JPH04355503A - 非可逆回路素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波帯の高周波
部品として採用される非可逆回路素子、例えばアイソレ
ータ，サーキュレータに関し、特に中心導体のインダク
タンスを十分に確保しながらフェライトを小径化して部
品を小型化，軽量化できるとともに、上記中心導体の組
立て作業を簡略化して生産性を向上できるようにした構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、集中定数型のアイソレータ，サ
ーキュレータは、信号の伝送方向にはほとんど減衰がな
く、かつ逆方向には減衰が大きくなるような機能を有し
ており、例えば携帯電話，自動車電話等の移動通信機器
の送信回路部に採用されている。このようなアイソレー
タ，サーキュレータは、従来、図１４（ａ）　に示すよ
うに、金属からなる複数の中心導体１を絶縁シートを介
在させた電気的絶縁状態に、かつ例えば　１２０°に交
差させて配置し、この交差部分に一対のフェライト２，
２を当接させるとともに、該各フェライト２の外表面に
アース板３を配置し、該フェライト２に永久磁石により
直流磁界を印加するよう構成されている。また、図１４
（ｂ）　に示すように、中心導体１の交差部分に１枚の
フェライト２を当接させた構造のものもある。ところで
、上記従来の構造のものは、各中心導体１を交互に交差
させながら、各中心導体１の間に絶縁シートを挟み込む
という手間のかかる作業となることから、生産性が低い
という問題がある。このような手間のかかる作業を改善
するものとして、従来、図１１ないし図１３に示すよう
な構造のものがある。図１１に示すものは、フェライト
４の上面に中心導体５と絶縁膜６とを交互に形成し、上
記フェライト４の下面にアース板７を当接した構造のも
のである。また、図１２に示すものは、絶縁基板８の上
面に中心導体５と絶縁膜６とを交互に形成し、該基板８
を一対のフェライト９，９で挟持するとともに、該各フ
ェライト９にアース板１０を当接した構造のものである
。さらに、図１３（ａ）　に示すものは、中心導体１１
を第１，第２導体部１１ａ，１１ｂに分割形成し、絶縁
基板１２の上面に第１導体部１１ａを配置するとともに
、これの上面に絶縁シート１３を介在させて第２導体部
１１ｂを配置し、第１，第２導体部１１ａ，１１ｂの先
端部同士を上記絶縁シート１３に形成された接続孔を介
して接続した構造のものである（特公昭６２−１１８０
２号公報参照）　。さらにまた、図１３（ｂ）　に示す
ものは、絶縁基板１４の一主面に中心導体１５の一部１
５ａをパターン形成し、他主面に中心導体１５の残りの
部分１５ｂをパターン形成し、両者１５ａ，１５ｂを絶
縁基板１４に形成されたスルーホール電極１６により接
続した構造のものである（特公昭４８−３３３４４号公
報参照）　。上記各構造のものによれば、各中心導体を
印刷，蒸着等により形成したので、上述の各中心導体を
交互に交差させながら絶縁シートを挟み込むようにした
構造に比べて生産性を向上できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記アイソ
レータ，サーキュレータにおいては、例えば携帯電話に
採用する場合、その用途からして、部品の小型化，軽量
化が要請されている。このような要請に応えるためには
、例えば上記フェライトの直径をできるだけ小さくする
ことが有効である。しかしながら、上記従来の各構造の
ものでは、フェライトを小径化すると中心導体の持つイ
ンダクタンスを必要値だけ確保することが困難となり、
その結果電気的特性を悪化させるという問題がある。即
ち、インダクタンス値は中心導体の長さで決まるが、こ
の長さはフェライトの直径値で決定される。従ってフェ
ライト径を小さくするほど中心導体の有効長さが短くな
り、インダクタンス値が小さくなる。ここで、インダク
タンス値を確保するには中心導体の電極幅を狭くするこ
とが考えられるが、このようにすると中心導体のＱが低
下し、図１０に示すように、Ｑが低下するとアイソレー
タ，サーキュレータの挿入損失が増加するという問題が
生じる。

【０００４】そこで本件発明者らは、図８及び図９に示
すように、フェライトを小径化しても中心導体のインダ
クタンス値を確保できる非可逆回路素子を考案した。こ
れは、中心導体２０を略コ字状に折り曲げ形成し、該各
中心導体２０をフェライト２１の両主面２１ａ，２１ｂ
に直径方向に当接するよう装着するとともに、各中心導
体２０を絶縁シート２２を介して１２０　度ごとに交差
させた構造のものである。この構造によれば、中心導体
２０をフェライト２１の両主面２１ａ，２１ｂに巻回し
たので、該中心導体２０の有効長さを長くできる分だけ
フェライトを小径化でき、それだけ部品の小型化，軽量
化に対応できる。ところが、上記構造では、各中心導体
２０を交差させながらフェライト２１に装着し、かつ各
中心導体２０同士の間に絶縁シート２２を挟み込むとい
う煩雑な組み立て作業となることから生産性が低く、こ
の点での改善が要請される。

【０００５】本発明は上記状況に鑑みてなされたもので
、電気的特性を悪化することなくフェライトを小径化し
て小型化，軽量化できるとともに、中心導体の組立て作
業を簡略化して生産性を向上できる非可逆回路素子を提
供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、電気的絶縁状
態に、かつ所定角度間隔をあけて交差するように配置さ
れた複数の中心導体の上記交差部分にフェライトを当接
させるとともに直流磁界を印加するように構成された非
可逆回路素子において、上記各中心導体を、上記フェラ
イトの第１，第２主面に該フェライトを挟んで対向する
よう配置された複数の本体電極片と、相対向する各本体
電極片の一端部同士を電気的に接続する接続電極片とで
構成したことを特徴とする非可逆回路素子である。

【０００７】

【作用】本発明に係る非可逆回路素子によれば、フェラ
イトの第１，第２主面に中心導体の本体電極片を個別に
配設し、フェライトを挟んで対向する本体電極片の一端
部同士を接続電極片で接続したので、従来のフェライト
の片面のみに中心導体を形成した構造に比べて中心導体
の有効長さを長くでき、従って中心導体のインダクタン
ス値を十分に確保しながらフェライトを小径化でき、ひ
いては部品の小型化，軽量化に対応できる。また、中心
導体の組み立てにあたっては、上記フェライトの両面に
中心導体の本体電極片を配設した後、この本体電極片の
一端部同士を接続することとなるので、上述の一体形成
した中心導体をフェライトに巻きつけながら絶縁シート
を挿入するという作業に比べて簡略化でき、それだけ生
産性を向上できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明する
。図１は本発明の一実施例による非可逆回路素子を説明
するための図である。本実施例では、集中定数型のアイ
ソレータに適用した場合を例にとって説明する。図にお
いて、３０は本実施例構造が適用されたアイソレータで
ある。このアイソレータ３０は、磁性体金属からなる下
部ヨーク３１の底面３１ａ上にアース板３２を配設し、
該アース板３２の上部に直方体状の樹脂ブロック３３を
配設し、上記下部ヨーク３１に磁性体金属からなる上部
ヨーク３４を装着して磁気閉回路を構成するとともに、
上記上部ヨーク３４の下面に永久磁石３５を接着し、該
永久磁石３５により直流磁界を印加するように構成され
ている。

【０００９】上記樹脂ブロック３３の上面中央部にはフ
ェライト３８が挿入される有底円形状の凹部３３ａが凹
設されている。この樹脂ブロック３３の凹部３３ａの周
縁部には所定の角度間隔をあけて３つの挿入孔３３ｂが
貫通して形成されており、該各挿入孔３３ｂ内には直方
体状の整合回路用チップコンデンサ３６が挿入されてい
る。この各チップコンデンサ３６の一方の電極３６ａは
上記アース板３２に接続されており、他方の電極３６ｂ
は上記樹脂ブロック３３の上面に位置している。さらに
、上記樹脂ブロック３３の１つの挿入孔３３ｂの近傍に
は同じく挿入孔３３ｃが貫通して形成されており、該挿
入孔３３ｃ内には終端抵抗３７が挿入されている。この
終端抵抗３７の一方の電極３７ａは上記アース板３２に
接続されており、他方の電極３７ｂは上記樹脂ブロック
３３の上面に位置している。なお、上記アース板３２に
はアース端子３２ａ，３２ａが一体形成されており、該
各アース端子３２ａは上記上部ヨーク３４の開口３４ａ
から外方に突出している。

【００１０】また、上記樹脂ブロック３３の凹部３３ａ
内には中心導体を構成する金属板製の３本の本体電極片
４０がインサート成形によって上面が凹部３３ａの底面
に露出するように埋設配置されており、該各本体電極片
４０は互いに１２０　度の角度をなして交差状に配置さ
れている。また上記各本体電極片４０の交差部分の相互
に当接する面には絶縁膜４１がコーティングされており
、これにより各本体電極片４０は電気的絶縁状態となっ
ている。さらに、上記各本体電極片４０の一端部には接
続電極片４０ａが折り曲げ形成されており、これは凹部
３３ａの側面から上縁に導出されており、他端部４０ｂ
は樹脂ブロック３３の下面に露出して上記アース板３２
に接続されている。

【００１１】さらに、上記樹脂ブロック３３の凹部３３
ａ内には円板状のフェライト３８が挿入されており、該
フェライト３８の下面３８ｂは上記本体電極片４０の交
差部分に当接している。また、上記樹脂ブロック３３の
フェライト３８の上面３８ａには上記本体電極片４０と
は別個の３本の本体電極片４２が１２０度ごとに交差し
て配設されており、この各本体電極片４２の相互に当接
する面には絶縁膜４３がコーティングされている。これ
により上記上側の各本体電極片４２はフェライト３８を
挟んで下側の各本体電極片４０と対向している。

【００１２】また、上記上側の２本の本体電極片４２の
他端部４２ｂには入，出力端子部４３が一体形成されて
おり、残り１本の本体電極片４２の他端部４２ｂには終
端抵抗用端子部４４が一体形成されている。上記各入，
出力端子部４３の基部には上記チップコンデンサ３６の
他方の電極３６ｂが接続されており、該入，出力端子４
３の先端部は上記上部ヨーク３４の開口３４ａから外方
に突出している。また上記抵抗用端子部４４には上記チ
ップコンデンサ３６及び終端抵抗３７の各他方の電極３
６ｂ，３７ｂが接続されている。そして、上記上側の各
本体電極片４２の一端部４２ａは上記下側の各本体電極
片４０の接続電極片４０ａに半田付け，あるいはスポッ
ト溶接により接続されている。

【００１３】次に本実施例の作用効果について説明する
。本実施例のアイソレータ３０によれば、樹脂ブロック
３３に下側の各本体電極片４０をインサート形成し、該
本体電極片４０にフェライト３８の下面３８ｂを当接さ
せるとともに、該フェライト３８の上面３８ａに上側の
本体電極片４２を別個に配設し、該下側，上側の各本体
電極片４０，４２の一端部同士を接続電極片４０ａで接
続したので、フェライト３８に当接する中心導体の有効
長さを長くすることができ、それだけ中心導体のインダ
クタンス値を増大でき、電気特性を劣化させることなく
フェライト３８を小径化でき、ひいては部品を小型化，
軽量化できる。また、上記フェライト３８の両面３８ａ
，３８ｂに別個に各本体電極片４０，４２を組み合わせ
た後に、両者の一端部同士を接続したので、上述したよ
うな絶縁シートを介在させながら中心導体をフェライト
に挿入するという煩雑な組立て作業を不要にでき、生産
性を向上できる。さらに、本実施例では、自動機により
樹脂ブロック３３にフェライト３８を挿入し、該フェラ
イト３８の上面に上側の各本体電極片４２を配置でき、
自動化による大量生産を可能にできる。これにより、機
械的，電気的特性のばらつきの少ない、高性能で安価な
アイソレータを提供できる。

【００１４】ここで、上記実施例では、樹脂ブロック３
３に一方の本体電極片４０をインサート形成し、他方の
本体電極片４２を１本づつ配設した場合について説明し
たが、本発明では、要は、フェライトの両主面に本体電
極片を別個に配設し、該各本体電極片の一端部同士を接
続電極片で接続すれば良いことから、以下に示すような
様々な変形例が考えられる。図２ないし図７は上記実施
例の変形例を説明するための図であり、図中、図１と同
一符号は同一又は相当部分を示す。まず、図２（ａ）　
に示す構造のものは、一対の樹脂ブロック３３同士を、
両者の凹部３３ａ内にフェライト３８を配置した状態で
対向させるとともに、上記各樹脂ブロック３３にインサ
ート成形によって埋設配置された各本体電極片４０同士
を対向させ、該上側，下側の各本体電極片４０の一端部
同士を接続電極片４０ａで接続して構成されている。ま
た、図２（ｂ）　に示すものは、樹脂ブロック３３の上
面に樹脂基板４５を配設し、該樹脂基板４５の下面に各
本体電極片４６を下方に露出するようにインサートし、
該本体電極片４６の一端部４６ａと上記下側の本体電極
片４０の一端部とを接続電極片４０ａで接続して構成し
た例である。

【００１５】図３に示す構造のものは、樹脂ブロック４
７の中央部にフェライト３８が挿入される貫通孔４７ａ
を形成し、該貫通孔４７ａの内周面に１２０　度の間隔
をあけて厚膜状の接続電極片４８を印刷により形成する
とともに、上記樹脂ブロック４７の両面縁部に各接続電
極片４８を導出し、該樹脂ブロック４７のフェライト３
８の両面３８ａ，３８ｂにそれぞれ別個に本体電極片４
２を配設し、該各本体電極片４２の一端部４２ａ同士を
上記接続電極片４８を介して接続した例である。なお、
上記接続電極片４８を金属製の接続板により構成し、該
接続板を上記樹脂ブロック４７の貫通孔４７ａの縁部に
インサートしてもよい。

【００１６】また、図４に示す構造のものは、フェライ
ト３８の周側面３８ｃに１２０　度ごとに間隔をあけて
厚膜状の接続電極片５０を印刷により形成し、該各接続
電極片５０を上記フェライト３８の上面３８ａ，下面３
８ｂの縁部に導出し、この接続電極片５０を介して各本
体電極片４２の一端部４２ａ同士を接続して構成されて
いる。

【００１７】さらに、図５（ａ）　及び図５（ｂ）　に
示すものは、下側の各本体電極片４２の一端部４２ａに
接続電極片５１を一体形成し、該接続電極片５１をフェ
ライト３８の周側面３８ｃに当接させるとともに、各接
続電極片５１の先端部を内側に折り曲げて（図５（ｂ）
　の→印参照）上側の各本体電極片４２の一端部４２ａ
に接続した例である。

【００１８】次に、図６（ａ）　に示す構造のものは、
樹脂基板５３の上面５３ａに第１導体５４ａをパターン
形成するとともに、下面５３ｂに第２導体５４ｂをパタ
ーン形成し、上記第１，第２導体５４ａ，５４ｂの内端
部同士を樹脂基板５３に形成されたスルーホール電極５
５で接続して上側本体電極片５４を形成し、これを樹脂
ブロック３３の下側本体電極片４０にフェライト３８を
挟んで対向させるとともに、上記各第２導体５４ｂの外
端部と各下側本体電極片４０とを接続電極片４０ａで接
続して構成されている。

【００１９】また、図６（ｂ）　に示すものは、上記本
体電極片５４がパターン形成された一対の樹脂基板５３
を、上述の貫通孔３７ａが形成された樹脂ブロック４７
に重ね、該ブロック４７の各接続電極片４８を介して上
記各本体電極片５４の外端部同士を接続した例である。

【００２０】さらに、図７（ａ）　に示す構造のものは
、上記各樹脂基板５３の本体電極片５４の外端部同士を
、上述のフェライト３８の周側面３８ｃに形成された接
続電極片５０で接続して構成されている。さらにまた、
図７（ｂ）に示すものは、上記各樹脂基板５３に形成さ
れた本体電極片５４の外端部同士を金属ピン，あるいは
金属片からなる接続電極片５６を介して接続した例であ
る。

【００２１】上記各実施例においても、フェライトの両
主面に中心導体を構成する本体電極片を個別に配設し、
該本体電極片の一端部同士を接続したので、インダクタ
ンスを増大しながらフェライトを小径化でき、小型化，
軽量化に対応できるとともに、生産性を向上できる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明に係る非可逆回路素
子によれば、フェライトの両主面に中心導体を構成する
本体電極片を個別に配設し、該本体電極片の一端部同士
を接続電極片で接続したので、中心導体の有効長さを長
くでき、インダクタンス値を増大しながらフェライトを
小径化でき、部品を小型化，軽量化できる効果があると
ともに、中心導体の組立て作業を簡略化して生産性を向
上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるアイソレータを説明す
るための分解斜視図である。

【図２】上記実施例の変形例を説明するための分解斜視
図である。

【図３】上記実施例の他の変形例を示す分解斜視図であ
る。

【図４】上記実施例の他の変形例を示す分解斜視図であ
る。

【図５】上記実施例の他の変形例を示す図である。

【図６】上記実施例の他の変形例を示す分解斜視図であ
る。

【図７】上記実施例の他の変形例を示す分解斜視図であ
る。

【図８】本発明の成立過程を説明するための斜視図であ
る。

【図９】本発明の成立過程を説明するための概略構成図
である。

【図１０】中心導体のＱ値と挿入損失との関係を示す特
性図である。

【図１１】従来のフェライトと中心導体との組立て構造
を示す分解斜視図である。

【図１２】従来のフェライトと中心導体との組立て構造
を示す分解斜視図である。

【図１３】従来の中心導体の構造を示す斜視図である。

【図１４】従来のフェライト組立体を示す概略構成図で
ある。

【符号の説明】

３０　　アイソレータ（非可逆回路素子）３８　　フェ
ライト ３８ａ，３８ｂ　　フェライトの上面，下面（第１，第
２主面）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　電気的絶縁状態に、かつ所定角度間隔
   をあけて交差するように配置された複数の中心導体の上
   記交差部分にフェライトを当接させるとともに直流磁界
   を印加するように構成された非可逆回路素子において、
   上記各中心導体を、上記フェライトの第１，第２主面に
   該フェライトを挟んで対向するよう配置された複数の本
   体電極片と、相対向する各本体電極片の一端部同士を電
   気的に接続する接続電極片とで構成したことを特徴とす
   る非可逆回路素子。