JPH04351201A - 銅合金クラッド鋼板の製造方法 - Google Patents
銅合金クラッド鋼板の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一な合せ材厚さと高
いせん断強さを有する銅合金クラッド鋼板の製造方法に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】銅合金クラッド鋼板は、合せ材としての
銅合金の優れた耐海水性を生かして熱交換器や海水淡水
化装置等の構造部材に供用されている。銅合金クラッド
鋼板の製造方法としては、肉盛法、圧延法および爆着法
等があるが、これらの製造法のなかで広幅長尺のクラッ
ド鋼板を比較的低コストで製造できるという点で、圧延
法が最も望ましい。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】圧延法による場合、圧
延過程での銅合金の変形抵抗が母材鋼の 0.4〜0.
7 倍と小さく、変形抵抗が大きく異なる金属同士の組
合せ圧延となる。そのため、図8および図9に示すよう
に、銅合金板の片面に剥離材2を介在させた1枚の銅合
金板1あるいは銅合金板間に剥離材2を介在させた2枚
の銅合金板1を2枚の母材鋼板3で挟み、かつ銅合金板
1の4周を鋼製の枠材4で取り囲んだのち、拘束溶接5
して密封するタイプのいわゆるセミサンドイッチ型ある
いはサンドイッチ型のコンポジット7を大きな圧延形状
比で圧延した場合、図10に示すように、圧延機入側の
噛み込み部においてふくれ8を発生することがある。そ
の場合、図11に示すように、圧延材の先後端部の広い
範囲に亘って合せ材厚が中央部に比べて著しく厚くなる
という現象が生じる。この合せ材の厚肉領域は製品の合
せ材厚の公差を満足できず、結果として、歩留りよく製
品を採取することができないという問題があった。 【0004】また、大きなふくれが発生した場合におい
ては、圧延機入側のコンポジットの拘束溶接部が破損す
ることがあり、その場合、それ以降の圧延が困難となっ
たり、コンポジット内の真空雰囲気が破られて非接合部
が発生するという問題があった。 【0005】一方、小さな圧延形状比で圧延した場合、
圧延過程においてふくれは発生しないものの、図12に
示すように、圧延材の先後端部の広い範囲に亘って合せ
材厚さが中央部に比べて著しく薄くなるという現象が生
じる。この合せ材の薄肉領域は製品の合せ材厚の公差を
満足できないため、歩留りよく製品を採取することがで
きないという問題があった。また、小さな圧延形状比で
圧延した場合、接合予定面への圧延圧力が小さいため、
接合界面にミクロボイドが残存したり、圧延パス数が多
いことによって圧延温度の低下を招くために、合せ材、
母材の両金属の原子が十分に相互拡散できず、結果とし
て、せん断強さが低位となったり、所望の板厚までの圧
延が困難になるという問題があった。 【0006】本発明は、銅合金クラッド鋼板を圧延法で
製造するに当たって、従来の問題点を解決するためにな
されたもので、接合状態が得られるまでの圧延過程とそ
の後の圧延過程を、それぞれ適性な圧延形状比で圧下す
ることよって、圧延過程でふくれを発生させることなく
、均一な合せ材厚と高いせん断強さを有する銅合金クラ
ッド鋼板の製造方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者らは圧延法においてコンポジットの圧延
過程でのふくれの発生の有無ならびに圧延材の合せ材厚
さの偏差およびせん断強さに及ぼす圧延形状比、コンポ
ジットを構成する母材鋼板の断面形状およびクラッド比
の影響を調査し、銅合金クラッド鋼板の合せ材厚さの偏
差を低減させ、かつ、高いせん断強さを確保するための
圧延条件を見出して、本発明に至ったものである。その
第1発明は、銅合金板の片面に剥離材を介在させた1枚
の銅合金板を2枚の鋼板間に配置した構造のコンポジッ
ト、または銅合金板間に剥離材を介在させた2枚の銅合
金板を2枚の鋼板間に配置した構造のコンポジットを圧
延する際に、全圧下率が30%まで、圧延形状比が式1
を満足する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧延し、全
圧下率が30%を超えてからは圧延形状比が式2を満足
する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧延する銅合金ク
ラッド鋼板の製造方法である。 【0008】第2発明は、銅合金板の片面に剥離材を介
在させた1枚の銅合金板と鋼板との間にNi箔またはC
u−Ni 系合金箔を挿入し、2枚の鋼板間に配置した
構造のコンポジット、または銅合金板間に剥離材を介在
させた2枚の銅合金板と鋼板との間にNi箔またはCu
−Ni 系合金箔を挿入し、2枚の鋼板間に配置した構
造のコンポジットを圧延するに際し、全圧下率が20%
まで、圧延形状比が式1を満足する1パス当たりの圧下
量(ΔH)で圧延し、全圧下率が20%を超えてからは
圧延形状比が式2を満足する1パス当たりの圧下量(Δ
H)で圧延する銅合金クラッド鋼板の製造方法である。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1 0.40≦(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕……………………式
2ここで、R:ロール半径 (mm) ΔH:1パス当たりの圧下量 (mm)Hi :圧延機
入側でのコンポジット厚さ (mm)Hi+1 :圧延
機出側でのコンポジット厚さ (mm)b:圧延機入側
でのコンポジットを構成する鋼板の幅 (mm) h:圧延機入側でのコンポジットを構成する鋼板の厚さ
(mm) C:クラッド比 (%) (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1 )/2
〕:圧延形状比 【0009】 【作用】つぎに、本発明において、上述の内容を限定し
た理由について説明する。鋼・銅合金・鋼の順に重ね合
わせた3層構造のセミサンドイッチ型コンポジット(図
8)あるいは鋼・銅合金・銅合金・鋼の順に重ね合わせ
た4層構造のサンドイッチ型コンポジット(図9)を圧
延するに際し、圧延過程でのふくれおよび圧延材の先後
端部において合せ材厚さにばらつきが発生する機構はつ
ぎのように考えられる。 【0010】すなわち、銅合金板が母材鋼板と未だ接合
していない圧延初期にコンポジットが大きな圧延形状比
で圧延された場合、母材鋼板より変形抵抗の小さい銅合
金板が絞り出されて、圧延機入側に溜まりを生じ、その
内部圧力によって銅合金板の上下側に位置する鋼板がた
わんでふくれが発生する。この銅合金の溜まりは圧延過
程でコンポジット内の端部に押し出され、かつ、コンポ
ジット内の枠材が太鼓状に張り出すことも相俟ってコン
ポジット内の端部において銅合金の集積が進む。その結
果、図13に示すように、圧延材の先後端部において厚
肉領域が生じるようになると考えられる。圧延過程での
ふくれが著しい場合は、コンポジット端部の枠材と母材
鋼板が引き裂かれて、拘束溶接部が破損する。その結果
、コンポジット内の真空雰囲気が破られて、非接合部が
発生する。 【0011】一方、コンポジットが圧延初期から小さな
圧延形状比で圧延された場合、圧延過程においてふくれ
は発生しないものの、コンポジットの表層部が中心部に
比べて展伸するために、コンポジットの先後端部におい
て、コンポジットの中心部に位置する枠材が鼓状に折れ
込み、枠材と銅合金板間に間隙が生じる。加えて、コン
ポジットの先後端部における銅合金板と母材鋼板との接
合が、大きな圧延形状比で圧延された場合に比べて遅い
ことから、銅合金板および母材鋼板が自由に塑性変形し
て、上記間隙に進入する。その結果、図14に示すよう
に、圧延材の先後端部に銅合金板の薄肉領域が生じるよ
うになると考えられる。また、圧延材の先後端部の接合
界面においては、ミクロボイドが残存することがあり、
せん断強さに悪影響を及ぼすことが判明した。 【0012】以上の知見から、従来法による圧延材にお
いて見られた合せ材厚さおよびせん断強さの大きなばら
つきを改善するには、圧延初期における銅合金板の自由
な変形を抑制する観点から、圧延過程においてふくれを
発生させずにできるだけ早期に接合させることが必要と
なる。これを達成するには合せ材と母材鋼板が未だ接合
していない間は、圧延機入側においてコンポジットがふ
くれない範囲内で、接合予定面への圧延圧力をできるだ
け大きくすることが有効であると考えられる。また、銅
合金板と母材鋼板の両金属の原子の相互拡散をより一層
容易にして両金属間の接合を完全なものにするためには
、上記の方策に加えて、接合予定面の凹凸を埋めて均一
にする作用が期待でき、かつ、接合性に悪影響を及ぼさ
ないインサート金属を接合予定面に挿入することが有効
であると考えられる。 【0013】そこで、発明者らは、クラッド比20、3
0、40%の3種類の銅合金クラッド鋼板を製造して、
コンポジットの圧延過程でのふくれ発生の有無、接合状
態、クラッド鋼板の合せ材厚さの偏差およびせん断強さ
に及ぼす圧延形状比および圧延機入側でのコンポジット
の母材鋼板の断面形状の影響について調査した。 【0014】使用したコンポジットは、図9に示すよう
に、剥離材2を介在させたそれぞれ17.5、30.0
、 46.7mm 厚の2枚の90/10 キュプロニ
ッケル板(C7060P)と2枚の70mm厚の母材鋼
板(SS400) 3および90/10 キュプロニッ
ケル板の4周にキュプロニッケルと母材鋼との加熱時の
熱膨張差相当分の間隙を設けて、枠材(SS400)
4を配置して4周を拘束溶接したサンドイッチ型および
上記構成に加えて、インサート金属として接合予定面に
0.05mm厚のNi箔あるいはCu−Ni 系合金箔
を挿入したサンドイッチ型の2タイプとして、板幅を種
々変えたものである。 加熱条件は1000℃の均一加熱とし、圧延条件は各圧
延条件ごとに圧延過程での圧延形状比が一定となるよう
にパススケジュールを設定し、全圧下率が10%〜75
%の間で圧延を行った。 【0015】上記の方法で製造した銅合金クラッド鋼板
の調査結果を、図1、図2、図3、図4および図5に示
す。せん断強さ試験はクラッド鋼の試験方法JIS G
0601に基づき行い、接合状態はクラッド鋼の試験
方法JISG 0601の超音波探傷試験で調査した。 合せ材厚さの偏差は合せ材厚を超音波厚さ計で測定して
求めた。 【0016】接合状態については、圧延形状比が小さい
場合は、大きい場合に比べて接合の時期は遅くなるが、
圧延形状比が0.25と小さい場合であっても図1に一
例を示すように、接合予定面にインサート金属を挿入し
ない場合は、全圧下率が30%以上、インサート金属で
あるNi箔あるいはCu−Ni 系合金箔を挿入する場
合は、全圧下率が20%以上で、JIS G 3604
「銅及び銅合金クラッド鋼」に規定するS等級の接合状
態が得られることがわかった。したがって、接合予定面
にNi箔またはキュプロニッケルやモネルメタル等のC
u−Ni 系合金箔を挿入することによって、より早期
の接合が可能となる。 【0017】図2はクラッド比30%で、接合予定面に
インサート金属を挿入しない場合の、全圧下率が30%
までの圧延過程でのコンポジットのふくれの有無、圧延
仕上がり(全圧下率75%)後の合せ材厚さの偏差およ
びせん断強さに及ぼすクラッド比、圧延形状比および圧
延機入側でのコンポジットの母材鋼の断面形状の指標と
なるb4 /h3 (b:母材鋼板の幅、h:母材鋼板
の厚さ)の影響をまとめたものである。 【0018】圧延過程でのコンポジットのふくれの有無
は、クラッド比、圧延形状比および圧延機入側でのコン
ポジットの母材鋼の断面形状の指標となるb4 /h3
に大きく影響される。図2から明らかなように、全圧
下率が30%までの圧延過程でのコンポジットのふくれ
(図中☆印)は、圧延形状比が一定の場合はb4 /h
3 が大きくなるにしたがって、発生しやすくなる。し
たがって、圧延過程でのコンポジットのふくれを防止す
るためには、全圧下率が30%までは、図2の斜線以下
の圧延形状比を満足する圧下量(ΔH)で圧延する必要
がある。 【0019】圧延仕上がり後の合せ材厚さの偏差は、図
2から明らかなように、圧延形状比が0.3 以上であ
れば、クラッド鋼板の全長に対して、先後端部の合せ材
の薄肉領域の長さは 5%以下(図中○、●印)であり
、圧延形状比が0.3 未満であれば、クラッド鋼板の
全長に対して、先後端部の合せ材の薄肉領域は 5%を
超えている(図中◆印)。したがって、合せ材厚さの偏
差を最小限にするためには、b4 /h3 に関係なく
、圧延形状比を0.3 以上にしなければならない。な
お、合せ材厚さの偏差は、接合状態がS等級を満足する
全圧下率を超えたのちは、圧延形状比の影響はほとんど
受けない。 【0020】一方、クラッド鋼板のせん断強さについて
は、クラッド鋼板の全長に亘って高位のせん断強さを安
定して確保するには、接合界面に残存するミクロボイド
を消滅させ、かつ銅合金板と母材鋼板の両金属の原子の
相互拡散をより一層促進させることが必要である。 【0021】そこで、クラッド鋼板の先後端部および中
央部のせん断強さが目標とする196N/mm2以上を
確保するには、図2に示すように、圧延形状比が0.4
以上必要であり、圧延形状比が0.4 未満ではクラ
ッド鋼板の先後端部において目標とする196N/mm
2以上のせん断強さを満足することができない。したが
って、クラッド鋼板の全長に亘って目標とする196N
/mm2以上のせん断強さを確保するには、超音波探傷
試験で接合状態と判断される全圧下率を超えてからの圧
延を0.4 以上の圧延形状比を満足する圧下量(ΔH
)で圧延する必要がある。以上の結果について、クラッ
ド比(C)20〜40%のものをまとめて図3に示す。 【0022】図3から、全圧下率が、S等級の接合状態
が得られる30%までの圧延過程でのコンポジットのふ
くれを防止するための圧延形状比(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕とクラッド比(C)
と圧延機入側でのコンポジットの母材鋼板の断面形状の
指標となるb4 /h3 との関係を整理すると以下の
通りである。 (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1
)/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(b4
/h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10−3×
C〕また、クラッド鋼板における先後端部の合せ材の薄
肉領域をクラッド鋼板全長の 5%以下にするためには
圧延形状比を0.3 以上にしなければならない。した
がって、全圧下率が、S等級の接合状態が得られる30
%までは、圧延形状比が式1を満足する圧下量(ΔH)
で圧延する必要がある。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1【0023】全圧下率が、S等級の接
合状態が得られる30%超えた後は、クラッド鋼板の全
長に亘って高位のせん断強さを安定して確保するために
、圧延形状比は0.4 上とする。すなわち、圧延形状
比が式2を満足する圧下量(ΔH)で圧延する必要があ
る。 0.40≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕……………………式2 【0024
】以上の説明は、接合予定面にインサート金属を挿入し
ない場合であるが、接合予定面にインサート金属である
Ni箔を挿入する場合は、先に述べたように、全圧下率
が20%以上で、JIS G 3604「銅及び銅合金
クラッド鋼」に規定するS等級の接合状態が得られる。 図4はクラッド比30%で、接合予定面にNi箔を挿入
する場合の、全圧下率が20%までの圧延過程でのコン
ポジットのふくれの有無、合せ材厚さの偏差およびせん
断強さに及ぼすクラッド比、圧延形状比および圧延機入
側でのコンポジットの母材鋼の断面形状の指標となるb
4 /h3 (b:母材鋼板の幅、h:母材鋼板の厚さ
)の影響をまとめたものである。 【0025】図4に示すように、接合予定面にNi箔を
挿入して、全圧下率75%まで圧延された場合において
も、接合予定面にインサート金属を挿入しない場合と同
様な結果が得られている。すなわち、圧延過程でのコン
ポジットのふくれを防止するためには、全圧下率が、S
等級の接合状態が得られる20%までは、図4の斜線以
下の圧延形状比を満足する圧下量(ΔH)で圧延しなけ
ればならない。 【0026】また、圧延仕上がり後の合せ材厚さの偏差
を最小限にするためには、図4から明らかなように、b
4 /h3 に関係なく、圧延形状比を0.3 以上に
しなければならない。なお、合せ材厚さの偏差は、接合
状態がS等級を満足する全圧下率を超えたのちは、圧延
形状比の影響はほとんどない。また、せん断強さは、ク
ラッド鋼板の全長に亘って、目標とする196N/mm
2以上のせん断強さを確保するには、図4から明らかな
ように、0.4 以上の圧延形状比を満足する圧下量(
ΔH)で圧延しなければならない。以上の結果について
、クラッド比(C)20〜40%のものをまとめて図5
に示す。 【0027】図5から、全圧下率が、S等級の接合状態
が得られる20%までの圧延過程でのコンポジットのふ
くれを防止するための圧延形状比(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕とクラッド比(C)
と圧延機入側でのコンポジットの母材鋼板の断面形状の
指標となるb4 /h3 との関係を整理すると以下の
通りである。 (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1
)/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(b4
/h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10−3×
C〕また、クラッド鋼板における先後端部の合せ材の薄
肉領域をクラッド鋼板全長の 5%以下にするためには
圧延形状比を0.3 以上にしなければならない。した
がって、全圧下率が、S等級の接合状態が得られる20
%までは、圧延形状比が式1を満足する圧下量(ΔH)
で圧延する必要がある。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1 【0028】全圧下率が、S等級
の接合状態が得られる20%を超えたのちは、クラッド
鋼板の全長に亘って、高位のせん断強さを安定確保する
ために、圧延形状比は0.4 上とする。すなわち、圧
延形状比が式2を満足する圧下量(ΔH)で圧延する必
要がある。 0.40≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕……………………式2 【0029
】以上の調査結果から、接合予定面にインサート金属を
挿入しない場合は全圧下率30%までは、圧延形状比が
式1を満足する圧下量(ΔH)で圧延し、全圧下率30
%超えでは、圧延形状比が式2を満足する圧下量(ΔH
)で圧延する必要がある。一方、接合予定面にインサー
ト金属としてNi箔等を挿入する場合は全圧下率20%
までは、圧延形状比が式1を満足する圧下量(ΔH)で
圧延し、全圧下率20%超えでは、圧延形状比が式2を
満足する圧下量(ΔH)で圧延する必要がある。 【0030】 【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。図
9に示すような、剥離材を介在させた2枚の90/10
キュプロニッケル(C7060P)と2枚の70mm
厚の母材鋼板(SS400) および90/10キュプ
ロニッケル板の4周にキュプロニッケルと母材鋼との加
熱時の熱膨張差相当分の間隙を設けて、枠材(SS40
0) を配置して4周を拘束溶接したサンドイッチ型お
よび上記構成に加えて、接合予定面に0.05mm厚の
Ni箔またはNCuP(モネルメタル)箔を挿入したサ
ンドイッチ型の2タイプのコンポジットを製作し、この
コンポジットを1000℃で均一加熱後、本発明法と従
来法により、全圧下率75%まで圧延を行った。なお、
使用した90/10 キュプロニッケル板は板厚17.
5mmと30mmの2種類で、コンポジット内の真空度
は10−2Torrである。 【0031】圧延過程では、コンポジットのふくれ発生
の有無を調査し、圧延仕上がり後は合せ材厚さの偏差、
クラッド鋼板における合せ材厚さの不均一領域の全長に
占める割合および先後端部と中央部のせん断強さを調査
した。なお、せん断試験片は圧延方向に直角に採取した
。その結果を表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】表1の No.2、5、8、10は接合予
定面にNi箔を、 No.11は接合予定面にNCuP
箔をそれぞれ挿入したコンポジットを、No.13 は
接合予定面に箔を挿入していないコンポジットを本発明
法で圧延したものである。 圧延後のコンポジット形状の一例を図6に示しているが
、図6に示すように、クラッド鋼板の先後端部において
も中央部と同様に合せ材が均一に変形している。いずれ
の場合も圧延過程でコンポジットにふくれは発生せず、
合せ材厚さの偏差は 3σで0.5mm 以下で、かつ
、合せ材厚さの不均一領域もクラッド鋼板の全長に対し
て 5%以下と、均一な合せ材厚さを有する。一例とし
て、図7に、 No.2の圧延方向の全厚、母材鋼板厚
および合せ材厚の測定結果を示す。また、先後端部と中
央部のせん断強さはいずれも目標とする196N/mm
2以上を満足している。 【0034】一方、 No.1、7、9は接合予定面に
Ni箔を挿入したコンポジットを、本発明法で規定する
圧延形状比を超える圧下量(ΔH)で圧延したもので、
圧延過程でコンポジットにふくれが発生したためにクラ
ッド鋼板の先後端部に合せ材の顕著な厚肉領域が認めら
れ、合せ材厚さの偏差は大きく、かつ、合せ材厚さの不
均一領域はクラッド鋼板の全長に対して11%以上であ
る。 【0035】No.3は接合予定面にNi箔を挿入した
コンポジットを、全圧下率20%まで本発明法で規定す
る圧延形状比を満足する圧下量(ΔH)で圧延し、全圧
下率が20%を超えてからは、本発明法で規定する圧延
形状比未満の圧下量(ΔH)で圧延したもので、圧延過
程ではふくれは発生しないものの、先後端部のせん断強
さは中央部のせん断強さに比べて低位である。 【0036】No.4は接合予定面にNi箔を挿入した
コンポジットを、全圧下率20%まで本発明法で規定す
る圧延形状比未満の圧下量(ΔH)で圧延し、全圧下率
が20%を超えてからは、本発明法で規定する圧延形状
比を満足する圧下量(ΔH)で圧延したもので、圧延過
程ではふくれは発生しないものの、クラッド鋼板の先後
端部の広い範囲に合せ材の薄肉領域が認められ、合せ材
厚さの偏差も大きい。 【0037】No.6は接合予定面にNi箔を挿入した
コンポジットを、全パス本発明法で規定する圧延形状比
未満の圧下量(ΔH)で圧延したもので、クラッド鋼板
の先後端部の広い範囲に合せ材の顕著な薄肉領域が認め
られ、かつ、せん断強さも先後端部、中央部とも低位で
ある。 【0038】No.12は接合予定面に箔を挿入してな
いコンポジットを、全圧下率20〜30%の範囲におい
て、本発明法で規定する圧延形状比を超えた圧下量(Δ
H)で圧延したもので、全圧下率20〜30%の圧延過
程でふくれが発生し、クラッド鋼板の先後端部の広い範
囲に合せ材の顕著な厚肉領域が認められる。 【0039】なお、本実施例では、合せ材に90/10
キュプロニッケルを用いたが、合せ材にはネーバル黄
銅(C4621P、C4640P) 、アルミニウム青
銅(C6161P) などを用いても本実施例と同様な
効果が得られる。 【0040】 【発明の効果】本発明は、銅合金クラッド鋼板を圧延法
で製造するに当たって、接合状態が得られるまでの圧延
過程とその後の圧延過程を、それぞれ適性な圧延形状比
で圧下することよって、圧延過程でふくれを発生させる
ことなく、均一な合せ材厚と高いせん断強さを有する銅
合金クラッド鋼板を製造することができる。
いせん断強さを有する銅合金クラッド鋼板の製造方法に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】銅合金クラッド鋼板は、合せ材としての
銅合金の優れた耐海水性を生かして熱交換器や海水淡水
化装置等の構造部材に供用されている。銅合金クラッド
鋼板の製造方法としては、肉盛法、圧延法および爆着法
等があるが、これらの製造法のなかで広幅長尺のクラッ
ド鋼板を比較的低コストで製造できるという点で、圧延
法が最も望ましい。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】圧延法による場合、圧
延過程での銅合金の変形抵抗が母材鋼の 0.4〜0.
7 倍と小さく、変形抵抗が大きく異なる金属同士の組
合せ圧延となる。そのため、図8および図9に示すよう
に、銅合金板の片面に剥離材2を介在させた1枚の銅合
金板1あるいは銅合金板間に剥離材2を介在させた2枚
の銅合金板1を2枚の母材鋼板3で挟み、かつ銅合金板
1の4周を鋼製の枠材4で取り囲んだのち、拘束溶接5
して密封するタイプのいわゆるセミサンドイッチ型ある
いはサンドイッチ型のコンポジット7を大きな圧延形状
比で圧延した場合、図10に示すように、圧延機入側の
噛み込み部においてふくれ8を発生することがある。そ
の場合、図11に示すように、圧延材の先後端部の広い
範囲に亘って合せ材厚が中央部に比べて著しく厚くなる
という現象が生じる。この合せ材の厚肉領域は製品の合
せ材厚の公差を満足できず、結果として、歩留りよく製
品を採取することができないという問題があった。 【0004】また、大きなふくれが発生した場合におい
ては、圧延機入側のコンポジットの拘束溶接部が破損す
ることがあり、その場合、それ以降の圧延が困難となっ
たり、コンポジット内の真空雰囲気が破られて非接合部
が発生するという問題があった。 【0005】一方、小さな圧延形状比で圧延した場合、
圧延過程においてふくれは発生しないものの、図12に
示すように、圧延材の先後端部の広い範囲に亘って合せ
材厚さが中央部に比べて著しく薄くなるという現象が生
じる。この合せ材の薄肉領域は製品の合せ材厚の公差を
満足できないため、歩留りよく製品を採取することがで
きないという問題があった。また、小さな圧延形状比で
圧延した場合、接合予定面への圧延圧力が小さいため、
接合界面にミクロボイドが残存したり、圧延パス数が多
いことによって圧延温度の低下を招くために、合せ材、
母材の両金属の原子が十分に相互拡散できず、結果とし
て、せん断強さが低位となったり、所望の板厚までの圧
延が困難になるという問題があった。 【0006】本発明は、銅合金クラッド鋼板を圧延法で
製造するに当たって、従来の問題点を解決するためにな
されたもので、接合状態が得られるまでの圧延過程とそ
の後の圧延過程を、それぞれ適性な圧延形状比で圧下す
ることよって、圧延過程でふくれを発生させることなく
、均一な合せ材厚と高いせん断強さを有する銅合金クラ
ッド鋼板の製造方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者らは圧延法においてコンポジットの圧延
過程でのふくれの発生の有無ならびに圧延材の合せ材厚
さの偏差およびせん断強さに及ぼす圧延形状比、コンポ
ジットを構成する母材鋼板の断面形状およびクラッド比
の影響を調査し、銅合金クラッド鋼板の合せ材厚さの偏
差を低減させ、かつ、高いせん断強さを確保するための
圧延条件を見出して、本発明に至ったものである。その
第1発明は、銅合金板の片面に剥離材を介在させた1枚
の銅合金板を2枚の鋼板間に配置した構造のコンポジッ
ト、または銅合金板間に剥離材を介在させた2枚の銅合
金板を2枚の鋼板間に配置した構造のコンポジットを圧
延する際に、全圧下率が30%まで、圧延形状比が式1
を満足する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧延し、全
圧下率が30%を超えてからは圧延形状比が式2を満足
する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧延する銅合金ク
ラッド鋼板の製造方法である。 【0008】第2発明は、銅合金板の片面に剥離材を介
在させた1枚の銅合金板と鋼板との間にNi箔またはC
u−Ni 系合金箔を挿入し、2枚の鋼板間に配置した
構造のコンポジット、または銅合金板間に剥離材を介在
させた2枚の銅合金板と鋼板との間にNi箔またはCu
−Ni 系合金箔を挿入し、2枚の鋼板間に配置した構
造のコンポジットを圧延するに際し、全圧下率が20%
まで、圧延形状比が式1を満足する1パス当たりの圧下
量(ΔH)で圧延し、全圧下率が20%を超えてからは
圧延形状比が式2を満足する1パス当たりの圧下量(Δ
H)で圧延する銅合金クラッド鋼板の製造方法である。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1 0.40≦(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕……………………式
2ここで、R:ロール半径 (mm) ΔH:1パス当たりの圧下量 (mm)Hi :圧延機
入側でのコンポジット厚さ (mm)Hi+1 :圧延
機出側でのコンポジット厚さ (mm)b:圧延機入側
でのコンポジットを構成する鋼板の幅 (mm) h:圧延機入側でのコンポジットを構成する鋼板の厚さ
(mm) C:クラッド比 (%) (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1 )/2
〕:圧延形状比 【0009】 【作用】つぎに、本発明において、上述の内容を限定し
た理由について説明する。鋼・銅合金・鋼の順に重ね合
わせた3層構造のセミサンドイッチ型コンポジット(図
8)あるいは鋼・銅合金・銅合金・鋼の順に重ね合わせ
た4層構造のサンドイッチ型コンポジット(図9)を圧
延するに際し、圧延過程でのふくれおよび圧延材の先後
端部において合せ材厚さにばらつきが発生する機構はつ
ぎのように考えられる。 【0010】すなわち、銅合金板が母材鋼板と未だ接合
していない圧延初期にコンポジットが大きな圧延形状比
で圧延された場合、母材鋼板より変形抵抗の小さい銅合
金板が絞り出されて、圧延機入側に溜まりを生じ、その
内部圧力によって銅合金板の上下側に位置する鋼板がた
わんでふくれが発生する。この銅合金の溜まりは圧延過
程でコンポジット内の端部に押し出され、かつ、コンポ
ジット内の枠材が太鼓状に張り出すことも相俟ってコン
ポジット内の端部において銅合金の集積が進む。その結
果、図13に示すように、圧延材の先後端部において厚
肉領域が生じるようになると考えられる。圧延過程での
ふくれが著しい場合は、コンポジット端部の枠材と母材
鋼板が引き裂かれて、拘束溶接部が破損する。その結果
、コンポジット内の真空雰囲気が破られて、非接合部が
発生する。 【0011】一方、コンポジットが圧延初期から小さな
圧延形状比で圧延された場合、圧延過程においてふくれ
は発生しないものの、コンポジットの表層部が中心部に
比べて展伸するために、コンポジットの先後端部におい
て、コンポジットの中心部に位置する枠材が鼓状に折れ
込み、枠材と銅合金板間に間隙が生じる。加えて、コン
ポジットの先後端部における銅合金板と母材鋼板との接
合が、大きな圧延形状比で圧延された場合に比べて遅い
ことから、銅合金板および母材鋼板が自由に塑性変形し
て、上記間隙に進入する。その結果、図14に示すよう
に、圧延材の先後端部に銅合金板の薄肉領域が生じるよ
うになると考えられる。また、圧延材の先後端部の接合
界面においては、ミクロボイドが残存することがあり、
せん断強さに悪影響を及ぼすことが判明した。 【0012】以上の知見から、従来法による圧延材にお
いて見られた合せ材厚さおよびせん断強さの大きなばら
つきを改善するには、圧延初期における銅合金板の自由
な変形を抑制する観点から、圧延過程においてふくれを
発生させずにできるだけ早期に接合させることが必要と
なる。これを達成するには合せ材と母材鋼板が未だ接合
していない間は、圧延機入側においてコンポジットがふ
くれない範囲内で、接合予定面への圧延圧力をできるだ
け大きくすることが有効であると考えられる。また、銅
合金板と母材鋼板の両金属の原子の相互拡散をより一層
容易にして両金属間の接合を完全なものにするためには
、上記の方策に加えて、接合予定面の凹凸を埋めて均一
にする作用が期待でき、かつ、接合性に悪影響を及ぼさ
ないインサート金属を接合予定面に挿入することが有効
であると考えられる。 【0013】そこで、発明者らは、クラッド比20、3
0、40%の3種類の銅合金クラッド鋼板を製造して、
コンポジットの圧延過程でのふくれ発生の有無、接合状
態、クラッド鋼板の合せ材厚さの偏差およびせん断強さ
に及ぼす圧延形状比および圧延機入側でのコンポジット
の母材鋼板の断面形状の影響について調査した。 【0014】使用したコンポジットは、図9に示すよう
に、剥離材2を介在させたそれぞれ17.5、30.0
、 46.7mm 厚の2枚の90/10 キュプロニ
ッケル板(C7060P)と2枚の70mm厚の母材鋼
板(SS400) 3および90/10 キュプロニッ
ケル板の4周にキュプロニッケルと母材鋼との加熱時の
熱膨張差相当分の間隙を設けて、枠材(SS400)
4を配置して4周を拘束溶接したサンドイッチ型および
上記構成に加えて、インサート金属として接合予定面に
0.05mm厚のNi箔あるいはCu−Ni 系合金箔
を挿入したサンドイッチ型の2タイプとして、板幅を種
々変えたものである。 加熱条件は1000℃の均一加熱とし、圧延条件は各圧
延条件ごとに圧延過程での圧延形状比が一定となるよう
にパススケジュールを設定し、全圧下率が10%〜75
%の間で圧延を行った。 【0015】上記の方法で製造した銅合金クラッド鋼板
の調査結果を、図1、図2、図3、図4および図5に示
す。せん断強さ試験はクラッド鋼の試験方法JIS G
0601に基づき行い、接合状態はクラッド鋼の試験
方法JISG 0601の超音波探傷試験で調査した。 合せ材厚さの偏差は合せ材厚を超音波厚さ計で測定して
求めた。 【0016】接合状態については、圧延形状比が小さい
場合は、大きい場合に比べて接合の時期は遅くなるが、
圧延形状比が0.25と小さい場合であっても図1に一
例を示すように、接合予定面にインサート金属を挿入し
ない場合は、全圧下率が30%以上、インサート金属で
あるNi箔あるいはCu−Ni 系合金箔を挿入する場
合は、全圧下率が20%以上で、JIS G 3604
「銅及び銅合金クラッド鋼」に規定するS等級の接合状
態が得られることがわかった。したがって、接合予定面
にNi箔またはキュプロニッケルやモネルメタル等のC
u−Ni 系合金箔を挿入することによって、より早期
の接合が可能となる。 【0017】図2はクラッド比30%で、接合予定面に
インサート金属を挿入しない場合の、全圧下率が30%
までの圧延過程でのコンポジットのふくれの有無、圧延
仕上がり(全圧下率75%)後の合せ材厚さの偏差およ
びせん断強さに及ぼすクラッド比、圧延形状比および圧
延機入側でのコンポジットの母材鋼の断面形状の指標と
なるb4 /h3 (b:母材鋼板の幅、h:母材鋼板
の厚さ)の影響をまとめたものである。 【0018】圧延過程でのコンポジットのふくれの有無
は、クラッド比、圧延形状比および圧延機入側でのコン
ポジットの母材鋼の断面形状の指標となるb4 /h3
に大きく影響される。図2から明らかなように、全圧
下率が30%までの圧延過程でのコンポジットのふくれ
(図中☆印)は、圧延形状比が一定の場合はb4 /h
3 が大きくなるにしたがって、発生しやすくなる。し
たがって、圧延過程でのコンポジットのふくれを防止す
るためには、全圧下率が30%までは、図2の斜線以下
の圧延形状比を満足する圧下量(ΔH)で圧延する必要
がある。 【0019】圧延仕上がり後の合せ材厚さの偏差は、図
2から明らかなように、圧延形状比が0.3 以上であ
れば、クラッド鋼板の全長に対して、先後端部の合せ材
の薄肉領域の長さは 5%以下(図中○、●印)であり
、圧延形状比が0.3 未満であれば、クラッド鋼板の
全長に対して、先後端部の合せ材の薄肉領域は 5%を
超えている(図中◆印)。したがって、合せ材厚さの偏
差を最小限にするためには、b4 /h3 に関係なく
、圧延形状比を0.3 以上にしなければならない。な
お、合せ材厚さの偏差は、接合状態がS等級を満足する
全圧下率を超えたのちは、圧延形状比の影響はほとんど
受けない。 【0020】一方、クラッド鋼板のせん断強さについて
は、クラッド鋼板の全長に亘って高位のせん断強さを安
定して確保するには、接合界面に残存するミクロボイド
を消滅させ、かつ銅合金板と母材鋼板の両金属の原子の
相互拡散をより一層促進させることが必要である。 【0021】そこで、クラッド鋼板の先後端部および中
央部のせん断強さが目標とする196N/mm2以上を
確保するには、図2に示すように、圧延形状比が0.4
以上必要であり、圧延形状比が0.4 未満ではクラ
ッド鋼板の先後端部において目標とする196N/mm
2以上のせん断強さを満足することができない。したが
って、クラッド鋼板の全長に亘って目標とする196N
/mm2以上のせん断強さを確保するには、超音波探傷
試験で接合状態と判断される全圧下率を超えてからの圧
延を0.4 以上の圧延形状比を満足する圧下量(ΔH
)で圧延する必要がある。以上の結果について、クラッ
ド比(C)20〜40%のものをまとめて図3に示す。 【0022】図3から、全圧下率が、S等級の接合状態
が得られる30%までの圧延過程でのコンポジットのふ
くれを防止するための圧延形状比(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕とクラッド比(C)
と圧延機入側でのコンポジットの母材鋼板の断面形状の
指標となるb4 /h3 との関係を整理すると以下の
通りである。 (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1
)/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(b4
/h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10−3×
C〕また、クラッド鋼板における先後端部の合せ材の薄
肉領域をクラッド鋼板全長の 5%以下にするためには
圧延形状比を0.3 以上にしなければならない。した
がって、全圧下率が、S等級の接合状態が得られる30
%までは、圧延形状比が式1を満足する圧下量(ΔH)
で圧延する必要がある。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1【0023】全圧下率が、S等級の接
合状態が得られる30%超えた後は、クラッド鋼板の全
長に亘って高位のせん断強さを安定して確保するために
、圧延形状比は0.4 上とする。すなわち、圧延形状
比が式2を満足する圧下量(ΔH)で圧延する必要があ
る。 0.40≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕……………………式2 【0024
】以上の説明は、接合予定面にインサート金属を挿入し
ない場合であるが、接合予定面にインサート金属である
Ni箔を挿入する場合は、先に述べたように、全圧下率
が20%以上で、JIS G 3604「銅及び銅合金
クラッド鋼」に規定するS等級の接合状態が得られる。 図4はクラッド比30%で、接合予定面にNi箔を挿入
する場合の、全圧下率が20%までの圧延過程でのコン
ポジットのふくれの有無、合せ材厚さの偏差およびせん
断強さに及ぼすクラッド比、圧延形状比および圧延機入
側でのコンポジットの母材鋼の断面形状の指標となるb
4 /h3 (b:母材鋼板の幅、h:母材鋼板の厚さ
)の影響をまとめたものである。 【0025】図4に示すように、接合予定面にNi箔を
挿入して、全圧下率75%まで圧延された場合において
も、接合予定面にインサート金属を挿入しない場合と同
様な結果が得られている。すなわち、圧延過程でのコン
ポジットのふくれを防止するためには、全圧下率が、S
等級の接合状態が得られる20%までは、図4の斜線以
下の圧延形状比を満足する圧下量(ΔH)で圧延しなけ
ればならない。 【0026】また、圧延仕上がり後の合せ材厚さの偏差
を最小限にするためには、図4から明らかなように、b
4 /h3 に関係なく、圧延形状比を0.3 以上に
しなければならない。なお、合せ材厚さの偏差は、接合
状態がS等級を満足する全圧下率を超えたのちは、圧延
形状比の影響はほとんどない。また、せん断強さは、ク
ラッド鋼板の全長に亘って、目標とする196N/mm
2以上のせん断強さを確保するには、図4から明らかな
ように、0.4 以上の圧延形状比を満足する圧下量(
ΔH)で圧延しなければならない。以上の結果について
、クラッド比(C)20〜40%のものをまとめて図5
に示す。 【0027】図5から、全圧下率が、S等級の接合状態
が得られる20%までの圧延過程でのコンポジットのふ
くれを防止するための圧延形状比(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕とクラッド比(C)
と圧延機入側でのコンポジットの母材鋼板の断面形状の
指標となるb4 /h3 との関係を整理すると以下の
通りである。 (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1
)/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(b4
/h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10−3×
C〕また、クラッド鋼板における先後端部の合せ材の薄
肉領域をクラッド鋼板全長の 5%以下にするためには
圧延形状比を0.3 以上にしなければならない。した
がって、全圧下率が、S等級の接合状態が得られる20
%までは、圧延形状比が式1を満足する圧下量(ΔH)
で圧延する必要がある。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1 【0028】全圧下率が、S等級
の接合状態が得られる20%を超えたのちは、クラッド
鋼板の全長に亘って、高位のせん断強さを安定確保する
ために、圧延形状比は0.4 上とする。すなわち、圧
延形状比が式2を満足する圧下量(ΔH)で圧延する必
要がある。 0.40≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕……………………式2 【0029
】以上の調査結果から、接合予定面にインサート金属を
挿入しない場合は全圧下率30%までは、圧延形状比が
式1を満足する圧下量(ΔH)で圧延し、全圧下率30
%超えでは、圧延形状比が式2を満足する圧下量(ΔH
)で圧延する必要がある。一方、接合予定面にインサー
ト金属としてNi箔等を挿入する場合は全圧下率20%
までは、圧延形状比が式1を満足する圧下量(ΔH)で
圧延し、全圧下率20%超えでは、圧延形状比が式2を
満足する圧下量(ΔH)で圧延する必要がある。 【0030】 【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。図
9に示すような、剥離材を介在させた2枚の90/10
キュプロニッケル(C7060P)と2枚の70mm
厚の母材鋼板(SS400) および90/10キュプ
ロニッケル板の4周にキュプロニッケルと母材鋼との加
熱時の熱膨張差相当分の間隙を設けて、枠材(SS40
0) を配置して4周を拘束溶接したサンドイッチ型お
よび上記構成に加えて、接合予定面に0.05mm厚の
Ni箔またはNCuP(モネルメタル)箔を挿入したサ
ンドイッチ型の2タイプのコンポジットを製作し、この
コンポジットを1000℃で均一加熱後、本発明法と従
来法により、全圧下率75%まで圧延を行った。なお、
使用した90/10 キュプロニッケル板は板厚17.
5mmと30mmの2種類で、コンポジット内の真空度
は10−2Torrである。 【0031】圧延過程では、コンポジットのふくれ発生
の有無を調査し、圧延仕上がり後は合せ材厚さの偏差、
クラッド鋼板における合せ材厚さの不均一領域の全長に
占める割合および先後端部と中央部のせん断強さを調査
した。なお、せん断試験片は圧延方向に直角に採取した
。その結果を表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】表1の No.2、5、8、10は接合予
定面にNi箔を、 No.11は接合予定面にNCuP
箔をそれぞれ挿入したコンポジットを、No.13 は
接合予定面に箔を挿入していないコンポジットを本発明
法で圧延したものである。 圧延後のコンポジット形状の一例を図6に示しているが
、図6に示すように、クラッド鋼板の先後端部において
も中央部と同様に合せ材が均一に変形している。いずれ
の場合も圧延過程でコンポジットにふくれは発生せず、
合せ材厚さの偏差は 3σで0.5mm 以下で、かつ
、合せ材厚さの不均一領域もクラッド鋼板の全長に対し
て 5%以下と、均一な合せ材厚さを有する。一例とし
て、図7に、 No.2の圧延方向の全厚、母材鋼板厚
および合せ材厚の測定結果を示す。また、先後端部と中
央部のせん断強さはいずれも目標とする196N/mm
2以上を満足している。 【0034】一方、 No.1、7、9は接合予定面に
Ni箔を挿入したコンポジットを、本発明法で規定する
圧延形状比を超える圧下量(ΔH)で圧延したもので、
圧延過程でコンポジットにふくれが発生したためにクラ
ッド鋼板の先後端部に合せ材の顕著な厚肉領域が認めら
れ、合せ材厚さの偏差は大きく、かつ、合せ材厚さの不
均一領域はクラッド鋼板の全長に対して11%以上であ
る。 【0035】No.3は接合予定面にNi箔を挿入した
コンポジットを、全圧下率20%まで本発明法で規定す
る圧延形状比を満足する圧下量(ΔH)で圧延し、全圧
下率が20%を超えてからは、本発明法で規定する圧延
形状比未満の圧下量(ΔH)で圧延したもので、圧延過
程ではふくれは発生しないものの、先後端部のせん断強
さは中央部のせん断強さに比べて低位である。 【0036】No.4は接合予定面にNi箔を挿入した
コンポジットを、全圧下率20%まで本発明法で規定す
る圧延形状比未満の圧下量(ΔH)で圧延し、全圧下率
が20%を超えてからは、本発明法で規定する圧延形状
比を満足する圧下量(ΔH)で圧延したもので、圧延過
程ではふくれは発生しないものの、クラッド鋼板の先後
端部の広い範囲に合せ材の薄肉領域が認められ、合せ材
厚さの偏差も大きい。 【0037】No.6は接合予定面にNi箔を挿入した
コンポジットを、全パス本発明法で規定する圧延形状比
未満の圧下量(ΔH)で圧延したもので、クラッド鋼板
の先後端部の広い範囲に合せ材の顕著な薄肉領域が認め
られ、かつ、せん断強さも先後端部、中央部とも低位で
ある。 【0038】No.12は接合予定面に箔を挿入してな
いコンポジットを、全圧下率20〜30%の範囲におい
て、本発明法で規定する圧延形状比を超えた圧下量(Δ
H)で圧延したもので、全圧下率20〜30%の圧延過
程でふくれが発生し、クラッド鋼板の先後端部の広い範
囲に合せ材の顕著な厚肉領域が認められる。 【0039】なお、本実施例では、合せ材に90/10
キュプロニッケルを用いたが、合せ材にはネーバル黄
銅(C4621P、C4640P) 、アルミニウム青
銅(C6161P) などを用いても本実施例と同様な
効果が得られる。 【0040】 【発明の効果】本発明は、銅合金クラッド鋼板を圧延法
で製造するに当たって、接合状態が得られるまでの圧延
過程とその後の圧延過程を、それぞれ適性な圧延形状比
で圧下することよって、圧延過程でふくれを発生させる
ことなく、均一な合せ材厚と高いせん断強さを有する銅
合金クラッド鋼板を製造することができる。
【図1】インサート金属を挿入しない場合と挿入する場
合における接合面積率と全圧下率との関係を示す図であ
る。
合における接合面積率と全圧下率との関係を示す図であ
る。
【図2】接合予定面にインサート金属を挿入しないクラ
ッド比30%のコンポジットの圧延過程でのふくれ有無
、クラッド鋼板における合せ材厚の不均一領域の全長に
占める割合およびせん断強さに及ぼす圧延形状比と圧延
機入側での母材鋼板の断面形状の影響を示す図である。
ッド比30%のコンポジットの圧延過程でのふくれ有無
、クラッド鋼板における合せ材厚の不均一領域の全長に
占める割合およびせん断強さに及ぼす圧延形状比と圧延
機入側での母材鋼板の断面形状の影響を示す図である。
【図3】接合予定面にインサート金属を挿入せずクラッ
ド比20〜40%の場合について、図2と同様の関係を
整理した図である。
ド比20〜40%の場合について、図2と同様の関係を
整理した図である。
【図4】接合予定面にNi箔を挿入したクラッド比30
%のコンポジットの圧延過程でのふくれ有無、クラッド
鋼板における合せ材厚の不均一領域の全長に占める割合
およびせん断強さに及ぼす圧延形状比と圧延機入側での
母材鋼板の断面形状の影響を示す図である。
%のコンポジットの圧延過程でのふくれ有無、クラッド
鋼板における合せ材厚の不均一領域の全長に占める割合
およびせん断強さに及ぼす圧延形状比と圧延機入側での
母材鋼板の断面形状の影響を示す図である。
【図5】接合予定面にNi箔を挿入してクラッド比20
〜40%の場合について、図4と同様の関係を整理した
図である。
〜40%の場合について、図4と同様の関係を整理した
図である。
【図6】本発明法によって圧延したコンポジットの圧延
方向の断面形状の一例を示す図である。
方向の断面形状の一例を示す図である。
【図7】本発明法によって圧延した銅合金クラッド鋼板
の圧延方向の全厚、母材鋼板厚さ、合せ材厚さの測定結
果の一例を示す図である。
の圧延方向の全厚、母材鋼板厚さ、合せ材厚さの測定結
果の一例を示す図である。
【図8】セミサンドイッチ型コンポジットの模式図であ
る。
る。
【図9】サンドイッチ型コンポジットの模式図である。
【図10】銅合金クラッド鋼板用コンポジットの圧延過
程におけるふくれの発生状況を示す図である。
程におけるふくれの発生状況を示す図である。
【図11】従来法による銅合金クラッド鋼板の板厚分布
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
【図12】従来法による銅合金クラッド鋼板の板厚分布
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
【図13】従来法によって圧延した銅合金クラッド鋼板
用のコンポジットの圧延後の圧延方向の断面形状を示す
図である。
用のコンポジットの圧延後の圧延方向の断面形状を示す
図である。
【図14】従来法によって圧延した銅合金クラッド鋼板
用のコンポジットの圧延後の圧延方向の断面形状を示す
図である。
用のコンポジットの圧延後の圧延方向の断面形状を示す
図である。
1…銅合金板、2…剥離材、3…母材鋼板、4…枠材、
5…拘束溶接、6…ダミー鋼板、7…コンポジット、8
…ふくれ、9…ロール。
5…拘束溶接、6…ダミー鋼板、7…コンポジット、8
…ふくれ、9…ロール。
Claims (2)
- 【請求項1】 銅合金板の片面に剥離材を介在させた
1枚の銅合金板を2枚の鋼板間に配置した構造のコンポ
ジット、または銅合金板間に剥離材を介在させた2枚の
銅合金板を2枚の鋼板間に配置した構造のコンポジット
を圧延するに際し、全圧下率が30%まで、圧延形状比
が式1を満足する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧延
し、全圧下率が30%を超えてからは圧延形状比が式2
を満足する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧延するこ
とを特徴とする銅合金クラッド鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 銅合金板の片面に剥離材を介在させた
1枚の銅合金板と鋼板との間にNi箔またはCu−Ni
系合金箔を挿入し、2枚の鋼板間に配置した構造のコ
ンポジット、または銅合金板間に剥離材を介在させた2
枚の銅合金板と鋼板との間にNi箔またはCu−Ni
系合金箔を挿入し、2枚の鋼板間に配置した構造のコン
ポジットを圧延するに際し、全圧下率が20%まで、圧
延形状比が式1を満足する1パス当たりの圧下量(ΔH
)で圧延し、全圧下率が20%を超えてからは圧延形状
比が式2を満足する1パス当たりの圧下量(ΔH)で圧
延することを特徴とする銅合金クラッド鋼板の製造方法
。 0.30≦(R×ΔH)1/2 /〔(Hi +H
i+1 )/2〕 ≦〔−6.1×10−10 ×(
b4 /h3 )+1.0 〕×〔1−7.5 ×10
−3×C〕…式1 0.40≦(R×ΔH)1/2
/〔(Hi +Hi+1 )/2〕……………………式
2ここで、R:ロール半径 (mm) ΔH:1パス当たりの圧下量 (mm)Hi :圧延機
入側でのコンポジットの厚さ (mm)Hi+1 :圧
延機出側でのコンポジットの厚さ (mm)b:圧延機
入側でのコンポジットを構成する鋼板の幅 (mm) h:圧延機入側でのコンポジットを構成する鋼板の厚さ
(mm) C:クラッド比 (%) (R×ΔH)1/2 /〔(Hi +Hi+1 )/2
〕:圧延形状比
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12594891A JPH04351201A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | 銅合金クラッド鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12594891A JPH04351201A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | 銅合金クラッド鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04351201A true JPH04351201A (ja) | 1992-12-07 |
Family
ID=14922938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12594891A Withdrawn JPH04351201A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | 銅合金クラッド鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04351201A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103341517A (zh) * | 2013-05-29 | 2013-10-09 | 杨慧娟 | 一种节能型高反光复合铝材及制作方法 |
-
1991
- 1991-05-29 JP JP12594891A patent/JPH04351201A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103341517A (zh) * | 2013-05-29 | 2013-10-09 | 杨慧娟 | 一种节能型高反光复合铝材及制作方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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