JP3036195B2 - パン類の改良材 - Google Patents

パン類の改良材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パン類を製造するに
あたって用いるパン類の改良材に係り、特に、ディバイ
ダーを用いてパン類を製造する際に使用するパン類の改
良材であって、良好な風味を有すると共に、食感の持続
性に優れたパン類が得られるようにするパン類の改良材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パン類を製造するにあたって、パン類に
良好な風味を付与し、また優れた食感の持続性を持つパ
ン類を製造するため、従来より様々な研究がなされてき
た。
【0003】そして、本出願人も、パン類に良好な風味
を付与し、また優れた食感の持続性を持つパン類を製造
するため、先の出願に係る特開昭61−152227号
公報において、油脂分5%以上で無脂乳固形分5%以上
含む均一なエマルジョンの乳酸発酵物を生地中に添加さ
せる方法を開示した。
【0004】さらに、本出願人は、その後も先の出願に
係る特開昭64−39927号公報において、油分5〜
50部、蛋白質1〜10部、乳酸菌資化性糖類3〜13
部を含み、固形分換算の乳酸酸度が2〜10、pH3.
5〜6を呈する水中油型エマルジョンであって、油分中
酪酸の含量が0.1〜10%であり且つ酪酸が結合脂肪
酸及び遊離脂肪酸のいずれかの状態で含まれる製パン性
改良材を開示し、この製パン性改良材を生地中に添加し
て、パン類に良好な風味を付与し、また優れた食感の持
続性を持つパン類を製造することを開示した。
【0005】ここで、本出願人が開示したこれらの公報
に示すようにして、パン類を製造するようにした場合、
良好な風味を有し、また優れた食感の持続性を持つパン
類が得られるようになった。
【0006】しかし、これらの公報に示すようにしてパ
ン類を製造するにあたり、ディバイダーを用いた製造ラ
インでパン類を機械的に製造するようにした場合、製造
ライン中における生地の傷みにより、上記の製パン性改
良材等による改良効果が抑制され、得られたパン類にお
ける風味や優れた食感の持続性が低下するという問題が
生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、パン類を
製造する場合における上記のような問題を解決すること
を課題とするものである。
【0008】すなわち、この発明においては、ディバイ
ダーを用いた製造ラインでパン類を機械的に製造する場
合において、生地が傷んだりするということが少なく、
良好な風味を有すると共に、食感の持続性に優れたパン
類が得られるようにすることを課題とするものである。
【0009】そこで、本発明者が、パン類を製造するに
あたって使用するパン類の改良材について検討を行った
ところ、この改良材のpHが低すぎたり、含有する油脂
の量が少ないと、上記のようにディバイダーを用いた製
造ラインでパン類を機械的に製造するようにした場合に
おけるライン中での生地の傷みが激しくなり、改良材に
よる風味や食感を改善する効果が低下するということが
判り、この発明を完成するに至ったのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、ディバイダーを用いて
パン類を製造する際に使用するパン類の改良材として、
油分を30〜50重量%、蛋白質を1〜10重量%の範
囲で含み、pHが4.5〜5の範囲になった水中油型エ
マルジョンからなるパン類の改良材を開発したのであ
る。
【0011】ここで、この発明に係るパン類の改良材に
おいて、その油分の量を30〜50重量%にしたのは、
油分の量が少なすぎると、釜伸びの改善効果が乏しくな
り、歯切れ等の物性を改善する効果が弱く、口溶けも悪
くなるためであり、また油分の量が多すぎる場合には、
安定した状態の水中油型エマルジョンが得がたくなるた
めである。さらに、油分の量を上記の範囲にすることに
よって、ディバイダーを用いた製造ラインでパン類を機
械的に製造する場合における生地の傷みも少なくなる。
【0012】なお、この発明において使用する油分とし
ては、油脂中に酪酸を結合脂肪酸として0.1〜10重
量%含有する油脂を用いるようにすることが好ましく、
またこの改良材を用いて得られるパン類の風味をさらに
向上させるため、カプロン酸、カプリル酸およびカプリ
ン酸の一種以上を含有する油脂を用いるようにすること
が好ましい。
【0013】そして、このような油脂としては、乳脂の
他、食用油であればどのような油脂でも使用できるが、
融点が極めて高い油脂や低い油脂で、通常パン類用の油
脂として適さない油脂は避ける方が良い。ここで、使用
する油脂としては、低級脂肪酸を構成脂肪酸とするエス
テル交換油、またこれらの分別油、硬化油及びこれらと
他の油脂との混合油脂を使用することができるが、パン
類の風味を改良させるためには、天然の脂肪を含むもの
を用いるようにすることが好ましい。
【0014】また、この発明に係るパン類の改良材にお
いて、蛋白質の量を1〜10重量%にしたのは、蛋白質
の量が少なすぎると、パン類を製造する工程中における
生地の安定性が低くなり、作業性が悪くなると共に、パ
ン類を得た場合における風味の改善が充分に行われない
一方、その量が多すぎると、得られたパン類におけるソ
フトさが損なわれやすく、さらにこの改良材を製造する
工程において、例えば、殺菌等の連続的処理が行いにく
くなる。また、ディバイダーを用いた製造ラインでパン
類を機械的に製造する場合において、生地の傷みも少な
くするためには蛋白質の量を実質的に上記の範囲にする
ことが好ましい。
【0015】ここで、この発明において使用する蛋白質
としては、無脂乳固形分に由来するものでもよく、無脂
乳固形分としては3重量%以上、好ましくは5〜20重
量%含まれるようにする。なお、無脂乳固形分は、脱脂
乳または牛乳若しくはそれらの粉体により供給される
が、カゼイン、大豆蛋白等を蛋白の一部または全部とし
て使用することもできる。
【0016】また、この発明に係るパン類の改良材にお
いて、そのエマルジョンのpHが4.5〜5の範囲にな
るようにしたのは、pHが4.5未満であると、ディバ
イダーを用いた製造ラインでパン類を機械的に製造する
ようにした場合に、その生地の傷みが激しくなり、得ら
れたパン類におけるソフトさが低下する一方、そのpH
が5.1を越えると、この改良材を用いて得られるパン
類の歯切れや口溶けが悪くなるためである。なお、この
発明に係るパン類の改良材において、そのエマルジョン
のpHを4.5〜5の範囲になるように調整するにあた
っては、乳酸等の有機酸を添加させたり、乳酸発酵を行
うようにして、そのpHを低下させるようにする。
【0017】また、この発明に係るパン類の改良材にお
いては、その水中油型エマルジョンの安定性を高めるた
めに、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリロール脂肪
酸エステル等の乳化剤、或いはリン酸塩、澱粉、ガム質
のような多糖類等の安定剤を適宜使用することができ
る。
【0018】また、この発明に係るパン類の改良材にお
いては、この改良材を用いてパン類を製造した場合にお
けるパン類の酸味をさらに少なくして、その風味を向上
させるため、上記の水中油型エマルジョンに対して、リ
パーゼ処理や乳酸発酵処理を行うようにすることが好ま
しい。
【0019】ここで、上記のように水中油型エマルジョ
ンに対してリパーゼ処理と乳酸発酵処理をおこなうにあ
たり、乳酸発酵処理をリパーゼ処理より先に行うと、脂
肪の加水分解が起りにくくなり、円熟した風味を持つパ
ン類が得られにくくなるため、これらの処理を行うにあ
たってはリパーゼ処理,乳酸発酵処理の順で行うように
するか、またはこれらの処理を同時に行うようにする。
これは、乳酸菌中の酵素が部分グリセリドに対して高い
選択性を示し、トリグリセリドの加水分解がほとんど進
まなくなるためであると考えられる。
【0020】そして、上記のように水中油型エマルジョ
ンをリバーゼ処理するにあたって使用するリバーゼとし
ては、トリグリセリドを加水分解できる酵素であればど
のような酵素であってもよいが、部分グリセリドのみを
加水分解するような酵素ではほとんど効果がない。
【0021】また、このように水中油型エマルジョンを
リパーゼ処理するにあたっては、加水分解により部分グ
リセリドを生成する程度に行うようにし、チーズ様フレ
ーバーが生じる程度よりも少なくすることが一般に必要
である。これは、リバーゼ処理の程度が不足すると、酸
味を低減させる効果が充分に得られず、風味の向上効果
が少なくなる一方、この処理の程度が行き過ぎると、あ
くが強くなり、パン類における風味が低下するためであ
る。
【0022】また、上記の水中油型エマルジョンを乳酸
発酵処理するにあたって使用する乳酸菌については特に
限定されないが、例えば、ストレプトコッカス・ラクテ
ィスや、サーモフィルスラクトバチルス・ブルガリクス
やストレプトコッカス・サーモフィルス等を単独または
これらを組み合わせて使用することができる。
【0023】また、水中油型エマルジョンの乳酸発酵処
理を円滑に進めるにあたっては、上記水中油型エマルジ
ョン中における水分が通常40〜67重量%になるよう
にすることが好ましい。また、得られるパン類の物性を
改良するため、この発明の水中油型エマルジョンからな
るパン類の改良材の他に、さらに別の乳化剤を添加させ
るようにしてもよい。
【0024】さらに、上記水中油型エマルジョンに対す
るリパーゼ処理や乳酸発酵処理の前後に必要に応じて殺
菌処理を行うようにしてもよく、また乳化の安定化を図
るために、適宜均質化処理を行うようにすることが好ま
しい。
【0025】
【作用】この発明に係るパン類の改良材においては、
ィバイダーを用いた製造ラインで機械的にパン類を製造
するにあたり、上記のように油分を30〜50重量%、
蛋白質を1〜10重量%の範囲で含み、pHが4.5〜
5の範囲になった水中油型エマルジョンからなるパン類
の改良材を添加させるようにしたため、上記の製造ライ
ン中において生地が傷むのが抑制されて、パン類の風味
や食感を改善する効果が低下するのが防止され、風味や
食感の持続性に優れたパン類が得られるようになる。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例に係るパン類の改良
材について具体的に説明すると共に、比較例を挙げて、
この実施例に係るパン類の改良材が、比較例のものに比
べてパン類を製造する上で優れた効果を奏するというこ
とを明らかにする。
【0027】(実施例1) この実施例のものにおいては、脱脂粉乳12重量部と、
バーム油とナタネ油の混合油(融点31℃)37重量部
と、レシチン0.3重量部と、水51重量部とを60℃
で加熱しながら高速攪拌し、これらを予備乳化させた。
【0028】その後、このように予備乳化したものを5
0kg/cm2 で均質化させ、これを20℃まで冷却し
てクリームを得た。
【0029】そして、このクリームに対して、ストレプ
コッカスラツチスとストレプコッカスクレモリスとの混
菌スタータを2重量%接種し、これを20℃で14時間
発酵させた後、これを攪拌しながら80℃まで加熱し、
80kg/cm2 で均質化させた。
【0030】その後、上記のように均質化させたものを
冷蔵庫で5℃まで冷却させて、水中油型エマルジョンか
らなるパン類の改良材を得た。
【0031】なお、このようにして得たパン類の改良材
はそのpHが4.7であった。
【0032】(実施例2) この実施例のものにおいては、上記実施例1の場合と同
様にして得た水中油型エマルジョンに50%乳酸を添加
し、そのpHを4.6にした。
【0033】(実施例3) この実施例のものにおいては、上記実施例1と同様にし
てクリームを発酵させた後、これを加熱攪拌する際に、
モノグリセライドステアリン酸エステルを2重量%添加
させるようにし、それ以外は、上記実施例1の場合と同
様にして水中油型エマルジョンからなるパン類の改良材
を得た。なお、このようにして得た改良材はそのpHが
4.7であった。
【0034】(比較例1) この比較例のものにおいては、脱脂粉乳12重量部と、
バーム油とナタネ油の混合油(融点31℃)20重量部
と、レシチン0.2重量部と、水68重量部とを用いる
ようにし、それ以外については、上記実施例1の場合と
同様にして水中油型エマルジョンからなるパン類の改良
材を得た。なお、このようにして得た改良材はそのpH
が4.7であった。
【0035】(比較例2) この比較例のものにおいては、脱脂粉乳12重量部と、
バーム油とナタネ油の混合油(融点31℃)55重量部
と、レシチン0.2重量部と、水33重量部とを用いる
ようにし、その後は、上記実施例1の場合と同様にし
て、クリームを発酵させて攪拌しながら加熱させるよう
にしたが、このように攪拌しながら加熱する際に油脂分
離が起り、水中油型エマルジョンからなるパン類の改良
材は得られなかった。
【0036】(比較例3) この比較例のものにおいては、上記実施例1と同様にし
て得たクリームを発酵させるにあたり、スタータとして
ラクトバチルスブルガリカスとストレブコッカスサーモ
フィラスとを用いて、40℃で7時間発酵させるように
し、それ以外については、上記実施例1の場合と同様に
して水中油型エマルジョンからなるパン類の改良材を得
た。なお、このようにして得た改良材はそのpHが4.
0であった。
【0037】(比較例4) この比較例のものにおいては、上記実施例1の場合と同
様にしてクリームを発酵させるようにしたが、その発酵
を9時間で停止させて、5℃まで冷却させるようし、そ
の後は、実施例1の場合と同様にして水中油型エマルジ
ョンからなるパン類の改良材を得た。なお、このように
して得た改良材はそのpHが5.3であった。
【0038】ここで、上記のようにして得た実施例1〜
3および比較例1,3,4の各改良材に含まれる油分の
量[重量%]と、各改良材のpHを下記の表1に示し
た。
【0039】
【表1】
【0040】次に、上記のようにして得た実施例1〜3
および比較例1,3,4の改良材を用いてパンを製造す
るようにした。
【0041】ここで、これらの改良材を用いてパンを製
造するにあたって、その製造方法としては中種法を用い
るようにした。
【0042】そして、中種配合においては、強力粉70
重量部、イースト2.5重量部、イーストフード0.1
重量部、水40重量部の割合で配合し、これらを横型ミ
キサーを使用して低速で3分間、中速で1分間ミキシン
グした。
【0043】ここで、上記のように中種をミキシングす
るにあたっては、その温度を24±0.5℃にして行
い、また中種の発酵は、温度27℃、湿度75%で3.
5時間行った。
【0044】次いで、本ごね配合においては、強力粉3
0重量部、砂糖5重量部、食塩2重量部、水61重量
部、ショートニング5重量部に対して、上記のようにし
て得た各改良材をそれぞれ5重量部の割合で用いるよう
にした。
【0045】そして、上記のようにして得た中種と、強
力粉と、砂糖と、食塩と、水とを上記の横型ミキサーを
用いて低速で3分間、中速で3分間ミキシングを行った
後、これに上記ショートニングと各改良材とを添加し、
上記ミキサーにより低速で2分間、中速で2分間、高速
で1分間ミキシングし、各改良材を添加した食パン用生
地を得た。
【0046】次いで、このようにして得た各食パン用生
地に対して20分間のフロアタイムを取った後、手とデ
ィバイダーとの2種の方法によって各生地をそれぞれ2
00gと220gとに分割した。
【0047】そして、このように分割したものをそれぞ
れ20分間ベンチタイムを取った後、モルダーを用いて
これらを成形し、1.5斤と3斤の食パン用の型に詰め
込んだ。なお、1.5斤の型には200gに分割したも
のを3個、3斤の型には220gに分割したものを6個
詰め込むようにした。
【0048】次いで、このように1.5斤と3斤の各食
パン用の型に詰め込んだものをホイロで湿度85%、温
度37℃で45分間かけて発酵を行った後、1.5斤型
のものについては山食、3斤型のものについてはプルマ
ンを焼成した。
【0049】そして、このようにして製造した食パンに
ついて、生地を手で分割した場合とディバイダーを用い
て機械により分割した場合とにおけるボリュームと、各
食パンを放置した場合におけるソフトさの変化について
調べるようにした。
【0050】ここで、各食パンにおけるボリュームを測
定するにあたっては、1.5斤型で焼成して得られたも
のものを用い、ナタネ法によりそのボリュームを測定す
るようにした。
【0051】また、各食パンにおけるソフトさの変化に
ついては、3斤の型で焼成したプルマンを用い、これを
2cmにスライスし、このようにスライスしたものをナ
イロン袋に入れて密閉し20℃で保存させ、この食パン
のクラムの中央部分を5cm平方に切り取ったサンプル
を使用し、株式会社山電社製のレオナー(商品名)によ
って3日間におけるその硬さを測定した。なお、アダプ
ターには直径4cmの円形のものを用い、測定スピード
を1cm/secにして測定した。
【0052】そして、上記実施例1〜3および比較例
1,3,4の各改良材を加え、生地を手で分割して得ら
れた各食パンにおけるボリュームおよびソフトさ(g)
の変化を下記の表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】この結果、生地を手で分割して得た食パン
においては、実施例1〜3の改良材を用いたものと、比
較例1,3,4の改良材を用いたものとで、ボリューム
およびソフトさにおいて若干の差はあるものの、大きな
差は存在しなかった。
【0055】次に、上記実施例1〜3および比較例1,
3,4の各改良材を加え、生地をディバイダーにより機
械的に分割して得られた各食パンにおけるボリュームお
よびソフトさ(g)の変化を下記の表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】この結果から明らかなように、生地をディ
バイダーによる機械によって分割させた場合には、上記
実施例1〜3の改良材を用いたものと、比較例1,3,
4の改良材を用いたものとでは、得られた食パンにおけ
るボリュームが実施例1〜3の改良材を用いたものの方
が比較例1,3,4の改良材を用いたものに比べてかな
り大きくなっており、またこの食パンを放置した場合に
おけるソフトさの変化も、実施例1〜3の改良材を用い
たものの方が比較例1,3,4の改良材を用いたものに
比べてかなり少なくなっており、ソフトな食感を長く維
持することができた。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係るパ
ン類の改良材においては、ディバイダーを用いた製造ラ
インで機械的にパン類を製造するにあたり、油分を30
〜50重量%、蛋白質を1〜10重量%の範囲で含み、
pHが4.5〜5の範囲になった水中油型エマルジョン
からなるパン類の改良材を添加させるようにしたため、
上記の製造ライン中において生地が傷むのが抑制され
て、パン類の風味や食感を改善する効果が低下するとい
うことがなかった。
【0059】この結果、この発明に係るパン類の改良材
を用いると、ディバイダーを用いた製造ラインでパン類
を機械的に製造する場合において、風味や食感の持続性
に優れたパン類が得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/00 - 2/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディバイダーを用いてパン類を製造する
    際に使用するパン類の改良材であって、油分を30〜5
    0重量%、蛋白質を1〜10重量%の範囲で含み、pH
    が4.5〜5の範囲になった水中油型エマルジョンから
    なることを特徴とするパン類の改良材。
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