JP2716987B2 - 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造
方法に係わり、とくに磁束密度が高く、鉄損の低い無方
向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
方法に係わり、とくに磁束密度が高く、鉄損の低い無方
向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 無方向性電磁鋼板は各種のモーターなどの回転機や変
圧器,安定器などの静止器の鉄心材料に用いられ、これ
らの電気機器の小型化,高効率化には、使用される電磁
鋼板の磁束密度の向上および鉄損の低減が必要である。
圧器,安定器などの静止器の鉄心材料に用いられ、これ
らの電気機器の小型化,高効率化には、使用される電磁
鋼板の磁束密度の向上および鉄損の低減が必要である。
ところで、無方向性電磁鋼板の磁性を向上させるため
には冷間圧延前の素材の結晶粒径を大きくすればよいこ
とは公知である。
には冷間圧延前の素材の結晶粒径を大きくすればよいこ
とは公知である。
発明者らは先に特開昭57-35628号公報において電磁鋼
スラブを熱間圧延する際、熱間圧延終了温度をその鋼の
化学成分に応じて(1)式において表わされるAr3変態
点温度、 Ar3={891−900(C%)+50(Si%)−88(Mn%)+1
90(P%)+380(Al%)}℃……(1) 以上となし、ついで、この熱延鋼板をA3変態点温度以下
の温度で30秒〜15分の焼鈍を施して、冷間圧延前の結晶
粒の粗大化を図って磁気特性を向上させる方法を提案し
た。この方法は現象的にみて、γ相で熱間圧延すること
により非常に微細な結晶粒を有する熱延鋼板が得られ、
つぎに施す熱延鋼板焼鈍により異常粒成長が容易に起こ
ることを利用して冷間圧延前の結晶粒の粗大化を図り、
とくに磁束密度を向上させる方法である。この方法にお
ける熱延板焼鈍の冷却速度はとくに制御せず大気放冷
(10℃/秒)であった。
スラブを熱間圧延する際、熱間圧延終了温度をその鋼の
化学成分に応じて(1)式において表わされるAr3変態
点温度、 Ar3={891−900(C%)+50(Si%)−88(Mn%)+1
90(P%)+380(Al%)}℃……(1) 以上となし、ついで、この熱延鋼板をA3変態点温度以下
の温度で30秒〜15分の焼鈍を施して、冷間圧延前の結晶
粒の粗大化を図って磁気特性を向上させる方法を提案し
た。この方法は現象的にみて、γ相で熱間圧延すること
により非常に微細な結晶粒を有する熱延鋼板が得られ、
つぎに施す熱延鋼板焼鈍により異常粒成長が容易に起こ
ることを利用して冷間圧延前の結晶粒の粗大化を図り、
とくに磁束密度を向上させる方法である。この方法にお
ける熱延板焼鈍の冷却速度はとくに制御せず大気放冷
(10℃/秒)であった。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は先の特開昭57-35628号公報の発明の特
徴を有利に活用し、素材のC量と熱延鋼板焼鈍における
冷却速度について検討することにより、単に結晶粒を粗
大化させた場合よりもさらに優れた磁束密度を有するフ
ルプロセスおよびセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造
方法を提案することである。
徴を有利に活用し、素材のC量と熱延鋼板焼鈍における
冷却速度について検討することにより、単に結晶粒を粗
大化させた場合よりもさらに優れた磁束密度を有するフ
ルプロセスおよびセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造
方法を提案することである。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち本発明は、低炭素鋼スラブを熱間圧延し、つ
いて、この熱圧鋼帯に焼鈍を施し、1回または中間焼鈍
を挟む2回の冷間圧延により製品厚としたのち焼鈍を施
す無方向性電磁鋼板の製造方法において、該スラブの組
成を重量%で、C:0.005〜0.020%,SiもしくはSi+Al:1.
5%以下,Mn:1.0%以下,P:0.20%以下,SbおよびSnの何れ
か1種または2種の合計が1.0%以下を含み、残部実質
的にFeよりなるものとし、該熱間圧延を該スラブの鋼中
成分に応じて定まる次式のAr3変態点温度:{891−900
(C%)+50(Si%)−88(Mn%)+190(P%)+380
(Al%)}℃より50℃を越えて高くはない範囲内のγ相
領域で終了させ、ついで、該熱延鋼帯をA3変態点温度以
下で30秒〜15分保持し、ついでAr3変態点温度からAr1変
態点温度までを2〜10℃/秒の速度で冷却するか、もし
くはAr1変態点温度以上でそれより50℃の範囲内に5〜3
0秒保持するかして、ついてAr1変態点温度から100℃ま
でを10℃/秒以上の速度で冷却することを特徴とする磁
気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法である。
いて、この熱圧鋼帯に焼鈍を施し、1回または中間焼鈍
を挟む2回の冷間圧延により製品厚としたのち焼鈍を施
す無方向性電磁鋼板の製造方法において、該スラブの組
成を重量%で、C:0.005〜0.020%,SiもしくはSi+Al:1.
5%以下,Mn:1.0%以下,P:0.20%以下,SbおよびSnの何れ
か1種または2種の合計が1.0%以下を含み、残部実質
的にFeよりなるものとし、該熱間圧延を該スラブの鋼中
成分に応じて定まる次式のAr3変態点温度:{891−900
(C%)+50(Si%)−88(Mn%)+190(P%)+380
(Al%)}℃より50℃を越えて高くはない範囲内のγ相
領域で終了させ、ついで、該熱延鋼帯をA3変態点温度以
下で30秒〜15分保持し、ついでAr3変態点温度からAr1変
態点温度までを2〜10℃/秒の速度で冷却するか、もし
くはAr1変態点温度以上でそれより50℃の範囲内に5〜3
0秒保持するかして、ついてAr1変態点温度から100℃ま
でを10℃/秒以上の速度で冷却することを特徴とする磁
気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法である。
〈作用〉 次に本発明を実験結果に基づいて説明する。
C:0.017%,Si:0.32%,Mn:0.25%,P:0.08%,S:0.003
%,Al:0.0008%を含む溶鋼から造られたスラブを1250℃
に加熱し、熱間圧延終了温度を鋼中化学成分に従い計算
式(1)により求めたAr3変態点温度884℃より16℃高い
900℃のγ相領域にして2.3mmの熱延鋼帯とした。その後
の熱延鋼帯焼鈍を施すに際し、A3変態点温度950℃より5
0℃低い900℃で45秒間保持し、その後の冷却過程におい
てAr3変態点温度からAr1変態点温度までを冷却速度2〜
40℃/秒で、またAr3変態点温度からAr1変態点温度まで
の範囲での保持温度を(Ar1変態点温度+10℃)から(A
r1変態点温度+80℃)まで変えた後、Ar1変態点温度か
ら100℃までを冷却速度を2℃/秒から水冷まで冷却速
度を変更した熱延鋼帯焼鈍を施した。なおAr1変態点温
度は810℃であった。
%,Al:0.0008%を含む溶鋼から造られたスラブを1250℃
に加熱し、熱間圧延終了温度を鋼中化学成分に従い計算
式(1)により求めたAr3変態点温度884℃より16℃高い
900℃のγ相領域にして2.3mmの熱延鋼帯とした。その後
の熱延鋼帯焼鈍を施すに際し、A3変態点温度950℃より5
0℃低い900℃で45秒間保持し、その後の冷却過程におい
てAr3変態点温度からAr1変態点温度までを冷却速度2〜
40℃/秒で、またAr3変態点温度からAr1変態点温度まで
の範囲での保持温度を(Ar1変態点温度+10℃)から(A
r1変態点温度+80℃)まで変えた後、Ar1変態点温度か
ら100℃までを冷却速度を2℃/秒から水冷まで冷却速
度を変更した熱延鋼帯焼鈍を施した。なおAr1変態点温
度は810℃であった。
これらの熱延鋼帯を酸洗したのち、1回の冷間圧延で
0.50mm厚さに仕上げ、引続き湿潤雰囲気で800℃75秒の
脱炭と再結晶を兼ねた連続焼鈍を施してフルプロセス成
品を造った。
0.50mm厚さに仕上げ、引続き湿潤雰囲気で800℃75秒の
脱炭と再結晶を兼ねた連続焼鈍を施してフルプロセス成
品を造った。
これらの成品の磁束密度と熱延鋼帯焼鈍での冷却条件
の関係を第1図に示す。この図から分かるように、熱延
鋼帯焼鈍の冷却過程においてAr3変態点温度からAr1変態
点温度までを2〜10℃/秒の冷却速度で冷却するかもし
くはAr1変態点温度から(Ar1変態点温度+50℃)の範囲
で保持し、かつAr1変態点温度から100℃までを10℃/秒
以上の冷却速度で冷却した成品の磁束密度B50がその他
の冷却条件で処理した成品のものより高いことが明らか
である。
の関係を第1図に示す。この図から分かるように、熱延
鋼帯焼鈍の冷却過程においてAr3変態点温度からAr1変態
点温度までを2〜10℃/秒の冷却速度で冷却するかもし
くはAr1変態点温度から(Ar1変態点温度+50℃)の範囲
で保持し、かつAr1変態点温度から100℃までを10℃/秒
以上の冷却速度で冷却した成品の磁束密度B50がその他
の冷却条件で処理した成品のものより高いことが明らか
である。
以上のように、熱延鋼帯焼鈍の冷却過程においてAr3
変態点温度からAr1変態点温度までを徐冷するかまたはA
r1変態点温度以上50℃の範囲内で保持し、かつAr1変態
点温度から100℃までを急冷した場合に磁束密度B50が著
しく向上するのは、熱間圧延温度をγ相領域にし、引続
く熱延鋼帯焼鈍による結晶粒の粗大化に加えて熱延鋼帯
焼鈍の冷却過程において固溶C量が増したことによる集
合組織の改善が図れたためと推定される。
変態点温度からAr1変態点温度までを徐冷するかまたはA
r1変態点温度以上50℃の範囲内で保持し、かつAr1変態
点温度から100℃までを急冷した場合に磁束密度B50が著
しく向上するのは、熱間圧延温度をγ相領域にし、引続
く熱延鋼帯焼鈍による結晶粒の粗大化に加えて熱延鋼帯
焼鈍の冷却過程において固溶C量が増したことによる集
合組織の改善が図れたためと推定される。
つぎに本発明において素材の化学成分を限定した理由
について説明する。
について説明する。
本発明は冷間圧延前の結晶粒の粗大化に加えて固溶C
を有効に活用する観点から、C量が0.005%未満だとそ
の効果が少なくなり、またCが0.02%を超えても固溶C
は増えないことおよび最終焼鈍時に脱炭不良となり、非
時効化に対して不利となることからCは0.005〜0.020%
とした。
を有効に活用する観点から、C量が0.005%未満だとそ
の効果が少なくなり、またCが0.02%を超えても固溶C
は増えないことおよび最終焼鈍時に脱炭不良となり、非
時効化に対して不利となることからCは0.005〜0.020%
とした。
本発明は熱間圧延終了温度をγ相領域とするがここに
SiまたはSi+Alが1.5%を超えて多量になるとγ相が存
在する温度が高くなって熱延を終了する温度が必然的に
高温になることから熱間圧延が事実上困難になる。した
がってSiまたはSi+Al量を1.5%以下とする。
SiまたはSi+Alが1.5%を超えて多量になるとγ相が存
在する温度が高くなって熱延を終了する温度が必然的に
高温になることから熱間圧延が事実上困難になる。した
がってSiまたはSi+Al量を1.5%以下とする。
Mnは脱酸剤として、またはSによる熱間胞性を抑制す
るために添加されるが、1.0%を超えるとコストの上昇
を招くのでMnは1.0%以下とする。
るために添加されるが、1.0%を超えるとコストの上昇
を招くのでMnは1.0%以下とする。
Pは電磁鋼板の硬度を高め、打抜性を向上させるため
に添加されることがあるが、0.20%より多いと板が胞く
なるので0.20%以下にする必要がある。
に添加されることがあるが、0.20%より多いと板が胞く
なるので0.20%以下にする必要がある。
SbおよびSnは集合組織改善により磁束密度を向上させ
るが、SbおよびSnの1種または2種の合計が0.10%を超
えるとかえって磁気特性を劣化させるので、いずれか単
独または併用する場合でも含有量は0.10%以下に限定し
た。
るが、SbおよびSnの1種または2種の合計が0.10%を超
えるとかえって磁気特性を劣化させるので、いずれか単
独または併用する場合でも含有量は0.10%以下に限定し
た。
この発明では熱間圧延終了温度をその鋼の化学成分に
応じて算出されるAr3変態点温度より50℃を超えて高く
はない範囲内のγ相領域とする。熱間圧延終了温度をそ
の鋼のγ相領域のできるだけ低温域とすることで熱間加
工を容易にし、同時に熱間圧延に引続く熱延鋼帯焼鈍に
より結晶粒を粗大化できる。この理由は上述のγ相領域
の低温域で熱間加工することで変態により生ずるα粒の
核生成個所であるγ粒界や変形帯をより多く存在せしめ
て、変態後のα粒を著しく微細にすることにより熱延鋼
帯焼鈍で粗大粒成長が起こるためである。
応じて算出されるAr3変態点温度より50℃を超えて高く
はない範囲内のγ相領域とする。熱間圧延終了温度をそ
の鋼のγ相領域のできるだけ低温域とすることで熱間加
工を容易にし、同時に熱間圧延に引続く熱延鋼帯焼鈍に
より結晶粒を粗大化できる。この理由は上述のγ相領域
の低温域で熱間加工することで変態により生ずるα粒の
核生成個所であるγ粒界や変形帯をより多く存在せしめ
て、変態後のα粒を著しく微細にすることにより熱延鋼
帯焼鈍で粗大粒成長が起こるためである。
熱間圧延終了温度がAr3変態点温度より低いα+γ相
域またはα相領域になると、それがたとえ850℃以上の
高温域であっても熱間圧延後に微細な結晶粒は得られず
熱延鋼帯焼鈍後に本発明のような粗大粒を得ることはで
きない。
域またはα相領域になると、それがたとえ850℃以上の
高温域であっても熱間圧延後に微細な結晶粒は得られず
熱延鋼帯焼鈍後に本発明のような粗大粒を得ることはで
きない。
熱延鋼帯焼鈍の下限温度は特に限定しなかったが、比
較的短時間焼鈍なのでA3変態直下付近の温度が好適であ
る。保持時間は30秒未満では、結晶粒成長が不足であ
り、15分超では結晶粒成長は十分であるが経済的に不利
なので30秒〜15分の間に限定される。
較的短時間焼鈍なのでA3変態直下付近の温度が好適であ
る。保持時間は30秒未満では、結晶粒成長が不足であ
り、15分超では結晶粒成長は十分であるが経済的に不利
なので30秒〜15分の間に限定される。
次に冷却過程でAr3変態点温度からAr1変態点温度まで
の冷却速度を2〜10℃/秒に限定する理由は、冷却速度
は遅いほど固溶C量が増すので、2℃/秒より遅くても
構わないが2℃/秒より遅いと生産性が悪くなる。また
10℃/秒を超えると固溶C量が少なくなり、集合組織改
善による磁性向上がなくなるからである。またAr1変態
点温度以上でそれより50℃の範囲内に5〜30秒保持する
理由は、固溶Cを増すためであるがAr1変態点未満だと
固溶C量が減り、また同じくAr1変態点温度+50℃を超
えても固溶C量が減り、固溶Cの効果が少なくなるため
である。またその保持時間を5秒未満にすると固溶C量
が不足し、30秒を超えると生産性が悪くなったり、設備
が長大となり不経済になるためである。
の冷却速度を2〜10℃/秒に限定する理由は、冷却速度
は遅いほど固溶C量が増すので、2℃/秒より遅くても
構わないが2℃/秒より遅いと生産性が悪くなる。また
10℃/秒を超えると固溶C量が少なくなり、集合組織改
善による磁性向上がなくなるからである。またAr1変態
点温度以上でそれより50℃の範囲内に5〜30秒保持する
理由は、固溶Cを増すためであるがAr1変態点未満だと
固溶C量が減り、また同じくAr1変態点温度+50℃を超
えても固溶C量が減り、固溶Cの効果が少なくなるため
である。またその保持時間を5秒未満にすると固溶C量
が不足し、30秒を超えると生産性が悪くなったり、設備
が長大となり不経済になるためである。
つぎにAr1変態点温度から100℃までを10℃/秒以上の
速度で冷却する理由は、10℃/秒未満だとCの過飽和度
が下がり、固溶Cの効果が少なくなるためである。
速度で冷却する理由は、10℃/秒未満だとCの過飽和度
が下がり、固溶Cの効果が少なくなるためである。
なお、熱延鋼帯焼鈍における冷却過程でAr1変態点温
度からの冷却の下限温度を100℃としたのは、100℃未満
の温度域まで急冷しても固溶Cの利用による磁束密度の
向上が認められなかったため急冷の下限温度を100℃と
した。
度からの冷却の下限温度を100℃としたのは、100℃未満
の温度域まで急冷しても固溶Cの利用による磁束密度の
向上が認められなかったため急冷の下限温度を100℃と
した。
つぎに、本発明の実施例について説明する。
〈実施例〉 実施例1 転炉で溶製し、真空脱ガス処理した溶鋼を連続鋳造
し、A〜Hまでのスラブを造った。それらの化学成分は
C:0.015%,Si:0.15%,Mn:0.25%,P:0.075%,Al:0.0007
%,Sb:0.02%,Sn:0.02%を含み残部実質的にFeであっ
た。この化学成分に従い計算式(1)にて求めたAr3変
態点温度は878℃であった。またA3変態点温度は958℃
で、Ar1変態点温度は809℃であった。
し、A〜Hまでのスラブを造った。それらの化学成分は
C:0.015%,Si:0.15%,Mn:0.25%,P:0.075%,Al:0.0007
%,Sb:0.02%,Sn:0.02%を含み残部実質的にFeであっ
た。この化学成分に従い計算式(1)にて求めたAr3変
態点温度は878℃であった。またA3変態点温度は958℃
で、Ar1変態点温度は809℃であった。
上記各スラブを1250℃に加熱し、第1表に示した如く
熱間圧延終了温度を変えて2.3mm厚さの熱延鋼帯とし、
つぎに同じく第1表に併記の如く熱延鋼帯焼鈍条件を変
更して処理した。しかるのち1回の冷間圧延で0.50mm厚
さに仕上げ、引続いて湿潤雰囲気で790℃80秒の脱炭兼
再結晶焼鈍を施して成品にした。
熱間圧延終了温度を変えて2.3mm厚さの熱延鋼帯とし、
つぎに同じく第1表に併記の如く熱延鋼帯焼鈍条件を変
更して処理した。しかるのち1回の冷間圧延で0.50mm厚
さに仕上げ、引続いて湿潤雰囲気で790℃80秒の脱炭兼
再結晶焼鈍を施して成品にした。
これらの成品および750℃,2Hrの歪取焼鈍後の磁性を
エプスタイン試片で測定した結果を第1表に併記した。
これらから本発明の適合例のように、熱延圧延終了温度
と熱延鋼帯焼鈍の冷却過程を制御することにより、冷間
圧延前の粗粒化と固溶Cの有効活用が図れ、とくに磁束
密度B50が向上することが明らかである。
エプスタイン試片で測定した結果を第1表に併記した。
これらから本発明の適合例のように、熱延圧延終了温度
と熱延鋼帯焼鈍の冷却過程を制御することにより、冷間
圧延前の粗粒化と固溶Cの有効活用が図れ、とくに磁束
密度B50が向上することが明らかである。
実施例2 実施例1と同様な方法でC:0.011%,Si:1.0%,Mn:0.60
%,P:0.06%.Al:0.0009%,Sb:0.02%,を含み残部実質
的にFeよりなるスラブI〜Mを造った。これらの化学成
分に従い計算式(1)より求めたAr3変態点温度は890℃
であった。またAr3変態点温度は970℃で、Ar1変態点温
度は837℃であった。これらのスラブを第2表に示し熱
間圧延終了温度で2.0mm厚さの熱延鋼帯とし、その後同
じく第2の如くの熱延鋼帯焼鈍を施し、しかるのち1回
の冷間圧延で0.50mm厚さに仕上げ、引続いて湿潤雰囲気
で880℃90秒の脱炭兼再結晶焼鈍を施して成品とした。
これらの成品の磁気特性を第2表に併記した。これらか
ら、本発明の適合例は比較例に比し磁束密度が優れてい
ることが明らかである。
%,P:0.06%.Al:0.0009%,Sb:0.02%,を含み残部実質
的にFeよりなるスラブI〜Mを造った。これらの化学成
分に従い計算式(1)より求めたAr3変態点温度は890℃
であった。またAr3変態点温度は970℃で、Ar1変態点温
度は837℃であった。これらのスラブを第2表に示し熱
間圧延終了温度で2.0mm厚さの熱延鋼帯とし、その後同
じく第2の如くの熱延鋼帯焼鈍を施し、しかるのち1回
の冷間圧延で0.50mm厚さに仕上げ、引続いて湿潤雰囲気
で880℃90秒の脱炭兼再結晶焼鈍を施して成品とした。
これらの成品の磁気特性を第2表に併記した。これらか
ら、本発明の適合例は比較例に比し磁束密度が優れてい
ることが明らかである。
実施例3 実施例1と同様にC:0.019%,Si:0.27%.Mn:0.25%,P:
0.08%,Al:0.0007%を含むスラブN〜Rを造った。これ
らの化学成分より計算式(1)から求めたAr3変態点温
度は917℃であった。またA3変態点温度は997℃で、Ar1
変態点温度は800℃であった。これらのスラブを第3表
の如くの熱間圧延終了温度で2.3mm厚さの熱延鋼帯とし
た。
0.08%,Al:0.0007%を含むスラブN〜Rを造った。これ
らの化学成分より計算式(1)から求めたAr3変態点温
度は917℃であった。またA3変態点温度は997℃で、Ar1
変態点温度は800℃であった。これらのスラブを第3表
の如くの熱間圧延終了温度で2.3mm厚さの熱延鋼帯とし
た。
つづいて同じく第3表に示すような熱延鋼帯焼鈍を施
し、つづいて1回目の冷却圧延により0.543mmしたの
ち、湿潤雰囲気で750℃80秒の焼鈍を施し、引続き2回
目の冷間圧延により0.50mm厚さに仕上げてセミプロセス
成品とした。これらの成品の750℃,2Hrの歪取焼鈍後の
磁性特性を第3表に示した。これらから、本発明の適合
例が比較例より優れた磁束密度B50が得られることが明
らかである。
し、つづいて1回目の冷却圧延により0.543mmしたの
ち、湿潤雰囲気で750℃80秒の焼鈍を施し、引続き2回
目の冷間圧延により0.50mm厚さに仕上げてセミプロセス
成品とした。これらの成品の750℃,2Hrの歪取焼鈍後の
磁性特性を第3表に示した。これらから、本発明の適合
例が比較例より優れた磁束密度B50が得られることが明
らかである。
〈発明の効果〉 以上の如く、熱間圧延終了温度をAr3変態点温度より5
0℃を超えて高くはない範囲にし、この熱延鋼帯をA3変
態点温度以下で焼鈍し、この冷却過程でAr3変態点温度
からAr1変態点温度までの冷却速度を2〜10℃/秒にす
るか、もしくはAr1変態点温度から(Ar1変態点温度+50
℃)の範囲内で5〜30秒保持し、その後Ar1変態点温度
から100℃までを10℃/秒以上の冷却速度で冷却するこ
とにより、冷間圧延前の結晶粒の粗大化と、固溶Cの有
効利用による集合組織改善により優れた磁束密度を得る
ことができる。
0℃を超えて高くはない範囲にし、この熱延鋼帯をA3変
態点温度以下で焼鈍し、この冷却過程でAr3変態点温度
からAr1変態点温度までの冷却速度を2〜10℃/秒にす
るか、もしくはAr1変態点温度から(Ar1変態点温度+50
℃)の範囲内で5〜30秒保持し、その後Ar1変態点温度
から100℃までを10℃/秒以上の冷却速度で冷却するこ
とにより、冷間圧延前の結晶粒の粗大化と、固溶Cの有
効利用による集合組織改善により優れた磁束密度を得る
ことができる。
第1図は熱延鋼帯焼鈍の冷却過程における冷却速度の磁
束密度に及ぼす影響を示すグラフである。
束密度に及ぼす影響を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】低炭素鋼スラブを熱間圧延し、ついて、こ
の熱延鋼帯に焼鈍を施し、1回または中間焼鈍を挟む2
回の冷間圧延により製品厚としたのち焼鈍を施す無方向
性電磁鋼帯の製造方法において、該スラブの組成を重量
%で、C:0.005〜0.020%,SiもしくはSi+Al:1.5%以下,
Mn:1.0%以下,P:0.20%以下,SbおよびSnの何れか1種ま
たは2種の合計が1.0%以下を含み、残部実質的にFeよ
りなるものとし、該熱間圧延を該スラブの鋼中成分に応
じて定まる次式のAr3変態点温度:{891−900(C%)
+50(Si%)−88(Mn%)+190(P%)+380(Al
%)}℃より50℃を越えて高くはない範囲内のγ相領域
で終了させ、ついで、該熱延鋼帯をA3変態点温度以下で
30秒〜15分保持し、ついでAr3変態点温度からAr1変態点
温度までを2〜10℃/秒の速度で冷却するか、もしくは
Ar1変態点温度以上でそれより50℃の範囲内に5〜30秒
保持するかして、ついでAr1変態点温度から100℃までを
10℃/秒以上の速度で冷却することを特徴とする磁気特
性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1001939A JP2716987B2 (ja) | 1989-01-10 | 1989-01-10 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP1001939A JP2716987B2 (ja) | 1989-01-10 | 1989-01-10 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02182831A JPH02182831A (ja) | 1990-07-17 |
JP2716987B2 true JP2716987B2 (ja) | 1998-02-18 |
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DE69230239T2 (de) * | 1991-08-14 | 2000-04-13 | Nippon Steel Corp | Verfahren zur Herstellung eines nichtorientierenten Elektrostahlblechs mit guten magnetischen Eigenschaften |
-
1989
- 1989-01-10 JP JP1001939A patent/JP2716987B2/ja not_active Expired - Fee Related
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