JP2663736B2 - 極厚鋼板の製造方法 - Google Patents

極厚鋼板の製造方法

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康人 深田
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造スラブを素材
として厚さが100mm以上の極厚鋼板を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】厚さが100mm以上の極厚鋼板は、従
来より原子炉や重油の脱硫リアクターといった圧力容器
に使用され、最近では高層化の進むビルディングの構造
材等にも用いられている。このような極厚鋼板には、そ
の用途からして、圧延方向および圧延と直角方向の性能
を加え、板厚方向の性能が要求され、更には内質の均一
性も要求される。
【0003】従来、厚さが100mm以上の極厚鋼板の
製造には、インゴット法によって得られる鋼塊を分塊圧
延する方法が採用されていたが、経済性に欠ける問題が
あった。そこで、連続鋳造スラブや連続鋳造スラブから
製造された厚鋼板を重ね合わせ熱間圧延する極厚鋼板の
製造方法が特開平2−197383号公報等に提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この製造方法による
と、素材を重ね合わせることにより、連続鋳造スラブか
ら任意の厚みの極厚鋼板が製造される。しかし、素材と
しての連続鋳造スラブは、熱間圧延の際の圧下比が小さ
いと、スラブに内在するブローホール、特に、その肉厚
方向中央部に存在するセンターポロシティ等が充分に圧
着されず、ザク傷等の欠陥として製品鋼板内に残存す
る。そのため、内質の均一性が要求される場合は、特開
平2−197383号公報にも示されているように、熱
間圧延における圧下比が3以上必要となり、素材の厚み
やその重ね合わせ数の増加を避け得なかった。
【0005】本発明の目的は、連続鋳造スラブより小圧
下で高品質な極厚鋼板を製造する高効率な極厚鋼板の製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】厚さが100mm以上の
極厚鋼板を経済的に製造するためには、連続鋳造スラブ
や連続鋳造スラブから製造された厚鋼板を重ね合わせて
複合スラブとし、これを熱間圧延する方法が最適と考え
られる。そこで、本発明者らは、その複合スラブの熱間
圧延における圧下比の低下について研究した。その結
果、複合スラブにおける複数の素材を液相を介して接合
することにより、健全な接合部が得られ、圧下比を小さ
くできること、液相インサート材としてアルモファス金
属を用いることにより、製品に接合層が残らず、液相イ
ンサート材の使用が製品肉厚方向の不均質化の原因にな
らないこと、更には、素材として連続鋳造スラブを使用
する場合に、その肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央
部とならないように素材を重ね合わせることにより、ブ
ローホール等の圧着が容易となり、小圧下比でも内質の
健全化が図られること、を知見した。
【0007】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、連続鋳造スラブおよび/または連続鋳造スラブから
製造された厚鋼板を重ね合わせて複合スラブを製作する
際に、重ね合わせ面を予め黒皮除去処理した後、重ね合
わせ面にアルモスファス金属を挟み、且つ連続鋳造スラ
ブの肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部とならない
ように前記素材を重ね合わせ、更に、その重ね合わせ面
の周囲を溶接して複合スラブとなし、次いで、製作され
た複合スラブをアルモファス金属の溶融温度以上に加熱
して圧下比1.6以上で熱間圧延することにより、厚さが
100mm以上の極厚鋼板を製造することを特徴とする
極厚鋼板の製造方法を要旨とする。
【0008】
【作用】本発明の極厚鋼板の製造方法においては、複合
スラブを製作する際に、重ね合わせ面を予め黒皮除去処
理する。これは、重ね合わせ面に黒皮が存在した場合、
接合界面に酸化物系の介在物欠陥が残り易いためであ
り、接合部の健全性確保の観点より必要である。この黒
皮除去処理としては、ショットブラストまたは機械研削
(研磨)等を用いる。
【0009】重ね合わせ面が黒皮除去処理された素材
は、重ね合わせ面間にアルモファス金属を挟んで重ね合
わせる。素材は、連続鋳造スラブおよび/または連続鋳
造スラブから製造された厚鋼板であり、連続鋳造スラブ
を全体または一部に使用する場合は、そのスラブの肉厚
方向中央部が製品の肉厚方向中央部とならないように、
素材の重ね合わせ順序を考慮する必要がある。
【0010】重ね合わせ面間にアルモファス金属を挟む
のは、素材の溶融温度以下の温度で且つ小圧下比で健全
な接合を完了させるためである。すなわち、液相拡散接
合に使用されるインサート材は、一般に融点降下元素と
してSiやBを含むために、通常の圧延等の製法では薄
板とすることが困難であるが、アルモファス化すること
により延性に富んだ箔となり、健全な接合部の確保を可
能とする。アルモファス金属の成分は、一般にはNi基
が素材とのなじみが良く接合性が良好とされているが、
ここでは一体の鋼板を製造するという観点より、Fe基
のほうが望まれる。厚みについては、150μm以下で
薄いほうが望ましい。連続鋳造スラブを使用する場合の
素材の重ね合わせ方については後で説明する。
【0011】アルモファス金属を挟んで重ね合わされた
素材は、重ね合わせ面の周囲を溶接することにより、複
合スラブとされる。重ね合わせ面の周囲を溶接するの
は、圧延中の素材のずれを防止することが目的であり、
クラッド鋼板製造時のスラブ組立で行われているような
合わせ面間に残存する空気の吸引除去は必ずしも必要で
ない。ただし、この空気の吸収除去は本発明においても
接合部の健全性確保に対して有効な手段であることには
変わりない。
【0012】このようにして製作された複合スラブをア
ルモファス金属の融点以上の温度に加熱して熱間圧延す
れば、圧下比が1.6.以上の比較的軽度の圧延でも、健全
な内質を有する厚さ100mm以上の極厚鋼板が製造さ
れる。ただし、素材として連続鋳造スラブが用いられて
いる場合は、圧下比が1.6〜3.0の範囲内で健全な製品
内質を得ようとすると、前述したように、そのスラブの
肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部とならないよう
に、素材の重ね合わせ順序を考慮する必要がある。
【0013】表1は連続鋳造スラブを2枚重ねにして圧
下比0.5〜2.0で熱間圧延したときの製品の超音波探傷
結果と圧下比との関係を、1枚スラブ圧延の場合、3枚
スラブ圧延の場合、連続鋳造スラブから製造した厚鋼板
を2枚のスラブ間に挟んだ場合と比較して示したもので
ある。スラブ2枚重ねの圧延では、圧下比が1.6以上で
内質欠陥が解消される。また、スラブ間に厚鋼板を挟ん
だ場合も圧下比が1.6以上で内質欠陥が解消される。し
かし、1枚スラブ圧延、3枚スラブ圧延のように、連続
鋳造スラブの肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部と
なる圧延では、圧下比が2の場合にも内質欠陥が解消さ
れない。
【0014】その理由は、詳細には不明なるも、製品の
肉厚方向中央部では他の部分に比して圧下力が不足し、
この部分に、ブローホール等が多く存在するスラブ肉厚
方向中央部が存在した場合には、そのブローホール等が
充分に解消されなくなるためと考えられる。従って、複
合スラブに連続鋳造スラブを直接使用する場合には、連
続鋳造スラブの肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部
にならない重ね合わせとする。そのような重ね合わせと
しては、例えば、図1に示すように、連続鋳造スラブ1
の2枚合わせ(A)、2枚の連続鋳造スラブ1,1の間
に厚鋼板2を挟んだサンドイッチ構造(B)、連続鋳造
スラブ1の4枚合わせ(C)等があり、更に、厚板2の
みの重ね合わせ(D)も問題はない。ちなみに、不適当
な重ね合わせとしては、図2に示すように、連続鋳造ス
ラブ1の3枚合わせ(A)、厚鋼板2,2間に連続鋳造
スラブ1を挟んだ構造(B)等がある。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と対比させて
説明する。
【0019】成分組成を表2に示す連続鋳造スラブ、厚
鋼板を用いて種々の複合スラブを製作した。その際、重
ね合わせ面をショットブラスによる黒皮除去処理でRm
ax25μmに仕上げ、重ね合わせ面間にFe基アルモ
ファス金属(Fe−0.5C−2Si−3B、液相線温度
1080℃、厚さ50μm)を挟んで重ね合わせ面の周
囲を溶接した。複合スラブの平面形状は全て幅2000
mm、長さ3000mmとした。そして、製作された種
々の複合スラブを重ね合わせ面の温度が1170℃とな
るように加熱して圧延し、圧延製品の内質を超音波探傷
により調査した。複合スラブの構造、圧延条件および超
音波探傷結果を表3に示す。
【0020】本発明例(No. 1〜4)では、圧下比が3
以下であるにもかかわらず、良好な内質が得られ、接合
界面の剪断試験においても、30kgf/mm2 以上の
剪断強度が示された。また、No. 1の接合部を中心にし
た板厚方向の引張試験(JIS4号)においては、YS
73kgf/mm2 、TS86kgf/mm2 、El2
2%という良好な結果が得られた。更に、本発明では、
内質均一化からは同材質の組合せ(No. 1,2,4)が
望ましいが、異材質の組合せ(No. 3)も良好な接合部
を得ることができる。No. 3の接合界面を撮影した顕微
鏡写真を図3に示すが、接合界面に欠陥は存在しない。
【0021】これに対し、比較例No. 5では、連続鋳造
スラブの肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部になっ
たために、製品での超音波探傷結果が不良となった。ま
た、スラブの肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部と
ならない場合であっても、圧下比が1.6未満のとき(N
o. 6)は各スラブの中央部すなわち製品の1/4肉厚
部にてグローホール等の圧着が不完全で、超音波探傷結
果が不良となった。重ね合わせ面の黒皮除去を行わなか
った場合(No. 7)は製品を切断したところ、肉厚中央
部より剥離を生じた。液相拡散接合なしの場合(No.
8)は圧下比が本発明で規定する条件であっても、拡散
接合がなされず、探傷結果が不良となった。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の極厚鋼板の製造方法によれば、厚さが100mm以上
で品質良好な極厚鋼板が1.6以上の小圧下比で製造され
る。従って、素材の厚みや重ね合わせ枚数が低減され、
鋼板製造コストの節減が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法における素材の組合わせ例を示す模式
図である。
【図2】不適当な素材組合せ例を示す模式図である。
【図3】本発明法にて製造された極厚鋼板の接合部にお
ける金属組織を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 連続鋳造スラブ 2 連続鋳造スラブから製造した厚鋼板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造スラブおよび/または連続鋳造
    スラブから製造された厚鋼板を重ね合わせて複合スラブ
    を製作する際に、重ね合わせ面を予め黒皮除去処理した
    後、重ね合わせ面にアルモスファス金属を挟み、且つ連
    続鋳造スラブの肉厚方向中央部が製品の肉厚方向中央部
    とならないように前記素材を重ね合わせ、更に、その重
    ね合わせ面の周囲を溶接して複合スラブとなし、次い
    で、製作された複合スラブをアルモファス金属の溶融温
    度以上に加熱して圧下比1.6以上で熱間圧延することに
    より、厚さが100mm以上の極厚鋼板を製造すること
    を特徴とする極厚鋼板の製造方法。
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