JPH0434838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気治療器に係り、特には強大な磁場
とゲルマニウムによる治療効果および押圧による
皮膚への刺激効果を併有せしめた磁気治療器に関
する。

従来の技術 近年、ゲルマニウムが鎮痛効果を発揮すること
を利用した医療器具が種々実施提案されている。
即ち、ゲルマニウム小片を患部に貼着することに
より、患部の痛みを著しく押さえることができ
る。例えば、肩こり、むち打ち症、腰痛、痛風、
関節炎などに対する鎮痛効果が報告されている。

一方、木製または合成樹脂製の台紙に永久磁石
を埋め込んだタイプ、あるいは絆創膏に磁性粉を
混入したタイプの磁気治療器が提案されている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、ゲルマニウムはその価格が相当
高価であるため、治療器具が高価になる傾向があ
る。

また、前記単独の治療器を用いようとする場合
にゲルマニウム治療器と磁気治療器を併用するこ
とは本来的に困難である。

さらに重要なことは、前記両治療器とも、直接
的に人体に電流を流すという作用をもつていない
ため、その治療効果には限界がある。

本考案者は、従来の治療器の欠点を鑑みて、永
年にわたり研究した結果、前記ゲルマニウムを単
体とせず、これを薄膜状とすれば、容易にゲルマ
ニウムが人体内に浸透すること、さらに本考案の
構成にすれば金属テープを介して、微弱ではある
が、直流電流を人体皮膚内に流すことができるこ
となどを発見し、これら発見に基づいて、全く新
しいタイプの磁気治療器を開発することができ
た。

即ち、本考案は単独で、ゲルマニウムおよび磁
気の両治療効果を併有できる磁気治療器を提供す
ることを目的としている。

また本考案は安価な磁気治療器を提供すること
を目的としている。

さらに本考案は微弱電流を直接的に人体に通電
し得るタイプの磁気治療器を提供することを目的
としている。

問題点を解決するための手段 本考案に係る磁気治療器は、例えば表面に金属
メツキを施したフエライト磁石の如き永久磁石
と、その表面に被着したゲルマニウム薄膜層と、
前記永久磁石の裏面側にその一端を電気的に接続
した金属テープと、接着基材および剥離紙から構
成されている。

そして、前記永久磁石はその表面（人体皮膚の
当接面）がＮ極、裏面側がＳ極となつていて、磁
場の強さは750〜850エルステツドである。

さらにこの永久磁石の表面に被着したゲルマニ
ウムの配向には特徴があり、永久磁石の軸方向を
Ｃ軸配向せしめた状態にておいて、その被着厚さ
は0.05〜30μmになつている。

作 用 永久磁石の磁場の向きは前述した通りであるか
ら、磁界の方向は磁石内にてはＳ極からＮ極へ、
また磁石外（空間および皮膚）においてはＮ極か
らＳ極に向かつている。

また本考案の構成によつて、金属テープを介し
て、微弱電流が皮膚内に流れる。

実施例 第１図は本考案の磁気治療器の平面図であつ
て、剥離紙の１部を剥離した図、第２図はこの磁
気治療器を皮膚患部に貼着した場合の説明図であ
る。

図において、１０は厚手の剥離紙であつて、材
質は特に選ばないが後述する接着基材に接着可能
であるとともに、容易にこれと剥離できることが
必要である。

この剥離紙は図示する如く、永久磁石２０の径
よりもやや大径の開口部を有しており、この開口
部に連通して剥離に便なるように切込部１１が設
けられている。従つて、前記剥離紙１０は接着基
材３０の永久磁石接着面以外に接着されている。

接着基材３０は例えば絆創膏の如き円形接着剤
であり、その上には例えばフエライト等からなる
永久磁石２０の裏面が接着されている。

永久磁石３０は、偏平コマ状に形成されたフエ
ライト磁石であつて、表面Ｎ極、裏面がＳ極にな
る方向でもつて、750〜850エルステツドの強さに
磁化されている。（但しこの形状は例えばコイン
状であつてもよい。）従つて第２図に図示するよ
うな磁場Ｈができている。そして永久磁石にはそ
の全面に、メツキ手段または蒸着手段によつて数
ミクロン程度の厚さに金あるいはその他の貴金属
６０（例えば銀）が被着されている。そして皮膚
患部当接面には、第２図に図示するように、ゲル
マニウム層２１が被着されている。

前述のようにフエライト磁石の表面に貴金属６
０を被着せしめたのは、後述するように金属性テ
ープを溶接し、皮膚内部に流す電流の回路を形成
するためである。なお前記永久磁石はフエライト
に限定されず、他のレアアースタイプの磁石であ
つてもよい。

このゲルマニウム層２１の層厚は0.05〜30μm
であり、特に重要なことは、この層は例えばクラ
スタイオンビーム法によつて永久磁石２０の軸方
向をＣ軸の方向に配向せしめた状態で被着してい
ることである。実験当初、本願考案者はゲルマニ
ウム層の被着を化学メツキ法で検討した。ところ
が、化学メツキではこれを皮膚に貼着すると、短
時間でメツキが剥離することがわかつた。そこ
で、クラスタイオンビーム方式でゲルマニウム層
を被着すると、硬い膜ができ、剥離がないし、ま
た化学メツキ法で不純物が混入していたのがなく
なつたものである。

４０は例えば金、銅その他金属性のテープであ
つて、この金属テープ４０はその一端が前記永久
磁石２０の裏面側に例えば溶接等の手段により電
気接続されている。この金属テープは１本でもよ
いが図示するように永久磁石に対して対称となる
ように２本、もしくはそれ以上あつてもかまわな
い。

人体の患部に、この磁気治療器を貼付する場合
には、第１図に図示するように剥離紙１０を剥離
したあと、永久磁石２０の表面が当該患部５０に
密接するように押し当て、接着基材３０を皮膚に
貼付する。剥離紙１０を剥離した際に、金属テー
プ４０は接着基材３０に接着したままになつてい
るので、これは患部に容易に貼付され得る。

しかして、前述した如く、本考案の磁気治療器
を用いた場合には、皮膚内部に0.01〜１マイクロ
アンペアの微弱電流が通電することを本考案は発
見している。この電流の向きは、第２図にて図示
する如く、永久磁石２０の裏面から皮膚に向かう
直流電流ｉである。

考案の効果 この考案に係る磁気治療器の効果は次の通りで
あつた。

即ち、年齢25〜65才の男子200人の肩こり患者
に対して、本考案の磁気治療器の肩（患部）に適
用した結果、肩が軽くなり、肩こりが治つた人
（Ａ）150人、少しきいたように思うがはつきりし
ない人（Ｂ）30人、ききめがあつたように感じな
い人（Ｃ）20人という結果であつた。

一方、本治療器のうち、前記金属テープを除去
したものを適用した場合には、Ａは52人、Ｂは13
人、残り135人がＣであつた。

この調査は数回他の患者に対して行われたが、
いずれも金属テープを構成要件とした本考案の磁
気治療器の方がその治療効果の優れていることが
立証できた。

さらに、本治療器のうち永久磁石の表面をＳ
極、裏面をＮ極になるように磁化せしめたもの
（金属テープは磁石に貼着してある）を患者120人
に適用した場合、Ａは32人、Ｂは28人、残り60人
はＣであつた。即ち永久磁石における極性は本発
明の重要な構成要件であり、必ず表面（皮膚にあ
てる側）をＮ極に、裏面をＳ極にすることが必要
である。

なお、この磁気治療器は何回でも使用できる
が、５回程度使用した場合には、永久磁石の表面
に被着したゲルマニウム層が消失することがわか
つた。ゲルマニウム分子が患部皮膚内に浸透する
のが、その原因であると思われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の磁気治療器の平面図、第２図
は同じく磁気治療器を皮膚患部に貼着した場合の
説明図である。 １０……剥離紙、２０……永久磁石、３０……
接着基材、４０……金属テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面をＮ極、裏面をＳ極とし、750〜850エルス
   テツドの磁場を有し、かつその全面に貴金属を被
   着した永久磁石と、前記永久磁石の裏面側にその
   一端を電気的に接続した金属テープと、前記永久
   磁石の裏面に接着した接着基材と、接着基材の永
   久磁石接着面以外に接着した剥離紙とを具備する
   磁気治療器であつて、前記永久磁石の表面にはク
   ラスタイオンビーム法により永久磁石の軸方向に
   平行な方向にＣ軸が配向した状態で0.05〜30μm
   の厚さにゲルマニウム層が被着せしめたことを特
   徴とする磁気治療器。