JPH04345694A - 消泡剤およびアルカリ洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、消泡剤、特にアルカリ
洗浄のような起泡性の洗浄液に添加されてその発泡を防
止する消泡剤、およびこの消泡剤を配合したアルカリ洗
浄剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】金属、ガラス、陶磁器、プラスチック等
の硬質表面の洗浄には、一般にアルカリ洗浄剤が使用さ
れており、洗浄剤性能の向上のために界面活性剤が配合
される場合がある。しかしながら、界面活性剤は起泡性
を有するので洗浄液が発泡し、洗浄作業や排水処理にお
ける作業能率の低下をきたす。また、洗浄による除去の
対象となる汚れが発泡性を有する場合も、上記と同様に
発泡障害が生じる。例えば、圧延処理後の圧延鋼板には
牛脂等の圧延用油脂が付着しているが、これをアルカリ
洗浄すると洗浄液中で油脂がケン化されて石けんを生成
し発泡する。

【０００３】そこで、金属の電解洗浄、金属、ガラス、
陶磁器、プラスチック等の硬質表面のスプレー洗浄、浸
漬洗浄、超音波等のアルカリ洗浄に用いる洗浄剤または
洗浄液に消泡剤を添加することが提案されている。消泡
剤としては、シリコーン油等のシリコン系消泡剤が一般
的である。しかしシリコーン系消泡剤は、被洗物へのＳ
ｉイオンの付着による品質劣化の問題がある。

【０００４】また、１級アミンのエチレンオキシド付加
物などのチッ素系消泡剤を、金属洗浄剤に使用すること
が提案されている（特開昭６２−１４６２８５号公報）
。しかしチッ素系消泡剤は、消泡効果が必ずしも十分で
なく、また、排水中にＮ分が含まれることから環境への
影響が懸念される。

【０００５】Ｓｉ，Ｎ等の元素を含有しない消泡剤とし
ては、電解洗浄液における高級アルコールの添加（特公
昭６０−５６４３９号公報）、アルカリ洗浄剤における
ポリエーテルポリオール、エチレンオキシド・プロピレ
ンオキシド共重合物の使用（特開昭５８−７２０００号
公報）が提案されている。しかしこれらは、消泡効果に
おいて必ずしも十分でなく、また前者はアルコール臭に
よる作業環境の悪化が問題であった。

【０００６】以上、特にアルカリ洗浄を中心とする洗浄
の際の発泡の弊害およびこの対策を説明したが、アルカ
リ洗浄以外の洗浄分野あるいは洗浄以外の産業分野にお
いても同様のことが言え、例えばこの一例として、アル
ミニウム、プリント基板などアルカリにより腐食が生じ
る場合等の中性洗浄などを挙げることができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ｓｉ，Ｎ等
の元素を含まず、しかも、抑泡効果に優れた消泡剤、お
よびこれを配合したアルカリ洗浄剤組成物を提供するも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の消泡剤は、以下
の化３で示される化合物からなることを特徴とする。

【０００９】

【化３】ＲＯ（Ｃ３Ｈ６Ｏ）ｎＨ （Ｒ：炭素数１０〜２０のアルキル基またはアルケニル
基ｎ：プロピレンオキシドの平均付加モル数を表わし、
１〜４の数）

【００１０】本発明のアルカリ洗浄剤組成物は、以下の
（ａ）および（ｂ）成分を含有することを特徴とする。 （ａ）　アルカリ剤。 （ｂ）　上記化３で示される消泡剤。

【００１１】

【実施態様】上記化３の化合物（消泡剤）は、脂肪族高
級アルコールのプロピレンオキシド平均１〜４モル付加
物である。化３におけるアルコールの炭素鎖長Ｒは１０
〜２０、好ましくは１２〜１８である。また、Ｒは飽和
でも不飽和でも、分枝でも直鎖でもよい。

【００１２】アルコールの炭素鎖長Ｒが８よりも短くな
ると消泡効果が低下し、一方、２０を超えると融点が高
くなり、製品の安定性が劣化する。

【００１３】プロピレンオキシドの平均付加モル数が１
より小さかったり４より大きいと、消泡効果が劣り、ま
た、１より小さい場合はアルコール臭による作業環境の
劣化をまねく。

【００１４】本発明の消泡剤は、使用に際して洗浄液な
どに消泡対象物に添加してもよく、また、予め他の洗浄
成分と混合して製剤化してもよい。

【００１５】本発明の消泡剤の添加量は、消泡対象物の
性状、洗浄すべき汚れの量によっても異なるが、洗浄液
中に０．１重量％以上含まれる量で添加することが適当
である。例えば、汚れとして牛脂が付着した鋼板などの
被洗物を、牛脂が０．２重量％含まれる洗浄液中で、洗
浄成分として水酸化ナトリウム２重量％含む洗浄液でア
ルカリ洗浄する場合は、本発明の消泡剤を洗浄液に０．
２重量％以上添加することにより十分な消泡効果が得ら
れる。

【００１６】また、洗浄剤組成物などとして製剤化する
場合には、本発明の消泡剤を組成物中に０．５〜１０重
量％配合することが望ましい。

【００１７】本発明のアルカリ洗浄剤は、アルカリ剤と
上記の消泡剤とを含み、さらに、アルカリ洗浄に使用さ
れる公知のノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、
キレート剤、その他ビルダーなどを含有することができ
る。ノニオン界面活性剤としてはポリオキシエチレンア
ルキルエーテル（アルキル基；オクチル、デシル、ラウ
リル、ステアリル、オレイル等）、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル（アルキル基；オクチル、ノ
ニル等）、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
ブロックコポリマーなどが挙げられる。アニオン界面活
性剤としては、アルキルサルフェート、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼン
スルホネート、カルボキシレート系界面活性剤、フォス
フェート系界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸ホ
ルマリン縮合物、ポリカルボン酸型界面活性剤などが挙
げられる。

【００１８】ここでアルカリ剤としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ムなどが用いられ、特にアルカリ金属の水酸化物が好ま
しい。アルカリ剤は一般に組成物中に２０〜４０重量％
配合される。

【００１９】キレート剤としては、エチレンジアミン四
酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩等のアミノカルボン酸塩；グ
ルコン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩等のオキシカルボ
ン酸塩；ヒドロキシエチリデンホスホン酸塩等のオキシ
ホスホン酸塩などが用いられる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、特定の高級アルコール
のプロピレンオキシド付加物を消泡剤として用いること
により、洗浄液等の発泡性液の起泡を効果的に防止する
ことができる。

【００２１】特に、金属の電解洗浄、金属、ガラス、陶
磁器、プラスチック等の硬質表面のスプレー洗浄、浸漬
洗浄、超音波洗浄等のアルカリ洗浄に用いる洗浄剤また
は洗浄液に添加することにより、有効かつ長期間安定に
消泡効果を発揮する。

【００２２】また、圧延鋼板のアルカリ洗浄などにおい
ては、洗浄による除去対象となる汚れ中の油脂等がアル
カリによるケン化を受けて石けんとなる。本発明の消泡
剤は、このように汚れの除去により洗浄液の発泡性が増
長される場合においても、洗浄液の発泡を長期間にわた
って効果的に抑制することができる。

【００２３】

【実施例】

実施例１ 高級アルコールのプロピレンオキシドおよび市販消泡剤
について、抑泡性を評価した。

【００２４】この評価は、図１に示した容量３リットル
の容器１１に消泡剤入りテスト液２１を１リットル入れ
、モータＭにより１２００ｒｐｍでパドル１３を回転し
て撹拌するとともに、窒素Ｎ２を１リットル／分の量で
吹き込み、　ポンプＰで消泡剤入りテスト液２１を２．
５リットル／分の速度で循環することにより行なった。

【００２５】テスト液として、２％の水酸化ナトリウム
水溶液に牛脂を０．２重量％添加し、８０℃で８時間加
熱後に徐冷したものを用い、このテスト液に対して０．
２重量％の消泡剤を各々添加したものを上述のように容
器２１に入れ、温度７０℃で実験し、１分後、５分後、
３０分後の泡高を測定して、抑泡性の目安とした。以上
の結果を、表１に示す。

【００２６】

【表１】 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　ＰＯの平均　　　　　　　　　　　　
泡　　高（ｍｍ）　　　　消泡剤Ｎｏ．　　　高級アル
コールの種類　　　　付加モル数＊１　　１分後　　５
分後　　３０分後　　　　１　　　　ラウリル（Ｃ１２
）　　　　　　　　　　　　　　　　１．８　　　　　
　　　　５０　　　　　　６０　　　　　　８０　　　
　２　　　　ラウリル（Ｃ１２）　　　　　　　　　　
　　　　　　２．１　　　　　　　　　６０　　　　　
　７０　　　　　　７０実　　３　　　　ステアリル（
Ｃ１８）　　　　　　　　　　　　　　２．２　　　　
　　　　　３０　　　　　　３０　　　　　　５０施　
　４　　　　ステアリル（Ｃ１８）　　　　　　　　　
　　　　　４．０　　　　　　　　　３０　　　　　　
５０　　　　　　８０例　　５　　　　オレイル（Ｃ１
８）　　　　　　　　　　　　　　　　２．４　　　　
　　　　　２０　　　　　　３０　　　　　　３０　　
　　６　　　　２−ヘプチル　　　　　　　　　　　　
　　　　　　２．５　　　　　　　　　　５　　　　　
　１０　　　　　　４０　　　　　　　　　　　　ウン
デカノール（Ｃ１８）　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
比　　７　　　　ノニル（Ｃ９）　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　３．０　　　　　　　　　６０　　
　　　１５０　　　　　　−較　　８　　　　ラウリル
（Ｃ１２）　　　　　　　　　　　　　　　　５．４　
　　　　　　　１５０　　　　　　−　　　　　　−例
　　９　　　　オレイル（Ｃ１８）　　　　　　　　　
　　　　　　　０　　　　　　　　　　　６０　　　　
　１４０　　　　　　−　　　　　　１０　　　　　　
　　　　　　　　プルロニックＬ６１　　　　　　　　
　　　　　　　　３０　　　　　１５０　　　　　　−
市　　１１　　　　　　　　　　　　　　テトロニック
７０２　　　　　　　　　　　　　　　　　２０　　　
　　１４０　　　　　　−販　　１２　　　　　　　　
　　　　　　レオコン１０２０Ｈ＊２　　　　　　　　
　　　　　　　　２０　　　　　　５０　　　　　１５
０品　　１３　　　　　　　　　　　　　　流動パラフ
ィン（＃３０）　　　　　　　　　　　　　　５　　　
　　　１０　　　　　１５０　　＊１）　ＰＯ：プロピ
レンオキシド ＊２）　２−エチルヘキサノールのエチレンオキシド・
プロピレンオキシド付加体

【００２７】実施例２ 以下の組成の洗浄剤組成物を調製し、洗浄剤濃度５％で
金属（圧延鋼板）に用いたところ、いずれも良好な抑泡
性を示した。なお、ＰＯＥはエチレンオキシドの平均付
加モル数を示す。

【００２８】 　　（１）　洗浄剤組成Ａ（アルカリ洗浄剤）　　　　
水酸化ナトリウム　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
３２ｗｔ％　　　　グルコン酸ナトリウム　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　５ｗｔ％　　　　エチレンジアミン四
酢酸４ナトリウム　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　２ｗｔ％　　　　ポリアクリル酸ナト
リウム　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　５ｗｔ％　　　　Ｃ１２ア
ルコールのプロピレンオキシド平均２．５モル付加物　
　　　　　　　５ｗｔ％　　　　水　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　バランス

【
００２９】 　　（２）　洗浄剤組成Ｂ（プリント基板洗浄用中性洗
浄剤）　　　　ポリオキシエチレン（ＰＯＥ＝１５）ノ
ニルフェニルエーテル　　　　　　　　　　４０ｗｔ％
　　　　ポリオキシエチレン（ＰＯＥ＝８）ノニルフェ
ニルエーテル　　　　　　　　　　１０ｗｔ％　　　　
Ｃ１２アルコールのプロピレンオキシド平均２．５モル
付加物　　　　　　　　５ｗｔ％　　　　プロピレング
リコール　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　２５ｗｔ％　　　
　水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　バランス

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例で用いた実験方法の説明図であ
る。

【符号の説明】

１１　　容器 １３　　パドル ２１　　消泡剤入りテスト液 Ｍ　　モータ Ｐ　　ポンプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　化１で表わされる化合物からなること
   を特徴とする消泡剤。 【化１】ＲＯ（Ｃ３Ｈ６Ｏ）ｎＨ （Ｒ：炭素数１０〜２０のアルキル基またはアルケニル
   基ｎ：プロピレンオキシドの平均付加モル数を表わし、
   １〜４の数）
2. 【請求項２】（ａ）　アルカリ剤 （ｂ）　化２で表わされる消泡剤 を含有することを特徴とするアルカリ洗浄剤組成物。 【化２】ＲＯ（Ｃ３Ｈ６Ｏ）ｎＨ （Ｒ：炭素数１０〜２０のアルキル基またはアルケニル
   基ｎ：プロピレンオキシドの平均付加モル数を表わし、
   １〜４の数）