f0で変調され、この信
号200−1〜200−8が送信切替器61を介
してトランスデユーサ100の各第1送信電極1
2へ供給される。
トランスデユーサ100は前述したごとく、前
記供給された交流信号202を第1、第2スケー
ルの相対移動位置に対応した信号レベル変換を行
つた後に第1受信電極から電気的な信号として出
力し、この出力は受信切替器63を介して差動ア
ンプ64から信号204として出力され、第12
図のごとくその包絡線が正弦波曲線を描く信号と
なることが理解される。
この差動アンプ64の出力204は更に同期復
調器66によつて復調され、その出力206は両
スケールが基準位置にいるときの基準信号300
と比してφなる位相差を有することが理解され、
この位相差φを求めることによつて、両スケール
の相対位置によつて定まる絶対値を求めることが
できる。
なお、前記復調器66の出力206は図示のご
とく高周波成分を含んでおり、実施例において
は、この高周波成分をフイルタ68にて除去し高
周波成分が除去された信号208を得ている。
前記信号208は更に零クロス回路70によつ
て波形の零クロス位置が検出されている。
実施例において、前記位相差φをデジタル演算
するために、装置は、カウンタ72を含み、その
リセツト/スタート信号は、実施例において、変
調器62、復調器66のトリガ信号と制御ユニツ
ト80により同期制御されおり、装置の測定開始
を基準信号のトリガとして用い、この時点からカ
ウンタ72の計数動作が開始される。カウンタ7
2の計数タイミングは、発振器30の出力周波数
f0にて制御されている。
そして、カウンタ70の計数ストツプは前記零
クロス回路70からの信号によつて制御されてお
り、第12図の位相φ位置にて、前記零クロス回
路70はフイルタ68の出力208からストツプ
信号をカウンタ72へ出力し、前記カウンタ72
の計数動作がこの時点で終了する。
従つて、前記カウンタ72の計数値はトランス
デユーサによつて基準信号300がシフトされた
位相差を示すこととなり、前述したごとく、本発
明によれば、この位相差φは粗目絶対値測定及び
密目絶対値測定の両者に対してそれぞれ粗目及び
密目の絶対値信号を示すこととなる。
すなわち、粗目絶対値測定においては、両スケ
ール10,20の偏差D(x)と対応し、前記カウン
タ72の出力は演算ユニツト74によつて絶対値
への変換演算が行われる。
一方、密目絶対値測定においては、前述したご
とく、第1送信電極12と第2受信電極12との
電極パターンビートによつて各求められた粗目間
の絶対位置が正確に位相差φとして求められ、演
算ユニツト74はこの密目絶対値を前記粗目絶対
値に加算して所望の精密絶対値を得ることができ
る。
前記粗目測定及び密目測定においては、送信位
相及び受信位相が任意に最適値に切替選択され、
この選択は制御ユニツト80にて前記送信切替器
61及び受信切替器63に各位相の切替えを指示
することにより行われる。
例えば、送信側において、通常の粗目絶対測定
の場合には、第1送信電極12には電極の整列順
にしたがつて、「1,2,3,4,5,6,7,
8,」相の送信信号が順次繰返し供給され、これ
が第2スケール20側の前述した偏位D(x)にて受
信信号にスケール粗目位置に対応した変位を与
え、所望の粗目絶対値測定を行わせる。
一方、密目測定の場合には、第1,2図の接続
状態が示すように、第1送信電極12には、その
整列順に、「1,6,3,8,5,2,7,4」
相の信号が順次繰返して供給され、この第1送信
電極12と第2受信電極22とのパターンビート
によつて密目絶対測定が可能となる。
第13図には前述した第1図の実施例における
粗目と密目との送受信切替状態が示されている。
前述したごとく、測定はまず粗目測定から行わ
れ、このとき制御ユニツト80は送信切替器61
を図のごとく「1,2,3,4,5,6,7,
8」相とし、またこのときトランスデユーサ10
0から得られる受信信号Sa,Sbを「Sa−Sb」と
して出力し、粗目測定時には一対の第1受信電極
14が差動状態に接続されることが理解される。
一方、第13図の[]で示した状態が密目測定
状態であり、このとき、送信位相は「1,6,
3,8,5,2,7,4」に変更され、送受信電
極間のパターンビートがとられ、また受信信号は
「Sa+Sb」に切替えられ、一対の第1受信電極1
4は1枚の電気的に接続された電極であるかのご
とく取り扱われる。
制御ユニツト80は以上のように、第1に粗目
測定の切替を、次に密目測定の切替を行い、これ
らのシーケンスは予めユニツト内に記憶されてお
り、使用者は単に測長器の例えば測定ボタンをオ
ン操作することによつて、前記一連の粗目及び密
目シーケンスが自動的に極めて短時間で行われ、
使用者はその結果のみを表示器78の測長値とし
て認識することができる。
第14図は第10図に示した他のトランスデユ
ーサに好適な送信信号の切替状態が示されてい
る。
この実施例においては、図示のごとく、第1に
行われる粗目測定時には、送信信号位相は「1,
2,3,4,5,6,7,8」に選択され、この
とき、実施例における受信信号は2対の第1受信
電極14a,14b,14c,14dからの信号
Sa,Sb,Sc,Sdを含むので、これらの差動信号
の和がとられる。すなわち、粗目測定における受
信信号出力は「(Sa−Sb)+(Sc−Sd)」となる。
次に、密目測定時においては、送信信号位相は
「1,4,7,2,5,8,3,6」に切替られ、
同時に、受信信号も両加算信号の差がとられ、す
なわち、「(Sa+Sb)−(Sc+Sd)」に切替えられ
る。
従つて、第10,14図に示した実施例のトラ
ンスデユーサによれば、2個の信号を互いに補つ
て測長値を得るので、測定精度を著しく向上させ
ることができ、例えばスケールが汚染されている
ような場合においても、その誤差を小さくするこ
とができる。
制御ユニツト80にて制御された演算ユニツト
74の出力は、表示ドライバ76を介して表示器
78に所望の表示信号を供給して、前記測定値を
通常の場合デジタル表示する。
本実施例において、前記表示器78は、例えば
ノギスの副尺表面に埋め込み固定した液晶表示器
等からなり、これによつて、測長値を使用者が容
易に読取ることができる。
他の測定回路 第15図には本発明に係る位置測定トランスデ
ユーサに好適な測定回路の他の好適な実施例が示
されている。
図において、トランスデユーサは符号100に
示されており、前述の説明から明らかなごとく、
このトランスデユーサ100は互いに相対移動す
る第1スケール及び第2スケールを有する。そし
て、前記第1スケールには第1送信電極が設けら
れ、また第2スケールには第2受信電極が設けら
れ、両電極は互いに容量結合し、両者の相対移動
位置によつて静電容量値が変化する。
前記トランスデユーサ100の第1送信電極に
は送信回路から異なる位相で変調された複数の交
流信号が供給されており、実施例における送信回
路は発振器81と送信位相切替回路82を含み、
制御ユニツト83にて選択された粗目測定及び密
目測定毎にそれぞれ必要な任意の特定位相で変調
された交流信号を送信電極に供給することができ
る。
第16図には本実施例の送信回路の一例が示さ
れ、送信位相は8相の45度ずつ異なる位相の信号
を発振器81の高周波信号にて変調した出力を1
群として複数の送信電極12−1〜12−8に供
給している。
実施例における発振器81の高周波信号は例え
ば100〜200KHz程度の交流信号であり、これが送
信位相切替回路82に設けられた8個の排他的オ
アゲートによつて変調作用に供される。
前記送信位相切替回路82の各排他的オアゲー
トにはそれぞれP1〜P8の切替信号が制御ユニ
ツト83から供給されており、本実施例において
前記制御信号Pの組合わせは第17図に示される
ように第1組合せ相から第8組合せ相まで8種類
の位相に設定されており、制御ユニツト83はこ
れらの8種類の組合せ位相を任意に選択的に指示
することができる。
実際上、前記8個の組合わせはトランスデユー
サ100の受信信号に対して45度ずつの位相差を
与える信号からなる。
第18図には本実施例の作用説明図が示されて
おり、その全体的な作用は後述するが、図示のご
とく、前記発振器81の出力f0はクロツクパルス
として示され、また送信信号400は第18図に
おいて第1組合せ相及び第3組合せ相の信号が示
されている。
第1組合せ相を例にとつて説明すると、第17
図から明らかなごとく、送信位相切替回路82は
第1組合せ相の出力時にはP1〜P4は「0」で
あり、又P5〜P8はいずれも「1」であり、こ
の結果、送信信号400は400−5〜400−
8においてクロツクパルスが出力された信号とし
て示されている。
第16図に示した実際の送信位相切替回路82
によれば、回路が排他的オアゲートからなるため
に、正確には第1組合せ相における送信信号40
0−1〜400−4は180度位相の異なるクロツ
クパルスを含むが、第18図においては説明をわ
かりやすくするためにこの反転信号に対してはク
ロツクパルスの表示を省略してある。
同様に、第3組合せ相は第1組合せ相に対して
受信側で90度位相の異なる信号を考えることがで
き、この場合には、送信信号400−1,400
−2,400−7,400−8がクロツクパルス
を出力し、400−3〜400−6がクロツクパ
ルスのない(信号が反転された)信号として各ト
ランスデユーサ100の第1送信電極12に供給
される。
詳細には図示していないが、第17図に示した
他の送信組合せ位相においても同様に8個の送信
信号400を組合わせて第1送信電極12に供給
され、これによつて送信回路は第17図で示した
任意に選定された8種類の異なる組合せ位相の送
信信号をトランスデユーサ100に与えることが
可能となる。
前記トランスデユーサ100の受信電極からは
前述した送信信号に対応した受信信号が出力さ
れ、実施例においてはトランスデユーサ100の
第2受信電極を2種類互いに反転した形状で設
け、この両出力が受信切替回路94、差動アンプ
84によつて差演算増幅され、十分に大きな感度
の受信信号が得られる。
差動アンプ84の出力はトランスデユーサ10
0の第1スケールと第2スケールの相対位置すな
わち第1送信電極と第2受信電極との相対移動位
置によつて定まる静電容量にてその受信信号レベ
ルが決定されており、その出力は高周波信号にて
変調された波形を有するために、実施例で示され
るごとく、同期復調器85によつて同期復調され
る。この、復調器85には発振器81の出力f0が
供給されている。
同期復調器85の出力402は送信回路の送信
位相とトランスデユーサ100の送受信電極位置
にて定まり、第18図においてはその一例として
受信信号402−1,402−2が例示されてい
る。
第19図には前記トランスデユーサ100内に
おける送受信電極の相対移動距離xに対して送信
側の各送信組合せ位相によつて受信信号vが異な
る様子が示されており、第1組合せ相から第8組
合わせ相までの8個の送信組合せ位相又は両電極
の相対移動距離xの変化によつて図示のごとき正
弦波状の波形によつてその変化状態が示される。
この受信信号vの変化波形はトランスデユーサ
100の電極形状によつて決定され、実施例にお
いは第1送信電極と第2受信電極との相対位置が
変化したときにその相対移動距離xに対して正弦
波状の変化が得られる第2受信電極形状が選択さ
れているが、この形状はたとえば三角波状の変化
信号が得られる形状を選択することも可能であ
る。
第19図によれば、例えば第1組合せ相の送信
位相のみに着目した場合、トランスデユーサ10
0の相対移動距離xが変化したときに図の太線に
沿つた受信信号402が復調器85から出力され
る。
図において、第1組合せ相の受信信号vが0の
時を相対移動距離x1=0(500)位置と設定
しており、この基準位置から両電極あるいは両ス
ケールの相対移動距離xが変化したときに復調器
85からの受信信号402は第19図の第1組合
わせ相の正弦波に沿つて変化する。
第19図において、送信回路からの送信組合せ
位相が変化すれば、必然的に同一の相対移動距離
xにあるトランスデユーサからは異なる受信信号
vが得られ、例えば例示したx2のスケール位置
500において、このトランスデユーサ100の
位置を固定したままで送信位相を変化すれば、こ
の時の受信信号vはx2の線上にある所定の送信
組合せ位相のレベルとなることが理解される。
すなわち、相対移動距離x2(500位置)に
おいて、第1組合せ相の送信位相を送信電極12
に供給すればv1が得られ、以下同様に第2相の
送信位相に対してはv2、第3相の送信位相の対
してはv3、第4,5,6,7,8相の送信位相
に対してはそれぞれv4,v5,v6,v7,v8で示さ
れる信号が得られる。
従つて、本回路によれば、トランスデユーサ1
00にて定まつた第1スケール及び第2スケール
の相対測定位置において、この相対移動距離xを
固定した状態(例えばx2)で、送信組合せ位相
を8種類に変化することによつて得られる受信信
号vは8個の異なる値をとることが理解される。
また、本回路によれば、相対移動距離xに対し
て特定の送信組合せ位相を選択すれば、このとき
得られる受信信号vは受信信号vの傾きを考虜し
た状態で受信側の1波長すなわちxm内で特定さ
れ、これが各組合せ位相の最大測定範囲を形成す
ることが理解され、この最大測定範囲xm内の相
対移動距離x変化を受信信号vの処理によつて得
られることが明らかとなる。換言すれば、この最
大測定範囲xmを超えて相対移動が行われた場合
には、受信波長が再び正弦波状に繰返すために、
両者間の識別が困難となることが明らかである。
本発明においては、前述した粗目測定と密目測
定との加算によつて所望の測長値が得られ、粗目
測定時には、前記最大測定範囲xmがスケールの
全長を含むように設定され、また密目測定時には
前記最大測定範囲xmが各粗目間の相対移動距離
を含むように設定される。
本発明においては、この最大測定範囲xmを送
信組合せ位相の数にて分割した測定範囲を各送信
組合せ位相の送信信号が受持つこととなり、実施
例においては、送信組合せ位相は8種類に選択し
ているので前記最大測定範囲xmを8分割した移
動距離が各組合せ相の測定範囲を形成し、第19
図においては第1組合せ相の送信に対してxaが
第1組合せ相の測定範囲を示す。
この各測定範囲は第1組合せ相の送信に対して
得られる受信信号vが零クロスする位置、図の第
1相に対してはx1=0位置を中心としてそれぞ
れ45度/2すなわちx1=0の両側に22.5度分の
測定範囲を設定している。
従つて、各組合せ相は45度ずつの測定範囲を
得、これらの8組合せ相によつて、最大測定範囲
xmを測定可能であるように装置が構成されてい
る。
以上のことから、第19図のxaで示された第
1組合せ相の測定範囲内での位置測定が理解され
れば、他の相も同様に測定が可能であることが明
らかとなり、以下に第1組合せ相の測定処理回路
及びその作用を説明する。
本回路において、送信組合せ位相が決定されれ
ば、前記測定範囲も必然的に決定され、例えば、
第1組合せ相が選択されれば、その基準位置はx
1=0と定まり、この測定範囲内でのずれ、第1
9図においてはX2を求めれば前記x1とx2と
を加算することによつて現在のトランスデユーサ
100で定まる相対移動距離xを求めることがで
きる。
本回路において特徴的なことは、前記x2を定
めるために、2種類の異なる送信組合せ位相の送
信信号を第1送信電極に供給し、このときに得ら
れる2個の受信信号から簡単な演算によつて相対
移動距離x2が求められることにある。
前記2個の受信信号は本回路において積分器に
より正積分そして反転積分されて所望の測定値が
得られる。
実施例において、前記積分器は符号86にて示
され、復調器85のアナログ出力402を一定時
間正積分し、また次に異なる送信位相が得られた
受信信号を反転積分する。
説明を簡略化するために実施例における第1の
正積分に対し第2の反転積分はその送信組合せ位
相が受信側で90度異なる状態で行われる。
第19図の符号500で示した相対移動距離の
場合、まず第1組合せ相でトランスデユーサ10
0の送信電極が励磁され、この時受信信号vは相
対移動距離xの正弦波関数として v1=K sinx なる信号が得られる。ここでKは定数である。
そして、この第1の送信組合せ位相状態でまず
積分器86は一定時間正積分され、積分値Viを
得る。
この積分作用は対20図にて示され、正積分時
間T0は任意の一定時間に設定され、この一定時
間T0は回路の分解能に応じて予め定められる。
第20図の正積分時における積分勾配は第19
図から、受信信号vすなわち v1=K sinx であることが理解される。
従つて、第20図の一定時間経過後の積分値
Viは Vi≒T0 K sinx …(1) となる。
前記正積分が完了すると、次に、送信回路から
は90度位相の異なる送信組合せ位相で送信作用が
行われ、この時、トランスデユーサ100の相対
位置は不変であり、第19図の500位置に静止
しているので、このとき得られる受信信号vは第
3組合せ相の波形から得られる、すなわちv3と
なり、このv3は相対移動距離xの余弦波関数と
して v3=K cosx であることが理解される。
従つて、積分器86はこの第2の送信組合せ位
相状態での受信信号v3=K cosxの反転積分を
行い、前記積分値Viが第20図で示されるごと
く v3=−K cosx の積分勾配で反転積分されることとなる。
従つて、積分器86の出力404、すなわち積
分値Viはこの反転積分によつて零値となり、こ
の零値がアナログ比較回路87によつて検出され
る。
実施例においてアナログ比較回路87は前記積
分器86の出力404が「0」となつたときに出
力406を生じる。
第20図において、積分器86の出力404
(Vi)が零となるまでの時間がTにて示され、図
から明らかなごとく、この反転積分においては、 Vi≒−TK cosx …(2) が成立する。
従つて、近似的に前記正積分及び反転積分か
ら、 Vi=T0 K sinx=−TK cosx …(3) が成立する。
従つて、 T=−T0 sin x/cosx …(4) となり、 sinx/cosx=tanx であるから、 T=−T0 tanx …(5) が得られる。
ここで、前述したごとく、各送信組合せ位相に
おける測定範囲は第19図で示した受信信号の零
位置近傍すなわち±22.5度の範囲に定められてお
り、このことから、各測定範囲内では受信信号波
形はほぼ直線近似され、このような位相角の小さ
い領域では tanx≒x なる関係が成立する。
従つて、前記(5)式は T=−T0 x …(6) となり、このことから、 x=−T/T0 …(7) と近似することができる。
ここにおいて、T0は一定値であり、従つて、
前記反転積分時間Tを求めれば、測定範囲内での
相対移動距離xこの場合にはx2を簡単な演算に
よつて求められることが理解される。
そして、実施例において、この演算はカウンタ
88により行われ、カウンタ88は前記反転積分
の開始時に制御ユニツト83からの信号によつて
スタートし、前記アナログ比較回路87からの出
力406によつてストツプし、前記発振器81の
出力f0をクロツク信号としてカウントするので、
その出力408は前記反転積分時間Tを示すこと
となる。
従つて、前記反転積分時間Tを演算ユニツト8
9に供給し、制御ユニツト83からの指令によつ
て前記(7)式の演算を行えば、x2が求められ、更
に制御ユニツト83はこのときの基準となつた第
1の送信組合せ位相を演算ユニツト89に供給し
ているので、この第1送信組合せ位相から定まる
予め既知のx1との加算によつて所望の相対移動
距離xを求めることができる。
実施例において、この相対移動距離は表示ドラ
イバ90を介して表示器91にて測定値として表
示される。
以上のようにして、各選択された送信組合せ位
相での相対移動距離の演算が行われるが、前述し
たごとく、各相の測定範囲は基準となる第1の送
信組合せ位相の前後22.5度範囲に制約されてお
り、この範囲を超えた場合には、前記直線近似が
困難となり、誤差発生の主たる要因となる。
このために、本実施例においては、前記カウン
タ88の出力を比較器92が上限値設定器93の
出力と比較し、前記反転積分時間Tが上限値を超
えたときには測定不能として制御ユニツト83に
信号を出力し、基準となる第1の送信組合せ位相
を切替える。
従つて、求める相対移動距離が測定開始時に選
択された第1の送信組合せ位相の測定範囲内にな
い場合には、次の送信組合せ位相が選択され、カ
ウンタ88の出力すなわち反転積分時間Tが上限
値内に収まるための第1の送信組合せ位相が順次
繰返し試され、最大8個の繰返し測定を行うこと
によつて必ず高精度の測定値を得ることが可能と
なる。
第21図には前述した粗目及び密目の各測定時
における本回路の測定作用の全体的なフローが示
されている。
トランスデユーサ100によつて測定位置が決
定されると、回路は測定開始状態となり、まず積
分器85の内容がリセツトされる。
次に、任意の特定組合せ位相が発振回路側に設
定され、N組合せ相で変調された交流信号が送信
電極に供給される。
そして、このN組合せ相での送信状態で一定時
間T0の受信信号vの積分が行われる。
この正積分によつて、積分器86はViなる積
分値を保持することとなる。
次に、送信回路の送信組合せ位相はN+2組合
せ相すなわち、前記第1の送信組合せ位相に対し
て90度異なる送信組合せ位相に変更され、この状
態でトランスデユーサ100からは受信信号が検
出される。
そして、このN+2組合せ相の出力と同時にカ
ウンタ88の計数作用がスタートし、同時に積分
器86は前記積分値Viを反転積分する。
そして、積分値Viはアナログ比較回路87に
て監視され、上限値設定器93にて定められた上
限値Tm間に積分値Viが零となるかを判定し、こ
の時に反転積分時間Tが大きい場合には第1の送
信組合せ位相が妥当でないとし、N+1組合せ相
で再び前述した作用が繰返される。
この積分作用は反転積分値Viが上限値Tm内に
零となるまで繰返され、所望の出力が得られたと
きカウンタ88をストツプし、この反転積分時間
Tを演算し表示器91にて表示することによつて
一連の測定を完了する。
以上の説明から明らかなごとく、本実施例によ
れば、、90度位相の異なる2個の送信組合せ位相
にてそれぞれ異なる受信信号を得、これを演算す
ることによつて正確に相対移動距離を求めること
が可能となる。
もちろん、本回路において、送信組合せ位相の
分割数は8個に限らず任意の数に選ぶことがで
き、また2個の異なる送信組合せ位相は実施例で
示した90度ばかりでなく、45度の位相差に設定す
ることも可能であり、前述した実施例においては
90度の位相によつて両送信組合せ位相時に得られ
る受信信号はsin信号とcos信号の組合わせとな
り、その演算が容易であるが、両者の位相差が45
度の場合にも同様に所定の関数演算を行うことに
よつて相対移動距離を求めることができる。
以上のごとく、本回路によれば、組合せ位相の
異なる2種類の送信信号を送信電極に順次送り込
み、このとき得られる2個の受信信号を用いて、
実施例によれば正積分と反転積分の組合せによつ
て所望の測定値を演算することが可能となり、本
発明によれば、まず粗目測定において、前記異な
る組合せ位相の送信が行われて粗目測定値が得ら
れ、次に、前述した密目測定のごとく電極配置に
よつて定められた組合せ位相の送信信号を供給す
ることによつて密目測定が行われる。
従つて、これら両測定値を加算することによつ
て所望の極めて正確な測定値を得ることが可能と
なる。
[発明の効果] 以上説明したごとく、本発明によれば、相対移
動する2つの部材、通常第1及び第2スケール間
の相対移動量を静電容量の変化として絶対値で測
長することができ、電池駆動可能な小型軽量化さ
れた容量型トランスデユーサを得ることが可能と
なる。
また、本発明によれば、第2スケール側の第2
受信電極と第2送信電極とは互いに結合電極にて
電気的に接続されているので、両スケール間を貫
通する単一の容量結合回路を用いて送信及び受信
信号間のシフト値から両スケールの相対移動位置
の絶対値を知ることが可能となる。
更に単一の容量結合回路を用いることから、機
械的及び電気的な誤差の介入を著しく減少させ、
また低消費電力で小型のトランスデユーサを得る
ことが可能となる。
また、本発明によれば、粗目測定と密目測定と
の組合せによつて、長い測長範囲全域にわたつて
極めて正確な位置測定を可能とする利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る容量型位置測定トランス
デユーサの好適な実施例を示す要部斜視図、第2
図は本発明に係るトランスデユーサの密目測定用
の第1送信電極及び第2受信電極の電極配置を示
す説明図、第3図は本発明に係るトランスデユー
サの第1スケール側の他の実施例を示す概略説明
図、第4図は本発明に係るトランスデユーサの第
1のスケールの更に他の実施例を示す概略説明
図、第5図は本発明に係るトランスデユーサの他
の好適な実施例を示す要部斜視図、第6図は本発
明の密目測定を説明するための他の電極組合せ配
置図、第7図は本発明に係るトランスデユーサの
更に他の第1スケールを示す平面図、第8図は前
記第7図に示した第1スケールと対応する第2ス
ケール側の平面図、第9図は本発明に係るトラン
スデユーサ他の実施例を示し、第2受信電極が正
弦波形状を呈する平面図、10図は本発明に係る
トランスデユーサの更に他の実施例を示す第1ス
ケール及び第2スケールの平面図であつて、第2
スケールは対の受信及び送信電極を有し、また第
1スケールには1対の受信電極が設けられている
ことを特徴とする要部平面図、第11図は本発明
に係るトランスデユーサに好適な測定回路のブロ
ツク図、第12図は第11の波形及びタイミング
チヤートを示す説明図、第13図は前述した測定
回路を用いて粗目測定及び密目測定を行うための
送受信切替状態を示す説明図、第14図は前記回
路を用いて更に第10図に示した実施例のトラン
スデユーサを粗目及び密目測定に供するための送
受信信号切替作用を示す説明図、第15図は本発
明に係るトランスデユーサに好適な他の測定回路
のブロツク回路図、第16図は第15図における
送信回路の一例を示す回路図、第17図は第16
図における送信信号の組合せ位相を示す説明図、
第18図は第15図に示した測定回路の作用を示
すタイミングチヤート図、第19図は第15図に
示した測定回路の測定原理を示す説明図、第20
図は第15図の測定回路における2種類の受信信
号及び正積分及び反転積分をする状態を示す説明
図、第21図は第15図の測定回路にて粗目測定
及び密目測定を行う場合の測定手順を示すフロー
チヤート図、第22図は本発明における密目測定
の原理説明図である。 10…第1スケール、12…第1送信電極、1
4…第1受信電極、20…第2スケール、22…
第2受信電極、24…第2送信電極、26…結合
電極、30…発振器、32…測定回路、D(x)…偏
位、x…相対移動方向。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 互いに近接して相対移動可能に配置された第
    1スケール及び第2スケールを有し、 前記第1スケールには、交流信号が供給される
    第1送信電極と、前記第1送信電極に対して絶縁
    された状態で配置され測定回路が接続された第1
    受信電極と、が設けられ、 前記第2スケールには、相対移動方向に沿つて
    前記第1送信電極と対向可能な位置に配置された
    電極群からなり第1送信電極と容量結合する第2
    受信電極と、相対移動方向に沿つて第1受信電極
    と対向可能な位置に配置された電極群からなり第
    1受信電極と容量結合する第2送信電極と、が設
    けられ、 各第2受信電極と第2送信電極とは互いに結合
    電極にて電気的に接続され、 各接続された第2受信電極と第2送信電極との
    間には相対移動方向に沿つてそれぞれ異なる偏位
    が与えられており、 各相対移動位置に対して特定された前記偏位に
    より全測定範囲にわたつて粗目の絶対測定を行う
    ことができ、 また、前記第2受信電極は前記第1送信電極群
    の送信波長ピツチを所定の整数で分割した等間隔
    ピツチの複数の電極からなり、 前記第2受信電極ピツチを前記第1送信電極群
    内の送信電極数で分割したスケール精度で前記粗
    目間を密目で測定可能とした ことを特徴とする容量型位置測定トランスデユー
    サ。 2 特許請求の範囲1記載のトランスデユーサに
    おいて、第2スケールの偏位量は第2スケールの
    中央部において零に設定され、スケールの両端に
    近づくにしたがつて正負反対方向に偏位が増大す
    るように第2受信電極と第2送信電極とが配置さ
    れていることを特徴とする容量型位置測定トラン
    スデユーサ。 3 特許請求の範囲1、2のいずれかに記載のト
    ランスデユーサにおいて、第1送信電極は順次隣
    接する電極群が1ブロツクを形成して位相の異な
    る交流信号が各グループ毎の第1送信電極に供給
    され、この1ブロツクのピツチを送信波長ピツチ
    とすると、前記偏位は測長可能なスケール範囲に
    おいて前記送信波長ピツチを超えないことを特徴
    とする容量型位置測定トランスデユーサ。 4 特許請求の範囲3記載の装置において、第1
    受信電極は2つの位相の異なる信号を出力するた
    めに2種類の電極群からなり、第1受信電極群の
    ピツチを受信波長ピツチWr1とし、前記送信波長
    ピツチをWt1、第2受信電極ピツチをPr2そして
    第2送信電極ピツチをPt2とすると、 Wr1=Wt1×Pt2/Pr2 に設定されていることを特徴とする容量型位置測
    定トランスデユーサ。 5 特許請求の範囲4記載のトランスデユーサに
    おいて、第1受信電極は2個の反転した形状を有
    する電極からなることを特徴とする容量型位置測
    定トランスデユーサ。 6 特許請求の範囲5記載のトランスデユーサに
    おいて、前記第1受信電極の前述した反転形状は
    正弦波形状からなることを特徴とする容量型位置
    測定トランスデユーサ。 7 特許請求の範囲5記載のトランスデユーサに
    おいて、前記第1受信電極の前述した反転形状は
    三角波形状からなることを特徴とする容量型位置
    測定トランスデユーサ。 8 特許請求の範囲1記載のトランスデユーサに
    おいて、第2受信電極は前記第1送信電極群の送
    信波長ピツチを第1送信電極群内の送信電極数よ
    り少ない整数で分割した等間隔ピツチの複数の電
    極からなることを特徴とする容量型位置測定トラ
    ンスデユーサ。 9 特許請求の範囲1、8のいずれかに記載のト
    ランスデユーサにおいて、第1送信電極は非等間
    隔ピツチを有することを特徴とする容量型位置測
    定トランスデユーサ。 10 特許請求の範囲1、8のいずれかに記載の
    トランスデユーサにおいて、第2スケールには2
    組の第2受信電極/第2送信電極対が設けられ、
    第1スケールには前記両第2送信電極と対向して
    これと容量結合する2個の第1受信電極が設けら
    れ、2個の受信信号を組合せて測定作用を行うこ
    とができる容量型位置測定トランスデユーサ。 11 特許請求の範囲10記載のトランスデユー
    サにおいて、前記両第2受信電極は共に第1スケ
    ール側の単一の第1送信電極と容量結合すること
    を特徴とする容量型位置測定トランスデユーサ。
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