JPH04356151A - パンの製造方法 - Google Patents

パンの製造方法

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JPH04356151A
JPH04356151A JP4267791A JP4267791A JPH04356151A JP H04356151 A JPH04356151 A JP H04356151A JP 4267791 A JP4267791 A JP 4267791A JP 4267791 A JP4267791 A JP 4267791A JP H04356151 A JPH04356151 A JP H04356151A
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JP
Japan
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dough
bread
weight
fatty acid
mold
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Withdrawn
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JP4267791A
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Inventor
Hitoshi Ito
仁 伊藤
Yasushi Kasuga
春日 保志
Kesatoshi Suzuki
鈴木 今朝利
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パンの製造方法に関す
る。更に詳しくは、本発明は、角食パン(プルマンタイ
プ食パン)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、消費者のパンに対する『おいしさ
』の要素として、『やわらかさ』が大きな位置を占めて
いることが、ソフトタイプの山型食パンの出現により再
認識されている。このようなことから、角食パンにおい
てもクラスト(外側の皮の部分)が柔らかいことがクラ
ム(内側の部分)との違和感を無くし、一体として食べ
られる点から望ましい。また風味がよく、食感において
も、しっとり感、なめらかさがあると同時に、軽く、サ
ックリしたものであることが望まれる。
【0003】従来から、角食パンは、蓋付きの直方体形
状の食パン型(通常これを蓋付き食型、あるいは単に食
型と称する)に、パン生地を通常食型の容積に対して2
5〜27%(比容積(食型の容積(CC)/パン生地重
量(gr))が3.7〜4.0)に相当する量を詰め、
蓋をした状態で焼成することにより製造される。このた
め得られる角食パンは、クラストがクラムに比べ極めて
硬く、また食感が重く、さらにはネトつく傾向にある。
【0004】上記のような硬さ、食感等の好ましくない
傾向を改善する方法として、焼成工程において、通常の
焼成温度より低い温度(30〜45℃)で焼成する方法
が知られている。しかしこの方法は、生産性に問題があ
る他、焼成後のパンのクラストの柔らかさには限度があ
り、腰折れしやすく、風味や食感の点においても充分で
はない。また他の方法としては、食型に詰めるパン生地
の量を上記の通常の量に比べて削減した量で焼成する方
法が知られている。しかしこの方法を利用すると、焼成
後のパンが腰折れしやすく、また食感がザラツク、パサ
ツクなどの問題がある。
【0005】一方、添加剤(乳化剤)を使用することに
より柔らかいパンを得る方法として、モノグリセリドを
使用する方法、あるいは特開平2−124052号公報
に開示されている乳化油脂組成物(デンプン食品の品質
改良剤)を使用する方法なども提案されている。上記の
ような乳化剤は、通常中種法を利用してパン生地を調製
する際に本捏生地調製時に添加される。この方法による
と、得られた角食パンは全体に柔らかさが付与され、ま
た食感、風味なども改良されるといわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
乳化剤を使用する方法を利用してもなお、クラストの柔
らかさについては必ずしも充分満足のいくものではなく
、また食感(特に、軽さ、サックリ感)の点においても
充分満足されるものではない。
【0007】従って、本発明は、クラストが柔らかく、
腰折れも少なく、食感、風味等の諸性質も満足できる角
食パンの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、食感、風味
などの角食パンにとって必須の諸性質の低下、および腰
折れなどの外観上の欠点を伴うことなく、クラストとク
ラムの両方が共に柔らかく、そして違和感がなく食する
ことができる角食パンを提供することを目指して鋭意研
究した。その結果、前記特開平2−124052号公報
に記載の乳化油脂組成物を、中種生地調製時に添加して
パン生地を調製し、そしてこのパン生地を食型に詰める
場合に生地重量を通常の量より特定の割合で削減した量
とすることにより、上記目的が達成されることを見出し
、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、中種生地調製時に飽
和モノグリセリド2〜60重量%および不飽和ジグリセ
リド2〜30重量%を含有する乳化油脂組成物を添加し
てパン生地を調製した後、このパン生地を食パン型に、
該食パン型の容積に対して13.0〜24.0%に相当
する重量にて詰め、焼成することを特徴とする角食パン
の製造方法にある。なお、本発明において規定されるパ
ン生地は、通常角食パンに利用されている配合のもので
あり、一般に小麦粉100重量部に対して、砂糖2〜1
0重量部、油脂2〜10重量部およびイースト1〜2重
量部、脱脂粉乳1〜3重量部および食塩が1〜2重量部
からなるものである。
【0010】以下に本発明の角食パンの製造方法を詳細
に説明する。まず、本発明のパンの製造方法に使用され
る乳化油脂組成物について説明する。
【0011】本発明のパンの製造方法に使用される、飽
和モノグリセリドとはグリセリンと飽和脂肪酸とのモノ
エステルであり、飽和モノグリセリドの結合脂肪酸部位
は、α、β−位の何れでもよく、好ましくはα位に飽和
脂肪酸が結合しているのがよい。更にモノグリセリドの
全脂肪酸残基に対して炭素数14〜22の鎖長を有する
モノグリセリドの飽和脂肪酸残基が通常は60重量%以
上であり、好ましくは90重量%以上である。
【0012】本発明で用いることができる飽和モノグリ
セリドとしては、グリセリン脂肪酸モノエステル(モノ
グリセリド)、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、
ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸モノエステル等が有る。
【0013】上記のグリセリン脂肪酸モノエステルとし
ては炭素数14〜22の飽和脂肪酸のモノエステルが好
ましく、炭素数14〜22の飽和脂肪酸としては、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸
、ベヘン酸等の飽和脂肪酸が挙げられる。これらの飽和
脂肪酸は単一で構成されていてもよいが、二種以上の混
合系で構成されていてもよい。
【0014】上記のグリセリン有機酸脂肪酸モノエステ
ルとは、グリセリン脂肪酸モノエステルの3位の水酸基
を有機酸でエステル化した化合物である。グリセリン有
機酸脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸の具体例とし
ては、前記グリセリン脂肪酸モノエステルの構成脂肪酸
の具体例と同様である。又有機酸としては、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸で構成される脂肪族モノ
カルボン酸;シュウ酸、コハク酸等の脂肪族飽和ジカル
ボン酸;マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカル
ボン酸;乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、
クエン酸等のオキシ酸;およびグリシン、アスパラギン
酸等のアミノ酸を挙げることができる。上記有機酸であ
れば、いずれのグリセリン有機酸脂肪酸モノエステルで
も有効であるが、特にクエン酸、コハク酸、酒石酸、ジ
アセチル酒石酸が好適である。また市販のグリセリン有
機酸脂肪酸モノエステルは、未反応の有機酸やグリセリ
ン脂肪酸モノエステルなどを一部に含むが、本発明に使
用してもさしつかえない。
【0015】上記のポリグリセリン脂肪酸モノエステル
としては、構成脂肪酸の炭素数が14〜22で、グリセ
ロールの重合度が1〜9のものが好ましい。構成脂肪酸
の具体例としては、前記グリセリン脂肪酸モノエステル
の構成脂肪酸の具体例と同様である。ポリグリセリン脂
肪酸モノエステルを構成するポリグリセリンとしては、
テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリ
ン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセ
リン、デカグリセリンなどからなる群より選ばれる一種
または二種以上の化合物を挙げることができる。
【0016】上記のポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノレイン酸との
エステルであり、通常、グリセリン重合度2〜3のポリ
グリセリンとリシノール酸の縮合度3〜5の縮合リシノ
レイン酸とのモノもしくはジエステルの混合物が用いら
れる。
【0017】本発明のパンの製造方法において、乳化油
脂組成物中の飽和モノグリセリドの含有量は2〜60重
量%であり、好ましくは5〜30重量%である。
【0018】本発明で使用される不飽和ジグリセリドと
は、グリセリンと不飽和脂肪酸とのジエステルであって
、グリセリンに結合する脂肪酸の結合部位はα、β−位
のいずれでもよく、α−、α’−位に不飽和脂肪酸が、
又はα−、β−位に不飽和脂肪酸が結合していてもよく
、また、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸が混在していてもよ
いが、好ましくはジグリセリド全脂肪酸残基に対して不
飽和脂肪酸残基が60重量%以上である。但し、飽和ジ
グリセリドは全ジグリセリドに対して20重量%未満、
好ましくは10重量%以下である。また、ジグリセリド
の全脂肪酸残基に対して炭素数16〜22の鎖長を有す
るジグリセリドの不飽和脂肪酸が60重量%以上である
。このような不飽和ジグリセリドを構成する不飽和脂肪
酸としては、炭素数14〜22の不飽和脂肪酸が挙げら
れる。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ
酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0019】本発明のパンの製造方法において、乳化油
脂組成物中の不飽和ジグリセリドの含有量は2〜30重
量%であり、好ましくは2〜15重量%である。
【0020】乳化油脂組成物中の飽和モノグリセリドと
不飽和ジグリセリドの配合割合(重量比)は、飽和モノ
グリセリド:不飽和ジグリセリド=1:0.03〜1:
15が好ましい。
【0021】本発明に使用される乳化油脂組成物は、上
記の成分と水とを含むものである。水は、本発明にかか
る乳化剤油脂組成物中に10〜96重量%含有されてい
ることが好ましい。
【0022】本発明に使用される乳化油脂組成物は、そ
の他の成分として、乳化剤、糖類、油脂等を含有させる
ことができる。
【0023】使用できる乳化剤としては、公知のもの、
例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン
、レシチン誘導体(リゾレシチン、リゾフォスファチジ
ン酸)等を挙げることができる。ショ糖脂肪酸エステル
は、モノ、ジ、トリ−エステルおよびポリエステル等を
含み、構成脂肪酸としては、炭素数12〜24の脂肪酸
の単一または二種以上の混合系が好ましい。また、HL
Bは5〜15のものが好ましい。ソルビタン脂肪酸エス
テルの構成脂肪酸としては、炭素数12〜24の脂肪酸
の単一または二種以上の混合系が好ましい。ソルビタン
脂肪酸エステルには、モノエステル型のものとトリエス
テル型のものとがあるが、本発明においてはモノエステ
ル型のものが好ましい。プロピレングリコール脂肪酸エ
ステルは、モノエステル型のものとジエステル型のもの
とが使用され、構成脂肪酸としては、炭素数12〜24
の脂肪酸の単一または二種以上の混合系が好ましい。 上記乳化剤は、本発明にかかる乳化剤油脂組成物に60
重量%までの量で含有されうる。好ましくは、2〜15
重量%である。
【0024】使用できる糖類としは、グルコース、フラ
クトース、ガラクトースなどの単糖類;マルトース、シ
ョ糖、麦芽糖、水飴、異性化糖、転化糖、デキストリン
、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリンな
どの多糖類;ソルビトール、マルチトール、キシリトー
ルなどの糖アルコール類、澱粉加水分解物などの還元糖
;から選ばれる一種または二種以上の混合系が好ましい
。上記の糖類は、本発明にかかる乳化剤油脂組成物に6
0重量%までの量で含有させることができ、好ましくは
0.2重量%以上であり、更に好ましくは、15〜50
重量%である。
【0025】使用できる油脂としては、特に制限されな
い。例えば、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、オリーブ油
、サフラワー油、カボック油、パーム油、コーン油、綿
実油、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂類;牛脂、ラー
ド、魚油、鯨油、乳脂等の動物油脂類を挙げることがで
きる。またこれらを水添処理したもの、およびエステル
交換したものも使用できる。これらの油脂は単独で、ま
た混合して使用することができる。上記の油脂類は、本
発明にかかる乳化剤油脂組成物中に60重量%まで含有
させることができ、好ましくは、10〜50重量%であ
る。
【0026】本発明にかかる乳化油脂組成物の形態とし
ては特に限定されず、油中水型、水中油型、さらに油中
水中油型などの二重の乳化型を採ることができる。
【0027】次に、本発明の角食パンの製造方法につい
て説明する。本発明の角食パンの製造法は、中種法に従
い実施される。図1は、一般に行われる中種法(70%
中種法)に従う角食パンの製造方法の工程図を示すもの
である。図1に示されるように、角食パンの製造方法は
、以下の(A)〜(I)工程からなる。 まず、(A)小麦粉、イースト、水等の原材料の計量を
行う下準備工程; (B)計量された小麦粉(通常、使用する小麦粉の70
重量%をこの工程で使用)等を混捏して中種生地(中種
)を調製する工程; (C)得られた中種生地を一般に、27〜30℃の温度
で、3〜5時間醗酵(一次醗酵)させる工程;(D)醗
酵した中種に、残りの小麦粉を含む、砂糖、食塩、油脂
等の原材料を添加し、混捏して本捏生地(本捏)を調製
する工程; (E)得られた生地から特定量のパン生地を取り分け、
更にこれを分割(3斤用食パン型の場合は通常3分割あ
るいは6分割)し、各々分割された生地を丸める、分割
・丸目工程;(ここで一旦、丸めた生地を成型しやすく
するために生地を休める。・・ベンチタイム);(F)
通常馬蹄形、あるいは俵形に生地を成型し、成型された
生地を蓋付きの食パン型に詰める、成型・型詰工程; (G)型詰後、焼成できる状態になるまで醗酵(ホイロ
で二次または最終醗酵)させる工程(35〜40℃の温
度で、40〜50分間醗酵); (H)醗酵させたパン生地を所定の温度で焼成する工程
;そして、 (I)焼き上がった角食パンを食パン型から取り出し(
型とり)、冷却する工程からなる。 なお、上記の工程において、本捏生地調製後、分割する
前の間に「フロアタイム」として生地を回復(醗酵)さ
せる工程を介在させてもよい。
【0028】以上の角食パンの製造工程において、本発
明の方法は、前記乳化油脂組成物を(B)工程(中種調
製工程)において使用(添加)し、かつ(E)工程にお
いて調製したパン生地を食パン型へ詰めるために、得ら
れた生地から取り分ける量を該食パン型の容積に対して
13.0〜24.0%(好ましくは、16.0〜22.
0%)に相当する重量とすることである。生地重量が食
パン型の容積に対して13.0%未満の場合には、食感
がザラつく、パサつくなどの傾向がでやすくなる。
【0029】また、前記乳化油脂組成物は、更に(D)
工程(本捏調製工程)においても添加することができ、
此の場合特に良好な結果が得られる。
【0030】乳化油脂組成物の添加時期としては、予め
小麦粉等と混合させておいてもよいし、あるいは小麦粉
等を混捏しながら途中で添加してもよい。本発明におい
ては、乳化油脂組成物を(B)工程および(D)工程の
両工程に添加する場合もそれぞれの工程において混捏さ
せながら添加(混捏の途中で添加)することが好ましい
【0031】本発明の角食パンの製造方法において、乳
化油脂組成物は、(B)工程において小麦粉の配合量に
対して0.5〜6重量%(使用する全小麦粉の配合量に
対して0.35〜4.2重量%)使用することが好まし
く、更に好ましくは、1.0〜4.0重量%(使用する
全小麦粉の配合量に対して0.7〜2.8重量%)であ
る。また、乳化油脂組成物を(B)工程と(D)工程に
分けて添加する場合には、(B)工程において、小麦粉
の配合量に対して少なくとも0.5重量%(使用する全
小麦粉の配合量に対して0.35重量%)以上使用する
ことが好ましく、更に好ましくは、1.0重量%(使用
する全小麦粉の配合量に対して、0.7重量%)以上で
ある。
【0032】本発明に使用する小麦粉は通常強力一等粉
あるいは蛋白質を更に高含量(11.5〜13.5重量
%含む)小麦粉(高蛋白質含有小麦粉)であることが好
ましい。特に、高蛋白質含有小麦粉が使用する全小麦粉
の50重量%以上含有されていることが好ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明の角食パンの製造方法に従えば、
しっとり感、滑らかさ、軽さ、サクミ等の食感、および
風味の低下もなく、また腰折れなどの発生も軽減され、
クラストが特に柔らかい角食パンが製造できる。
【0034】
【実施例】以下に実施例および比較例を記載し、本発明
を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。
【0035】[実施例1]乳化油脂組成物の調製菜種白
絞油18重量%、グリセリンオレイン酸ジエステル8重
量%を加熱融解し、これに高純度グリセリン脂肪酸モノ
エステル(商品名;エキセルT−95、75重量%モノ
ステアリンと25重量%のモノパルミチンからなるモノ
グリセリド、モノグリセリド含量95重量%以上、花王
株式会社製)20重量%を添加し、加熱融解して油性液
を得た。次に、ショ糖脂肪酸エステル(HLB:11)
2重量%を35重量%濃度のソルビトール水溶液52重
量%に添加分散し、これを加熱し、水性液を得た。前記
油性液に水性液を加え、ホモミキサーを用いて乳化混合
し、水中油型油脂組成物を得た。別に、菜種油(沃素価
80)40重量%、硬化パーム油(沃素価40)45重
量%およびパーム油15重量%からなる混合油を調製し
、得られた混合油50重量%を加熱融解し、これに前記
で得た水中油型油脂組成物50重量%を加えて、乳化混
合した。その後、この乳化混合物を急冷可塑化機(コン
ビネーター)を通し、油中水中油型乳化油脂組成物を得
た。この乳化油脂組成物のモノグリセリド(MG)およ
びジグリセリド(DG)の構成は以下の通りである。
【0036】乳化油脂組成物のモノグリセリド(MG)
及びジグリセリド(DG)の構成
【0037】角食パンの製造 上記のようにして得られた乳化油脂組成物を用い、下記
の表に示す配合に従い70%中種法で角食パンを製造し
た(図1参照)。                          
       表─────────────────
───────────────────    原材
料名        中種配合(重量部)      
      本捏配合(重量部)──────────
─────────────────────────
─    強力一等粉          70.0 
                   30.0  
  イースト              2.0  
                    −    
イーストフード        0.1       
               −    水    
              40.0       
             25.0    食塩  
                −        
                  2.0    
砂糖                  −    
                      5.0
    脱脂粉乳              −  
                        1
.0    乳化油脂組成物        4.0 
                     −   
 ショートニング        −        
                  5.0────
─────────────────────────
───────
【0038】縦型ミキサー(10コート
ミキサー、撹拌にはフックを使用、関東混合機(株)製
)を用い、中種配合材料(強力小麦粉70重量部、イー
スト2重量部、イーストフード0.1重量部、水40重
量部および乳化油脂組成物4重量部)をボール(10コ
ート)に入れ、低速2分、中高速1分で混捏し、捏ねあ
げ温度を24℃とし、中種生地を調製した。
【0039】次に、これを(一次)醗酵させた。醗酵の
条件は以下の通りである。 (中種醗酵の条件) 温度:27℃、相対湿度:75%、時間:4.5H、醗
酵終点品温度:29.5℃ 得られた中種醗酵生地に、本捏配合材料(強力小麦粉3
0重量部、食塩2重量部、砂糖5重量部、脱脂粉乳1重
量部、および水25重量部)を添加した。そしてこれを
低速3分、中高速3分の条件で順次混捏したのち、ショ
ートニング5重量部を添加し、更に低速3分、中高速3
分、高速2分の条件で順次混捏し、本捏生地を調製した
(生地温度:27.5℃)。
【0040】次に、上記の混捏後の生地を回復させるた
めにフロアータイムを20分とった。この後、食パン型
(3斤用食パン型/容積:5500cc)に詰めるため
に、得られたパン生地から990g(食パン型の容積に
対して18.0%に相当する量)を取り分け、これを6
分割した(分割生地一個当りの重量:165g)。この
分割操作後の生地を回復させるためにベンチタイムを室
温で20分とり、その後、手で馬蹄形に成型した。成型
物6個を前記の食パン型に詰め、これをホイロにて下記
の条件に従い二次醗酵を行った。 二次醗酵の条件/温度:37℃、相対湿度:80%、時
間:40分
【0041】以上のようにして調製した二次醗酵後のパ
ン生地を210℃のオーブンで30分間焼成した。焼成
後、20℃で45分間冷却した後、食パン型から焼きあ
がった角食パンを取り出し、ビニール袋に入れ、密閉状
態で20℃で2日間(48時間)保存した。保存後の角
食パンを評価用のサンプルとした。
【0042】評価方法 (1)クラムおよびクラストの柔らかさの評価角食パン
(製造後48時間)のクラムおよびクラストの柔らかさ
をベーカーズコンプレッシメーター(千代田製作所製)
を用いて、硬さを測定し、評価した(測定値の小さいも
のほど柔らかいことを示す)。試料は、それぞれ以下の
ものを使用した。 クラム:上記のサンプルを端から一定距離(6cm)の
部位で切断して得たクラム(大きさ:2.5cm×2.
5cm×2.0cm);クラスト:上記のサンプルを端
から一定距離(6cm)の部位で切断して得たクラスト
(大きさ、2.5cm×2.5cm×2.0cm);

0043】(2)腰折れの評価 角食パンの腰折れの評価は、以下の方法に従った。上記
のサンプルを端から一定距離(6cm)の部位で1.5
〜2cmの厚さにスライスしたものを用意し、この切断
面の形状を複写機を用いて紙上に写しとる。紙上に得ら
れた線(輪郭)に沿ってトレースする。このようにして
図2に示されるような焼成後の角食パンの断面図(線1
で囲まれた部分)が得られる。一方、断面図(線1で囲
まれた部分)の各角の4点を直線で結ぶと、長方形状の
角食パンの図(線2で囲まれた部分)が得られる。腰折
れの評価は、線2で囲まれた部分の面積に対する流線形
の部分の面積(図2において、a、bおよびcで表示)
が占める割合(腰折れ面積の比率(%))を比較するこ
とにより行った。ここでは以下の、(全体)及び(上面
)の二つの腰折れ面積の比率(%)を測定することで評
価した。なお、面積はプラニメーター(地図の面積等の
測定器具、内田洋行株式会社製)を用いて測定した。 全体=(a+b+c)/線2で囲まれた部分の面積×1
00 上面=c/線2で囲まれた部分の面積×100
【004
4】(3)角食パンの食感(さくみ、しっとり感、滑ら
かさ、軽さ)、風味について10名のパネリストにより
官能評価を行った。なお、評価方法は以下の基準に従っ
た。 A:8名以上が良好と認めた。 B:3〜7名が良好と認めた。 C:8名以上が良くないと認めた。
【0045】[実施例2]実施例1において、乳化油脂
組成物を中種生地のみに添加した代わりに、乳化油脂組
成物を中種生地調製時と本捏生地調製時とに分けて添加
(それぞれ小麦粉に対して2重量部添加)[中種生地へ
の乳化油脂組成物の添加量は小麦粉の配合量に対して2
.8重量%(使用する全小麦粉に対して2重量%)、本
捏生地への乳化油脂組成物の添加量は小麦粉の配合量に
対して6.6重量%(使用する全小麦粉に対して2重量
%)]した以外は、実施例1と同様にして本発明に従う
製造方法により角食パンを製造した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。
【0046】[実施例3]実施例2において、食パン型
に詰めるための生地重量を1155g(食パン型の容積
に対して21.0%に相当する量)とし、これを6分割
した(分割生地一個当りの重量:192.5g)以外は
、実施例1と同様にして本発明に従う製造方法により角
食パンを製造した。そして上記実施例1と同様な方法で
評価した。
【0047】[比較例1]実施例1において、乳化油脂
組成物を中種生地のみに添加した代わりに、本捏生地調
製時にのみに添加し、かつ食パン型に詰めるための生地
を1375g(食パン型の容積に対して25.0%に相
当する量)とし、これを6分割した(生地一個当りの重
量:229.2g)以外は、実施例1と同様にして角食
パンを製造した。そして上記実施例1と同様な方法で評
価した。
【0048】[参考例1]実施例1において、食パン型
に詰めるための生地を1375g(食パン型の容積に対
して25.0%に相当する量)とし、これを6分割した
(生地一個当りの重量:229.2g)以外は、実施例
1と同様にして角食パンを製造した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。
【0049】[参考例2]実施例1において、本発明に
かかる乳化油脂組成物を使用する代わりに、下記に示す
飽和モノグリセリドを主成分とする粉末油脂組成物を使
用(使用量:小麦粉に対して0.3重量部)し、かつ食
パン型に詰めるための生地を1375g(食パン型の容
積に対して25.0%に相当する量)とし、これを6分
割した(生地一個当りの重量:229.2g)以外は、
実施例1と同様にして角食パンを製造した。そして上記
実施例1と同様な方法で評価した。(飽和モノグリセリ
ド(MG)を主成分とする粉末油脂組成物)水60gに
カゼインNa4重量%を溶解、加熱し、水性液を得た。 この水性液に高純度グリセリン脂肪酸モノエステル(商
品名;エキセルT−95、75重量%モノステアリンと
約25重量%のモノパルミチンからなるモノグリセリド
、モノグリセリド含量95重量%、花王株式会社製)3
6重量%を添加し、加熱融解して乳化後、スプレードラ
イして飽和モノグリセリドを主成分とする粉末油脂組成
物を得た。
【0050】[参考例3]参考例2において、食パン型
に詰めるための生地重量を1155g(食パン型の容積
に対して21.0%に相当する量)とし、これを6分割
した(分割生地一個当りの重量:192.5g)以外は
、参考例2と同様にして角食パンを製造した。そして上
記実施例1と同様な方法で評価した。
【0051】以上の結果を第1表にまとめて示す。
【表1】 第1表に示された結果から明らかなように、本発明の方
法で製造された角食パン(実施例1〜3)は、乳化油脂
組成物を本捏生地のみに添加し、かつ食型に詰める生地
重量を通常の量で製造した場合(比較例1)、乳化油脂
組成物を中種生地および本捏生地の両方に添加し、かつ
食型に詰める生地重量を通常の量で製造した場合(参考
例1)、乳化油脂組成物の代わりに飽和モノグリセリド
を主成分とする粉末油脂組成物を使用し、かつ食型に詰
める生地重量を通常の量で製造した場合(参考例2)、
あるいは乳化油脂組成物の代わりに飽和モノグリセリド
を主成分とする粉末油脂組成物を使用し、かつ食型に詰
める生地重量を本発明の範囲内の量で製造した場合(参
考例3)に比べて、クラムおよびクラストともに硬さが
減少し、また腰折れ率も比較的低く、かつ食感、風味も
良好であった。
【0052】[実施例4]実施例1において、小麦粉と
して強力一等粉を使用する代わりに、高蛋白質含有小麦
粉(商品名:スーパーキング、蛋白質含量:13.5重
量%、日清製粉株式会社製)を使用した以外は、実施例
1と同様にして本発明に従う製造方法により角食パンを
製造した。そして上記実施例1と同様な方法で評価した
【0053】[実施例5]実施例2において、小麦粉と
して強力一等粉を使用する代わりに、高蛋白質含有小麦
粉(商品名:スーパーキング、蛋白質含量:13.5重
量%、日清製粉株式会社製)を使用した以外は、実施例
2と同様にして本発明に従う製造方法により角食パンを
製造した。そして上記実施例1と同様な方法で評価した
【0054】[実施例6]実施例3において、小麦粉と
して強力一等粉を使用する代わりに、高蛋白質含有小麦
粉(商品名:スーパーキング、蛋白質含量:13.5重
量%、日清製粉株式会社製)を使用し、かつショートニ
ングを添加しなかった以外は、実施例3と同様にして本
発明に従う製造方法により角食パンを製造した。そして
上記実施例1と同様な方法で評価した。
【0055】[比較例2]比較例1において、小麦粉と
して強力一等粉を使用する代わりに、高蛋白質含有小麦
粉(商品名:スーパーキング、蛋白質含量:13.5重
量%、日清製粉株式会社製)を使用した以外は、比較例
1と同様にして角食パンを製造した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。
【0056】[参考例4]参考例2において、小麦粉と
して強力一等粉を使用する代わりに、高蛋白質含有小麦
粉(商品名:スーパーキング、蛋白質含量:13.5重
量%、日清製粉株式会社製)を使用した以外は、参考例
2と同様にして角食パンを製造した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。
【0057】[参考例5]参考例3において、小麦粉と
して強力一等粉を使用する代わりに、高蛋白質含有小麦
粉(商品名:スーパーキング、蛋白質含量:13.5重
量%、日清製粉株式会社製)を使用した以外は、参考例
3と同様にして角食パンを製造した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。
【0058】以上の結果をまとめて第2表に示す。
【表2】 第2表に示された結果から明らかなように、本発明に従
う方法で製造された角食パンは、小麦粉として高蛋白質
含有小麦粉を使用した場合には、更に食感、風味、柔ら
かさ等の諸性質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は中種法に従うパンの製造方法の工程図で
ある。
【図2】図2は腰折れの測定方法を説明するために利用
した角食パンの模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  中種生地調製時に飽和モノグリセリド
    2〜60重量%および不飽和ジグリセリド2〜30重量
    %を含有する乳化油脂組成物を添加してパン生地を調製
    した後、このパン生地を食パン型に、該食パン型の容積
    に対して13〜24%に相当する重量にて詰め、焼成す
    ることを特徴とする角食パンの製造方法。
  2. 【請求項2】  上記乳化油脂組成物を本捏生地調製時
    においても添加する請求項第1項記載の角食パンの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0292051A (ja) * 1988-09-28 1990-03-30 Nec Corp Isdn端末における着信規制方式

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JPH0292051A (ja) * 1988-09-28 1990-03-30 Nec Corp Isdn端末における着信規制方式

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