JPH04353570A - 防曇性樹脂組成物、防曇性成形体および防曇方法 - Google Patents

防曇性樹脂組成物、防曇性成形体および防曇方法

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JPH04353570A
JPH04353570A JP15765591A JP15765591A JPH04353570A JP H04353570 A JPH04353570 A JP H04353570A JP 15765591 A JP15765591 A JP 15765591A JP 15765591 A JP15765591 A JP 15765591A JP H04353570 A JPH04353570 A JP H04353570A
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JP
Japan
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antifogging
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fogging
glycoside
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JP15765591A
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Keisuke Sumida
隅田 啓介
Toshinori Tanaka
俊則 田中
Keisuke Kinomura
木野村 圭右
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ASAI BUSSAN KK
KYOTO KARITASU KK
Nippon Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
ASAI BUSSAN KK
KYOTO KARITASU KK
Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、すぐれた防曇性を有す
る防曇性樹脂組成物、該防曇性樹脂組成物の層を硬化さ
せてなる防曇性成形体、および、これらの防曇性樹脂組
成物または防曇性成形体を利用して対象面に防曇性を付
与する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス、鏡、プラスチックスフィルムな
どの表面が外気の露点よりも低くなると、微細な水滴が
無数に付着して曇りを生ずる。曇りを防止する有効な方
法は、外部からエネルギーを与えてガラスや鏡あるいは
プラスチックスの表面温度を常に露点以上に保つことで
あるが、簡便性およびコストの点で適用できるケースが
少ない。そこで通常は、(a)表面を親水化することに
より付着した水滴を薄い水の膜にして光の乱反射を防止
する方法、(b)付着水分を表面層に吸収させる方法、
(c)表面を疎水化することにより付着水滴を自重や外
部からの振動で離脱させる方法のいずれかが採用されて
おり、特に(a)または/および(b)の方法が主流と
なっている。
【0003】このような(a)または(b)の考え方に
基く防曇方法として、対象面に親水性樹脂や高吸水性樹
脂の層を形成する方法、対象面に界面活性剤を塗布する
方法、プラスチックスフィルム中に界面活性剤を内添す
る方法などがある。
【0004】また特開昭63−317325号公報には
、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、ウレタンアクリレ
ート、エポキシアクリレート等の高分子重合体をヒドロ
キシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリ
レート等の感光性ビニル化合物に溶解させたものを光硬
化させた曇り防止シートが示されており、このものは接
着剤を用いることなく水やアルコールで対象物に貼着で
きるとしている。
【0005】特開昭62−127351号公報には、炭
素数1〜30のアルキル基を有するアルキルグルコシド
、そのアルキレンオキシド付加物、上記のアルキルグル
コシドと炭素数8〜36の高級脂肪酸のエステル、上記
のアルキルグルコシドと上記の高級脂肪酸のアルキレン
オキシド付加物から選ばれた化合物よりなる合成樹脂用
防曇剤が示されており、適用できる合成樹脂の例として
は、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体およびポリオレフィン(ポリプロピレンやポリエチレ
ン)があげられている。ここでグルコシドとはグルコー
スのグリコシド(配糖体)のことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】対象面に親水性樹脂や
高吸水性樹脂の層を形成する方法は、表面強度が低下し
て傷つきやすい上、耐水性が不足するという基本的な問
題点がある。対象面に界面活性剤を塗布する方法は、持
続性が著しく不足することを免れない。プラスチックス
フィルム中に界面活性剤を内添する方法は、初期におけ
る防曇性は満足するものの、経時的に防曇性が低下し、
また低温時における防曇性が不足し、さらにはフィルム
の表面を手で触ると指紋がつくなどの問題点がある。
【0007】これに対し特開昭63−317325号公
報に記載の曇り防止シートは、防曇性、簡便性、持続性
を兼ね備えており、興味あるものである。しかしながら
この方法も、耐水性を上げようとすると防曇性が低下し
、防曇性を上げようとすると耐水性が低下するという関
係にあるため、結局は防曇性をある程度犠牲にしてバラ
ンスをとらなければならず、なお改良を図る必要がある
【0008】特開昭62−127351号公報に記載の
防曇剤も興味あるものであるが、配合する樹脂がポリ塩
化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびポ
リオレフィンに限られる上、使用により防曇性が比較的
短かい日数で低下し、またガラスや鏡の防曇には適用で
きないという限界がある。
【0009】本発明は、このような背景下において、曇
り防止効果が顕著にすぐれた防曇性樹脂組成物および防
曇性成形体、さらにはこれらを利用した防曇方法を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の防曇性樹脂組成
物は、親水性基を有するモノマー、オリゴマーまたはプ
レポリマーからなる反応性親水性成分を必須成分として
含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に、配糖体
を含有させてなるものである。
【0011】親水性基を有するモノマー、オリゴマーま
たはプレポリマーからなる反応性親水性成分としては、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロイルモルホリン、N−メチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド
、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ダ
イアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(
メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ
)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート
などのモノマーが用いられ、同様に、ポリエチレグリコ
ール単位に代表される親水性基を有するオリゴマーやプ
レポリマーも用いることができる。上記の中では、2−
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとアルキル(
メタ)アクリルアミドが特に重要であり、これらと共に
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アク
リレートを併用すると、水蒸気だけでなく、有機溶剤系
の蒸気の凝縮による曇りを防ぐことができるようになる
【0012】上記の反応性親水性成分のみを重合させる
と硬化物またはコーティング後の硬化皮膜の柔軟性、強
度などの性質が不足することがあるので、必要に応じ、
上記の反応性親水性成分と相溶する他の単官能または多
官能の硬化性モノマーや、官能基を有しまたは有しない
オリゴマーやポリマーなどを配合することが好ましい。
【0013】このような他の単官能または多官能の硬化
性モノマーの例としては、各種のアルキル(メタ)アク
リレート、フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、
多価アルコールのモノ、ジ、トリ、テトラまたはヘキサ
(メタ)アクリレート、ジ、トリまたはテトラアルキレ
ングリコールのジ(メタ)アクリレート、アルコキシ−
ジ、トリまたはテトラアルキレングリコールのモノ(メ
タ)アクリレートなどが例示され、官能基を有しまたは
有しないオリゴマーやポリマーの例としては、ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、セルロースのア
クリル誘導体、N−メトキシ−6−ナイロンなどが例示
される。
【0014】上述の反応性親水性成分を必須成分として
含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有させ
る配糖体としては、単糖類、オリゴ糖類、多糖類などの
糖部と、飽和あるいは不飽和炭化水素類、脂環式炭化水
素類、その他の置換基類などの非糖部とから構成される
ものがあげられる。
【0015】配糖体を構成する糖のうち単糖類としては
、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトー
ス、グルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミンなど
のヘキソース、キシロース、アラビノース、リボースな
どのペントースがあげられる。オリゴ糖類としては、シ
ュクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、
セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラ
ミナリビオース、キトビオース、キシロビオース、マン
ノビオース、ソホロース、マルトトリオース、マルトテ
トラオースなど、あるいはデンプン、セルロースなどの
加水分解物があげられる。多糖類としては、キチン、キ
トサン、デンプン、セルロース等があげられる。
【0016】非糖部のうち飽和あるいは不飽和炭化水素
類としては、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デ
シル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタ
デシル、エイコシルなどのアルキル基、アリル、イソプ
ロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1,3ブ
タジエニル、2−ペンテン−4−イニル、3−メチル−
2−ブテニル、9−オクタデセニルなどのアルケニル基
などがあげられる。脂環式炭化水素類としては、シクロ
ヘキシルなどのシクロアルキル基、コレステロース残基
などがあげられる。その他の置換基類としては、フェノ
ール類、ベンジル類、フラボノイドなどがあげられる。
【0017】配糖体の中では、糖がグルコース、ガラク
トース、チオグルコースまたはチオガラクトース、非糖
部が炭素数8〜18のアルキル基またはフェニルまたは
置換フェニル基より構成されているものが重要であり、
殊に、常温でオイル状を呈するものが好ましい。最適の
ものは、糖がグルコース、非糖部が炭素数8〜18の分
岐アルキル基(2−エチルヘキシル、2−ペンチルノニ
ル、2−ヘキシルデシルなど、殊に2−ペンチルノニル
)を有する常温でオイル状のグルコシドである。
【0018】防曇性樹脂組成物中に占める配糖体の割合
は 0.1〜10重量%に設定することが望ましく、そ
の割合が余りに少ないときは所期の防曇効果が得られず
、一方その割合が余りに多いときは相溶性を欠き、硬化
物が不透明になるおそれがある。特に好ましい範囲は1
〜8重量%である。
【0019】配糖体の添加は防曇性に顕著に貢献し、し
かもその防曇性が長期にわたり持続するが、蒸気と接触
した直後には一時的に曇りを生ずることがある。そのよ
うな場合には、配糖体と共に、さらに適当量の界面活性
剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、従
来防曇目的に使われているような種々の界面活性剤を用
いることができ、その添加量は、たとえば5重量%以下
、さらには3重量%以下というように従来の防曇目的の
界面活性剤の使用量に比しごくわずかにすることができ
る。
【0020】後述のように防曇性樹脂組成物の層を基材
シート上に形成するときは、配糖体またはこれと界面活
性剤と共に、基材シートに対する密着性付与ポリマーを
さらに配合しておくことが好ましい。たとえば基材シー
トがポリ塩化ビニルであるときは、密着性付与ポリマー
として塩化ビニル系重合体を防曇性樹脂組成物全体の1
〜50重量%、殊に2〜40重量%を占めるように配合
することが推奨される。所望の塗布厚を確保するため、
基材シート上に防曇性樹脂組成物の層を多層に形成する
こともできる。
【0021】上記組成物には、そのほか、香料、芳香剤
、消臭剤、清涼剤、抗菌剤、防カビ剤、殺虫剤、忌避剤
、誘引剤などの環境改善用薬剤や、染料、安定剤、増粘
剤、稀釈剤、その他の添加剤を含有させることができる
【0022】本発明の防曇性成形体は、上述の活性エネ
ルギー線硬化型樹脂組成物に配糖体、さらには必要に応
じ界面活性剤や密着性付与ポリマーを含有させた防曇性
樹脂組成物の層を、活性エネルギー線照射により硬化す
ることにより得られる。
【0023】活性エネルギー線としては紫外線や電子線
があげられ、紫外線硬化の場合には、ベンゾインエーテ
ル系、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン
系などの光重合開始剤を少量(たとえば 0.1〜3重
量%程度)添加する。
【0024】この防曇性樹脂組成物は、適当な支持体上
に流延するか2枚のフィルムまたは板間にはさんだ状態
で活性エネルギー線を照射した後、支持体やフィルムか
ら剥離することにより成形体とすることができるが、基
材シートの少なくとも片面にコーティング法、ディッピ
ング法などにより防曇性樹脂組成物の層を形成した後、
活性エネルギー線照射により硬化して、基材シート付き
の防曇性成形体とすることもできる。なお防曇性樹脂組
成物の層を硬化した後、さらにその上から保護層を設け
ることもできる。
【0025】これらの防曇性成形体または基材シート付
きの防曇性成形体を防曇性を要求される対象面、たとえ
ばガラス面や鏡面に貼着すれば、これらの面に好ましい
防曇性を付与することができる。この方法は、施工業者
や末端需要者などが個別に防曇加工を行うときに有利で
ある。貼着に際しては接着剤を用いてもよいが、単に水
や水と相溶性のある溶剤を用いても充分な接着が図られ
ることが多い。
【0026】また、上記の防曇性組成物を防曇性を要求
される対象面に塗布後、活性エネルギー線を照射して硬
化させ、対象面に防曇性を付与することもできる。この
方法は、生産段階で防曇性鏡や防曇性ガラス等を製造す
るときに有利である。
【0027】
【作用】本発明における防曇作用は、活性エネルギー線
の照射によりポリマー化した反応性親水成分の親水性と
配糖体の親水基との協力作用によるものと考えられる。 この場合、配糖体はポリマー化した反応性親水成分によ
りマイグレーションが抑えられるだけでなく、常態では
配糖体の疎水性基が表面側に向くので必要な耐水性を確
保でき、一方その表面に蒸気が接触したときは今度は配
糖体中の親水性基が表面側に向いて必要かつ持続的な防
曇作用を発揮し、蒸気と接触しないようになったときは
再び配糖体の疎水性基が表面側を向くものと考えられる
。このような環境に応じたスイッチ作用は活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物に配糖体を含有させることによっ
てはじめて得られ、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリオレフィンなどの疎水性ポリマ
ー中に配糖体を配合したのでは、配糖体が成形物の表面
に押し出されたり経時的に表面に移行するために短時日
で防曇効果が失われ、期待するほどの防曇性が得られな
い。
【0028】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明する
。以下「部」とあるのは重量基準で示したものである。
【0029】実施例1 2−ヒドロキシエチルアクリレート30部、ウレタンア
クリレートオリゴマー70部、2−ペンチルノニルグル
コシド3部、天然植物系香料 0.4部および光重合開
始剤(メルク社製の光重合開始剤、ダロキュア1173
)1部よりなる組成物を約80℃に加温して均一に混合
することにより無色透明の樹脂液となし、ついでこの樹
脂液をポリエステルフィルム上に流延すると共にその上
からもう1枚のポリエステルフィルムを当て、高圧水銀
灯により紫外線照射を行った。
【0030】これにより、厚さ 0.2mmの可撓性を
有するシート状の防曇性成形体が得られた。シートの外
観は無色透明であり、表面の平滑性は極めてすぐれたも
のであった。このシートの引張強度は850kg/cm
2、伸びは25%であった。
【0031】次に、上記で得られたシートを用いて常態
での防曇性(高温防曇性と低温防曇性)を調べると共に
、70℃、95%RHの環境条件下に所定時間保つ促進
試験(ジャングル試験)を行った後の防曇性(高温防曇
性と低温防曇性)を調べた。結果は次の通りであった。
【0032】常態の試料 高温防曇性        曇りなし 低温防曇性        曇りなし 促進試験5時間後の試料 高温防曇性        曇りなし 低温防曇性        曇りなし 促進試験10時間後の試料 高温防曇性        曇りなし 低温防曇性        曇りなし 促進試験20時間後の試料 高温防曇性        曇りなし 低温防曇性        曇りなし
【0033】なお、高温防曇性は、50℃の温水を入れ
たビーカーの口の部分を試料シートで覆い、シートが曇
るか否かで判定した。低温防曇性は、20℃の水を入れ
たビーカーの口の部分を試料シートで覆い、水温を20
℃に保った状態で外温を0〜5℃に保ち、シートが曇る
か否かで判定した。
【0034】上記で得たシートは、ガラス面や鏡面に水
で容易に貼着することができ、時日の経過によっても剥
離する兆候は見られなかった。また好ましい香りを長期
にわたり徐々に発散し、後述の比較例1のように当初は
香りが強すぎ、経時的に香りが急激に弱くなるという現
象を示さなかった。
【0035】実施例2 2−ペンチルノニルグルリコシド3部に代えて2−ヘキ
シルデシルグルコシド3部を用い、さらにラウリルアル
コールエチレンオキサイド付加物(ノニオン系界面活性
剤)1部を追加配合したほかは実施例1を繰り返した。
【0036】得られたシートは実施例1にほぼ匹敵する
好ましい防曇性を示した。またこのシートに水を1滴落
とすと瞬時にして水滴が拡散するが、その拡散の速さは
実施例1を上回るものであっった。
【0037】比較例1 ポリ塩化ビニル80部、ジオクチルフタレート35部、
トリクレジルホスフェート4部、金属石鹸2部、オクチ
ルグルコシド3部および天然植物系香料 0.4部より
なる組成物からカレンダー成形法により厚さ 0.2m
mのシートを成形した。
【0038】次に、上記で得られたシートを用いて、実
施例1と同様にして防曇性を調べた。結果は次の通りで
あった。
【0039】常態の試料 高温防曇性        曇りなし 低温防曇性        わずかに水滴が付着促進試
験5時間後の試料 高温防曇性        ほぼ曇りなし低温防曇性 
       水滴が付着促進試験10時間後の試料 高温防曇性        大粒の水滴が付着している
が、透明性は維持。 低温防曇性        大粒の水滴間に微小水滴が
発生し、部分的に不透明。 促進試験20時間後の試料 高温防曇性        大粒の水滴間に微小水滴が
発生し、部分的に不透明。 低温防曇性        微小水滴が多量に発生し、
不透明。
【0040】またこのシートは、当初は香りが強すぎる
反面、経時的に香りが急激に弱くなる傾向があった。
【0041】比較例2 オクチルグルコシドの配合のみを省略したほかは実施例
1を繰り返した。結果は次の通りであった。
【0042】常態の試料 高温防曇性        ほぼ曇りなし低温防曇性 
       わずかに水滴が付着促進試験5時間後の
試料 高温防曇性        わずかに曇り発生低温防曇
性        大粒の水滴間に微小水滴が発生し、
部分的に不透明。 促進試験10時間後の試料 高温防曇性        大粒の水滴が付着している
が、透明性は維持。 低温防曇性        微小水滴が多量に発生し、
不透明。 促進試験20時間後の試料 高温防曇性        微小水滴が多量に発生し、
不透明。 低温防曇性        微小水滴が多量に発生し、
不透明。
【0043】実施例3 2−ヒドロキシエチルアクリレート70部、N,N−ジ
メチルアクリルアミド10部、メトキシメチル化ナイロ
ン15部、ポリ塩化ビニル30部、2−ペンチルノニル
グルコシド3部および光重合開始剤(メルク社製の光重
合開始剤、ダロキュア1173)1部よりなる組成物を
約80℃に加温して均一に混合することにより無色透明
の樹脂液となし、ついでこの樹脂液を厚さ 0.4mm
のポリ塩化ビニルシートの両面にディッピングした後、
引き上げてから、空気を遮断した状態で高圧水銀灯によ
り紫外線照射を行い、両面に防曇性被膜を有する厚さ0
.5mmのシート状の防曇性成形体を得た。
【0044】得られたシートについて実施例1と同様に
試験を行ったところ、実施例1と同様の好ましい結果が
得られた。
【0045】実施例4 実施例1の樹脂液を鏡面に塗布した後、紫外線照射を行
って、厚さ 0.1mmの防曇層を形成させた。この鏡
は浴室で使用しても、長期にわたり全く曇りを生じなか
った。
【0046】
【発明の効果】本発明においては、すぐれた防曇性が奏
されると共に、過酷な環境下にもたらされても長期にわ
たりその防曇性が持続する。
【0047】また、硬化型樹脂の組成を過度に親水性に
しなくても配糖体の添加によりすぐれた防曇性が得るの
で、強度や耐摩耗性の点から防曇性を犠牲にする必要が
なく、用途にあった機械的特性や耐水性を有する成形体
とすることができる。
【0048】本発明の組成物は、それ自体で成形体とし
てもよく、基材シートの表面に防曇層を形成するように
することもでき、あるいはガラス面や鏡面に防曇性被膜
を形成するようにすることもできるなど種々の利用の仕
方が可能であり、自在性に富む。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性基を有するモノマー、オリゴマーま
    たはプレポリマーからなる反応性親水性成分を必須成分
    として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に、
    配糖体を含有させてなる防曇性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】配糖体として、糖がグルコース、非糖部が
    炭素数8〜18の分岐アルキル基を有する常温でオイル
    状のグルコシドを用いることを特徴とする請求項1記載
    の防曇性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】防曇性樹脂組成物中に占める配糖体の割合
    が 0.1〜10重量%である請求項1または2記載の
    防曇性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】配糖体と共に、さらに界面活性剤を含有さ
    せてなる請求項1または2記載の防曇性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】配糖体と共に、さらに基材シートに対する
    密着性付与ポリマーを含有させてなる請求項1または2
    記載の防曇性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または4記載の防曇性樹
    脂組成物の層を活性エネルギー線照射により硬化してな
    る防曇性成形体。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4または5記載の防曇
    性樹脂組成物の層を基材シートの少なくとも片面に形成
    した後、活性エネルギー線照射により硬化してなる防曇
    性成形体。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の防曇性成形体を防
    曇性を要求される対象面に貼着することを特徴とする防
    曇方法。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4または5記載の防曇
    性組成物を防曇性を要求される対象面に塗布後、活性エ
    ネルギー線を照射することを特徴とする防曇方法。
JP15765591A 1991-05-31 1991-05-31 防曇性樹脂組成物、防曇性成形体および防曇方法 Withdrawn JPH04353570A (ja)

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JP (1) JPH04353570A (ja)

Cited By (5)

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