JPH04346621A - 磁気特性が優れかつ表面外観の良い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性が優れかつ表面外観の良い無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH04346621A
JPH04346621A JP11590591A JP11590591A JPH04346621A JP H04346621 A JPH04346621 A JP H04346621A JP 11590591 A JP11590591 A JP 11590591A JP 11590591 A JP11590591 A JP 11590591A JP H04346621 A JPH04346621 A JP H04346621A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気特性の優れた無方
向性電磁鋼板の製造方法に係わり、とくに磁束密度が高
く、かつ表面外観の良い無方向性電磁鋼板を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板は各種のモーターなど
の回転機や変圧器、安定器などの静止器の鉄心材料に用
いられているが、これらの電気機器を小型化、高効率化
するためには使用する電磁鋼板の磁束密度の向上および
鉄損の低減が必要である。ところで、無方向性電磁鋼板
の磁性を向上させるには冷間圧延前の鋼帯の結晶粒を粗
大化すればよいことが知られている。
【0003】この冷間圧延前の鋼帯の結晶粒粗大化方法
として、発明者らは先に特公昭57−35628号公報
において電磁鋼素材を熱間圧延する際、熱間圧延終了温
度を鋼の化学成分により求めた Ar3変態点温度以上
となし、次いでこの熱延鋼帯を A3 変態点温度以下
の温度で30秒以上15分以下の時間、焼鈍する方法を
提案した。さらに、特開平2−182831号公報には
熱間圧延終了温度を Ar3変態点温度以上とし、次い
でこの熱延鋼帯を A3 変態点温度以下で30〜15
秒保持したのちの冷却速度を制御する方法を開示した。
【0004】しかし、これらの方法は熱延鋼帯焼鈍時間
が短時間側では結晶粒の粗大化が起こり難い場合があり
、その結果磁気特性がバラツクという欠陥があった。 また長時間側では結晶粒が過大になる場合があり、その
結果、製品に畳じわが発生し表面外観を損なうという難
点があった。一方、特開昭58−136718号公報に
は熱間圧延を上述と同じく鋼中成分によって定まる A
r3変態点温度より50℃を超えて高くはない範囲内の
γ相領域で終了し、その巻取温度を A3 変態点以下
から 700℃以上にし、熱延鋼帯のフェライト結晶粒
度を No.4以下の粗大粒にして磁性の向上を図る方
法が開示されている。
【0005】また特開昭54−76422号公報には熱
間圧延後の巻取温度 750〜1000℃とし、コイル
の保有熱による自己焼鈍により結晶粒度 No.5〜6
に再結晶させて磁性向上を図る方法が提案されている。 しかしこれらの熱延後の巻取温度を 700℃以上にし
て冷間圧延前の結晶粒を大きくして磁性を改善する方法
は、熱延鋼帯焼鈍を省略できるが、巻取温度が高いため
コイルの内、外巻部及びエッジ部がコイル中心部より速
く冷えるのでコイル内温度差が大きくなり、最終的には
コイル全体に亘って均一な磁性が得られないこと及び熱
延鋼帯の酸洗による脱スケール性が悪い等の欠陥がある
【0006】また、特公昭45−22211号公報には
熱延鋼帯に圧下率0.5〜15%の冷間圧延を施したの
ち、再結晶温度以上 A3 変態点以下の温度範囲で比
較的長時間の焼鈍を行って引続く冷間圧延前の鋼帯の結
晶粒の粗大化を図って鉄損を向上させる方法が開示され
ている。しかしこの方法の熱延鋼帯の軽冷延後の焼鈍は
比較的低温度短時間と言えども 800〜850 ℃,
30分〜20時間(なお実施例での焼鈍時間はいずれも
10時間)のいわゆる箱焼鈍を前提とした長時間焼鈍で
あるため製造コスト面で不利であるばかりでなく、結晶
粒が粒度 No. 2.2と過大粒になる場合があり、
表面外観を損なう欠陥があった。
【0007】また特開平1−306523号公報では、
熱延鋼帯に5〜20%の軽冷延を施したのち熱延板焼鈍
を 850〜1000℃の温度で 0.5〜10分間行
って磁束密度の高い無方向性電磁鋼板を造る方法を開示
している。この方法の熱延板焼鈍は連続炉で行うが、焼
鈍時間が実施例では2分程度の比較的長時間を必要とし
、その結果大きな設備を必要とし経済的に問題点を残し
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の問題点に鑑みて
、本発明は、冷間圧延前の素材の結晶粒の適度な粗大化
を図るため、熱延鋼帯の軽冷延とそれに引き続く焼鈍を
工夫するとともに、併せて素材Cと上記焼鈍での冷却速
度を検討することにより、とくに磁束密度が高く、かつ
表面外観の良好な無方向性電磁鋼板の製造方法を提案す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、低
炭素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延により製品
厚としたのち焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、重量%で、C0.005〜0.020 %、S
iもしくはSi+Al 1.5%以下、Mn 1.0%
以下、P 0.2%以下、さらに必要に応じてSbおよ
びSnの何れか1種または2種の合計が0.10%以下
を含み残部実質的にFeからなるスラブを熱間圧延によ
り熱延鋼帯とし、さらに圧下率5〜15%の冷間圧延を
施したのち、3℃/秒以上の加熱速度で 850℃〜 
Ac3変態点温度未満の温度範囲に加熱し、該温度域で
5〜30秒間保持し、次いで Ar3から Ar1変態
点温度間を2〜10℃/秒の速度で冷却するか、もしく
は Ar1変態点温度以上でそれより50℃の範囲内に
5〜30秒保持するかして、次いで Ar1変態点温度
から 100℃までを10℃/秒以上の速度で冷却する
磁気特性が優れかつ表面外観の良い無方向性電磁鋼板の
製造方法であり、また、低炭素鋼スラブを熱間圧延し、
次いで冷間圧延により製品厚としたのち焼鈍を施す無方
向性電磁鋼板の製造方法において、重量%で、C 0.
005〜0.020 %、SiもしくはSi+Al 1
.5%以下、Mn1.0%以下、P 0.2%以下、さ
らに必要に応じてSbおよびSnの何れか1種または2
種の合計が0.10%以下を含み残部実質的にFeから
なるスラブを熱間圧延により熱延鋼帯とし、さらに圧下
率5〜15%の冷間圧延を施したのち、3℃/秒以上の
加熱速度で 850℃〜 A3 変態点温度未満の温度
範囲に加熱し、該温度域で5〜30秒間保持し、次いで
 Ar3から Ar1変態点温度間を2〜10℃/秒の
速度で冷却する間に Ar1変態点温度以上でそれより
50℃の範囲内に5〜30秒保持したのち、 Ar1変
態点温度から100℃までを10℃/秒以上の速度で冷
却する磁気特性が優れかつ表面外観の良い無方向性電磁
鋼板の製造方法である。
【0010】
【作  用】次に、本発明の作用ならびに本発明に至っ
た経緯を実験結果に基づいて説明する。重量%で、C 
0.018%、Si 0.1%、 Mn0.26%、P
 0.07 %、S 0.004%、Al0.0009
 %、 Sb 0.05%を含む溶鋼から造られたスラ
ブを1250℃に加熱し、 820℃の熱間圧延終了温
度で 2.3mm厚さの熱延鋼帯を造った。次いで、該
熱延鋼帯からサンプルを採取し、実験室的に0〜20%
の軽度の冷間圧延を施したのち、熱延鋼板焼鈍を加熱速
度を5℃/秒にして 800℃〜1000℃の温度で1
0秒間の短時間保持し、その後の冷却を Ar3(87
8 ℃)から Ar1(793 ℃)変態点温度間を5
℃/秒の速度で冷却し、引き続き Ar1変態点温度か
ら 100℃までを50℃/秒の速度で冷却した。なお
この素材の A3 変態点温度は 935℃であった。
【0011】次いで該焼鈍板を冷間圧延により0.50
mm厚さに仕上げたのち、湿潤雰囲気で 800℃75
秒の脱炭と再結晶焼鈍を兼ねた焼鈍を施して製品を造っ
た。これらの製品の磁束密度と熱間圧延板の軽圧延にお
ける圧下率の関係を図1に示す。この図から明らかなよ
うに、熱延板の軽冷延を5〜15%にし、かつ軽冷延後
の熱延鋼板焼鈍を 850℃から 935℃( A3 
変態点温度)10秒間で処理した製品の磁束密度B50
がその他の条件で処理したものより高いことが明らかで
ある。そして、この高い磁束密度が得られたものの熱延
鋼板焼鈍後の結晶粒は粒度 No.4〜3の範囲にあり
、その製品の表面に畳じわは発生せず表面外観は良かっ
た。
【0012】ちなみに磁束密度がさほど向上しなかった
ものの熱延鋼板焼鈍後の結晶粒は粒度 No.4未満で
あった。以上のように熱延鋼帯に5〜10%の軽冷延を
施し、引続く熱延鋼板焼鈍において 850℃〜 A3
 変態点温度で10秒の比較的高温短時間で、かつ冷却
速度を制御することで磁束密度が向上するのは、熱延鋼
板焼鈍により結晶粒が粗大化したことと併せて後述する
。熱延鋼板焼鈍での冷却制御により固溶C量が増加した
ことによる集合組織の改善ができたためである。なお、
熱延鋼板焼鈍において結晶粒の粗大化が起こるのは粗大
化(異常粒成長)に必要な歪を軽冷延により付与したこ
とによる。
【0013】次に熱延鋼板の軽冷延後に施す熱延鋼板焼
鈍における冷却速度について述べる。前述の熱延鋼板と
同一組成の熱延鋼板を用い、軽冷延を10%施したのち
、熱延鋼板焼鈍において加熱速度7℃/秒で昇温し、 
900℃の温度で10秒間保持したのちの冷却過程にお
いて Ar3から Ar1変態点温度間を冷却速度2〜
15℃/秒で冷却、あるいは Ar1変態点温度+20
℃、 Ar1+50℃、 Ar1+70℃の各温度で1
5秒保持したのち、 Ar1変態点温度から 100℃
までを2℃/秒〜水冷の範囲で冷却速度を変更した処理
を行った。
【0014】次いで冷間圧延により0.50mm厚さに
仕上げ、引き続き湿潤雰囲気で 800℃15秒の脱炭
と再結晶を兼ねた焼鈍を行って製品とした。これらの製
品の磁束密度と熱延鋼板焼鈍時の冷却条件の関係を図2
に示す。これからわかるように熱延鋼板焼鈍での冷却過
程で Ar3変態点から Ar1変態点温度までの冷却
速度を2〜10℃/秒にするか、あるいは Ar1変態
点+50℃の温度で保持し、かつ Ar1変態点温度か
ら100℃までを10℃/秒以上の冷却速度で冷却した
製品のB50がその他の条件で0理したものより高いこ
とが明らかである。これらの磁束密度が高い製品表面は
畳じわもなく良好であった。
【0015】以上の如く、熱延鋼板焼鈍時の冷却速度を
制御することにより磁束密度が向上するのは、前述の如
く固溶C増量による集合組織改善によるものである。次
に本発明において熱延鋼板の軽冷延を圧下率5〜15%
に限定したのは、熱延鋼板の軽冷延に引き続く熱延鋼板
焼鈍が本発明のように比較的高温でかつ加熱速度が大で
短時間保持処理の場合には、圧下率が5%未満では歪が
不足し、熱延鋼板焼鈍での結晶粒の粗大化が不十分なた
め、結晶粒の大きさが粒度 No.4に達せず磁束密度
の向上が図れないことによる。また圧下率が15%を超
えると通常の冷延と同じようになり熱延鋼板焼鈍後に結
晶粒の大きさが粒度 No.4にならないためである。
【0016】一方、熱延鋼板焼鈍において、加熱速度を
3℃/秒以上としたのは、加熱速度が3℃/秒未満だと
加熱中に一部粒成長が起こり、本発明のように850℃
〜 A3変態点の比較的高温での短時間保持では均一か
つ適度な粒成長が起こらず混粒となるからであるが、好
ましい加熱速度は5℃/秒以上である。また熱延鋼板焼
鈍の焼鈍温度を 850℃〜 A3 変態点に限定した
のは、本発明では製造コストや品質安定面で有利である
連続焼鈍炉での比較的高温で、5〜30秒の短時間処理
を前提としているので、850 ℃未満では粒成長不足
となり磁束密度の向上が十分図れないためである。なお
焼鈍温度が再結晶温度〜 850℃未満でも焼鈍時間を
長くすれば結晶粒の粗大化は可能であるが、製造コスト
面で不利であるので 850℃未満は除外した。また、
熱延鋼板焼鈍温度の上限を A3 変態点温度にしたの
はこの温度を超えるとα相→γ相,γ相→α相の変態が
起こることにより結晶粒は細かくなり、磁束密度の向上
が図れないためである。
【0017】また熱延鋼板焼鈍時間を従来この方法にお
いて実施されていない5〜30秒と限定した理由は、加
熱速度3℃/秒において、前記の熱延鋼帯焼鈍温度が 
850℃〜A3 変態点の場合、5秒未満では結晶粒の
粗大化が不十分で粒度 No.4に達しないため磁束密
度の向上が少ない。また保持時間が30秒を超えると結
晶粒が粗大化し過ぎて、粒度 No.2より大きくなり
、その結果、磁束密度は向上するものの、製品表面に畳
じわが発生し、表面外観を損なう。この畳じわは占積率
の低下を来たすという問題がある。従って、磁束密度の
向上が図れ、かつ製品の表面外観を損なわないような熱
延鋼板焼鈍後の結晶粒を粒度 No.4〜2の範囲に制
御するため熱延鋼板焼鈍の保持時間は5〜30秒に限定
した。
【0018】次に熱延鋼板焼鈍の冷却過程において、 
Ar3変態点温度から Ar1変態点温度までを徐冷す
るか、または Ar1変態点温度以上で50℃の範囲内
で5〜30秒間保持するのは、Cの固溶量を増加し引き
続く Ar1変態点温度から 100℃までを10℃/
秒以上で急冷することによって最終的に固溶C量を増や
して、固溶Cによる集合組織改善を図るためである。
【0019】次に、本発明における化学成分の限定理由
を述べる。本発明は冷間圧延前の結晶粒の粗大化に加え
て固溶Cを有効に活用する観点から、C量が 0.00
5%未満だとその効果が少なくなり、またCが0.02
%を超えても固溶Cは増えないことおよび最終焼鈍時に
脱炭不良となり、非時効化に対して不利となることから
Cは 0.005〜0.020 %とした。
【0020】SiもしくはSi+Alは高い固有抵抗を
有し、増量すると鉄損は少なくなるが、飽和磁束密度が
低下するため高い磁束密度を得るのに困難となることか
ら、SiもしくはSi+Alは 1.5%以下とした。 SbおよびSnは集合組織改善により磁束密度が向上す
るので、特に高い磁束密度を得るためには必要に応じて
添加することが望ましい。その場合SbおよびSnの1
種または2種の合計が0.10%を超えるとかえって磁
気特性を劣化させるのでいずれか単独かまたは併用する
場合でも含有量は0.10%以下に限定した。
【0021】Mnは脱酸剤として、あるいはSによる熱
間脆性を制御するために添加されるが1.0%を超える
とコスト上昇を招くのでMnは 1.0%以下とする。 Pは硬度を高め打抜性を向上させるために添加されるこ
とがあるが、0.20%より多いと脆くなるので0.2
0%以下にする必要がある。
【0022】
【実施例】実施例1 転炉で溶製し、真空脱ガス処理した溶鋼を連続鋳造し、
スラブとした。C 0.007%、 Si 0.35%
、 Mn 0.25%、P 0.03 %、 Al 0
.0008%を含み、残部実質的にFeであるスラブを
、通常の熱間圧延で 2.0mmの熱延鋼板とした。こ
れらの熱延鋼板の Ac3変態点は 950℃、 Ar
3変態点は 870℃、 Ar1変態点は 805℃で
あった。
【0023】ついで10%の軽圧延を施し、次のような
熱延鋼板焼鈍を施した。
【0024】
【表1】
【0025】ついで1回の冷延で0.50mm厚さに仕
上げたのち、800℃、75秒間の脱炭・再結晶焼鈍を
施して製品とした。これらの製品のエプスタイン試片で
測定した結果、磁束密度、表面形状ともに良好であった
【0026】
【表2】
【0027】実施例2 転炉で溶製し、真空脱ガス処理した溶鋼を連続鋳造し、
1〜9までのスラブを造った。それらの化学成分はC 
0.015%、 Si 0.35%、Mn 0.25%
、P 0.02 %、 Al 0.0008%、 Sn
 0.10%を含み、残部実質的にFeであった。 それらのスラブを通常の熱間圧延で 2.3mmの熱延
鋼帯とした。なおこの熱延鋼帯のA3 変態点温度は 
947℃であった。また Ar3および Ar1変態点
温度はそれぞれ 877℃、 809℃であった。引続
き熱延鋼帯に軽冷延を施し熱延鋼帯焼鈍を施した。それ
らの条件を表3に示す。次いで、1回の冷間圧延で0.
50mm厚さに仕上げたのち、800℃、75秒間の脱
炭兼再結晶焼鈍を施して製品とした。それらの製品およ
び 750℃、2時間の歪取焼鈍後の磁性をエプスタイ
ン試片で測定した結果を表3に併記した。これらから、
本発明の適合例のように熱延鋼帯の軽冷延と熱延鋼帯焼
鈍条件を適正範囲にとれば熱延鋼帯焼鈍後の結晶粒の粗
大化とかつ固溶Cの有効活用により集合組織の改善がで
き、比較例に対して、とくに磁束密度B50が高く、か
つ表面外観の良い物が得られることが明らかである。
【0028】
【表3】
【0029】実施例3 実施例2と同様に、C 0.007%、Si 1.0%
、 Mn 0.25%、P 0.02 %、 Al 0
.25%、 Sb 0.03%、 Sn 0.06%を
含み、残部実質的にFeであるスラブを通常の熱間圧延
により 2.0mm厚さの熱延鋼帯を造った。これらの
熱延鋼帯の A3 変態点、Ar3および Ar1変態
点温度はそれぞれ1010℃、 940℃、 880℃
であった。これらの熱延鋼帯に軽冷延を施したのち熱延
鋼帯焼鈍を行った。これらの条件を表4に示す。次いで
、1回の冷間圧延で0.50mm厚さに仕上げ、引き続
き 880℃、90秒間の脱炭兼再結晶焼鈍を施して製
品にした。この製品の磁性を表4に併記した。これらか
ら、本発明の適合例が比較例に対して、とくに磁束密度
が高く、かつ製品表面の外観が良好であることが明らか
である。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】以上の如く、熱延鋼帯に適度な軽冷延を
施した後、熱延鋼帯焼鈍において急速加熱で高温短時間
保持し、かつ冷却速度を制御することで熱延鋼帯の結晶
粒の粗大化と、かつ固溶Cの活用により集合組織改善が
でき、その結果とくに磁束密度が高く、かつ表面外観の
良好な無方向性電磁鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延鋼帯の軽冷延率と製品の磁束密度B50の
関係を示す図である。
【図2】熱延鋼帯焼鈍における冷却条件と製品の磁束密
度B50の関係を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  低炭素鋼スラブを熱間圧延し、次いで
    冷間圧延により製品厚としたのち焼鈍を施す無方向性電
    磁鋼板の製造方法において、重量%で、C 0.005
    〜0.020 %、SiもしくはSi+Al 1.5%
    以下、Mn 1.0%以下、P 0.2%以下を含み残
    部実質的にFeからなるスラブを熱間圧延により熱延鋼
    帯とし、さらに圧下率5〜15%の冷間圧延を施したの
    ち、3℃/秒以上の加熱速度で 850℃〜 A3 変
    態点温度未満の温度範囲に加熱し、該温度域で5〜30
    秒間保持し、次いで Ar3からAr1変態点温度間を
    2〜10℃/秒の速度で冷却するか、もしくは Ar1
    変態点温度以上でそれより50℃の範囲内に5〜30秒
    保持するかして、次いで Ar1変態点温度から 10
    0℃までを10℃/秒以上の速度で冷却することを特徴
    とする磁気特性が優れかつ表面外観の良い無方向性電磁
    鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】  低炭素鋼スラブを熱間圧延し、次いで
    冷間圧延により製品厚としたのち焼鈍を施す無方向性電
    磁鋼板の製造方法において、重量%で、C 0.005
    〜0.020 %、SiもしくはSi+Al 1.5%
    以下、Mn 1.0%以下、P 0.2%以下を含み残
    部実質的にFeからなるスラブを熱間圧延により熱延鋼
    帯とし、さらに圧下率5〜15%の冷間圧延を施したの
    ち、3℃/秒以上の加熱速度で 850℃〜 A3 変
    態点温度未満の温度範囲に加熱し、該温度域で5〜30
    秒間保持し、次いで Ar3からAr1変態点温度間を
    2〜10℃/秒の速度で冷却する間に Ar1変態点温
    度以上でそれより50℃の範囲内に5〜30秒保持した
    のち、 Ar1変態点温度から 100℃までを10℃
    /秒以上の速度で冷却することを特徴とする磁気特性が
    優れかつ表面外観の良い無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】  低炭素鋼スラブの組成が重量%で、C
     0.005〜0.020 %、SiもしくはAl 1
    .5%以下、Mn 1.0%以下、P 0.2%以下、
    SbおよびSnの何れか1種または2種の合計が0.1
    0%以下を含み、残部実質的にFeからなることを特徴
    とする請求項1又は2記載の磁気特性が優れかつ表面外
    観の良い無方向性電磁鋼板の製造方法。
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