JPH04350149A - ごみ焼却廃熱ボイラ管用高合金鋼 - Google Patents

ごみ焼却廃熱ボイラ管用高合金鋼

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JPH04350149A
JPH04350149A JP18856791A JP18856791A JPH04350149A JP H04350149 A JPH04350149 A JP H04350149A JP 18856791 A JP18856791 A JP 18856791A JP 18856791 A JP18856791 A JP 18856791A JP H04350149 A JPH04350149 A JP H04350149A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、都市ごみおよび産業
廃棄物、下水処理汚泥等(以下、「ごみ」と総称する)
 を焼却する施設において、エネルギー回収を目的とし
て設置される廃熱ボイラの過熱器管、蒸発器管および水
壁器管等のボイラ管用として、特に高温・高圧下で利用
されるオーステナイト組織を有する高合金鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、未利用のエネルギーを積極的に利
用する観点から、都市ごみの有するエネルギーの有効利
用が注目され、既に都市ごみを焼却したときに発生する
廃熱を利用して、地域暖房や焼却施設内の電力を賄うた
めの発電が一部の施設で行われている。しかしながら、
特に我が国においては、都市ごみの高カロリー化および
プラスチック分の増加等に伴い、ごみの焼却処理施設に
おける材料の腐食が懸念され、就中、廃熱の有効利用を
目的とする廃熱ボイラ用鋼管で、主として塩化水素ガス
による激しい金属材料の腐食損傷が問題となっている。
【0003】最近の切迫したエネルギー事情から、ごみ
もいまや貴重なエネルギー源の一つと考えられるように
なっているが、ごみを焼却したときの廃熱を電気エネル
ギーに変えて最大限に利用するには、発電効率を上げな
ければならない。そのためには廃熱ボイラーの蒸気条件
を高温・高圧化する必要がある。しかし、蒸気の高温化
はボイラ管の管壁温度の高温化をもたらし、管の腐食を
激化させる。また、蒸気の高圧化のためにはボイラ管材
料が高温強度にも優れるものでなければならない。従来
のごみ焼却廃熱回収ボイラでは、最も温度の高い過熱器
管の管壁温度でも 200〜350 ℃であったが、今
後は管壁温度が 500℃を超えるようなボイラが採用
されることが予想される。
【0004】前記のような、特にわが国のごみの特殊性
とボイラの高温・高圧化の趨勢を見れば、ボイラ管材料
として苛酷な腐食環境に耐える優れた耐食性と高い高温
強度を兼備した材料が必要とさせることが明らかである
【0005】本発明者らは、先にAlと希土類元素を含
有する炭素鋼、またはAlと希土類元素を含有し、Cr
量が13%以下の合金鋼からなるごみ焼却廃熱ボイラ管
用高耐食鋼 (特開平2−213449号公報) 、A
lと希土類元素を含有し、Cr量が13%を超え16%
までのごみ焼却廃熱ボイラ管用高クロム鋼 (特開平2
−217443号公報) 、希土類元素を含有しない安
価なごみ焼却廃熱ボイラ管用高クロム鋼 (特願平2−
30429 号、平成2年2月10日出願) および溶
接部の靭性を改善したごみ焼却廃熱ボイラ管用高クロム
・高マンガン鋼 (特願平2−309113号、平成2
年11月14日出願) を開発して特許出願した。
【0006】これらの先願発明鋼は、いずれも塩化水素
ガスによる溶融塩腐食に対して有効であるといわれてい
る耐食性に優れた Al2O3の保護的酸化被膜が比較
的低い温度から鋼表面に生成するため、ごみ焼却施設に
おけるボイラ管の腐食軽減に大きく寄与するものである
。そして、これらの先願発明鋼はいずれも後述するよう
なオーステナイト系高合金鋼のように高価なNiを多量
に含まぬため安価な材料といえる。しかしながら、これ
らの合金鋼は、前述のような管壁温度が 500℃を超
えるような廃熱回収ボイラの管材としては高温強度に難
点がある。
【0007】超高温および高圧化プラントの高温部位、
例えば過熱器管等に使用される材料としては、高温強度
に優れるオーステナイト組織を有する高耐食性の材料が
望ましく、このようなオーステナイト組織を有する都市
ごみ焼却廃熱ボイラ管用材料は、外国、特に米国におい
て種々のものが知られている。例えば、Corrsio
n,March 9−13,1987 には約42%の
Niを含む 825合金(ASTM B163,B42
3 に記載されているN08825合金) および約6
6%のNiを含む625合金(ASTM B444に記
載されているN06625合金) を都市ごみ焼却廃熱
ボイラ管用材料として適用した事例が報告されており、
Niを多く含むこれらの高合金鋼は、米国のごみ焼却炉
の腐食環境で腐食減肉が少なく、耐食性に優れていると
述べられている。ところが、本発明者らが825 合金
等のCr−Niのオーステナイト系高合金鋼が、我が国
の都市ごみ焼却炉のように高濃度の溶融塩化物が管表面
に付着するような過酷な腐食環境で良好な耐食性能を発
揮するかどうかを調べた結果、 825合金等のCr−
Niのオーステナイト系高合金鋼は、我が国のごみ焼却
炉のような腐食環境では、廃熱ボイラーの使用温度を高
くしたときに応力集中が生じる箇所、例えば溶接継手部
で応力腐食割れが発生する危険性が高いことが判明した
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
のような既存の材料が有する問題点を解消し、廃熱ボイ
ラの蒸気条件の高温および高圧化にも充分に耐えること
ができる材料、即ち、高温で優れた強度を示すオーステ
ナイト組織を有し、過酷な腐食環境においても高い耐応
力腐食割れ性および全面腐食と粒界腐食に対する優れた
抵抗性をもつごみ焼却廃熱ボイラ管用材料を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の化学組
成をもつをごみ焼却廃熱ボイラ管用高合金鋼を要旨とす
る。
【0010】(1) 重量%で、C:0.05%以下、
Si:4%以下、Mn: 2.5%以下、Cr:15〜
30%、Ni:25〜55%を含有し、残部がFeおよ
び不可避不純物からなる化学組成。
【0011】(2) 上記(1) の成分に加えて更に
Moを下記■式を満たす範囲内で含有し、残部がFeお
よび不可避不純物からなる化学組成。
【0012】 Mo(%)≦ 5.8−{ Ni(%)/10  } 
 ・・・・・■(3) 上記(1) の組成またはこれ
に(2) のMoを加えた組成に更に下記の第1群、第
2群および第3群の1以上の群から選んだ1種以上の合
金成分を含む化学組成。
【0013】第1群:それぞれ又は2種以上の合計で 
0.1〜3.0 重量%のNb、Ti、ZrおよびV第
2群:それぞれ又は2種以上の合計で 0.1〜5.0
 重量%のCu、CoおよびW 第3群:それぞれ又は2種以上の合計で0.01〜0.
1 重量%の希土類元素。
【0014】(4) 合金成分として更に、 0.1〜
0.3 重量%のNを含有する上記(1) (2) ま
たは(3)のいずれかの組成。
【0015】本発明の高合金鋼は、上記各合金成分の適
切な組合せの総合的な効果として、ごみ焼却廃熱ボイラ
管、特に高温・高圧のボイラ管用の材料にふさわしい優
れた性質をもつに到るのであるが、そのような化学組成
を選定した基礎となる主要な根拠を挙げれば次のとおり
である。
【0016】(a)我が国のごみ焼却廃熱ボイラの腐食
環境下で、Niを多量に含むオーステナイト系高合金鋼
には応力腐食割れが発生しやすいのであるが、Cr含有
量が15〜30%、Ni含有量が25〜55%の範囲内
にあり、実質的にMoを含まぬ鋼であれば、応力腐食割
れ感受性は著しく低い。
【0017】(b)Moの添加は耐粒界腐食性を高める
のに有効である。従来、Moは、Clイオンを含む水溶
液中でオーステナイトステンレス鋼にみられる応力腐食
割れ感受性を低める効果があることが知られており、耐
海水腐食鋼である前記の 825合金が3%のMoを含
むのもこのような理由からである。ところが本発明者ら
の検討結果では、我が国の都市ごみ焼却廃熱ボイラの腐
食環境においては、Moは従来の上記知見とは全く相反
し、多量に添加すると応力腐食割れ感受性を高める元素
であることがわかった。しかし、Moの添加量をNi含
有量に応じて適切に調整すれば応力腐食割れ感受性を低
くすることができる。即ち、Moを含む鋼ではその応力
腐食割れ感受性はNiとMoの含有量とに依存し、Mo
の含有量を〔 5.8−Ni (%)/10〕%以下の
範囲内に調整すれば、応力腐食割れ感受性を低めること
が可能であることがわかった。
【0018】(c)オーステナイト組織の合金にSiを
添加するとその耐食性、特にごみ焼却雰囲気のような高
温で苛酷な腐食環境下での耐食性が著しく改善される。 また、Siを含有する鋼にCu、CoおよびWの1種以
上を添加すれば、高温強度を上げることができ、さらに
Ti、Nb、ZrおよびVの1種以上の添加は、鋼中の
Cを安定化させ高温強度の低下を防止する効果がある。
【0019】上述の合金元素ならびに希土類元素および
N (窒素)の作用効果と含有量の限定理由については
、以下に詳しく説明する。なお、以下の説明では、重量
%を単に%と記載する。
【0020】
【作用】C:Cは鋼中のCrと結合し、結晶粒界に塊状
のCr炭化物として析出すると高温強度が劣化したり、
管表面に付着する腐食性溶融塩化合物と反応して粒界腐
食が発生したりするので、その含有量はできるだけ低く
するのが望ましい。0.05%は許容上限値である。
【0021】Si:Siは脱酸剤として必要であり、ま
た、一般に耐酸化性を高めるためにも有効な元素である
。また、特に高温におけるごみ焼却設備の腐食環境、即
ち、溶融塩化物が材料表面に付着するような環境でしか
も 500℃を超えるような高温条件で、優れた耐食性
を鋼に付与する元素である。このような効果は、0.7
5%以上の含有量で顕著になるから、Si含有量は0.
75%以上とするのが望ましい。しかし、その含有量が
4%を超えるとシグマ脆化を招くようになるから、4%
までの含有にとどめなければならない。
【0022】Mn:Mnはオーステナイト形成元素であ
ると共に、脱酸剤としても利用できる。しかし、その含
有量が 2.5%を超えると耐酸化性および熱間加工性
を劣化させるから、その含有量は 2.5%以下とする
【0023】Cr:Crは高温強度および高温での耐酸
化性の改善に優れた効果を示す。しかし、その含有量が
15%未満では耐酸化性の改善が充分に得られないから
、15%を下限とした。一方、わが国のごみ焼却設備の
ように、溶融塩化物が付着するような腐食環境下では、
Crの含有量をむやみに増やしても耐食性の改善効果は
小さい。特に、その含有量が30%を超えると、Siや
Moのような耐食性改善元素が含有されていても本来保
護性を示すCr酸化物が溶融塩化物と反応しはじめ、揮
発性のCr2O2Cl2を形成するため、かえって耐高
温腐食性を劣化させることになる。従って、Crの含有
量は15〜30%が適正範囲である。
【0024】Ni:Niはオーステナイト形成元素であ
り、高温強度の確保や高温での全面腐食を抑制する重要
な成分である。しかし、Niは高価な元素であるから、
材料コストと上記の効果とのバランスを考慮して上限を
55%とした。一方、Ni含有量が25%より低くなる
と、Siを多量添加した場合においても耐高温腐食性が
急激に劣化することから下限を25%とした。
【0025】上記の成分の外に、次の元素を必要に応じ
て添加することができる。
【0026】Mo:Moは通常湿食環境で耐食性を改善
するために添加される元素であるが、前記のように我が
国の都市ごみ焼却廃熱ボイラの腐食環境においては、多
量に添加すると応力腐食割れ感受性を高める元素となる
。その反面、Moは粒界腐食を抑制する作用をもつ元素
であるからこれを添加するのが望ましいことがある。
【0027】前述のように、本発明者の研究結果によれ
ば、Moの応力腐食割れ感受性に対する影響は鋼中のN
i含有量に強く依存している。Moを添加する場合は、
前記■式を満たす範囲内で含有させれば、応力腐食割れ
感受性は高められることなく、鋼の粒界腐食を抑制する
ことができる。なお、粒界腐食抑制の効果を確かにする
には、0.5 %以上の含有量とするのが望ましい。
【0028】N(窒素):Nはオーステナイト組織の安
定化に寄与する。また、高温強度を高める作用も有する
ので、必要に応じて0.1 %以上含有させることがで
きる。しかし、本発明鋼の組成範囲では、通常の溶製法
で0.3%を超える含有量にすることは困難である。
【0029】Nb、Ti、ZrおよびV (第1群元素
):Nb、Ti、ZrおよびVはいずれも炭化物を形成
しやすいので、鋼中のCを固定してCr炭化物の析出を
抑制し、高温強度の低下を防ぐ作用をもつ。特に高温強
度を重視する場合に1種または2種以上を添加すればよ
い。オーステナイト鋼の場合には、結晶粒界に析出する
Cr炭化物が管表面に付着する腐食性の溶融塩化合物と
反応して粒界腐食を発生させるが、Cを低く抑えた上に
これらの元素を添加すれば、粒界腐食は一段と生じ難く
なる。これらの元素の含有量が1種または2種以上の合
計で 0.1%未満の場合は添加の効果が現れず、3%
を超えて含有させても効果が飽和し、コストのみが上昇
する。
【0030】Cu、CoおよびW(第2群元素):これ
らの元素は、固溶強化により鋼の高温強度を向上させる
作用がある。第1群元素と同じく、必要に応じて1種ま
たは2種以上を添加することができる。
【0031】1種または2種以上の合計含有量が 0.
1%未満の場合は添加の効果が顕著でなく、5%を超え
る範囲ではコスト上昇に見合う効果の増大は殆どない。
【0032】希土類元素(第3群元素):Y、La、C
e等の希土類元素は合金表面に生成する保護性の酸化物
被膜(Cr2O3およびSiO2) の密着性を向上さ
せる作用をもつ。 このような効果を期待する場合に、1種または2種以上
合計で0.01%以上含有させればよい。ただし、0.
1 %を超えると合金の熱間加工性を劣化させる。
【0033】本発明の高合金鋼は、例えば、電気炉で溶
製し、VODまたはAODで精錬した後ビレットとし、
このビレットを素材として熱間押出法で製管して素管を
得、この素管を冷間抽伸して所定寸法の管とする。熱処
理は、1050〜1200℃に加熱した後に急冷する溶
体化処理が望ましい。
【0034】
【実施例】表1(1) 〜(7) に化学組成を示す符
号 1〜93の鋼 (いずれも本発明の鋼) を真空溶
解炉で17kgづつ溶製し、インゴットに鋳造した後、
1100℃の温度に加熱し、熱間鍛造および熱間圧延し
て15mm厚のビレットにした。次いで、これらを11
00℃の温度で軟化焼鈍した後、冷間圧延して10.5
mm厚の板にした。しかる後、1200℃の温度に加熱
して水冷する溶体化処理を行った。
【0035】溶体化処理後のそれぞれの板の中央部から
2mm厚×10mm幅×10mm長さの腐食試験片と、
図1に示す寸法形状の応力割れ試験片を切り出し、ごみ
焼却炉環境を模擬した腐食試験を行った。
【0036】併せて、表1(8) の符号94〜104
 に示す比較試験のための鋼を溶製して同じようにして
試験片を作製し、さらに符号 105〜109 に示す
化学組成の市販ボイラ管の肉厚中央部から前記と同じ寸
法の試験片を切り出し、それぞれ腐食試験に供した。な
お、符号105 の鋼はASTMのB163に記載のあ
るNO8825合金、符号106 の鋼はSUS 30
4 、符号107 の鋼はSUS 316L、符号10
8 の鋼はSUS 310S、符号109 の鋼はAS
TMのB622に記載されているN08320鋼にそれ
ぞれ相当するものである。
【0037】
【表1(1)】
【0038】
【表1(2)】
【0039】
【表1(3)】
【0040】
【表1(4)】
【0041】
【表1(5)】
【0042】
【表1(6)】
【0043】
【表1(7)】
【0044】
【表1(8)】
【0045】高温腐食試験は、前記腐食試験片の表裏に
、モル%で、10%NaCl−10%KCl −15%
FeCl2 −15%PbCl2 −18.75 %N
a2SO4−18.75 %K2SO4 −12.5%
Fe2O3 の合成灰を30mg/cm2の割合で塗付
し、これを0.15%HCl −300ppmSO2 
− 7.5%O2− 7.5%CO2 −20%H2O
 − bal.N2 のガス気流中において 550℃
の温度で20時間加熱する試験である。耐食性は、試験
後の試験片を脱スケールして重量測定を行い、試験前後
の重量変化から腐食減量を求めて評価した。
【0046】耐粒界腐食性は、脱スケールした前述の腐
食試験片の表面部分を100倍の光学顕微鏡で断面ミク
ロ観察して評価した。応力腐食割れ試験は、図2に示す
ように治具1で前記応力腐食割れ試験片2にそれぞれの
鋼の 0.2%耐力相当の応力を負荷し、この状態で試
験片2の表面に前記の高温腐食試験で用いたのと同じ合
成灰を塗布した後、同じガス気流中で 400℃の温度
に20時間保持する試験である。試験温度を 400℃
としたのはオーステナイト組織の鋼 (合金) の応力
腐食割れ感受性は 400℃付近で最も高くなるという
本発明者の知見があったからである。応力腐食割れの有
無は、半円ノッチ部の断面ミクロ観察で調べた。
【0047】表2 (1)〜(5) に各鋼の腐食減量
、粒界腐食深さおよび応力腐食割れの有無を示す。同表
から明らかなように、本発明鋼はいずれの特性において
も比較鋼および既存鋼に勝っている。特に、本発明鋼の
なかでもSiを0.75%以上含有する符号12〜42
および47〜93の鋼は耐全面腐食性が格段に優れてお
り、また、Moを 0.5%以上、かつ 5.8−(N
i/10) %以下の範囲で含む符号44〜93の鋼は
、耐粒界腐食性が大きく向上している。
【0048】これに対して、比較鋼 (符号94〜10
4)および既存鋼 (符号 105〜109)は、いず
れかの特性が不十分である。なお、符号97の鋼は鍛造
中にビレットに割れが発生したため試験を取り止めた。
【0049】
【表2(1)】
【0050】
【表2(2)】
【0051】
【表2(3)】
【0052】
【表2(4)】
【0053】
【表2(5)】
【0054】
【発明の効果】実施例の試験結果からも明らかなように
、本発明鋼はごみ焼却炉雰囲気という特殊できわめて苛
酷な腐食環境中でも優れた耐全面腐食性を有し、しかも
応力腐食割れおよび粒界腐食に対しても強い抵抗性を示
す鋼である。この鋼はオーステナイト組織であるため、
高温強度は勿論のこと、加工性および溶接性にも優れて
いる。
【0055】本発明鋼からなる管を高温部位、例えば過
熱器管等に使用することによって、ごみ焼却の廃熱を充
分に利用した高温・高圧の廃熱ボイラとすることが可能
となり、都市ごみのもつエネルギーを従来以上に効率よ
く電力エネルギーとして取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高温腐食試験で腐食減量の測定に用いた腐食試
験件の形状を示す平面図および側面図である。
【図2】応力腐食割れ試験で使用した治具と試験片の取
付け方法を示す側面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.05%以下、Si:4
    %以下、Mn: 2.5%以下、Cr:15〜30%、
    Ni:25〜55%を含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなる化学組成のごみ焼却廃熱ボイラ管用高合
    金鋼。
  2. 【請求項2】請求項1記載の成分に加えて更にMoを下
    記■式を満たす範囲内で含有し、残部がFeおよび不可
    避不純物からなる化学組成のごみ焼却廃熱ボイラ管用高
    合金鋼。 Mo(%)≦ 5.8−{ Ni(%)/10  } 
     ・・・・・■
  3. 【請求項3】合金成分として更にNb、
    Ti、ZrおよびVのうちから選ばれた1種または2種
    以上の合計で 0.1〜3.0 重量%含有する請求項
    1または2のごみ焼却廃熱ボイラ管用高合金鋼。
  4. 【請求項4】合金成分として更にCu、CoおよびWの
    うちから選ばれた1種または2種以上の合計で 0.1
    〜5.0 重量%含有する請求項1、2または3のごみ
    焼却廃熱ボイラ管用高合金鋼。
  5. 【請求項5】合金成分として更にN:0.1 〜0.3
     重量%含有する請求項1、2、3または4のごみ焼却
    廃熱ボイラ管用高合金鋼。
  6. 【請求項6】合金成分として更に希土類元素の1種また
    は2種以上の合計で0.01〜0.1 重量%を含有す
    る請求項1、2  、3、4または5のごみ焼却廃熱ボ
    イラ管用高合金鋼。
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