JPH04346963A - 新規塩素化合物ならびにその製造方法及びその塩素化合物を用いた光学活性ラクトンの製造方法 - Google Patents

新規塩素化合物ならびにその製造方法及びその塩素化合物を用いた光学活性ラクトンの製造方法

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JPH04346963A
JPH04346963A JP14940291A JP14940291A JPH04346963A JP H04346963 A JPH04346963 A JP H04346963A JP 14940291 A JP14940291 A JP 14940291A JP 14940291 A JP14940291 A JP 14940291A JP H04346963 A JPH04346963 A JP H04346963A
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JP
Japan
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chlorine compound
methyl
optically active
formula
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JP14940291A
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English (en)
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Hiroyuki Yuasa
湯浅 博之
Tetsuo Komata
哲夫 小俣
Shuji Senda
千田 修治
Yutaka Nakazono
豊 中薗
Eiichiro Fukuzaki
英一郎 福崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規な塩素化合物、
4−クロル− テトラデシン酸メチル、ならびにその製
造方法及びその塩素化合物を用いる光学活性ラクトン、
ブチロラクトニルデシン酸、の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】マメコガネ(学名PopiIIia j
apnica)は、鞘し目コガネムシ科に属する害虫で
あって、マメ類、ブドウ、芝の葉を食する害虫として知
られている。 近年、この害虫マメコガネの駆除は、残留リン等による
環境汚染などの弊害があることから、有機リン剤で代表
される化学農薬による駆除に代わる新しい駆除手段とし
て、昆虫の性フェロモンを用いて昆虫を誘引し、捕獲あ
るいは殺虫する生物農薬による駆除方法が注目されてい
る。
【0003】この害虫マメコガネの駆除は、当然、マメ
コガネの性フェロモンによりおこなわれ,このマメコガ
ネの性フェロモンの化学構造が(R,Z)−(−)−5
−(1− デセニル)ジヒドロ−2(3H)− フラノ
ンであることもすでに解明されているが、この性フェロ
モンを合成するための中間体原料である光学活性(R)
−5−(1− デシニル) オキサシクロペンタン−2
− オンの有効な化学合成法については、従来、あまり
知られていない。
【0004】上記害虫マメコガネの性フェロモンを合成
するための中間体原料である光学活性(R)−5−(1
− デシニル) オキサシクロペンタン−2− オンの
化学合成法として、数少ない方法には、たとえば、本発
明者らによる開示された特開昭59−157055号公
報(以下、先行技術という)に記載の技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術の中で開
示された害虫マメコガネの性フェロモンを合成するため
の中間体原料である光学活性(R)−5−(1− デシ
ニル) オキサシクロペンタン−2− オンの化学合成
法とは、具体的には、前駆体である4−ヒドロキシ−5
− テトラデシン酸エステルを出発原料として、マメコ
ガネの性フェロモンの合成中間体原料となる光学活性(
R)−4−ヒドロキシ−5− テトラデシン酸エステル
を化学合成する方法であるが、4−ヒドロキシ−5− 
テトラデシン酸エステルの光学分割時に生成する異性体
であるS体の再利用がなされていないという欠点を有し
ており、実用上の問題を残していた。
【0006】したがって、上述した先行技術の有する問
題点にかんがみ、S体4−ヒドロキシ−5− テトラデ
シン酸エステルを有効利用して、容易に、マメコガネの
性フェロモンに誘導可能な(R)−体ラクトンを製造す
る方法の開発がかねてより要望されていた。
【0007】この発明は上述の要望に応えるものであっ
て、マメコガネの性フェロモンに誘導可能な(R)−体
ラクトンの基礎原料となる新規塩素化合物ならびにこの
新規塩素化合物から性フェロモンの合成中間原料となる
光学活性ラクトンを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者は鋭意研究の結果、この請求項1の発明で
、下記の一般式(1)で示される新規な塩素化合物を、
請求項2の発明で、下記の一般式(2)で示される4位
の立体配置がS体である請求項1記載の塩素化合物を、
請求項3の発明で、請求項2記載の塩素化合物を加水分
解して後、酸性とし、これを加熱することにより、下記
化学式(3)で示される光学活性ラクトンを製造する方
法を、さらに、請求項4の発明で、下記化学式(4)で
示されるヒドロキシエステルと塩化チオニルとを反応さ
せることにより,請求項1または請求項2記載の新規塩
素化合物の製造を製造する方法の開発に成功したもので
ある。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】以下、この発明の構成について詳述する。 (発明の構成)この発明で、一般式(1)で示される塩
素化合物とは、外観性状が無色透明な油性の新規物質4
−クロル−テトラデシン酸メチルであり、以下に説明す
る製造方法によって得られる。はじめに、この発明で用
いる出発原料であるS体ヒドロキシエステル誘導体の合
成であるが、公知の製造方法(Agric.BioI.
Ghem.47(11).2595 〜2598.19
83に記載の技術) の製造手順により製造し、この際
、光学分割時に副生成物として、上記化学式(4)で示
されるヒドロキシエステルである4−ヒドロキシ−テト
ラデシン酸メチルが生成する。
【0014】ついで、上記ヒドロキシエステルを塩素化
する方法について説明する。まず、ヒドロキシエステル
に対し、塩化チオニルを5〜20当量に添加し、−50
℃〜室温、好ましくは0℃〜10℃で振蘯もしくは攪拌
する。 このとき、溶媒を用いてもよい。なお、ここで、用いる
溶媒としては、たとえば、エーテル、THF、ペンタン
等があるが、本反応に悪影響を与えない限り、とくに、
限定されるものではない。
【0015】ヒドロキシエステルと塩化チオニルとの反
応終了後は、そのまま、過剰の塩化チオニルを除去する
か、あるいは、クロロホルム、ヘキサン等の有機溶媒を
用いて抽出する。
【0016】その後、抽出液から溶媒を除去し、シリカ
ゲルクロマトグラフィ等を用いて精製することにより、
上述した一般式(1)または一般式(2)で示される所
望の新規塩素化合物4−クロル−テトラデシン酸メチル
が得られる。この一般式(1)及び(2)で示される塩
素化合物は、後述する元素分析、IR吸収スペクトル、
13C−NMRスペクトルにより同定された。
【0017】つぎに、上記一般式(2)で示される新規
塩素化合物、4−クロル−テトラデシン酸メチルから光
学活性ラクトン、ブチロラクトニルデシン酸への変換は
、エステルである上記新規塩素化合物を加水分解した後
、酸性とし、加熱することにより、容易におこなえる。 なお、上記加水分解は、通常の方法でよいが、たとえば
、加える塩基としては、KOH、NaOH、Na2 C
O3 を、また、溶媒としては、水やエタノール、メタ
ノールなどのアルコール類あるいはこれらの混合液を用
いる。
【0018】そして、上記のようにして加水分解後、酸
を用いて酸性としたものを、30〜80℃で加熱して反
応させることによりラクトン化し、化学式(3)で示さ
れるような光学活性ラクトン、ブチロラクトニルデシン
酸が得られる。なお、上記で用いる酸としては、たとえ
ば、塩酸、硫酸等の無機酸の水溶液、あるいはトシル酸
等の有機酸のいずれでも差し支えない。
【0019】このときのラクトンの立体配置は前述した
ヒドロキシエステルと反転している。
【0020】なお、このラクトンの、マメコガネの性フ
ェロモンへの変換は周知の従来技術による方法を用い、
三重結合をシスの二重結合へ選択的に変換することによ
りおこなう。
【0021】以下、この発明の実施例について説明する
【実施例】実施例1 塩化チオニル2mlを5℃まで氷冷し、これをヒドロキ
シエステル(S)−体70%e.e 500 mgを加
え、1時間攪拌した。反応終了後、反応系に水、エーテ
ルを加え、抽出した。ついで、抽出物を炭酸水素ナトリ
ウムでよく洗浄した後、飽和食塩水で洗浄して後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した後、溶剤を減圧除去
した。そして、残留オイルをシリカゲルクロマトグラフ
ィで精製して、0.32gの塩素化合物(収率60%)
を得、この塩素化合物の同定の結果、一般式(1)また
は一般式(2)で示される構造式を有する新規な塩素化
合物、4−クロル−テトラデシン酸メチルであることが
わかった。また、この4−クロル−テトラデシン酸メチ
ルの元素分析結果は、その実験値がC:66.09 、
H:9.37、O:11.71 、Cl:12.83 
であった。なお、計算値はC:66.03 、H:9.
24、O:11.73 、Cl:13.00 である。 なお、IR吸収スペクトルを図1に示す。このIR吸収
スペクトルの特性吸収は1740cm−1であった。図
2に 1H−NMRスペクトルを示す図、図3に同図の
部分拡大図を示す。 この400MHz , 1H−NMR分析の条件は、溶
媒CDCL3、温度27℃であった。図4に100MH
z 、13C−NMRスペクトル図を、図5に同図の部
分拡大図を示す。この13C−NMR分析の条件は、溶
媒CDCL3、温度27℃であった。
【0022】実施例2 実施例1で得た塩素化合物50mgをKOHメタノール
(5%KOHメタノール)溶液に溶かし、攪拌しながら
、50℃まで加熱した。ついで、30分後、2N−HC
l201ml、ヘキサン10mlを加えて後、さらに、
60℃まで加熱した。30分後、ヘキサン層を減圧除去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製する
ことにより32.3mgの光学活性ラクトン、ブチロラ
クトニルデシン酸を得た(収率80%)。なお、光学活
性カラム(ChiraceI OD E  ダイセル 
(株) 製)を用い、液体クロマトグラフィで分離して
、その光学純度を測定したところ、(R)−体で70%
e.e.であった。
【0023】上述の実施例においても明らかなように、
この発明による製造方法によれば、新規塩素化合物が6
0%という高い収率で得られ、工業的にきわめて意義が
大きい上、この新規塩素化合物4−クロル−テトラデシ
ン酸は立体配置が反転したラクトン、ブチロラクトニル
デシン酸に誘導できて、芝害虫マメコガネの性フェロモ
ンの合成中間体原料として有用に使用することができる
という効果を奏する。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による新
規塩素化合物、4−クロル−テトラデシン酸は、害虫マ
メコガネの性フェロモンを製造するための合成中間原料
となる光学活性ラクトンの製造にきわめて有意義なもの
であり、しかもヒドロキシエステルに塩化チオニルを反
応させるという簡単な工程で、常温下、短時間できわめ
て安全に得られるという効果を奏する。また、この新規
塩素化合物を反転してラクトン、ブチロラクトニルデシ
ン酸に導くことにより、効率的よく(S)−体のヒドロ
キシエステルを(R)−体のマメコガネの性フェロモン
へ誘導することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる新規塩素化合物4−クロル−
テトラデシン酸メチルのIRスペクトル図である。
【図2】この発明にかかる4−クロル−テトラデシン酸
メチルの 1H−NMRスペクトル図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】この発明にかかる4−クロル−テトラデシン酸
メチルの13C−NMRスペクトル図である。
【図5】図4の部分拡大図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の一般式(1)で示される新規塩
    素化合物4−クロル−テトラデシン酸メチル。 【化1】
  2. 【請求項2】  下記の一般式(2)で示される4位の
    立体配置がS体である請求項1記載の新規塩素化合物(
    S)−4−クロル− テトラデシン酸メチル。 【化2】
  3. 【請求項3】  請求項2記載の塩素化合物を加水分解
    して後、酸性とし、これを加熱することを特徴とする下
    記化学式(3)で示される光学活性ラクトンブチロラク
    トニルデシン酸の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】  下記化学式(4)で示されるヒドロキ
    シエステル4−ヒドロキシ−テトラデシン酸メチルと塩
    化チオニルとを反応させることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の新規塩素化合物4−クロル− テト
    ラデシン酸メチルの製造方法。 【化4】
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