JPH0434605B2 - - Google Patents

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JPH0434605B2
JPH0434605B2 JP28171088A JP28171088A JPH0434605B2 JP H0434605 B2 JPH0434605 B2 JP H0434605B2 JP 28171088 A JP28171088 A JP 28171088A JP 28171088 A JP28171088 A JP 28171088A JP H0434605 B2 JPH0434605 B2 JP H0434605B2
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JP
Japan
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molten metal
tig
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camshaft
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JP28171088A
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English (en)
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JPH02129313A (ja
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Yasuhiko Okunaka
Tsugunari Fujii
Tsuguo Yamanaka
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明はTIGアークによる表面再溶融チルカム
シヤフト鋳造用鋳鉄材料の製造法に関する。 〔従来の技術〕 エンジンのカムシヤフトとしてTIG(タングス
テンイナートガス)アークによる表面再溶融チム
カムシヤフトが知られている。このものは、鋳造
によりえられたカムシヤフト粗材のカム面を高密
度エネルギー源であるTIGアークで溶融し、自己
冷却による急冷により、その表面部のみに緻密な
チル層を形成したものである。 〔発明が解決しようとする課題〕 このようなTIGアークによる表面再溶融チルカ
ムシヤフト(以下、単にTIGカムシヤフトとい
う)鋳造用鋳鉄の製造においては、Fe−C−Si
−Mn−Ni−Cr−Moを元湯とする合金鋳鉄用溶
湯などを用いているが、TIGアークによる表面再
溶融処理(以下、単にTIG処理という)を行なう
際にガス(酸素ガス)の発生によるブローホール
などの表面欠陥を防止するためにCe(セリウム)
を微量添加し、酸素をCe2Oとして捕捉してガス
化を防止している。 また前記元湯の調製にあたつては一般的な方法
としてキユーポラ溶解法と低周波誘導溶解法の2
種があるが、キユーポラ溶解法でえられた元湯中
にはS(硫黄)が0.15〜0.30%(重量%、以下同
様)程度含有されており、この多量のSがTIG処
理時にSO2ガスとなつてブローホールを生じ製品
に悪影響を及ぼすばかりでなく、このSO2ガスが
TIG電極(タングステン電極)を大巾に劣化消耗
させる。 一方、低周波誘導溶解法による元湯はS含有量
が0.02%以下であり、このS量であればキユーポ
ラ溶解法による元湯を用いるばあいの前記のごと
き不具合はないことが確認されている。 このため、TIGカムシヤフト用元湯としては低
周波誘導溶解法による元湯またはキユーポラ溶解
法によるばあいは脱硫処理を施した元湯を用いて
いる。 TIGカムシヤフト用鋳鉄材料のばあい、前述の
ごとくTIG処理時の表面欠陥の発生防止のため
Ceを微量添加するが、Ceを保持炉中で添加する
と時間の経過とともにCe量が激減することが確
認されている。これはCeが溶湯中の酸素、硫黄
などと結合し、非金属介在物となり、溶湯保持中
にノロとなつて溶湯から分離するためと推擦され
ている。 そこでCeを保持炉から出湯時に取鍋中で添加
することが行なわれている。 しかしCeの取鍋中での添加は、 Ceは溶湯中での拡散速度が非常に遅い、 Ceは鋳鉄の状態図中の液相線を上昇させる、 ことに起因して、つぎのごとき問題を有する。 (1) Ceが取鍋の溶湯中で充分拡散せず、局部的
に偏析を起す。 (2) Ceが偏析し、局部的にCe濃度が上昇した部
位の溶湯の液相線が上昇する。 (3) このような溶湯を鋳型に注湯すると、溶湯通
路を通過中の温度低下により、通常の溶湯より
早く初晶オーステナイトが生成する。 (4) 初晶オーステナイトが溶湯の流動を阻害し、
かつ溶湯通路を遮断するための湯廻り不良とな
り、鋳造欠陥のある製品を生じる。 (5) Ceの偏析部分では、局部的に黒鉛化が阻害
され、セメンタイトが析出し、被削性が著るし
くそこなわれる。 前記問題点を解決するには、たとえばCeを出
湯時に均一固溶させ、偏析させないようにするこ
とが考えられるが、これを達成するために出湯温
度を高くすると、注湯中にCeが激減するという
問題が生ずる。Ceを保持炉で添加することは前
述のごとくやはりCeが激減するため採用しえな
い。 本発明は前記の点に鑑みて、TIGカムシヤフト
用鋳鉄材料の製造において、TIG処理時の表面欠
陥の発生防止のためにCeを添加するばあいの前
記のごとき問題点を解決して鋳造欠陥のない製品
をうることを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、TIGアークによる表面再溶融チルカ
ムシヤフト鋳造用鋳鉄材料を製造するに際して、
元湯としてC3.20〜3.80%、Si1.00〜2.30%、
Mn0.05〜1.00%、Ni0〜0.5%、Cr0〜0.8%、Mo0
〜0.5%、残部Feおよび微量のSからなる溶湯を
用い、取鍋中で該溶湯中のS量を0.025〜0.070%
に調整すると共に、Ceを0.007〜0.025%添加する
ことを特徴とするカムシヤフト用鋳鉄材料の製造
法に関する。 〔作用〕 溶湯中のCe量に合せてS量を前記のごとく調
整することによつて、液相線の上昇がおさえら
れ、またCeの偏析が起らない。 〔実施例〕 本発明においては、カムシヤフト鋳造用合金鋳
鉄の元湯としてC3.20〜3.80%、Si1.00〜2.30%、
Mn0.05〜1.00%、Ni0〜0.5%、Cr0〜0.8%、Mo0
〜0.5%、残部Feおよび微量のSからなるものが
使用される。 TIG処理時のSO2ガスによるブローホールの発
生を防止しかつTIG電極の消耗を抑えるため、S
含量の低い低周波誘導溶解法による元湯を使用す
る。キユーポラ溶解法による元湯を用いるばあい
はS含量を下げて用いる。 本発明においては、このような元湯に、TIG処
理時におけるO2ガスによるブローホールの発生
を防止するためにCeを添加するのであるが、添
加したCeの減量を防止するため取鍋中で添加す
る。 Ceの添加量はTIG処理時のO2ガスによるブロ
ーホールの発生防止の観点から0.007〜0.025%が
適当である。 Ceの添加の際にS量を0.025〜0.070%に調整す
る(通常は元湯にSを添加してS量を高くする)。 このようにCe量に合せてS量を調整すること
によつて、液相線の上昇がおさえられ、Ceの偏
析も起らなくなる。 すなわち、S量をCe量に合せて調整すること
により、CeをSと反応させてCeSとし、硫化物の
形の非金属介在物にすることにより、金属Ceに
くらべて溶湯中での均一拡散が容易となる。 また溶湯中でのCeを金属ではなく非金属介在
物化することにより、状態図中の液相線に対する
影響を排除し、初晶の発生を抑制することができ
る。 このような効果により、Ceを取鍋中で添加す
ることが可能となり、湯廻り不良による鋳造欠陥
の発生と、TIG処理時のO2ガスによるブローホ
ールの発生を共に防止することが可能となり、そ
れによりTIGカムシヤフトの安定した量産製造が
可能となつた。 しかして溶湯中のS量は0.025〜0.070%とする
必要がある。S量が0.025%より低いとCeの偏析
を防止しえなくなり、0.070%より高いとTIG処
理時にSO2ガス発生に起因する不具合が生じる。 なお、本発明においてはCeをCeSとして残留さ
せるわけであるが、TIG処理上Ceを金属として
残留させるばあいにくらべて何らの不都合もない
ことが確認されている。その理由は、非金属介在
物CeSの熱分解温度は約2800℃であるが、これに
対してTIG処理温度(TIGトーチ温度)は約5000
〜6000℃であることから、非金属介在物となつた
CeでもTIG処理時に熱分解により、金属Ceとな
り、酸素の捕捉に対しては同等の効果を発揮する
ものと推定されている。またS量は0.070%以下
であるから、このS分がSO2ガスになつたとして
もブローホールを生じる惧れはない。 前記のごとき効果の付帯効果として、従来にお
いては湯廻り不良に致らずとも、Ceの局部的偏
析により組織中の黒鉛の生成、成長が抑制されて
白銑化し、被削性が大巾に阻害されるという不具
合があつたが、本発明ではこのような不具合も当
然解消される。 本発明の方法をより具体的に述べると、低周波
誘導炉で前記のごとき合金鋳鉄用元湯の成分調整
を行ない、保持炉に出湯し保持する。保持温度は
1400〜1550℃程度である。 保持炉中の溶湯を取鍋にとり、金属Ceを添加
すると共に硫化鉄などをの硫黄化合部を加えてS
量を所定濃度に調整する。 最終的な溶湯組成はC3.35〜3.50%、Si1.80〜
2.30%、Mn0.60〜0.70%、Ni0.11〜0.15%、
Cr0.40〜0.60%、Mo0.15〜0.21%、S0.025〜0.035
%、Ce0.007〜0.025%、残部実質的にFeからなる
ものである。 このように処理した容湯を鋳型に注湯してカム
シヤフト粗材を鋳造する。出湯温度は1350〜1250
℃程度であり、この程度の出湯温度でも湯廻り不
良が生じない。 えられたカムシヤフト粗材を粗加工したのちカ
ム面をTIG処理してチル化し、仕上げ加工するこ
とによりカムシヤフトがえられる。 つぎに参考例、実施例および比較例をあげて本
発明を説明する。 参考例 1 Ceを所定溶湯に保持炉中で添加したばあいの
保持時間とCe濃度の減少との関係を調べた。 元湯として低S量元湯(S=0.020%)および
高S量元湯(S=0.070%)を用い、これにCeを
0.10%添加した。 結果を第1図および第2図に示す。 参考例 2 Ceを所定溶湯に取鍋中で添加したばあい、Ce
の溶湯中での拡散速度が遅いことに起因して製品
中のCe濃度にバラツキが生じることを調べた。 元湯(S=0.020%)に取鍋中でCeを0.015%添
加し、これを10枠にわけてテストピースを鋳造
し、テストピース中のCe濃度を測定した。 結果を第3図に示す。 参考例 3 Ceの添加により鋳鉄の状態図中の液相線が上
昇し、放冷時に初晶が早く析出することを調べ
た。 所定溶湯(S=0.020%)にCeを各種濃度で添
加し、冷却曲線を求めた。結果を第4〜7図に示
す。Ce濃度と第4〜7図との対応関係はつぎの
とおりである。 第4図…Ce無添加 第5図…Ce=0.005% 第6図…Ce=0.010% 第7図…Ce=0.015% 第4〜7図においてTLは初晶温度、TEは共晶
温度を意味する。 実施例1〜3および比較例1〜3 低周波誘導炉で成分調整した下記組成の元湯を
保持炉に出湯し、1450℃で保持した。 元湯組成 C3.38%、Si1.82%、Mn0.62%、 Ni0.13%、Cr0.43%、Mo0.20%、 S0.015%、残部Fe 保持炉中の元湯を取鍋にとり、FeSおよびCeを
同時に添加してS濃度、Ce濃度を調整した。処
理した溶湯の最終組成を第1表に示す。
【表】 取鍋中の溶湯を1320〜1280℃で鋳型に注湯し、
カムシヤフトを鋳造した。 鋳造したカムシヤフト粗材について鋳造欠陥の
有無を調べた。結果を第2表に示す。 ついでカムシヤフト粗材を粗加工したのち、カ
ム面にTIG処理を施した。TIG処理はカムシヤフ
トを回転させながら、TIGトーチをカムの幅方向
に往復動することによつて行なつた(TIGトーチ
の軌跡はカム面を巾方向にオシレートすることに
なる)。 TIG処理条件の詳細はつぎのとおりである。 電極ワーク間距離:2mm ワーク周速:1.3mm/秒 オシレーシヨン振幅:10mm オシレーシヨン回数:66回/分 シールドガス:アルゴン シールドガス流量:10/分 電 圧:13V 電 流:100〜140A TIG処理したカム面について、表面欠陥の有無
を観察し、かつ表面硬度(Hv)、硬化深さ〔硬度
(Hv)が600以上の点のカム表面からの深さ
(mm)〕を測定した。結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕
TIGアークによる表面再溶融チルカムシヤフト
用鋳造材料においてTIG処理時の酸素ガスによる
ブローホールの発生を防止するために溶湯にCe
を添加するばあいの湯廻り不良による鋳造欠陥
を、取鍋中でCe濃度に合せてS濃度を調整し、
Ceを非金属介在物とすることによつて防止でき
る。 それによつて、鋳造欠陥およびTIG処理時の表
面欠陥のないTIGカムシヤフトを安定して量産す
ることが可能となつた。
【図面の簡単な説明】
第1〜2図はCeを所定溶湯に保持炉中で添加
したばあいの保持時間とCe濃度との関係を示す
グラフ、第3図はCeを所定溶湯に取鍋中で添加
したばあいの製品中のCe濃度のバラツキを示す
グラフ、第4〜7図はCeを添加した溶湯の冷却
曲線を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 TIGアークによる表面再溶融チルカムシヤフ
    ト鋳造用鋳鉄材料を製造するに際して、元湯とし
    てC3.20〜3.80重量%、Si1.00〜2.30重量%、
    Mn0.05〜1.00重量%、Ni0〜0.5重量%、Cr0〜0.8
    重量%、Mo0〜0.5重量%、残部Feおよび微量の
    Sからなる溶湯を用い、取鍋中で該溶湯中のS量
    を0.025〜0.070重量%に調整すると共に、Ceを
    0.007〜0.025重量%添加することを特徴とするカ
    ムシヤフト用鋳鉄材料の製造法。
JP28171088A 1988-11-08 1988-11-08 カムシャフト用鋳鉄材料の製造法 Granted JPH02129313A (ja)

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